マチカネフクキタル、サイレンススズカ、メジロドーベルの三人の様子です。
モデルにしたのは、アプリ「ウマ娘プリティーダービー」のSRサポートカードです。
あのサポカ、意外とポイント多くもらえていいですよね。
※終盤で、表現に苦労した部分があります。こんな書き方もありかな?程度に見て下さると幸いです。
「ムムム! 見えました、見えましたよ!」
閑散とした学園の一室で、マチカネフクキタルの声が響く。
机を幾つか合わせて、置かれた水晶玉に映る何かに目を光らせる。
それを見守る二人のウマ娘。
サイレンススズカとメジロドーベル。
「フクキタル……答えは?」
心配そうにのぞき込むスズカに対して、マチカネ
「まぁまぁ、スズカのことだから」
「ド―ベル?」
他愛もない占いを交えた雑談。忘れてはならない、ウマ娘も一人の女の子である。
トレーニングとレースだけが命ではない。
勉強や遊びといった学生なりの思い出もまた、ウマ娘の本分なのである。
「まったく! スズカさんはちょぉ~っと抜けてる部分があるんですから、そこは自覚してください」
「……ド―ベル、私は今、フクキタルに心配されてるの?」
「私から見たらどんぐりの背比べにしか見えないけど、そうね」
「嘘でしょ」
「なんでわたくしは憐みの籠った目で見られているのでしょうか……」
はぁ、と一人ため息を吐くマチカネフクキタル。
無自覚なのね、と何も言えなくなり愛想笑いをするメジロド―ベルに対して、今度はサイレンススズカの方から提案があがる。
「せっかくだし、ド―ベルもフクキタルに占ってもらったら? 例えば……トレーナーさんとの今後とか」
「うぇ!?」
「いいですねぇ、占ってみます!」
よし来た! とばかりに再び水晶玉に手を翳して呪文らしき言葉を口ずさむ。
「はんにゃか~ふんにゃか~はんにゃか~ふんにゃか~!」
何かを感じ取ったのか、マチカネフクキタルの目が見開かれる。
「見えました! ド―ベルさんとトレーナーさんの今後の運勢は……」
「「運勢は……?」」
「ズバリ! 大吉です! ド―ベルさんは男性に恐怖心を抱いていましたが、担当トレーナーさんに対しては恐怖心とはまた違う感情を持っているように思われます! 担当のトレーナーさんもド―ベルさんを第一に考えて行動してくれていると思うので、気を付けるとしたら……ド―ベルさんの方から離れていかないことですかね」
「へぇ~よかったわねド―ベル」
「――ッ……そ、そんなの」
熟れた苺のように頬を赤く染めるメジロドーベルにマチカネフクキタルとサイレンススズカは笑顔を向けている。
「ついでに、ラッキーアイテムは帽子と出ました。なぜ帽子かはわかりませんが、持っていればバッチグーです!」
マチカネフクキタルが両手でサムズアップした姿をメジロドーベルに見せると、より顔を赤くしたド―ベルが両手で顔を覆い隠してしまった。
「ド―ベル?」
「いまは、ちょっと……本当に、見ないで」
「あらら、ド―ベルさんが縮こまってしまいました。よいお告げだと思ったのですが、不満だったのでしょうか?」
「それは違うわよフクキタル。ド―ベルは、想像以上にトレーナーさんとの相性が良かったから嬉しくなって――」
「やめてやめてやめて!」
「もごごご?」
口走ろうとしたサイレンススズカをメジロド―ベルは掴みかかって強引に引き留める。何もわかっていないサイレンススズカがメジロドーベルの手の中でもごもごとしている。
「スズカさん、ウマ娘にはウマ娘のプライバシーがありまして」
「もーごご?」
「やっぱりちょっと抜けてますよね、スズカさんって」
「本当よまったく! 油断も隙も無いんだから!」
「もーもご、もごもごごご?」
「あ、ごめん」
ぷはぁ! と大きく息を吸うサイレンススズカ。
メジロドーベルの手から解放された彼女は、自身の言葉の意味を理解しておらず、腑に落ちない表情をしていた。
「私が抜けてるっていうのは……どういうこと?」
「あららら、これは担当トレーナーさんもさぞお困りでしょうね」
「ちょっとフクキタル。確かに私は迷惑かけているかもしれないけど、ちゃんとレースで恩返ししてるんだから」
「へぇ~レースで恩返しですか。なんというか、スズカさんらしいですね……レース以外の部分はどうなんですか?」
「レース以外の部分? そう言えば、私ちゃんと恩返し出来ていたかしら……」
「偶にはご飯の一つ、作ってあげたらどうですか?」
「お弁当なら、何回か作った経験はあるけど……やっぱり朝ご飯と晩ご飯も作ってあげた方がいいかしら?」
「なんと!? ストップ! ストップですスズカさん! それはあまりにも学生の領分を越えています!」
「フクキタルの言う通りよ! お弁当のみならず、トレーナーさんの食生活にまで踏み込もうなんて!」
二人のツッコミに対して、一瞬呆けた顔を見せるサイレンススズカ。
何がおかしいのかわからない顔をしたまま口を開いた。
「え? でも……私たちウマ娘の一番大事な時期を支えてくださる人よ。お弁当やご飯を作るぐらいそこまで罰当たりだとは思わないのだけれど……フクキタルやド―ベルにとって、トレーナーさんはどんな存在なの?」
暫くの沈黙の後、頬を紅潮させるメジロド―ベル。
呆れながら乾いた笑いをするマチカネフクキタル。
二人が困惑していることに気づかないサイレンススズカ。
「あれ、二人とも?」
「なんでしょう……これがスズカさんのいいところなんでしょうね」
「だとしても、あんな風に言える?」
「それも含めてスズカさんなんですよ」
「二人とも、なんでコソコソ話してるの?」
「いえいえ、スズカさんはやっぱりスズカさんなんだなぁ~と再確認していただけです。そのまま二人三脚でターフを走り切ってください」
「……ド―ベル、私、バカにされてる?」
「いえ、ある意味褒められているわよ、スズカ」
様々な意味でこのウマ娘の先頭は取れないと感じるマチカネフクキタルとメジロドーベルであった。
「そういえば、フクキタルのトレーナーさんってどんな感じなの?」
メジロドーベルからの唐突な質問に、よくぞ聞いてくれましたとばかりのドヤ顔を見せるマチカネフクキタル。
「ふっふっふっ、そんなに気になりますか? 私を育ててくださっているトレーナーさんが」
「やけに自信のある言い方じゃない」
「私にとってのトレーナーさんは、まさに! 運命の人なのですから!」
「「ええ!?」」
「ええ、とは何ですか! あの頃の私を救ってくださった運命の人なんですよ! これもシラオキ様のお告げがあってこそですよ。ありがたや、ありがたや」
「これは重症じゃないかしら」
「スズカの言う通りね」
打って変わり、今度はマチカネフクキタルが白い目で見られるようになってしまった。
「チョチョチョ! そんなに疑うならこの場で占います! 見ててください! 私とトレーナーさんが運命によって導かれた存在であることを!」
机に置いてあった水晶玉に両手を翳して呪文を唱え始める。
「ふんにゃか~はんにゃか~ふんにゃか~はんにゃか~エコエコアザラシ、エコエコオットセイ、れんこん、そうさい、ほうれんそう~れんこん、そうさい、ほうれんそう~……ええイィ!」
目を見開くと、どこからともなく取り出した鉛筆を転がした。
「こ……これはぁ!」
「「ど、どうしたの?」」
「だ……大凶……です」
「「ああ~」」
ガックリと肩を落とすマチカネフクキタルの背中を撫でる二人。
「そんな……もしや私とトレーナーさんは……運命の人ではない? いやっ! そんなわけがないでしょう!!! おそらく、何かの間違いです。シラオキ様も晩ご飯前でお腹が空いていて、上手にお告げができなかっただけです! もう一度!」
そう意気込み、何度も呪文を口にしては鉛筆を転がす。
コロコロ、コロコロという音が教室に響く。
そして、鉛筆が止まる度にマチカネフクキタルの形容しがたい奇声が教室を越えて廊下にまで響き渡った。
「ウギャアアア!」
「ハニャアアア!」
「ああああああ!」
「うわああああ!」
「わきゃあああ!」
「あわわわわわ!」
「びゃああああ!」
時間にして数十分経つ。
鉛筆の端に書かれた文字と睨めっこを続けるも、マチカネフクキタルの表情は一向に変わらなかった。
「あわあわあわわわ、どうしましょうどうしましょう」
度重なる『大凶』の連鎖に真っ青な顔を見せるマチカネフクキタルに、見ていられなくなったサイレンススズカがしゃべりかける。
「フクキタル? 占いもそれまでにしたらどう? もしかしたら、占いの方法が違うだけかもしれないし、その、シラオキ? 様も、占いのし過ぎできっと疲れているのよ」
「そ、そうなのでしょうか……それにしても大凶、出すぎな気がします」
「明日またやれば変わっているはずよ」
「でもでも、明日にはトレーナーさんがいなくなっているかもしれないし」
「トレーナーさんは雪だるまでもチョコレートでもないから、すぐに消えることはないと思う」
「スズカさん……トレーナーさんを雪だるまとかチョコレートに例えるのはどうかと」
「嘘でしょ」
思わぬツッコミに固まるサイレンススズカ。
「スズカもこう言ってるし、今日はもう解散にしない?」
「そんな!? こんなことで諦められませんよ!」
えも言われぬ空気に対してメジロドーベルが助け舟を出すが、当のマチカネフクキタルが手を引こうとしない。
むしろスイッチが入り、占いを行う手に熱が入る。
「あびゃあああ!」
「ふんぎゃああ!」
「あびゃあああ!」
しかしその後もマチカネフクキタルの占いは、マチカネフクキタルが望むものとは大きく外れ、大凶を連続して出してしまった。
「あああああ、どうして、どうして……」
「「……」」
もはやかける言葉も無い。
たった一言「運が悪かった」で済ませたい二人だったが、マチカネフクキタルが相手では言い憚れる。
どう言葉をかけようか、そう考えていたときだった。
ピコピコッ!
「うわぁ! ななな、なんですか!? って私の携帯でしたか」
マチカネフクキタルの携帯に通知が入った。
その内容は、恐らく開運などに詳しいマチカネフクキタルへの相談であった。
「珍しいですね。トレーナーさんから頼み事なんて……電話をかけてみましょうか」
「もしもし、トレーナーさん?」
「ふむふむ、なるほどなるほど、それは、はい、もちろん知っています」
「えぇ!? ど、ドンとこいですよ! 何せ私はトレーナーさんの担当です。そんなことお安い御用です!」
「それじゃあ、また明日ですね。了解です! バッチリ準備してきます!」
「……お弁当ですか? ありがとうございます! それならば、お言葉に甘えていただきますね!」
「ではでは、明日の午前十時、待ってますね!」
「はぁ~まったくトレーナーさんも隅に置けない人です……ん? なんですか? 二人してニヤニヤと」
「いや、その……」
「フクキタルも大概だなぁって思っただけよ」
顔を見合わせてマチカネフクキタルを見つめる二人。
その表情にもどかしさを覚えたマチカネフクキタル。
「なんですか! ハッキリ言ってくださいよ!」
「「それはねぇ~?」」
多くは語らぬと言いたげのメジロド―ベルとサイレンススズカに、マチカネフクキタルは頭を抱えた。
「うぎゃあああ! なんなんですかもう! 急遽ですが、私は明日の準備があるので失礼します!」
「そうだね、フクキタル。頑張ってきなさい」
「私たちも応援してるわ、フクキタル」
去り際にフンギャロォ! と言い残し、その日の集まりは解散となった。
放課後に集まるウマ娘たち。
その一コマには、もしかしたら互いにしか知りえないヒミツがあるのかもしれない。
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※以下、電話中のマチカネフクキタルの尻尾の様子である。
「もしもし、トレーナーさん?」
尻尾→
「ふむふむ、なるほどなるほど、それは、はい、もちろん知っています」
尻尾↗
「えぇ!? ど、ドンとこいですよ! 何せ私はトレーナーさんの担当です。そんなことお安い御用です!」
尻尾↑↓
「それじゃあ、また明日ですね。了解です! バッチリ準備してきます!」
尻尾↑→↓←↑→↓←↑
「……お弁当ですか? ありがとうございます! それならば、お言葉に甘えていただきますね!」
尻尾→←→←
「ではでは、明日の午前十時、待ってますね!」
尻尾↑↓↑↓←→←→
どうでしたでしょうか?
個人的には、三人称神視点にすると会話文を多用してしまいます。
一番苦労したのは、最後に書いた尻尾の表現もですが、メジロドーベルがマチカネフクキタルとサイレンススズカに対して二人称をどういっているかが公式でも言及されていなかったので、サイレンススズカとメジロドーベルの会話文が似通ったものになってしまったことですね。
今後、アプリで公式が何か出してくださると二次創作に活かせると思います。
公式(サイゲ)様、過剰なほどでもいいので供給お願いします。