実況『最終コーナーで楽々とビワハヤヒデが先頭に立った!
1番人気ビワハヤヒデが現在先頭っ!』
ウイニングチケット「いっけぇ、ハヤヒデ!その頭で突っ込め!勝てっ!ううう~!」
ゴールドシップ「殺せ!殺せ!殺せ!みんな殺せ!ブチ殺せ!」
実況『強い強いっ!
ビワハヤヒデ、『宝塚記念』圧勝のゴール!』
ゴールドシップ「こんなに頭がでかいのにあいつ何であんなに速いの?どういう造りしてんだよ。」
ウイニングチケット「モアイ像の化身なんだよ。全滅したモアイ像のためにハヤヒデは生まれ変わったんだよ!うううう~感動する!」
パジャマ「おいブライアン?ハヤヒデが勝ったのに嬉しそうじゃねぇな。」
ナリタブライアン「おいパジャマ、ハヤヒデにいくら賭けた?」
パジャマ「いや賭けてねえよ、俺ら賭け事しちゃダメだから。」
ナリタブライアン「ちっ…使えねぇ奴。」
パジャマ「それより今度ハヤヒデと一緒に走るんだからお前気を引き締めろよな。」
ナリタブライアン「メジロ家に頼んでもっと賞金上げてくれたら…私、頑張るかも。」
パジャマ「お前ブライアン調子乗んなよ!お前どんだけ俺が頭下げて賞金上げてもらってると思って…おい、ブライアン!」
ーーー
ハヤヒデとの対戦が押し迫る中、チームシリウスは夏の合宿に備え買い出しに来ていた。
ウイニングチケット「夏の合宿なんか行きたかねぇよ!もうさ、リモートにしようよ!リモートに!」
パジャマ「リモートだと合宿になんねぇだろうが!だいたいリモートでどうやって合宿すんだよ!」
ウイニングチケット「そういえばさあ、私ロケット花火やりたい!1回ロケット花火を人に向かって撃ってみたいんだよね。あれ当たるとどうなるの?」
パジャマ「おそらく死ぬな。」
ナリタブライアン「アホか死なねぇよ。」
買い物客A「あっ!?ナリタブライアンだ!」
買い物客B「わあ、本物!?5馬身差のダービー、すごく興奮しました!」
ナリタブライアン「同情するなら金をくれ。」
買い物客B「次はいよいよ3冠目の『菊花賞』ですね!その後は…」
ナリタブライアン「同情するなら金をくれ!」
メジロマックイーン「同情なんかしておりませんわよ。あなたを応援してくださってるんですわよ。あと何でもかんでも金を要求するんじゃありません。」
ナリタブライアン「知るか!現金も渡さねぇで私と喋れると思うなよ!」
ウイニングチケット「それよりさぁ、ロケット花火人に撃ちたいよね?」
ナリタブライアン「ガタガタ言わずに金をよこせ。」
メジロマックイーン「もう言ってることが銀行強盗じゃありませんか!」
ウイニングチケット「今度ハヤヒデにロケット花火当ててみよ!あいつ頭でかいからいい的になるよ。」
???「おや?ブライアンじゃないか。」
パジャマ「あれ?君は誰だ?」
ナリタブライアン「美浦寮で寮長をしている…お前誰だっけ?」
ヒシアマゾン「ヒシアマゾンだよ!!」
ナリタブライアン「お前ここで何してんだよ?」
ヒシアマゾン「あぁ、寮内にいる後輩達と麻雀をしててな。負けちまったんで罰ゲームとして買い出しに来てんだよ。」
ナリタブライアン「また金も賭けねぇ麻雀しやがって…」
ヒシアマゾン「お前みたいに利益だけを求める博打は好きじゃないんだよ。ギャンブルってのは遊び感覚でやるもんだ。」
ナリタブライアン「それがくだらねぇって言ってるんだよ。ごっこじゃねえんだよ博打は。」
ヒシアマゾン「借金たくさん抱え込んで、首が回らない負け犬に言われたかねぇな。私は美しいギャンブルが好きなんだよ。」
ナリタブライアン「金も賭けねぇギャンブルが美しいわけねぇだろ。綺麗事抜かしてんじゃねぇぞ、顎へし折るぞ?」
ヒシアマゾン「あ、そうそう。今度のレース私も出ることになったからレース場でどっちが強いか決着つけようじゃないか。じゃあな、私も忙しいんだ。これから買い出しをした後はボランティアで幼稚園の子供達に『バカラ』を教えないといけないからもう行くな!あばよ!」
ナリタブライアン「いくら金をかけないからって子供の頃からバカラなんか覚えちまったら碌な大人になんねぇぞ!」
ヒシアマゾン「うるさい!お前よりはまともな人間になるわい!」ダッ
ーーー
ゴールドシップによる解説
バカラとはカジノゲームの一種であり、トランプが使われる。バカラは高額な掛け金をかける人が多いギャンブルです。ルールを簡単にいうと『右と左のどちらに10に近い数字が出るかを当てるカードゲーム』。単純明快、バカラは頭も使わず、技術も要らず、単純に「運」だけに賭けるゲームです。つまり馬鹿でもできるし、勝てるかもしれないゲームってこと。あぶく銭がある人はやってみれば?日本では禁止されてるけど。
ーーー
ナリタブライアン「バカラか…」
ウイニングチケット「あ、ヒシアマゾンどっか行っちゃった?クッソー、試しにさっき買ったロケット花火で的になってもらおうと思ったのにどっか行くなよ…」
メジロマックイーン「ロケット花火は人に向かって打つもんじゃありませんわよ。それよりヒシアマゾンさん、ボランティアで子供たちにお金のかからないギャンブルを教えているそうですね。なかなか面白いことをやってる人ではありませんか。」
ナリタブライアン「バカラか…」
ーーー
ウイニングチケット「ってなことがこの前あったのよ。今度のブライアンのレースは凄いバチバチしそうだね。ところでタイシン、ロケット花火の的になってくんない?」
ナリタタイシン「何で今の話の流れから、私がロケット花火の的にならないといけないのよ?」
ウイニングチケット「だってハヤヒデが的になってくれないんだもん。こんなに良い的なのに~。ねぇハヤヒデ!もう1回お願いするね!」
ビワハヤヒデ「嫌よ。」
ウイニングチケット「冷たいなぁハヤヒデは、こんなにでかくて良い的なのに…ねぇ?一発でいいから撃たせて。」
ビワハヤヒデ「嫌だし、キモいし、死んで。今私、集中しているの。今度のレース私も出るのよ。ブライアントの勝負は簡単じゃないんだから!」
ウイニングチケット「うわ、ハヤヒデも出るの!?うわ、やべ、どうでもいい!めっちゃ興味無いわ。それより大事なことがあるでしょ! ロケット花火の的になってよ!」
ビワハヤヒデ「嫌よ。」
ウイニングチケット「ロケット花火…」
ビワハヤヒデ「嫌よ。」
ウイニングチケット「ロケ…」
ビワハヤヒデ「嫌よ。」
ウイニングチケット「…」
………
一方、ナリタブライアンはというと…
ナリタブライアン「あぁ、バカラか…超やりてぇ。あぁ、バカラ超やりてぇ…あぁ…」
バカラをやりたがっていた。
ーーー
数日後、ハヤヒデがレース中にケガをしてしまった。そのせいでナリタブライアンとハヤヒデのレースはなくなってしまった。
メジロマックイーン「とんだ不運でしたわね、ハヤヒデさんがケガをするなんて。ブライアントさんとのレースがあるのに…」
パジャマ「ハヤヒデ入院してるんだろ?プライアン見舞いに行ってやれよ。」
ゴールドシップ「しょうがないな~、私がブライアンの代わりに見舞いに行ってやるよ。ほらみんな見舞金寄越せよ、一人5万円でいいからさ。」
メジロマックイーン「あなたは行かなくていいですわよ!ケ・ダ・モ・ノ!
ゴールドシップ「失敬な。私ほどの女神いないよ。私に見舞いされたら、人はあまりの神々しさにその場で天寿を全うするほどなんだから!」
メジロマックイーン「見舞いされた人死んでるじゃありませんか!」
パジャマ「2人ともうるさいぞ!ブライアン、今日はとりあえず練習はいいからハヤヒデの見舞いに行ってこいよ。」
ナリタブライアン「だが断る!…私は見舞いなんかに行かない、トレーニングに行ってくる。」
パジャマ「は?え?何で?ハヤヒデお前の身内だろ?ほら、見舞金。早く行って来いって。」
ナリタブライアン「分かった、行ってくる!」スタスタ
メジロマックイーン「何だか嫌な予感がしますわ。あの方、見舞金をくすねたりしませんわよね?」
パジャマ「いやさすがにねぇだろ、10万円だぞ?見舞金10万円くすねるなんて普通にバレるからやんねぇよ。」
メジロマックイーン「まぁ、さすがにそこまでする方ではございませんか。いやはや、人を疑うのは良くありませんわね。ちゃんとお見舞いに行く方ですから、優しい方なんでしょうね。」
ゴールドシップ「(えーと、チームシリウスから10万円の見舞金でしょ?あぁ、間違いなくくすねるなアイツ。くすねない理由がないでしょ。)」
ーーー
病院にて
ナリタブライアン「というわけで見舞いに来てやったぞ、喜べ。」
ビワハヤヒデ「ありがとう、あなたが来るなんて驚いたわ。ところでブライアン?見舞金が1000円ってちょっと少なくない?普通もっと多いんじゃないの?」
ナリタブライアン「普通だ。」
ビワハヤヒデ「…」
ナリタブライアン「ところでケガの調子はどうだ?頭から突っ込んだらしいな?」
ビワハヤヒデ「問題ないわ。ただブライアントとのレースに出ることはできなくなった。勝負したかったんだけど…」
ナリタブライアン「頭がでかいからだよ。頭だけダイエットすることはできないのか?」
ビワハヤヒデ「できないわよ!あと、私は頭でかくないし!」
ナリタブライアン「私だったら金さえ渡してくれれば、頭だって足だってダイエットすること…」
ビワハヤヒデ「ハッタリ言ってんじゃないわよ!あなた私のこと励ましに来たの?馬鹿にしに来たの?」
ナリタブライアン「これでも励ましてるつもりなんだがな、他人との会話は難しい。」
ビワハヤヒデ「ギャンブルとお金の事しか考えてないんだから。ブライアンは本当に昔から変わんないわよね。そういえば、次のレースで勝てばほとんど借金返済できるんでしょ?頑張りなさい。」
ナリタブライアン「あぁ…ようやく返済できる。」
ビワハヤヒデ「全額返済したら、また思う存分ギャンブルしなさい。」
ナリタブライアン「そうだな…ってやんねぇよ!お前また私をギャンブル付けにしようとしてるだろ!ふざけんじゃねぇよ!お前のせいで…」
ビワハヤヒデ「うるさいわね!それについては何回も謝ったでしょうが!もう許してください!」
ナリタブライアン「…」
ーーー
レース当日
実況『トゥインクルシリーズを締めくくる『有馬記念』、その主役はやっぱり"三冠ウマ娘(男)"ナリタブライアン!
ビワハヤヒデとの対決は惜しくも叶いませんでしたが、姉の想いを背負い、この大舞台に挑みます!』
ヒシアマゾン「ギャンブル症候群の輩(ブライアン)がこのレース注目されるとは…」
ナリタブライアン「あ、バカラだ。」
ヒシアマゾン「世も末だね。つくづく私のような誠実な奴が馬鹿を見る時代だよ。」
ナリタブライアン「あ、バカラだ。」
ヒシアマゾン「しかし、そんな世紀末も今日で終わりだ!私が貴様に勝ち!時代を支えてやる!」
ナリタブライアン「おい、バカラ、張り切りすぎてレース中にコケるなよ。」
ヒシアマゾン「お前さっきから私のことバカラって言ってないか?私はヒシアマゾンだ………ってか話聞いてるか?」
ナリタブライアン「…え?何だ?何か言ったか?」
ヒシアマゾン「言ったわ!もう1回聞け!今日で世紀末も終わりだ!私が貴様に勝ち!時代を変えて…」
ナリタブライアン「いいから早くゲートに行けよ。レース始まっちまうよ。」
ヒシアマゾン「…」
………
実況『13人の優駿たちで争われます、年末の大一番『有馬記念』。
何と言っても注目は、史上5人目の三冠ウマ娘(男)ナリタブライアン…』
ヒシアマゾン「私のことコケにしやがって…私のことコケにしやがって…私のことコケにしやがって!」
実況『そして、その遥か前方で我が道を行くツインターボ!
とんでもないハイスペースです!」
ツインターボ「ターボターボターボ!ターボターボ、ターボターボターボ!」
ナリタブライアン「……っ!!」
ダンッ
実況『おっと!
ここでナリタブライアンがペースを上げた!
それにぴったりとついていくライスシャワー!』
ライスシャワー「まだだ!まだ慌てる時間じゃねぇよ!ライスは後半頑張るんだ!」
実況『さあ、ナリタブライアンが先頭に立った!
ブライアンが先頭!!』
ヒシアマゾン「待てナリタブライアン!お前のような万年借金背負いのド畜生が私の前に走るな!」
ナリタブライアン「ー!後ろからガタガタうるせぇな!このレースに勝つのはこの私なんだよ!!」
実況『しかしブライアンだ!
ナリタブライアン、これで5冠達成!!』
観客『ワアアァァー!!』
実況『まさに横綱相撲!
来年はルドルフを超える!
そんな期待をさせる圧勝でした!』
観客『ワアアァァー!!』
ナリタブライアン「うるさい歓声だな…応援なんて別にどういい…レースや応援なんてどうでもいい…そんなことよりも…」
ようやく…借金が返せる…
………
レース終わりの夜…
マヤノトップガン「あれがナリタブライアンデスか。マヤもあんなワクワクするレースしてみたいデス。おう、ワクワクしマース!ジャパニーズワクワク…ワクワクさんデス!」
1人のウマ娘(男)がワクワクしていた。
ーーー
翌日のチームシリウスの部屋…
プルルル、プルルル!
ゴールドシップ「さっきから取材の申し込みが鳴り止まないよ!全く人気者は辛いね。私は1人だってのに。」
パジャマ「おめぇの取材じゃねぇよ、ナリタブライアンの取材だよ。」
ライスシャワー「ライスへの取材は?ライスも昨日走ったんだけど取材ないの?」
パジャマ「お前の取材はない。」
ライスシャワー「おい、1本ぐらいあるだろ?このご時世、何もないなんてあり得ないだろ?あるだろ?」
たづな「あの失礼します。ナリタブライアンさんいませんか?さっきから取材があるんですけど、ブライアンさんの姿が見えなくて…」
ゴールドシップ「おかしい、私への取材がないのはおかしい!私は人気のはずだよ!」
ライスシャワー「なぜだ!?ライスはもっと人気はずだ!何故だ!?世界よ滅びろ!」
たづな「あの、今これどういう状況ですか?え?カオスなんですけど!」
パジャマ「あ、すいません。今取材の申し込みが多すぎてチームシリウスのメンバー、一種の精神錯乱状態なんです。」
ゴールドシップ「今、私思ったんだけど、私最近レースに出てなくない?私っていつレースに出たっけ?」
パジャマ「お前がレースに出た記憶は俺にもない。お前…走れるの?」
………
ナリタブライアン「これでようやく借金もなくなり、気持ちよくギャンブルができる。後は………いつ引退するかだな。」
第11話………完