SAO×バトルフィールド4   作:名無し様

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第ニ話

side リーファ

 

 

サラマンダーが放った炎魔法が背を捉え当たる。

 

 

リーファ「うぐっ!!」

 

 

炎魔法が背に当たってもそこはVRゲーム、現実のような痛みや熱さはない。そのかわり大きい手で張り飛ばされたかのような衝撃を受けるだけだ。

 

 

しかし、その衝撃でも体勢を崩すのには充分。さらに忌々しいことにもうすぐ滞空制限が来てしまう、シルフ領はまだ見えないくらい遠い。

 

 

リーファ「くっ…。」

 

 

歯噛みしながら、樹海に逃げ込むべく急角度のダイブをする。相手側にメイジがいる以上、隠れるのは難しいだろうが諦めて首を渡したりしない。

 

 

前方に草が繁った空き地を見つけ、その正面の大木の裏に飛び込む。そして、手をかざし大急ぎで隠行魔法の発動を開始する。

 

 

ALOでは、魔法を使用するためにわざわざ呪文スペルを唱える必要がある。滑舌よくそれなりの大きさで唱えなければいけないので、戦闘中に使うのは中々に難しいだろう。

 

 

暗記しているスペルを、可能な限りの早口で唱え、成功を確認すると息を潜め身を縮める。

 

 

やがて、サラマンダー特有の鈍い飛翔音が複数近づいてきた。背後の空き地に着陸する気配。がちゃがちゃと鎧のやかましい音がしてくるのに重なって、低い叫び声が響く。

 

 

サラマンダーA「どうせ遠くにゃ逃げられねぇはずだ!探せ!」

 

 

カゲムネ「いや、待て。シルフは隠れるのは大の得意だからな。魔法を使おう」

 

 

その言葉の後、野太いスペルの詠唱が続く。私は思わず毒づきそうになり口を閉じる。サラマンダー達が放ったとかげサーチャーどもは偶然にも接触し、甲高く鳴いて赤々と燃えた。

 

 

サラマンダーA「いたぞ、あそこだッ!」

 

 

金属鎧を鳴らして駆け寄ってくる気配。飛ぶには翅がまだ回復していないし、走っても炎魔法のいい的になるだけだろう。やむなく木の影から飛び出して抜剣して構えると、三人のサラマンダーがランスをこちらに向けてきた。

 

 

サラマンダーC「なっかなか手間かけさせてくれるじゃねーの。」

 

 

右端の男が兜のバイザーを跳ね上げ、その興奮を隠しきれずニヤニヤとした顔を晒す。

中央のリーダー格の男が、落ち着いた声で話を始める。

 

 

カゲムネ「悪いが我々も任務でな。金とアイテムを置いていけば見逃してやろう。」

 

 

サラマンダーA「なんだよ!殺そうぜ!オンナなんてかーなーりィー久しぶりだぜぇ?」

 

 

今度は左の男が、バイザーを上げながら言った。暴力に酔った、粘つく視線を向けてくる。こういう女性狩りのプレイヤーを見かけたことは少なくないが、どうしても嫌悪感を隠せない。

 

 

まともに運営されているALOでこれなのだから伝説となったあのゲームではもっと恐ろしいことになっていたに違いない。

 

 

私は両足でしっかり地面を踏みしめ、愛剣を大上段に構え、視線に力を込め、サラマンダー達を睨む。

 

 

リーファ「あと一人は絶対に道連れにしてやるわ。デスペナが惜しくない人からかかってきなさい。」

 

 

低い声でそういうと、両脇のサラマンダーは奇声を上げランスを振り回すも、リーダーに両手で制される。

 

 

カゲムネ「諦めろ。こちらはまだまだ飛べるぞ?」

 

 

このALOでの近接戦闘において、相手は飛べて自分は飛べないというのは致命的で、さらにそれが一対三とくれば相手が初心者でもない限り勝てはしないだろう。だけども

 

 

リーファ「金を渡して命乞いするのは性にあわないのよ。」

 

 

カゲムネ「...気の強い子だな。仕方ない。」

 

 

リーダーは肩をすくめると、ランスを構え、翅を鳴らして浮き上がった。左右のサラマンダーもそれに追随する。

 

 

三本の槍に貫かれようとも、最初に来た敵に全力の一太刀を浴びせる覚悟で構え、サラマンダーが突撃しようとした瞬間!

 

 

後ろの灌木からガサガサと音がしたかと思うと黒い人影が飛び出し、見事にサラマンダーの横を通り抜けて顔面から着地した。

 

 

??「うう…いてて…。着地がミソだな、こりゃ…。」

 

 

緊張感のない声とともに立ち上がったのはスプリガンの男性プレイヤーだった。

 

 

side out

 

 

 

 

 

side キリト

 

 

キリト「さて、あとはお前一人だがお前も戦うか?」

 

 

カゲムネ「いや、遠慮しておくよ。勝てる気がしないからね。もうちょっとで魔法スキルが九百なんだ」

 

 

キリト「正直な奴だな。」

 

 

と俺は短く笑い反対側にいるシルフプレイヤーの方を向いた。

 

 

キリト「そちらのお姉さん的にどう?」

 

 

俺はシルフプレイヤーに視線を向け、そう言った。という気負いがいつの間にか抜けてしまっていた。

 

 

リーファ「あたしもいいわ。次はきっちり勝つわよ、サラマンダーさん。」

 

 

キリト「正直、君ともタイマンで勝てる気がしないけどな。」

 

 

そういうとサラマンダーは飛び上がり去っていこうとした。しかし───

 

 

突然、サラマンダーの羽に穴が空きサラマンダーは体勢を崩して地面に激突した。

 

 

「「「!?」」」

 

 

何事かと、辺りを見渡すと自分を含め近くのシルフプレイヤーとサラマンダーの体に無数の赤い点があり、よく見るとそれは、線となっておりそれは自分達を取り囲むようにのびている。

 

 

??「武器をしまえ……。」

 

 

すると、木の裏側から俺にとって見覚えのある軍服、肩にはロシアの国旗、見慣れた銃──AEK- 971とそれに付いているGP- 30。

 

 

 

2ヶ月前まで、共に戦いあのデスゲームで多いに貢献した存在。───

 

 

 

────ディミトリ・マヤコフスキーこと、ディマがそこにいた。

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

side ディマ

 

 

リーファ「あ、あんたは……!?」

 

 

ディマ(始めてのプレイヤーと接触だ……。第一印象だけは大事にしなければ……。)

 

 

そう考えて、周りの奴には小声で『構えたままでいろ。』と伝えて自分の持っている銃を銃口を下げる。

 

 

ディマ「元スペツナズのエージェント、ディミトリ・マヤコフスキーだ。」

 

 

その声に反応したのかサラマンダーが何かに気づいたのか顔を上げて俺の方を見た。

 

 

カゲムネ「ま、まさかこいつ、あのクエストの“戦士”って奴なのかもしれない。」

 

 

リーファ「た、確かに、そうかもしれない。」

 

 

何の話かは分からないが、とりあえずやる事は早く済ませよう。

 

 

ディマ「お前達には、この世界の領主達に伝えてもらわなくてはならない。」

 

 

そう言って、俺はサラマンダーとシルフのプレイヤーに発煙筒を渡した。

 

 

ディマ「これを、領主達に渡してくれ。」

 

 

そして、この世界の攻略がこの瞬間始まった。

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