桜が舞い散るこの季節、私は親元から離れて王都に、セイント学園の新入生としてやってきた。
辺りを見回すと私が住んでいた片田舎とは違い、しっかりと道は石畳で整備されているし、綺麗でオシャレなお店が沢山ある。
人が多くて目眩がしそうになる程、街は行き来する人間でいっぱいになっており、まっすぐ進むことさえ出来ない程だ。
と、言ってもまだ街に入った訳ではなく、ここは街の入口になる入国審査場である。
ここで今までの渡航歴や犯罪歴などが調べられる。
犯罪者や正規のルートで入ってくる以外の魔法薬や魔晶石等のものの流通を確認したりもしている。
私は母親譲りの背中まである少しクセっ毛の金髪をイジりながら、荷物を抱えて緊張した顔つきで入国審査を待っている。
「次の方、どうぞ」
「は…はい!」
荷物を抱えたまま審査官の指示に従う。
小さなカウンターで格子状になっている窓口に行き、審査官の目の前まで行く。
「ステータスプレートをお持ちですか?」
「はい、ちょっと待ってください」
抱えていた荷物の中からステータスプレートを出し、そのまま審査官に渡す。
ステータスプレートとは自身の魔力を付与する事で、今までの生活の中で起きた大まかな事を記してくれるアイテムである。
ステータスプレートの機能としては他にも、今まで倒してきた魔獣の討伐数や撃退数も記録される。
他の人が触ると、ステータスプレートが起動し名前や年齢等が分かるようになっている。
「ビナス・ルーシーさんの入国理由をお聞かせください」
「わっ私の入国理由は、セイント学園にいくことでしゅわ」
噛んだし、変なお嬢様口調になってしまった。
メチャクチャ恥ずかしい。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ、ルーシーさん」
「実は、私もセイント学園出身なんです。
だから後輩が来てくれると、とても嬉しいんですよ」
「本当ですか。」
この審査官さんは赤毛で多分座っている所為もあるが私よりも小柄な可愛らしい小柄な女性である。
16歳の私よりも歳上だと思うが、とても若々しく見える。
「本当ですよ。
ステータスプレートも問題無かったのでそのまま入国してください」
「ありがとうございます」
入国審査官の名も知れない先輩お姉さんに会釈をしながら、再度両手に荷物を抱えて歩き出す。
建物を出るとそこには夢にまで見た綺麗な街並みがあり、コレから3年間お世話になるデレウス王国の中心地、アンゼロへと足を踏み入れた。
想像通り街は喧騒が飛び交い活気に満ちている。
これからの学生生活が波乱に充ち、人の欲望渦巻く事件に巻き込まれるとは、まだこの時の私は知る由もなかった。
作者は豆腐メンタルであり、酔った勢いで制作しています。
ご了承くださいm(_ _)m