Arco Iris   作:パワー系ゴリラ

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出たとこ勝負

「あ〜…取り敢えず避難しようか」

 

正体不明の影を一瞬で消し去った祐は周囲に避難を提案する。しかしあまりに突然の出来事に薫達は固まってしまっていた。影が出現したこともそうだが、何より驚いたのは祐の動きだ。目にも止まらぬ速さで影を無力化した手際はまぐれでは説明がつかない。どう見ても素人の身のこなしではなかった。

 

「あっ、えっと…」

 

何か言わなければと春香は声を出す。しかしなんと言えばいいかまでは思い付かなかったようだ。今も必死に言葉を探している様子である。

 

この状況はまずい。そう判断した純一が無理矢理空気を変えようと動こうとした時、思わぬ人物から声が上がった。

 

「逢襍佗君に賛成よ」

 

「遠坂?」

 

急にどうしたと目で聞いてくる綾子を一見してから周りを窺う。注目はこちらに集められたようだ。

 

「さっきのがなんなのか分からないけど、突然床から出てきたことを考えると狭い場所に居続けるのが得策とは思えないわ。せめてもう少し広い所に行くべきじゃないかしら」

 

「あの影みたいなのがところ構わず現れるっていうなら、確かに建物の中は危ないかもな」

 

凛の意見に士郎が同意する。入り口を塞げるのならまだしも、影は自由自在に出現しているように見えた。そうなると通路が決まっている室内は寧ろ危険な可能性がある。

 

「僕も賛成。ここだと壁に追い詰められたら逃げられないし」

 

純一も凛の意見を後押しした。他の生徒達とは理由の違う不安を悟られないように冷静を装って提言する。このまま祐に注目が集まるのを回避したかったのだ。

 

「しかし外にもあの影がいるならどう対処する?」

 

「俺がなんとかするよ」

 

鐘から至極真っ当な疑問が出ると祐が即答した。鐘だけではなく、再び全員の視線が集中する。そんな祐の表情に焦りはない。しかし瞳に映ったのはクラスメイトには馴染みがない、真剣でどこか冷たい顔付きだった。

 

「お、お前何言ってんだよ!さっきのがなんなのかよく分かんないのに!」

 

楓は言いながら祐に詰め寄る。理由は祐がふざけていると思ったからではない。彼が本気であの影と戦おうとしている気がしたからだ。確かに先程は一撃で倒したのかもしれないが、次も上手くいくとは限らない。相手が何者かも分からないというのに、祐の行動は余りにも危険すぎる。

 

「実は秘密にしてたけど、俺結構強いんだ。殴り合いには自信がある」

 

「そんな話してんじゃ」

 

「おわぁ〜〜〜‼︎」

 

楓がさらに距離を詰めようとした時、廊下から男子生徒と思われる声が聞こえた。

 

「士郎、ここ頼む」

 

「ああ」

 

「おい逢襍佗!」

 

素早く反応した祐は士郎に一言掛けてから廊下に飛び出す。するとそこには何故が膝を抱えて俯いている複数の男子生徒と逃げ惑う女子生徒、そして複数の影がいた。

 

「随分数を揃えたな」

 

小声で呟くと影の赤く光る目がこちらに向けられる。それを受けて尚、祐に動揺は見られなかった。

 

「そこの人達に何をした」

 

「ネガティブにしてやったのさ」

 

「……なんて?」

 

どこか自慢気に影は答えた。しかし理解出来なかった祐は思わず聞き返してしまう。消し去った影からも殺気は感じなかったが、今目の前にいる影からもその類の感情は向けられていない。祐は首を傾げたくなった。

 

「我々の目的はクリスマスの撲滅」

 

「故に調子づいている男共をネガティブにしている」

 

「長きに渡り我々を苦しめてきた陽の者の日は終わりを告げ、今日という日にクリスマスは我々陰の者が支配するのだ」

 

(く、くだらねぇ…)

 

影は嘘を言っていない。そう感じたからこそ全身から力が抜けた。いざとなればクラスメイトの前でも力の解放を辞さない気でいたことがなんとも馬鹿らしくなる。しなくていいのならそれに越したことはないものの、自分の覚悟を返してほしいと思わずにはいられなかった。ただ今の会話である出来事と影の存在が祐の中で結びつく。

 

(なるほど、街で起きてた事件もこいつらが原因ってわけだ)

 

突如男性が気落ちした状態に陥るという謎の事件。その被害者に会う前に実行犯に会うとはなんとも奇妙な気分である。しかしある意味色々と手間が省けたと言っていいだろう。よりにもよってこの日にという点だけはいただけないが。

 

「お前も、随分と浮かれているようだな」

 

「その帽子が何よりの証拠だ」

 

影達の声に祐は視線と意識を自分の頭上に向ける。そういえばクリスマスツリーの帽子をかぶったままだった。つい先程まで真剣な雰囲気でいたが、もしかすると周りからは相当間抜けに映っていたのかもしれない。

 

「こいつも攻撃対象だ!」

 

「我々の怒りを思い知れ!」

 

『ネガティブ光線‼︎』

 

影から光線が発射されるも、祐は僅かな動きで回避する。影がその身のこなしに動揺している隙に距離を詰めた祐は、まず向かって左の影に強烈な正拳突きを放つ。衝撃に耐えられず対象が消滅したことなど気にもせず、祐の動きは止まらない。右側の影が動き出した時には既に高く上げた左足がその顔を蹴り飛ばしていた。

 

(脆いな、使うまでもない)

 

相手の強度は把握した。あのよく分からない光線は注意すべきだろうが、それ以外の能力はそれ程高くはなさそうだ。生憎影はこの廊下だけでも複数確認できる。取り敢えずここにいるものを片付けて大方の実力を計らせてもらうとしよう。息つく暇もなく二体を消滅させられた影の動きは鈍っている。好都合だ。

 

「や、奴がこっちに来るぞ!」

 

「怯むな!前進あるのみ!」

 

己を鼓舞するかのように声を出して影の目が光る。飛んでくる光線を壁を使用した三角跳びで避けながら祐は迫った。

 

「こいつ速い⁉︎」

 

「怯むな!前進あるのブァ‼︎」

 

言葉の途中で祐の裏拳を顎に受けた影が消える。とどまる事を知らない祐の勢いに影は恐怖した。

 

「逢襍佗のやつ本当に強いぞ…」

 

「正にちぎっては投げ、というやつだな」

 

「す、凄い…」

 

教室のドアから顔を覗かせる楓達は、今の光景をまるで幻かのように見ていた。無数の影は勿論のこと、そんな存在を相手に大立ち回りをする祐に現実味がなかったからだ。

 

早々に最後の一体を消し去った祐は逃げていた生徒達に視線を向ける。それから光線を受けた生徒を確認すると一つの法則が浮かび上がってきた。仮にこの法則が当たっているのなら今後取るべき行動は変わってくる。祐はこちらを見つめる楓達の元へ進んだ。

 

「あ、逢襍佗君大丈夫?怪我とかしてない?」

 

「全然、この通りピンピンしてるよ」

 

「そっか…良かった」

 

心配している春香の不安を軽くする為、祐は普段通りの笑顔で返事をした。しかし彼女からの笑顔はぎこちない。春香以外もどう反応すればいいか分からないといった表情だ。しかしそんな中でも何人かは冷静を保っている。祐としては大変ありがたい。

 

「ところでみんな、さっきの影が言ってたこと聞こえてた?」

 

「クリスマスを撲滅とかなんとかって話なら」

 

由紀香は答えながら周りを見回す。他のメンバーも頷くなどして同意しているので全員聞いていたようだ。

 

「オッケー、そんじゃ聞いてくれ。どうやら見た感じ、あの影が出したビームらしきものに当たると廊下にいる人達みたいになるっぽいんだ」

 

「あの人達はどうなってるんだ?」

 

「極度のネガティブ状態になってる…と思う。あの影がネガティブ光線とか言ってたし」

 

「そ、そうか…」

 

士郎も士郎で話を聞いていると気が抜けそうになる。まだまだ予断を許さない状況であることは承知しているつもりなのだが、そうは言っても深刻に受け止められないのが正直なところであった。

 

「それでここが重要なんだけど、もしかするとあの影は男にしか攻撃してこないかもしれない」

 

「えっ、どうして?」

 

「言われてみると、そこで塞ぎ込んでいるのは男子だけだな」

 

祐が伝えようとしたことを一成は素早く読み取ってくれた。彼の言葉に周りも再度廊下を確認すると、影が消えたことで一旦落ち着いたのか足を止めて肩で息をする生徒達は全員が女子生徒だっだ。そして未だ膝を抱える生徒は男子のみ。恐らく偶然ではないだろう。外の街とこの場での被害者、そして影の口振から標的は男性に限られているのかもしれないと祐は考えていた。

 

「そう言えばニュースで見たわ。街で男の人が急に落ち込んじゃうって話」

 

「けどなんでまた男だけ狙うんだ?」

 

「それは分からん。まだ確証があるわけでもないからね」

 

正吉の疑問に答えることはできない。この仮説も所詮はただの予想でしかないのだ。確かめる術はあるにはあるがここでは難しい。実行するには女性の相手役が必要になる。それだけならば問題はない、重要なのは予想が外れた時にはその相手役も危険に晒されることだ。

 

「だからこそ、この説が正しいか確かめたい。作戦はあるけど相方が必要で、俺の考えが見当違いだった場合はその人も標的になる可能性がある。ただ幸い俺の知り合いにこういった有事に強い人がいるから、避難しながらその人と俺が合流して」

 

「もしその検証に女性が必要ってことなら、私が協力するわ」

 

「遠坂さん⁉︎」

 

「おいおい…」

 

祐が話終わる前に凛がまさかの名乗りを上げた。当然周りからは驚きの声が上がり、祐は黙って凛を見つめる。流石に今回は静観できなかった綾子が凛の肩に手を置いて振り向かせた。

 

「さっきからどうしたんだよ遠坂、やけに積極的過ぎやしないか?」

 

「こんな状況だもの、可能な限り事態の早期解決を目指したいじゃない」

 

「それはそうだけど…」

 

事件が早く解決するならそれに越したことはない。それには綾子も同意する。しかし祐の作戦には危険が伴うと言っていた。先程の活躍から見るに祐は確かに強いのだろうが、それでも不確定要素がまだまだ多い。

 

「さっきも言ったけど、あくまでこれは俺の予想だ。外れたら危険な目にあう可能性は高いよ?」

 

これは念押しだろう。祐は真っ直ぐに凛と目を合わせて伝えた。しかし危険なことだとは承知の上である。伊達や酔狂で物を言っているわけではない。ここで声に出して言うわけにはいかないが、これでもそれなりの修羅場は潜り抜けてきたのだ。

 

「勿論覚悟してるわ、口ではなんとでも言えるけどね。それに」

 

一歩進んで祐に近付く。クラスメイトになって半年以上が経った中で、こうしてお互いにしっかりと見つめ合って話すのは初めてのことだった。理由はきっと、凛の祐に対する警戒心が理由だ。あの日、超に話を持ち掛けられなければこうはなっていなかっただろう。

 

その時の会話を思い出す。あの時は半信半疑だったが、今となってはこういった状況を見越しての発言だったのかともしれないと思えた。実際のところはどうなのか、それは分からない。ただ確かに言えるのは彼女はどこまでも底が知れず、油断ならない警戒すべき存在であるということだ。

 

(まぁ、それは彼も同じだけど…)

 

「危なくなったら、逢襍佗君が守ってくれるんでしょ?」

 

心の中の声は隠して祐に問い掛ける。こちらを見定めるかのような彼の真剣な眼差しは、自分を覆う分厚い鎧を無視して心の奥底を覗いているかのようだった。

 

「全力で守るよ、なんとしても」

 

 

 

 

 

 

「どうなってんだよこれ…」

 

慣れないながらもクリスマスパーティーに参加していた千雨は今や様変わりしてしまった光景にげんなりとしていた。よく分からない影のような物体が湧き出てきたかと思えば周囲の生徒達を追い回し、挙げ句の果てにネガティブ光線なるふざけた光線を発射しているではないか。いつぞやの時は夢の中だったが、これはれっきとした現実である。

 

「くらった奴はなんかぶつぶつ言ってるし、意味が分からん…」

 

「確かによく分かりませんが避難した方がいいでしょう。行きますよ千雨さん」

 

「あっ、おい!」

 

千雨の手を握ったザジは人混みを避けて進み始めた。躓きそうになりながらもなんとか後についていく。今も周辺では謎の影による犠牲者が増え続けていた。

 

「悲しみを力に!ネガティブ光線‼︎」

 

「ぎえ〜〜〜‼︎……なんでデートは俺がいつも奢らなきゃいけないんだ…」

 

「なんなんだよあの馬鹿みてぇな光線は!」

 

「殺傷能力はなさそうですね、一安心です」

 

「安心できるか!」

 

せっかく平和に終わると思っていたというのに、とんだ災難に巻き込まれてしまった。色々と言いたいことはあるのだが、今はこの場から避難することを優先するべきだろう。光線を受けた影響なのか膝を抱えて項垂れる男子生徒達から目を逸らし、千雨は苦虫を噛み潰した表情で進み続けた。

 

そんな二人の姿を少し離れた木の上から窺う者がいる。彼女の視線はザジから千雨へと移動した。

 

「ふ〜ん、面白そう」

 

 

 

 

 

 

「逃さんぞ!」

 

「来るんじゃねぇー‼︎」

 

執拗に標的を狙い続ける影。逃げ惑う一人の男子生徒を追い詰めようと動いていた足が突如止まる。

 

「⁉︎あれは…」

 

理由は影にとって決して無視できないものが映り込んだからだ。そこには腕を絡め、寄り添って校舎から歩いてくる二人の男女がいた。

 

「こ、こわいわゆうくん」

 

「大丈夫だよ凛ちゃん、何があっても僕が守ってあげるからね」

 

「きゃ、きゃー…ゆうくんすてきー」

 

言わずもがな祐と凛である。はっきり言って見ていて恥ずかしくなる三文芝居を繰り広げる二人を士郎達が物陰から覗いていた。

 

「なんて言うか…凄くぎこちないな…」

 

「逢襍佗はまだしも、遠坂の方はもう少しなんとかならんのか…」

 

「し、仕方ないよ。あんな演技なんてしたことないだろうし…」

 

一成の発言に純一がなけなしのフォローを入れる。全員が一成と同意見だったがそれを口にする者はいなかった。

 

「でも見て、影の視線が二人に集まってるわ」

 

詞の言った通り現在影は追っていた男子生徒には見向きもせず、その視線は祐達に集中している。心なしか眼光も鋭くなっている気がした。

 

「あれでいいんだ…」

 

「か、薫!あれでとか言っちゃ駄目だよ!」

 

薫の反応を他所に影達は今途轍もない怒りに支配されていた。彼らにとっては凛の稚拙な演技力など懸念材料もならなかったようである。

 

「なんだよ…これ…」

 

「こんなことが…許されていいのか…」

 

「俺達の行動すら…カップルは出汁に使うのかよ!」

 

怒りによって震え出す影達。それを横目で確認した祐は魚が餌にかかったことを確信した。

 

「許せねぇ…!許せねぇよ!」

 

「この恨み!晴らさでおくべきか!」

 

「奴に我らの鉄槌を!」

 

複数の影がこちらにやってくる。ここからが本番だ、祐は凛にアイコンタクトを送ると彼女は頷いた。同時に二人は左右に別れ、それぞれ逆方向に走り出す。そして影は考える間もなく全員が祐の後を追った。これは仮説を裏付ける証拠となり得そうだ。

 

「全部祐の方に行ったぞ!」

 

「こうなると逢襍佗の予想は当たっている可能性が高いな」

 

「うおおおお!凛ちゃん!愛してるぞー‼︎」

 

その時、全力で走る祐の叫び声が響く。謎の行動に全員が転びそうになった。

 

「あれは言う必要あるか⁉︎」

 

「貴様!女の名前を叫ぶんじゃねぇ‼︎」

 

「いや、叫ばずにはいられない!俺は彼女を愛しているんだ!」

 

「あいつを黙らせろ!」

 

狙い通りなのかはさておき、影はより祐への怒りを燃やしている。無数の影を引き連れて祐は離れていった。

 

「効果あったみたい…」

 

「アホしかいないのか…」

 

その背中を見送っていると離れていた凛がこちらに戻ってくる。ほんのり顔が赤みがかって見えるのは走ったせいだろうか。

 

「お疲れ様、遠坂さん」

 

「ありがとう天海さん。はぁ…もう二度とごめんよ…」

 

「ほ、本当にお疲れ様…」

 

心底疲れた表情を浮かべる凛に春香は同情を禁じ得なかった。まだ完全に吹っ切れたわけではないがゆっくりしている時間もない。凛は瞬時に切り替えた。

 

「逢襍佗君がせっかく引きつけてくれたんだから、私達も急ぎましょう。衛宮君、よろしくね」

 

「ああ、任された」

 

短い時間ではあったが、校内で祐の作戦が成功した後の行動は全員に伝えられていた。残りのメンバーの先導を祐から任されていた士郎が凛に力強く頷く。そんな中、薫達達は祐が走っていった方向を見つめていた。それに気が付いた純一は彼女達に近寄る。

 

「祐ならきっと大丈夫だよ、行こう」

 

「橘君…」

 

「…そうよね、祐なら大丈夫よね」

 

「うん、だってあの祐だよ?絶対上手いことやって戻ってくるって」

 

彼の秘密を知らないのだ、安心など出来ていないだろう。それでも今は動くしかない。真実を伝えられない歯痒さを感じながら、純一は彼女達の背中を押すしかなかった。

 

 

 

 

 

 

「ちょっと!こいつらずっとネギしか狙わないんだけど!」

 

自分を素通りしようとした影に一太刀浴びせた明日菜は先程から一向に自分へ攻撃を仕掛けてこないことに頭を抱えていた。それは隣にいる刹那も同様である。

 

「どういう理由かは分かりませんが、ネギ先生が攻撃対象なら戦い方を変えなければ!」

 

不用心に背中を晒す相手を斬りつけるのは気が引けるものの、かと言って見逃すわけにもいかない。また一体を葬った刹那は明日菜と共にネギの元へ走る。そしてネギ本人は自身に群がる影をなんとか対処していた。

 

「このガキがよ!」

 

「顔が良いからって調子乗ってんじゃねぇぞ!」

 

「この影なんでこんな怒ってるの〜⁉︎」

 

やけに憎しみを向けてくる影にネギは泣きたい気分だった。そんな状況でも的確に向かってくる攻撃をいなしながら反撃を繰り出せるのは日頃の修行の賜物である。

 

「耐えるんだ兄貴!これは普段からチヤホヤされてる兄貴にも問題がある!」

 

「カモ君⁉︎」

 

どこか影に対して一定の理解を見せるカモ。いったいどちらの味方なのだろうか。

 

吹け(フレット)一陣の風(ウネ・ウェンテ)

 

風花(フランス) 風塵(サルタティオ・)乱舞(ブルウェレア)!!」

 

交差させた両腕を勢いよく開くと、ネギを中心とした爆風が巻き起こって周囲の影を一斉に吹き飛ばす。三人の活躍により一先ず周辺に影の姿は見えなくなった。残りを一掃して駆けつけた明日菜と刹那も合流する。

 

「ネギ、あんたあいつらに何かした?」

 

「僕何もしてませんよ!」

 

「姐さん、これは俺っちの予想だが…もしかすると奴ら、男にしか攻撃してこないのかもしれねぇ」

 

「はぁ?何よそれ」

 

「一理あるかもしれません」

 

「マジ?」

 

カモの発言に同意する刹那に面食らう。しかし刹那がそう思うのにも理由があった。

 

「奴らが初めに光線を撃った際、射線上にいたのは全て男性でした。そして近頃ニュースで取り上げられていた事件と、私達を無視してネギ先生を狙う動き…カモさんが言った通りだとすれば全て辻褄が合います」

 

「えぇ…」

 

仮にそうだとしても理由が分からないと明日菜は困惑する。そんな時遠くから足音が聞こえた。辺りに視線を向けると全力で走る人影を発見する。正体を確かめる為に明日菜は目を細めた。

 

「…リト?」

 

「え?」

 

そこには何故か大量の影を連れて一人走るリトがいた。そんな彼を逃さんと鬼気迫る様子の影が追従している。

 

「だあああ‼︎さっきからなんなんだよこいつら⁉︎」

 

「逃すな!そいつは狩るべきだ!」

 

「何やってんのよあいつ…」

 

「と、とにかく助けましょう!」

 

「兄貴!俺っちはどうにもあの影を心から敵だと思えねぇ!」

 

「カモ君⁉︎」

 

「ねぇ、刹那さん。こいつ囮かなんかに使えたりしない?」

 

「…いいかもしれませんね」

 

 

 

 

 

 

「ユウ!」

 

人気の少ない場所まで影を誘き寄せた祐はその場で危なげなく相手を殲滅した。そして次の行動に移ろうと人通りの多い場所へ向かっている最中、自分を呼ぶ声に振り返る。

 

「あれ、ララさん?」

 

ララが嬉しそう手を振ってこちらに来ている。よく見るとその後ろには美柑と梨穂子、そして香苗もいた。祐と香苗は梨穂子やリトを通して話す機会もあり顔見知りである。そちらに意識が向いていたからか、抱きついてきたララに少し反応が遅れてしまった。

 

「おっと!あ、相変わらず情熱的だな…」

 

「よかったユウに会えて!あのねユウ、今リトが大変なの!」

 

「なんだって?」

 

それを聞いた祐の表情は一変した。遅れて到着した美柑達の目に真剣な顔の祐が映る。

 

「祐さん…」

 

「こんばんは美柑ちゃん。梨穂子、何があった?」

 

不安そうな美柑の頭を優しく撫でた後、梨穂子に現状を聞こうと向き直る。聞かれたら梨穂子は言葉を選びながら話し始めた。

 

「えっとね、あの黒い影みたいなのが突然出てきたからみんなで一緒に逃げてたんだけど…」

 

「どうにもあいつら、男子連中しか狙ってないみたいでさ。それに気が付いた結城が俺が囮になるって飛び出しちゃったのよ。そしたら見事に影が結城を追って、今に至るって感じ」

 

「ったく、あいつらしい…見つけたら説教だな」

 

「祐にだけはそのことで怒られたくないんじゃないかな…」

 

「……」

 

(てかあの帽子なに?)

 

クリスマスツリー帽子に注がれる香苗の視線には気付かず、祐は梨穂子に恨めしそうな視線を送る。先の発言は誠に遺憾である。遺憾ではあるが反論出来ない。悔しいやら情けないやらで不貞腐れたくなった。しかしそんなことをしている場合ではない。一刻も早くリトを探さねば。

 

「どっち方向に行ったとかは」

 

言葉の途中で祐のスマートフォンが鳴る。素早く画面を確認すると通話を開始した。

 

「もしもし超さん?」

 

『祐サン、たった今遠坂サン達と合流できたヨ』

 

通話相手である超から報告を受け、まず一つ目の作戦は成功と判断する。校内で彼女に連絡を取り、互いの状況を確認した上でこれからの算段を立てていた。凛達が予定通り超達と合流できたのなら、次はリトに関してだ。

 

「良かった、そんでまたこれは別件なんだけど」

 

『もしかして結城梨斗サンのことカナ?』

 

「仰る通り」

 

どうして分かったのかとは聞かない。超なら知っていてもおかしくないだろうと思うのは強い信頼があるから、それとも色々考えることをやめたからなのかは判断が難しかった。

 

『それならば無問題ネ、たった今明日菜サン達が彼を保護したヨ』

 

「えっ?まぁ…そりゃ良かった」

 

どういった経緯でそうなったのか気になるが、明日菜達と会えたのなら彼も無事と考えてよさそうだ。であればララ達もすぐそちらに合流してもらった方がいいだろう。

 

「んじゃまた話が変わるんだけど、俺今ララさん達と会ったんだ。彼女達も保護してもらいたい」

 

『今ララサンの端末に情報を送ったヨ』

 

「ん?超から何かきた」

 

ララが自作の通信端末を開いたので祐も画面を覗く。そこには詳しい地図が映され、青い印と赤い印が点滅していた。二つの印を繋ぐように線が伸びている。

 

『青がララサン、赤が私達の現在地。ルートはその地図通り。それを見ながら移動してほしいネ』

 

何から何まで頼りになる。こちらのしてほしいことに先んじて手を回してくれるのは彼女が有能だからに他ならない。次々に借りが増えていくのは少し考えものかもしれないが、後に必ず返させてもらうとして今は最大限世話になろう。

 

「超さん、やっぱり貴女がいてくれて本当に助かった」

 

『嬉しいことを言ってくれるネ。抱きしめたくなるヨ』

 

「この件が終わったら是非お願い。今から向かうね」

 

『お待ちしてるヨ』

 

通話を終えた祐は不思議そうにこちらを見つめている梨穂子達に状況を説明する。何はともあれリトが無事と分かり、全員が一安心出来たようだ。

 

「てなわけでこれからそっちに合流をします、何か意見のある者は!」

 

特に手は上がらない。ならば早速と一歩踏み出した時、少し先に茶々丸とチャチャゼロを連れたエヴァを発見する。とんとん拍子に進む状況に祐は感謝したくなった。

 

「今日はついてるかも…いや、こうなってる時点でついてはいないか」

 

それ以上深掘りするのはやめて、祐は大きくエヴァに向かって手を振った。彼女達を見つけられたのは大きい。作戦の大幅な短縮を狙えそうだ。

 

「そこの御三方!ちょっとよろしいですか!」

 

 

 

 

 

 

クリスマス会場は麻帆良祭程ではないが広大である。即ち祐達がいるエリアとは別の場所でも影は湧き続けていた。手当たり次第に男子生徒を襲う影の一体を捕まえた愛穂は見事な背負い投げで地面に叩きつける。周囲から歓声と拍手が起きた。

 

「そんなことしてないでさっさと避難するじゃん!」

 

『はい!』

 

愛穂の声に生徒達は一斉に避難を再開した。何やら影よりも愛穂を恐れているように見えるのは気のせいだろうか。

 

「愛穂先生!」

 

やってきたのはしずなと大河の二人だ。こことは別の場所で避難誘導を行なっていたのだが、そちらはひと段落ついたらしい。大河に関しては何処から持ってきたのか竹刀を所持している。こんな状況なので護身用ということなのだろう。

 

「こっちの避難は大方終わりました。今は瀬流彦先生方が生徒を引率してます」

 

「高畑先生や葛葉先生も影の対処をしてくれてますけど、もう次から次に出てくるみたいで」

 

大河が説明している途中で数メートル先に新たな影が現れる。三人はそちらに目を向けた。

 

「言ってるうちに出てくるとは…」

 

「一体一体は大したことなさそうだけど、こうも数が多いとキリがないじゃん」

 

どうしたものかと考えていると学園内の至る所に設置されているスピーカーから少しの間砂嵐のような音声が流れた後、誰かの声が聞こえてくる。

 

『あーあー、マイクテスト、マイクテスト』

 

『よし、繋がった。おい、聞こえてるか根暗な影共』

 

愛穂達は訝しげな表情になる。というのも何故こんな状況で放送がという点も勿論だが、スピーカーからの声に聞き覚えがなかったからだ。分かることと言えば声の主は男性だろうくらいである。ただ不思議なことに周囲の影達はスピーカーからの声に集中しているようだった。不気味な程に動きが止まっている。

 

『よくもお前らの取るに足りない妬み嫉みで俺のクリスマスパーティーを脅かしてくれたな。そんなんだからお前らモテないんだぞ』

 

「な、なんだか凄いこと言ってますね…」

 

そう言いながらしずなは動かない影を観察する。暗くて分かりづらいが、よく見ると小刻みに震えているようだ。もしかすると男の発言に怒っているのかもしれない。

 

『お前ら俺のことが気になってるだろうから教えてやる。何を隠そう、俺はこの街で最も女性に愛されている男!その名も須御井(すごい)茂輝(もてる)だ!』

 

「すごい、もてる…?」

 

「誰?」

 

(……まさか)

 

しずなと大河は頭にはてなマークを浮かべているが、愛穂は一人の生徒の顔が浮かんでいた。声は違うが何かしら小細工したのかもしれない。あいつならやりかねないと一度考えてしまえば、もうそうとしか思えなかった。

 

 

 

「すごいもてる⁉︎そんな人いた⁉︎」

 

「いやぁ…私は知らないかな…」

 

「でも麻帆良で一番女性に愛されてるらしいよ」

 

「んなこと言われても…」

 

放送は麻帆良学園全体に聞こえている。従って一年A組の耳にも声は届いていた。しかし誰一人として須御井茂輝のことは知らない。実在しないのだから当然である。

 

「…ねぇ、勿論声は違うんだけどさ…これって祐じゃないわよね?」

 

「……ど、どうだろう」

 

A組に合流していた薫が隣にいる純一に小声で聞くと純一は言葉を濁す。ただ心の中では十中八九祐だろうとは思っていた。

 

 

 

「これ絶対祐だろ…何やってんだ…」

 

「私に聞かれたって分かるわけないじゃない…」

 

その正体に気が付いている者は何人かいた。無事助け出されたリトと明日菜は呆れた表情を隠そうともしていない。ネギと刹那は苦笑いだ。

 

 

 

「だはははは!聞いたかカミやん!『凄いモテる』だとさ!」

 

「俺は友人として恥ずかしい」

 

「僕も何か名前考えとこうかな」

 

これまた別の場所で放送を聞いていた当麻・元春・青髪ピアスは三者三様の反応をする。三人の周りに人はいない。彼らは他の生徒と違い、避難せずに影を対処していたのだ。そして三人ともこの声が祐であると信じて疑っていない。再び湧いてきた影も、現在は他所と同じく怒りで震えている。そんな影を横目で見つつ、当麻が青髪に向かって口を開いた。

 

「名前なら只野(ただの)馬鹿太郎(ばかたろう)とかいいんじゃないか?」

 

「ああコラ!喧嘩売っとんのか⁉︎」

 

 

 

『どれだけモテるかと聞かれれば、常に数えきれない女性から言い寄られている!年下から年上まで幅広くだ!お前らと違ってな!』

 

「は?何こいつ、は?」

 

「嘘でもさ、もう少しマシな嘘つけよ」

 

「今時小学生でもこんな嘘言わないって」

 

クリスマスを楽しむ男は何処だと付近を探索していた影は足を止め、今も流れ続ける放送に耳を傾けている。その口振りとは裏腹に内心冷静ではなかった。全身が波立つ水面のように震え、拳を強く握りしめている。

 

『猜疑心が強いだろう貴様らに証拠を聞かせてやる。みんな!俺に声援を送ってくれ!』

 

『茂輝お兄ちゃんかっこいいー!』

 

『いつも素敵よ茂輝君』

 

『私と付き合ってー!』

 

『こっち向いてー!』

 

『ケケケ、コッカラ見テルト滑稽ダナ』

 

『静かにしてろ女チャッキー!……んんっ!失礼』

 

聞こえてきたのは幼い子供から大人と思われる数名の女性の声だった。最後に関してはおかしな声も聞こえたが、影の思考はそこまで処理できなかったようだ。それだけ怒髪衝天といった具合である。

 

「アーーーー‼︎ワァーーーーーー‼︎」

 

「こいつマジでさぁ‼︎なんなん⁉︎」

 

「んおーーー!んお〜〜〜〜‼︎」

 

ここだけでなく、至る所で影から怒号が鳴り響く。この時より、全ての影の意識はたった一人の男に向かっていた。

 

『そんな女性を愛し、女性に愛されている俺様が貴様らに天罰を下す!今から麻帆良ヶ丘公園に来い!そこでてめぇらまとめて叩き潰してやらぁ!まあ!お前らみたいなのがどれだけ集まったところで、愛の化身である俺には敵わんだろうがなぁ‼︎』

 

『悔しかったらかかってきやがれこの野郎‼︎ご清聴ありがとうございました』

 

その一言を最後に放送は唐突に終了した。

 

 

 

 

 

 

「よし、こんなもんだろう」

 

「アホかお前は」

 

何人かの予想通り声の正体は祐である。茶々丸協力の元、細工をしてもらい手元にあるスマートフォンから麻帆良学園全体に音声を流したのだ。因みに女性の声は全て茶々丸が担当した。一仕事終えた様子でスマートフォンをポケットにしまう祐をエヴァは冷たい目で見ている。

 

「見た感じあいつら安い挑発に乗りそうだったんで、こうすれば一箇所に集められるかなと。ほらね?」

 

祐が指さした先には影が全力疾走で目的地に向かう光景が広がっていた。まず間違いなくメイン会場を目指しているのだろう。作戦は成功のようだ。

 

「はぁ…まったくしょうもない」

 

呆れるエヴァに笑顔を浮かべてから、両腕でチャチャゼロを優しく抱える茶々丸と目を合わせた。

 

「ありがとう茶々丸、助かったよ」

 

「いえ、お役に立てたのなら光栄です」

 

「貸シイチダゾ」

 

「おめぇは邪魔しかしてないだろ!」

 

ケラケラと笑うチャチャゼロは一旦置いておき、茶々丸の肩に手を乗せる。

 

「それじゃ、ララさん達を頼むね。影の方は大丈夫だと思うけど、超さん達と合流してあげて」

 

「お任せください」

 

お互いに頷いて今度はララ達に向き直る。何が起こっているのかいまいち理解していないと彼女達の顔に書いてあった。

 

「俺は一旦別の場所に行くけど、ここからは茶々丸がついていてくれるから安心して。合流できたら超さんによろしくね」

 

「うん!分かった!」

 

「行くって、まさかあの影追うんじゃないよね?」

 

「まさか、この作戦を立てた人は別にいるからね。あとはその人と、お仲間さんに任せるよ。俺は別の友達と合流する予定があるから、そっちに行かないと」

 

「まぁ、それならいいけど」

 

元気に返事をするララとそもそも秘密を知らない香苗は問題なさそうだが、これから祐がどうするのかをなんとなく察している梨穂子と美柑の表情は僅かに暗い。祐は香苗と少し距離を離してから二人を手招きした。ゆっくりと近寄る二人の手をそっと握る。目線を合わせるために少しかがみ、二人にしか聞こえない小さな声で喋り出した。

 

「大丈夫。あいつら変な光線は出すけど強くないし、誰かを殺そうとかは考えてない。殺し合いにはならないよ」

 

「すぐに終わらせてくるから、だから少し待ってて」

 

「…うん」

 

なんとか頷いてくれた梨穂子に頷き返し、美柑に視線を向ける。不安に揺れる瞳が祐を射抜いた。申し訳ないが、彼女にももう少し我慢をしてもらわなければならない。

 

「いや、ほんと心配しないで…少なくともあの影に関してはマジで大したことないから。心配してもらって申し訳なくなる」

 

「そ、そこまで言いますか…」

 

これは祐の本心だ。光線にさえ当たらなければ、影は一般人でも対処できるだろう。ただし事件の元凶を嘗めてかかるつもりは微塵もない。対面して分かったがあの影は魔力の塊だ。存在自体は強力でないとはいえ、あれだけの数をこの規模で放出し続けるのは並の魔力量では到底不可能である。やっていることはくだらなくとも、その実力まで侮るわけにはいかなかった。

 

「美柑ちゃん、リトに会ったら俺の分もちゃんと説教しといてね。梨穂子の言う通り、俺が言ったら反撃されそうだから」

 

「ふふ、はい。しっかり説教しておきます。祐さんも、早く戻ってきてくれないと私怒っちゃいますから」

 

「こりゃあなんとしても早く戻らないといかんな…」

 

笑顔を見せた美柑をもう一度撫でて立ち上がる。するとエヴァと目が合い、彼女が人さし指でこちらに来いと合図した。祐は指示に従って近付くと自然にエヴァの口元へ耳を寄せる。

 

「どう見ている?」

 

「影を生み出した元凶もいると。あいつらを処理していれば、そいつも誘き出せるかもしれません」

 

祐は影の裏に潜む存在を感じていた。何者かは分からない。だが恐らく今この街にいる。事件を終わらせるには影ではなく、その元凶を断つ必要があるだろう。

 

「成程な、機を見て私もそちらに行く。見物させてもらうよ」

 

「情けないところは見せられませんね」

 

「当たり前だ」

 

短い会話を終え、それから茶々丸がララ達を連れて超の元へ向かったのを見送った。自分も急いで麻帆良ヶ丘公園に向かうとしよう。あそこは麻帆良祭の後夜祭などでも使用されるとても広大な場所だ。学園内でやり合うよりはずっといい。これから一層騒がしくなるなら尚更である。

 

騒がしくなると思った理由は単純だ。示し合わせてなどいないがそれでもきっと、仲間達も同じ場所に向かい始めているだろうから。

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