祐・超とA組の追いかけっこから遡る事数時間前の早朝。
バイトの新聞配達を行う明日菜は、六月の連続爆破事件からなる最近の騒動について考えていた。
(あの事件から、色々な事が立て続けに起きてる。河童だったり宇宙人だったり…)
この仕事も慣れたもので、考え事をしていても自然と身体が動く。明日菜からすればこの時間はジョギングをしながら、一人物事に考えを巡らせる時間であった。
(あの時祐が言ってたっけ、これからきっと色んな事が起こるって)
(なら今はまだ、始まったばっかりなのかな?)
最後の配達場所を回り、そのまま女子寮の前の芝生広場へと向かう。今までであれば自室へと向かっていたのだが、最近になって新たな日課が増えた。
芝生広場に着くと、既に目的の人物は到着済みだった。
「おはよう刹那さん!お待たせ」
「おはようございます明日菜さん。今日も朝からご苦労様です」
「全然。寧ろ一人で考える時間が出来て良いかなって思ってるし」
「なるほど、私も見習わねばなりませんね」
新たな日課、それは刹那に剣術の指南を受ける事だった。なぜ明日菜が刹那に剣術を習うのか、それには明日菜がネギと仮契約を行った事により生まれた力が関係していた。
「よし…
カードを取り出し、そう唱えた明日菜の手に光が発生すると『ハリセン』が現れる。明日菜はそれを見て不満げな顔をした。
「はぁ、なんでハリセンなんだろ…」
それに対して刹那は苦笑いをする。
魔法使いと仮契約を行うと、そのパートナー専用のアイテム『アーティファクト』が使用可能になる。仮契約の証であるカードにはちゃんとした大剣が描かれているのだが、同じなのはグリップ部分のみで剣身の部分はどう見てもハリセンであった。カモからしても理由は不明との事。
「まぁいいや、ごめん刹那さん。今日もよろしく!」
「はい!それでは始めましょう」
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「それでは只今より『逢襍佗祐は女の敵なのか』の裁判を始めたいと思う」
件の騒動の後。B組の教室にて机をそれらしい形に並べ、祐の裁判が行われる。裁判長役は鐘の様で裁判長と書かれた襷を掛けている。
「僕は女性の敵ではありません、むしろ味方です。いやむしろ僕は女性かもしれません」
「被告人はくだらない発言をしない様に」
「ウィットに富んだジョークじゃないっすか裁判長、楽しく行きましょうや」
「ならばノリと勢いに任せて逢襍佗は有罪という事に」
「真面目に行きましょう裁判長、おふざけは大概にするべきですよね」
「次は無いぞ」
あくまで淡々と発言する鐘。一応検察側と言う事になるのか、楓が罪状を読み上げる。
「え~被告人である逢襍佗祐は複数の女性をその毒牙にかけ、何人もの女性を傷物にしたとされています」
「誰だそんな事言った奴は、ここに連れて来なさい。そいつを傷物にしてやる」
「被告人は静粛に」
「裁判長、こいつもう有罪でよくないか?」
「異議あり!」
「それは被告人の台詞ではない」
弁護士側には何故か絢辻詞が宛がわれている。本人としても面倒事に巻き込まれたとは思いつつ、ただ負けるのも気に食わないので真面目にやるつもりの様だ。そう思うのは彼女が真面目だからなのか、はたまた負けず嫌いだからなのかはわからない。
「弁護士側の意見は」
詞が席から立ち、発言する。
「そもそも逢襍佗君は誰とも付き合ってはおらず、女性のお友達が多いだけです。そこに悪意等は無いと考えます」
「聞いたかマキジ!絢辻さんがこう言ってんだから間違いないよ!」
「次マキジって言ったら殴るぞ」
「裁判長、検察側が僕に暴力を振るおうとしています」
「……」
「裁判長!?」
呼ばれても裁判長は遠くを見つめたまま一切反応しなかった。
「では何故先程A組の生徒達に追われていたのか!何かやったから追われていたんだろう!」
「正吉貴様…裏切りおったな…」
傍聴席から正吉が声を上げる。基本的にB組男子は祐の敵と言うよりただこの場を引っ掻き回したいだけであった。
「お前は良いよな!ただでさえ可愛い幼馴染が何人もいて!」
「僕も…僕も幼馴染として生まれていれば…!」
「木乃香ちゃん!俺は君の事…」
「やめとけ!その道は修羅の道だ!」
「橘、お前も裁判受けろ」
「何で⁉︎」
「裁判長、外野を静かにさせてください」
「……」
「裁判長!!」
その後、結果は詞の有力な弁護もあり祐側の勝訴に終わった。
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「超…今一度聞くアル。祐とは付き合ってないアルね?」
「付き合ってないネ。誓って嘘は言ってないヨ」
A組の教室では超と古菲が向かい合って会話をしていた。古菲は暫く超の目を見つめると、やがて頷く。
「ふむ、私の勘が言っているアル。超は嘘は言ってないアルよ」
それを聞いてクラス全体がホッとした表情をした。
「なんだぁ、遂にうちのクラスにも春が来たのかと思って焦ったよ」
「超りんてそう言うイメージ無かったもんね」
「ハカセとおんなじで科学に魂を売った人だと思ってた」
「まるで私に人の心がないみたいな言い方ですね…」
「ハカセって感動とかで泣いた事あるの?」
「ありますよ!失礼ですね!さらばハネジローは大泣きしましたよ!」
「ハネジロー?」
「朝倉さんハネジロー知らないんですか!?もう話し掛けないでください…」
「そこまで!?」
いつもの様子のA組。そんな中ハルナが明日菜と木乃香の肩に手を置く。
「良かったねお二人さん?祐君が取られなくてさ」
「何でそれを私達に言うのよ…?」
「よく言うよ、委員長といの一番に詰め寄ってたくせに」
「あ、あれは別の事情があんのよ!」
「別の事情って?」
「それは…」
ハルナが疑問を投げる。しかし明日菜は祐を心配していた理由を言う訳にもいかないので、何と答えれば良いかわからず黙ってしまう。
「まぁまぁハルナ、ウチも明日菜もいんちょも突然の事やったからびっくりしてもうたんよ」
木乃香が助け船を出すとハルナは何となく納得したようだった。
「確かにねぇ…男子三日会わざればとは言ったものの、私もかなりびっくりしたし」
「しかし逢襍佗さんもれっきとした高校男子。そう言う事に興味の一つもあるのでは?」
「あんまりイメージ湧かないかも」
夕映が言った事に、のどかとしてはいまいちピンと来なかったようだ。
「何言ってんの、高校男子なんだから寧ろそこが一番興味ある事でしょ」
椅子に逆座りしながら美空がそう言うと、千鶴がそれに反応した。
「そうねぇ、美空さんもボーリング場で逢襍佗君にナンパされてたものね」
「ちょ、ちょっと!あれは違うでしょ!」
珍しく顔を赤くして慌てる美空。あれは身構えてなかったが故に反応が出来なかったのだと美空は思っている。決して照れていた訳では無いと誰に当ててかわからない弁明を心の中でした。
「それを言うんなら千鶴だって結婚してくださいって言われてたじゃん!」
「あらあら、それを言われると困っちゃうわね」
「あいつとは一回ちゃんと話した方が良いかもね…」
「明日菜明日菜、顔怖くなっとるよ」
黙って周りの話を聞いていたエヴァは呆れつつも眉間に皺を寄せた。
「どうされましたマスター。ヤキモチですか?」
「茶々丸、お前最近イジってくる様になったな…。あいつか?あいつの影響なのか?」
「いつもこの様にお二人は会話されてますので、私も真似してみたのですが。お気に召しませんでしたでしょうか…」
「やはりあいつの影響か!いいか茶々丸、前にも似たような事を言ったがあいつの言っている事は基本無視しておけ。あと真似するな!」
「そんなマスター、祐さんを無視するなど…私には…」
茶々丸は心底困った顔でおろおろとしだした。エヴァは頭を抱える。
「やはり三年程度とは言え一緒に生活をさせるべきではなかった…あいつと関わらせるのは教育に悪い。あの頃はまだまともだったが…」
「なになにエヴァちん、何の話してるの?」
茶々丸の隣の席である裕奈が、自分の席から身を乗り出してエヴァの方を向く。
「何だそのふざけた呼び方は。お前には関係無い」
「あーん!相変わらず冷たい!そんな事言わないでよ〜」
「ひっつくな暑苦しい!」
いつも通りのエヴァからの冷たい対応に、裕奈はいつもより一歩踏み込んだ。抱きつくのは踏み込む一歩としては大きすぎる気もしないでもないが、この四年間で最も関係の変化が見られない相手という事もあり、少々強引に踏み込んだ様だ。
「たまにはいいじゃんエヴァちん!少しくらい私達と触れ合おうよ!」
「なんでお前らみたいなガキと触れ合わなければならんのだ!」
抱きつく裕奈とそこから逃れようとするエヴァ。2人の攻防は次第にクラスの目を引き始める。
「なんか珍しい組み合わせね」
「みんな!もう少しでエヴァちんの牙城を崩せそうなの!協力して!」
「崩れんわ!」
「任せて!うお〜!」
桜子が裕奈に加勢する形でエヴァに抱きつく。実際これが本当に加勢になっているのかはわからない。
「しょうがないわね、私の母性を発揮する時が来たか」
「感じた事ありませんが…」
ハルナもやれやれと言った感じでエヴァの元へと向かう。夕映の言葉はハルナには届かなかった。
続々と集まってくるクラスメイト達。有事の時以外力をセーブされている今のエヴァは、見た目通り幼い少女の力しか持たない。その気になれば多少の力の解放は可能だが、今ここでそれをするほどエヴァは子供ではなかった。
「うわ、肌ツルツル」
「髪の毛もツヤツヤだ!」
「お前ら私をおもちゃにするな!」
「ああ、マスターがクラスの皆さんとあんなに楽しそうに…。これを知ればきっと祐さんも喜ばれます」
「ええい!このボケロボ!アホなこと言ってないで早く助けんか!」
その光景を呆れた視線で見つつ、明日菜は茶々丸の発言が引っ掛かっていた。
「どないしたん明日菜?」
「え?ああ、うん。茶々丸さんさっき祐が喜ぶって言ってたでしょ?それがちょっと気になってね」
「言われてみればそうやな、祐君がエヴァちゃんと話してるの見た事あらへんし。でもウチらが知らんかっただけで、実は仲良しさんだったんやない?」
「まぁ…そうかもね」
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「修行を?」
「うん。最近何かと事件が起きてるし、これから起きる事に備えるって意味でも僕には必要かなって」
そう校舎裏で会話をしているのはネギとタカミチである。ネギとしても度重なる事件の発生に思うところがあった。仮契約の相手である明日菜が刹那から指南を受けている事もあり、自身も本格的に修行を行おうと考えていたのだ。
「確かに、ここの所事件が連鎖的に起きている。力を付ける事は必要かもね」
「そこでなんだけど、僕に修業を付けてくれる人に心当たりはない?」
そう聞かれたタカミチは顎を摩りながら考える。
「僕が教えてあげられるのは接近戦での戦いぐらいだし、学園長も忙しい身だ。なかなか難しい問題だね」
するとネギは指と指を合わせながら、遠慮気味に聞いた。
「あの、例えばなんだけど…祐さんとかは…」
タカミチはさらに難しい顔をすると、それに対してネギは首を傾げた。
「祐君の実力は僕も良く知っているつもりだ。彼は確かに強い。ただね…」
「ただ?」
「彼の場合、持っている力も戦い方も特殊過ぎるんだ。初めて戦い方を教わろうとするなら、おすすめはし辛いかな」
ネギは祐の力を何度か見せて貰った事はあるが、実戦を見たのは河童戦の一度だけだった。その際は肉弾戦主体で、言ってしまえばわかりやすいものだったように思う。
「祐さんの戦闘スタイルって接近戦が主体だと思ってたけど」
「基本的にはそれで間違いないよ。だけどそれが全てじゃ無い。彼の真価は、引き出しの多さにある。簡単に言えば、何でもやるし何でも出来るって所かな」
「何でもやるし、何でも出来る…」
反復するネギの肩にタカミチは笑って手を置いた。
「初めのうちはあらゆるモノに手を伸ばしがちになる。それが悪い事とは言わないけど、まずはモノを載せる為のしっかりとした土台が必要だ。僕も祐君も、まずその土台を作ってからモノを積み上げていった」
「ネギ君、君にまず必要なものはきっとその土台だ。君の持つ類稀なる才能を載せる為の強固たる土台がね」
ネギは力強く頷くと、タカミチも満足そうに頷いた。
「そう考えれば適任がいたよ。僕も世話になったし、何より祐君を育て上げた人物がね」
「えっ?タカミチや祐さんの師匠って事!?誰なの!」
目を輝かせるネギにタカミチは再度笑うと、ネギの耳に顔を近づけその名を口にする。
その名を聞いたネギは、恐らく麻帆良に来てから一番驚いた顔をしていた。
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「起立、礼」
『ありがとうございました』
六時限目の授業が終わり挨拶を済ませるA組。教壇に立つネギは教室の一番後ろの席に目を向けるとエヴァを見る。
(あのエヴァンジェリンさんが魔法使いで真祖の吸血鬼で、その上祐さんの師匠だなんて…。言われてもいまいち実感がわかないなぁ)
頬杖を付いてどこか遠くを見ていたエヴァが視線に気づきネギと目を合わせる。ネギはぼーっとエヴァを見つめ、エヴァはそれに怪訝な面持ちで視線を返した。
「あの、ネギ先生?どうかされましたか?」
「へっ?あっ、すみません!少しぼーっとしてて…」
その場から動かないネギにあやかが声を掛けると我に返る。
「あれ~、もしかしてネギ君…エヴァちんの事見つめてなかった?」
「なっ!何でそれを!?…あっ」
裕奈の発言に思わずそうこぼしてしまったネギにクラスが沸き立つ。
「ちょっとちょっと!どういう事!?」
「ネギ君がエヴァちゃんに見惚れてただって!?」
「そこまでは言うてへんやろ…」
ネギが騒ぐA組の勢いに飲まれていると、あやかが立ち上がる。
「なぜですネギ先生⁉︎どうせ見つめるのならこの私を見つめてください!」
「いいんちょ、邪魔になるから座らなきゃだめだよ?」
「邪魔とは何ですか邪魔とは!」
「雪広引っ込め~」
「誰が引っ込むもので…誰です!今引っ込めと言ったのは!」
クラスメイト達も辺りを見回す。全員不思議そうな顔をしている事から罪の押し付け合いをしている様にも見えなかった。そもそも声が女性の声ではなく、男性が無理矢理発した高い声だった気がする。
窓際の席に座るザジと真名だけはベランダから人知れず発言して去って行った祐の姿を目撃していた。
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「まったく、今日はえらい目に遭った…」
「ご愁傷様ですマスター」
「他人事みたいに言うな!」
放課後、帰宅するエヴァと茶々丸。本日はやけにクラスメイト達に振り回されてエヴァは疲れ気味だった。
「エヴァンジェリンさん!茶々丸さん!」
声を掛けられたエヴァと茶々丸が振り向くと、後ろから肩にカモを乗せたネギが走ってくる。
「なんだネギ先生、今日は誰かさん達のせいで疲れているんだ。用があるなら手短にしろ」
「あ…先ほどはすみませんでした…」
そう言って頭を下げるネギ。エヴァはそれを横目で見ると腕を組んだ。
「ふん、それで?要件は何だ」
「はい、それなんですが…少しお願い事がございまして」
「お願い事?」
予想がつかず不思議そうな顔でネギを見ると、ネギは少し小声で答えた
「エヴァンジェリンさんを、祐さんの師匠とお見受けしてのお願いです」
それを聞いた瞬間、エヴァの表情が真剣なものへと変わった。ネギが変化を感じ取ると冷や汗を流す。今のエヴァの視線にはそれだけのものがあった。
「場所を変えよう、ついて来いぼうや」
エヴァが先導して歩き出すと、茶々丸はお辞儀をしてそれに続く。ネギはカモと目を合わせると、表情を引き締めて後を追った。
ネギ達の背中を屋上から眺める祐とタカミチ。祐はどこか感心した様な顔をした。
「思い立ったらすぐ行動。若さってやつですかね?」
「祐君だって十分若いと思うけどね…」
タカミチはフェンスに近づくと改めてネギ達を見た。
「エヴァへの弟子入りを進言したのは僕だけど、祐君はどう思う?」
「良いと思いますよ」
瞬時に迷いなく答える祐にタカミチは少し驚いた顔をした。
「ネギが目指すものは高潔なものですから。なら、教えを乞う相手もそれに適した人でないと」
「色々な事を加味しても、師匠は間違いなく適任です。僕がネギに聞かれても、きっと同じことを言ってました」
「信頼してるんだね、エヴァの事」
「勿論です、なんせ師匠ですから」
屈託のない笑顔だった。それに対し、タカミチも笑顔で返した。
ーーーーーーーーーーーー
あれからネギはエヴァの自宅へとやって来た。想像していたよりも随分と可愛らしい内装に目を向けつつも、現在はソファーに案内され、そこでエヴァに修業を付けてほしいと頼んだところである。
「なるほど、タカミチからそう言われたのか。あいつめ…余計な事を言いおって」
「それでエヴァンジェリンさん…僕に修業を付けて頂けませんでしょうか…?」
「断る」
「ええ!?」
エヴァは腕を組んでソファに深くもたれ掛かった。
「お前を弟子に取る理由がない。そもそも私は悪の魔法使いだぞ?お前のような立派な魔法使いを目指している者とは本来相容れない存在だ」
「でもタカミチや祐さんの稽古は付けてたって…」
「祐は魔法使いではない。タカミチは…まぁ、あれだ。元同級生の好と言うやつだ」
「同級生?タカミチとですか?」
「ああそうか…お前にはまずそこから話さねばならんのか」
エヴァは人差し指で額を摩ると、ネギを見る。
「ぼうや、お前は先程からよく祐の名前を出すが…お前はあいつの事をどう思っている?」
「え?どうって…」
「難しく考えんでいい。今お前が持っている祐の印象をそのまま口にしろ」
ネギは自分の中で考えを整理しながらゆっくりと話し始めた。
「最初は不思議な人だって思ってました。今は優しくって頼りになって、何と言うかその…お兄ちゃんみたいな人だなって…」
エヴァが目を閉じて俯く。ネギはその姿を不思議そうに見た。
「今の内に言っておくぞ。祐はお前が思っているような奴ではない。お前は少しあいつに心酔気味だ」
「…どういう事ですか?」
「はっきり言えば、あいつはお前達が思っている以上に脆く、不安定で危険な存在だ」
ネギの表情が険しくなる。エヴァはそれを見て足を組んだ。
「お前は確か、神楽坂明日菜と仮契約をしたのだったな」
「どうしてそれを…」
「祐から聞いた」
エヴァはソファから立ち上がり、背中を向けて階段に向かうとネギに振り返る。
「今から神楽坂明日菜を連れてこい。今後の事も含めて、お前達とは擦り合わせをしておきたい」
ネギは暫くエヴァを見つめて動けずにいた。
エヴァから一歩引いた位置で会話を聞いていた茶々丸の表情は不安気だった様に見えた。
一番好きな章は?
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序章・始まりの光
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幽霊と妖怪と幼馴染と
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たとえ世界が変わっても
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消された一日
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悪魔よふたたび
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眠りの街
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旧友からの言葉
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漢の喧嘩
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生まれた繋がり