FAIRY TAIL ~妖精の双竜~   作:駄文帝

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約束

「この騒ぎは何事かねっ!!」

 

「村長!」

 

村が騒がしいのに気付いたのか村長のモカがルーシィたちの前にやってきた。

 

「聞いてください。もうすぐここに敵が来ます」

 

「敵!?」

 

「そいつらは森の遺跡に住み着いてて、みんなの体をそんな姿にした犯人たちなんです」

 

ルーシィが大まかな事をモカに説明するが・・・

 

「そんな事を聞いとらん!!月はまだ壊せんのかぁ!!」

 

あまり納得していないようだ。

 

「だ、だからもう月を壊す必要はないんだって。犯人さえ捕まえれば・・・」

 

「月を・・月を壊してくれぇぇ!!」

 

「村長!」

 

「落ち着いてください」

 

「はがぁ!!」

 

「さあ・・・こっちへ・・・」

 

数人の村人に取り押さえられたモカはそのまま何処かに連れて行かれる。

 

「気にしないでやってください。やっぱりボボ・・・息子に事がありますから」

 

「ええ」

 

村人の一人がルーシィに声をかけた。

 

「月さえなければボボは・・・!!」

 

「・・・」

 

去り際のモカの叫びを聞いたクリスは手を握りしめた。

 

「クリスさん・・・」

 

それを見たルナは心配そうな顔をしてクリスに声をかけた。

 

「わかってるよ。怒りで我を失ったりはしない。でも・・・この報いは絶対にあいつ等に受けてやる」

 

怒りを露わにしながらクリスはそう言った。

 

 

 

 

 

それから数分後。

 

「姫、準備が整いました」

 

「ありがとうバルゴ。さすがに穴を掘るのは早いわね」

 

「お仕置きですか?」

 

「ほめてんのよ!!」

 

ルーシィの星霊バルゴとルーシィが会話をしていた。

するとハッピーがルーシィに声をかけた。

 

「オイラやっぱりルーシィってバカかもって本気で思うんだ。

 

「淡々とそんな事いわれても・・・」

 

「こんな子供だましな罠にかかるとはどうしても思えないよ」

 

「何言ってんのよ」

 

そう得意げに笑うルーシィの後ろには・・・

 

「完璧な落とし穴じゃない」

 

「あい・・・その発想自体がバカかと・・・」

 

藁によって隠された落とし穴があった。

 

「この村の入り口は一つしかないでしょ?誰でも当然そこから入ってくるって訳」

 

「こんなのにひっかる人いないと思う」

 

「わ、私も・・・」

 

「おそればがら自分も」

 

「すいませんルーシィさん。私もです・・・」

 

「こんなのにひっかるのナツくらいじゃなの・・・」

 

「姫・・・私もです」

 

「バルゴも!?」

 

ルーシィ以外には不評だったようだ。

 

「その前にルナやハッピーのように空を飛んで来たらどうするの?」

 

「そんな事できる人めったにいな・・・」

 

「いない」ルーシィがそう言おうとした時、ぶぶぶっっといった音が空から聞こえてきた。

するとその方向には・・・

 

「空を飛んでるぅぅっ!!」

 

「あのバケツは一体・・・」

 

昼に遭遇した巨大ネズミ・・・アンジェリカが尻尾を回して空を飛んでいた。

 

「毒毒ゼリーの準備に時間がかかってしまいましたわ」

 

「しかしちょうど良かった。例の魔導士どもが村に集まっている」

 

「おおーん」

 

そんあアンジェリカの背にいる三人がそんな会話をしていた。

 

「デリオラを滅ぼさない限り私達の望みは達せられないのです。邪魔する者には〝死〟あるのみですわ」

 

シェリーが村を見下ろしながら呟く。

するとバケツの中身の液体がバケツから少しこぼれた。

 

「!ゼリー?」

 

こぼれた液体はルーシィの元に落ちてくる。

 

「ルーシィ!!」

 

「きゃああっ」

 

次の瞬間、クリスがルーシィを抱き留めて飛び出し、その場から離れる。

液体のはルーシィが先ほどまでいた地面の下の雑草に落ち、雑草は、しゅうぅぅと音を立てて溶けるだけではなく、その下の地面まで溶かす。

 

「ひっ」

 

「致死性の高い毒だよ、これ」

 

「あのバケツはいっぱいに入ってるのかか!?」

 

「ま、まさかバラまくつもりじゃ・・・」

 

それを見た村人たちが騒ぎ出す。

 

「醜い」

 

「え?」

 

ユウカの発した言葉に反応するルナ。

 

月の雫(ムーンドリップ)の影響が人間をこうも醜くするとは・・・まるで悪魔」

 

「デリオラの子のよう不愉快ですわ」

 

「あの人たち・・・」

 

「ルナ!何が聞こえたの!?」

 

「あの人たち・・・村人が醜いって・・・」

 

「アイツが・・・」

 

ルナから聞いてクリスは上空にいるシェリーたちを睨みつける。

 

「アンジェリカあやりになって」

 

「チュー」

 

シェリーの声を合図にアンジェリカはバケツに入った毒をばらまく。

 

「うああぁぁぁ!!」

 

「やめろぉぉ!!」

 

「きゃー」

 

「こんなのどうやって防げばいいのよ!!」

 

それを見て狼狽えるルーシィと村人たち。

 

「みんなさん!!村の中心に集まてください!!」

 

ルナをそう言うと両手を合わせる。

その間にも村人たちはルナの指示を聞いて慌てて村の中心に集まる。

 

「ワシは!!ワシはボボの墓から離れんぞ!!」

 

「村長!!気持ちはわかるが・・・」

 

そんな中、モカ一人はボボの墓の前にいた。

 

「ウインドメイク・・・」

 

ルナは風を集め形作る。

そして

 

「〝火鳥(ファイヤーバード)〟!!」

 

風の鳥が毒の向かっていく。

しかり大量の毒に飲みに込まれてしまうが・・・・

 

爆破(プロージョン)!!」

 

ルナがそう叫んだとたん、火鳥が周りに風を撒き散らした。

その風は毒を周りに吹き飛ばした。

 

「この風!風の魔導士!!」

 

そして吹き飛ばされた毒は周りに降り注ぐ。

 

「ひぃぃっ!」

 

「きゃああっ!」

 

「あわわ・・・」

 

毒が周りに落ちる度に村人は声を上げる。

そして毒の一部が墓の前に座り込んでいるモカへと落ちる。

 

「村長ーっ!!」

 

村人の一人が叫ぶ。

そしてモカの居た所に毒が当たり、墓石を溶かす。

それを見たルーシィたちは目を見開くが・・・

 

「この村長お仕置きですね」

 

「バルゴ!!」

 

次の瞬間、モカを持ったバルゴが地面から現れる。

 

「ああ・・・村が・・・」

 

「みんな溶けちまったぁ・・・」

 

「ひどいもんじゃ・・・」

 

「ケガ人はいないかー!!」

 

「大丈夫みたいよ」

 

村の惨状を見て騒ぐ村人たち。

 

「何とかなったけど・・・」

 

「村は酷い事になりましたね・・・」

 

「あい」

 

「絶対に許さないよ・・・」

 

クリスは怒りを露にしながらそう呟く。

 

「ボボの墓が・・・」

 

そう悲しそうにモカが残った墓石を見ていると、何者かがその墓石を蹴飛ばした。

 

「零帝様の敵は全て駆逐せねばなりません」

 

蹴ったのはユウカだ。そしてシェリー達が現れる。

 

「せめてもの慈悲に一瞬の死を与えてやろうとしたのに・・・どうやら大量の血を見る事になりそうですわ」

 

「させません」

 

「そうだね」

 

そう言うとルーシィたちは村人を庇うように、前に立ち塞がる。

 

「村人約50、魔導士3。15分ってことか」

 

「おおう」

 

「オイラもいるぞ!!魔導士4だ!!」

 

ルナは手を合わせ、ルーシィは鍵を取りだす。

そしてクリスは両腕の包帯を外す。そこには・・・

 

「え?」

 

「村人の仲間か?」

 

その両腕は蛇のように鱗に覆われていた。

 

「そんな事より前の敵」

 

「は、はい」

 

クリスの両腕を見て驚いているルーシィにそう声をかけた。

 

「アイツ等よくも・・・よくもボボの墓を・・・許さんぞぉっ!!」

 

「村長!!」

 

そう言って襲い掛かろうとするモカを村人が止める。

 

「オレたちはこの場を離れよう!!」

 

「魔導士同士の戦いに巻き込まれる!!」

 

「いやじゃ!!ほごぁ!!」

 

「誰か村長を黙らせてくれ!!」

 

そう口々に言いながら村人は逃げていく。

 

「逃がしませんわ、零帝様の命令は皆殺し。アンジェリカ」

 

「チュー」

 

シェリーに声を掛けらたアンジェリカは再び尻尾を回して飛び上がる。

シェリーはアンジェリカの組まれた手に飛び乗る。

 

「くっ!」

 

「うわ!」

 

突然起きた突風に吹き飛ばされないように、ルナとクリスは身を屈める。

一方のルーシィは・・・

 

「あれぇ!?なんか勢いでしがみついじゃったぁ!!」

 

何故かアンジェリカの足のしがみついていた。

 

「ルーシィさん!!」

 

「どうやったら・・・」

 

「やっぱりバカだったー」

 

そんなルーシィにルナ心配そうな声を掛け、残りの二人は呆れてきた。

 

「てか止まりなさい!!村の人に手出すんじゃないわよ!!」

 

そう言いながら、がしっがしっと足を殴り付けるルーシィ。

 

「何者ですの!?」

 

それに気づいたシェリーが足の方を見る。

 

「これならどお?」

 

そう言うとルーシィは足をこちょこちょっとくすぐり始める。

 

「チュアアア」

 

「アンジェリカ!!」

 

足をくすぐられたアンジェリカは尻尾の回転を止めてしまう。

 

「キャキャキャキャ!!」

 

「何してますの!?尻尾をとめたら・・・」

 

アンジェリカが飛ぶは尻尾を回しているからだ。当然その動を止めてしまったら・・・

 

「チュー!!」

 

「あああ」

 

「やった・・ああ!?」

 

落ちるに決まっている。

そのまま三人は叫び声をあげながら森の中に落ちていった。

 

「あ~あ・・ありゃキレるぞ」

 

「キレてねぇよ!?」

 

「お前じゃねぇよ」

 

「大丈夫かな・・・」

 

「ハッピーさん見てきてくれますか?」

 

「あい」

 

それを見た一同はそれぞれ言った後、ハッピーは翼を出してルーシィの方に向かう。

 

「お前の相手は私だね」

 

「離せよ!!」

 

クリスはトビーを片手で掴んで離れていった。

 

「おい」

 

「余所見していていいんですか?ウインドメイク〝(ホーク)〟!!」

 

ユウカが連れ去られて行くトビーの方を向いた隙を突いて風の鷹で攻撃するルナ。

 

「凄い風だな。お前が|妖精の尻尾に所属している翼人か!?」

 

しかしユウカは無傷でその場に立っていた。

 

「だがオレもかつては名のあるギルドにいた魔導士。そう簡単にはいかんよ。魔導士ギルド蛇姫の鱗(ラミアスケイル)と言えばわかるかな?」

 

「ギルドが凄いからと言っても、あなた強いとは限りませんよ」

 

「なら自分の目で見てみる事だな」

 

ユウカはそう言うと手をルナに向けて・・・

 

「波動!!」

 

水色の光「波動」を放った。

 

「ウインドメイ・・・!!」

 

自分の魔法で相殺しようとしていたルナは急に魔法を止め横に逃げた。

波動は先ほどまでルナの居た所を破壊していった。

 

「ほう、よく〝性質〟に気づいたな」

 

「〝(ファルコン)〟」

 

それを見たユウカは笑みを浮かべて呟く。

ルナはユウカに風の隼を放つが・・・

 

「波動!!」

 

波動が当たた瞬間消されてしまう。

 

「我が手より作り出す振動は全ての魔法を中和する。すなわち魔法を通さぬ魔法」

 

「だから私の攻撃が・・・」

 

蛇姫の鱗(ラミアスケイル)にいた頃は対魔導士の仕事専門だった、その意味わかるよな」

 

ユウカはそう言いながら両手に波動を纏う。

 

「全ての魔導士はオレの前では無力だからさ!!」

 

ユウカは波動をルナめがけて飛ばし、ルナに直撃する。

巻き起こった煙の中から何かを抱えたルナが空に飛んだ。

 

「だったらこれはどうですか?ウインドメイク〝燕《スワロー》〟!!」

 

そう言って無数の燕をユウカに放つルナ。

 

「波動!!」

 

そしてその燕はユウカの波動に消されるが・・・

 

「がっ!」

 

何処からもなく現れた無数の石がユウカを襲った。

 

「聞かないのは魔法だけですよね?」

 

(こいつ燕に石を持たせて・・・)

 

そう、ルナは燕に石を持たせることでユウカの攻撃したのだった。

 

「しかしそれでは、オレの方が勝つぞ」

 

しかし現在はルナの方がボロボロだ。

 

「ええ、そうですね。だから次はこれです」

 

そう言ってから先ほどから抱えていた大きな石を見せるルナ。

 

「お、おいちょっとまて!!」

 

「待ちません!!ウインドメイク〝大鷲《イーグル》〟!!」

 

ルナは石を投げそれに大鷲を当てて加速させた。

 

「んぎぃ!!」

 

そのままユウカに直撃。

ユウカは倒れ込んでしまう。

 

「やりましたか・・・」

 

ユウカに動きない。

 

「クリスさんとルーシィさん・・・ルーシィさんの方にむかったほうがよさそうですね」

 

ユウカを倒したと思ったルナはルーシィの方に向かおうとするが・・・

 

「油断したな!!翼人!!」

 

「!!」

 

まだ意識を失っていなかったユウカがルナに波動を放とうとするが・・・

 

「氷竜の弓撃」

 

何処から飛んだ来た氷の矢がユウカに直撃。

今度こそユウカは意識を失ってしまう。

 

「助かりました・・・でもこの攻撃って・・・」

 

その攻撃に心当たりがあるルナが、矢が放たれた方向に振り向くと・・・

 

「大丈夫」

 

「ルナ、無事か!?」

 

「レイさん!!エルザさん!!」

 

ルナの方に駆け寄ってくる、レイとエルザの姿があった。

 

「・・・酷い」

 

村の惨状を見てそう呟くレイ。

 

「ああ、村人は?」

 

「全員無事です。あっちの方に逃げました」

 

そう言って村人が逃げた方向を指さすルナ。

 

「そうか・・・早く向かったほうがいいな」

 

「うん。グレイの治療しないと」

 

「?グレイさ・・・!!」

 

エルザに背負われているグレイの気づくルナ。

 

「だ、大丈夫なんですか・・・?」

 

「応急処置はした。でも本格的な治療も必要」

 

「早く村人の所に向かうぞ!」

 

エルザとレイは村人が逃げた方向に向かおうとする。

 

「ちょっと待ってください!!ルーシィさんが・・・」

 

そう言ってルナは二人を止めようとするが・・・

 

「心配するな」

 

「え?」

 

「ナツが行った」

 

 

 

 

 

 

一方のクリスの方は・・・

 

「選ぶ相手をまちがえたな。オレはユウカより強いんだぞ」

 

「どうでもいいからさっさと来なよ」

 

村のはずれでトビーと対峙していた。

トビーは両手を構えると爪が伸びた。

 

「麻痺爪メガクガゲ!!この爪にはある秘密が隠されている」

 

「・・・麻痺じゃないよね?」

 

「なぜわかった!?」

 

自分の秘密がバレた事に驚くトビー。

 

「くそう・・・とんでもねぇ魔導師だぜ」

 

「・・・バカだ・・・」

 

「バカって言うじぇねぇよ!!」

 

バカといった言葉に反応したトビーが襲い掛かってくる。

クリスはそれは簡単にかわす。

 

「この爪に触れたら最後、ビリビリに痺れて死を待つだけだっ!」

 

「そうなんだ・・・ちょっと君に聞きたいことがあるんだ」

 

そう言うとクリスは回避行動をやめる。

勿論、トビーの爪が腹に突き刺さった。

 

「ばかめ!!」

 

そう言ってトビーは爪を抜こうとするが・・・

 

「村人に醜いっていった?」

 

「おお?」

 

クリスは何事もなかったに左手でトビーの爪を掴んだ。

 

「な、なんできかねぇんだよ!!」

 

「私、毒が効かないんだ・・・それよりも言ったの?」

 

クリスは先ほどのトビーと同じ様に右腕の爪を伸ばした。

 

「オ、オレじゃねぇよ!!」

 

「でもいったんだ・・」

 

クリスの爪に液体がつたり始める。

そしてその液体が爪か一滴落ち・・・

 

「な!?」

 

落ちた地面がジュゥっと音を立てて溶ける。

 

「じゃあ、君も同罪だね・・・」

 

「ちょ、ちょと待てよ!!」

 

「待たないよ・・・」

 

トビーの言葉には耳をかさず、クリスは腕をあげる。

そしてそのままトビー目掛けて腕を振り下ろそうとしたその時・・・

 

『クリス!!』

 

「!!」

 

グレイの言葉が脳裏をよぎり腕を止める。

 

「・・・」

 

トビーは恐怖のあまりか気絶してしまう。

クリスはそんなトビーの爪を自分の身体から抜く。

 

「そうだったね・・・約束だよね・・・グレイ・・・」

 

クリスはそう呟きながらユウカに蹴り飛ばされた墓石の前にむかった。

そしてその墓石を元に戻す。

 

「絶対に報いを受けさせる。だから待っててね」

 

ボボの墓石にクリスはそう呟いた。

 




今回も三連投稿させてもらいました。
それと残念なお知らせですが、定期考査が近づいているため8月まで更新を停止させてもらいます。
また8月に入っても、サークルの活動や自動車学校などで時間があまり取れないため今までどうりの更新が出来なくなってしまいますが許してもらえるとありがたいです。
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