いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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必殺技と諸事情と偶然の事故


第10章 〜仮免取得〜
No.102 編め必殺技


 

「「「「学校っぽくてそれでいて、ヒーローっぽいのキタアァ!!!」」」」

 

3人の教師が現れると同時に相澤が言い放った言葉に、緊迫していた生徒達に熱気が高まる。

 

 

「必殺!コレスナワチ必勝ノ型・技ノコトナリ!」

 

「その身に染みつかせた型・技は他の追随を許さない。戦闘とはいかに自分の得意を押し付けるか!」

 

「技は己を象徴とする!今日日(きょうび)、必殺技を持たないプロヒーローなど絶滅危惧種よ!」

 

「詳しい話は実演を交え合理的に行いたい。コスチュームに着替え、体育館γ(ガンマ)に集合だ」

 

かっこよく、尚且つノリノリでエクトプラズム、セメントス、ミッドナイトの言い分とは裏腹に相澤はいつも通りの振る舞いで場所を指定する。

各自は元気良く「はい!」と返事して、コスチュームに着替えるべく更衣室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

コスチュームに着替えた一同は指定された場所体育館γへと集まった。

 

「体育館γ。通称トレーニングの台所ランド、略してTDL!!!」

 

「(((TDLはマズそうだ!!)))」

 

通常の体育館は木を使った床や壁が基本だが、その体育館γは窓ガラス以外は殆どコンクリートで作られており、その規模もかなり広い。

そして、何処かのディ○ニーランドをオマージュしてるようなセメントスの略称に生徒達は色々と問題が起きるのではないかと心配を浮かべている中、セメントスは両手を床に着ける。するとコンクリは波打ち、徐々にせりあがっていた。

 

「ここは俺考案の施設。生徒1人1人に合わせた地形や物を用意できる。台所ってのはそういう意味だよ」

 

要はセメントスの〝個性〟を使用すれば、生徒の要望通りに地形を組み替えて使用出来る体育館という事だろう。その説明に上鳴が「なーる」と頷き生徒達も納得している中、バッと飯田が勢いよく挙手した。

 

「質問をお許し下さい!何故、仮免許の取得に必殺技が必要なのか、意図をお聞かせ願います!」

 

「順を追って話すよ。落ち着け」

 

何かことあるごとに質問をする委員長はもはやパターン化してきている。この流れも慣れたのか相澤は切羽詰まらせる飯田を宥めながら、その意図を説明した。

 

「ヒーローとは事件・事故・天災・人災………あらゆるトラブルから人々を救い出すのが仕事だ。

取得試験では当然その適性を見られることになる。情報力、判断力、機動力、戦闘力。他にもコミュニケーション能力、魅力、統率力など、多くの適性を毎年違う試験内容で試される」

 

「その中でも戦闘力は、これからのヒーローにとって極めて重視される項目となります。備えあれば憂いなし!技の有無は合否に大きく影響する」

 

相澤に続けてミッドナイトが言う。災害、人民救助、(ヴィラン)の鎮静。これら全てにおいてヒーローは迅速に対処するのが役割となるが、()()()()に対処するのは時間がかかる、救けるのに失敗、最悪の場合は死に至る。それらの機転を上手く覆すのに必殺技が必要なのだろう。

 

「状況に左右される事なく安定行動を取れれば、それは高い戦闘力を有している事になるんだよ」

 

「技ハ必ズシモ攻撃デアル必要ハ無イ。例エバ…飯田クンノ〝レシプロバースト〟。一時的ナ超速移動、ソレ自体ガ脅威デアル為必殺技ト呼ブニ値スル」

 

「!アレ必殺技で良いのか……!!」

 

セメントス、エクトプラズムもそう説明し、エクトプラズムは飯田のレシプロバーストを評価すると、自身の考えた技が必殺技だと言われた飯田は全身を震わせ感動していた。

 

「マタ、火野クンノ〝スキャニングチャージ〟モ然リ。メダル個々ノコンボデ扱ウ事ノ出来ルソノ技モ、必殺技二打ッテ付ケト言ッテモ過言デハナイ」

 

「へぇ…そうだったんだ…」

 

「確かに火野の必殺技には救けられたな…」

 

「うんうんッ」

 

火野のオーズのスキャニングチャージ。これもまたそのコンボを最大限に活かした大技に値され、気付かなかった火野は感心していると、轟と緑谷が納得して頷いていた。

 

「なる程…。自分の中に『これさえやれば有利・勝てる』って型を作ろうって話か」

 

「そ!他にも、先日活躍したシンリンカムイの『ウルシ鎖牢』なんか模範的な必殺技よ。わかりやすいよね。相手が何かする前に縛っちゃう」

 

砂藤もわかりやすく自分で考察すると、ミッドナイトが例を上げる。

 

「中断されてしまった合宿での『〝個性〟伸ばし』は…、この必殺技を作り上げる為のプロセスだった」

 

ただ〝個性〟を強化するだけの特訓だったと思い込んでいた生徒達は相澤の言葉を聞いて驚く。すると、セメントスがコンクリを勢いよくせりあがらせ、天井高く聳え立ったコンクリの足場に、エクトプラズムは無数の分身を配置させる。

 

「つまりこれから後期始業まで……残り十日余りの夏休みは、個性を伸ばしつつ必殺技を編み出すーーー…

圧縮訓練となる!」

 

A組一同の目の前に広がる光景。聳え立つ無数の足場にエクトプラズムが無数に見下すように配置されていた。圧巻とも言えるその光景に生徒達は緊張感を抱く中、続けて相澤は口を動かす。

 

「尚、〝個性〟の伸びや技の性質に合わせて、コスチュームの改良も並行して考えていくように。プルスウルトラの精神で乗り越えろ、準備はいいか?」

 

「「「「「ーーー……ワクワクしてきたぁ!!!」」」」」

 

返事では無く、良い意味での緊張感が体育館γに走る。地獄の〝個性〟伸ばしよりも何倍も期待が膨らむ生徒達。そんな中、火野は考え込んでいた。

 

「どうしよ……」

 

顎に手を付けて考え込む火野。それを見ていた相澤は察したのか、火野に声をかけた。

 

「火野、お前は現時点でどのくらい必殺技を持っている?」

 

「え、あ…えと、コンボの数だから……あの紫のメダルも含んで…多分6個ですッ」

 

「6もあんの!?」

 

「やっぱ実力者は違うなぁ!」

 

メダルのコンボによってその必殺技は繰り出されるオーズ。無論、武器のメダジャリバー、タジャスピナー、メダガブリューを含めばもっと数はあるかも知れないが、オーズ単体での数を火野は指で数えて応える。決して多くない数字だが、必殺技を碌に編み出していない他の生徒達にとってはその数は驚かれる程なのか、上鳴と切島を軸に生徒達は驚き、騒ついていた。

すると、それを聞いた相澤は口を開く。

 

「そうか。火野は必殺技を2つ以上持っているから、課題ノルマは達成しているな。火野はここでの訓練はそれらの必殺技の修行と、それに対する修正・改善を行い、把握しておけ」

 

「わ、わかりました」

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

やる事が決まり、各々はエクトプラズムの指導を元に、必殺技を編み出す為に訓練を始めていた。

 

「サテ…火野クン。始メルゾ」

 

「はいっ…アンク!」

 

持ち場に着いた火野は、分身体のエクトプラズムに言われ、さっそく変身しようと体の中に居るアンクに呼び掛ける。それに応えるように火野の体から大量のセルメダルが出て来て、人間姿のアンクへと姿を変える。

そうしている間に、辺りの練習場で衝撃音や恐らく爆豪の爆破であろう轟音が鳴り響いていた。他の者も訓練を開始したのだろう。

すると、アンクは火野に向かって声を掛けた。

 

「おい映司。ウヴァも呼び出せ」

 

「え?いいけど、何で?」

 

「いいからさっさとしろ」

 

急に要件を言うアンクの言葉に火野は疑問を抱きながら「ウヴァ」と自身に呼び掛ける。すると、アンクと同様セルメダルが漏れ出し、人間態のウヴァが出現した。

 

「何だ、映司」

 

「何だじゃない。おいウヴァ、お前のメダルをよこせ」

 

「は?何言ってやがる?」

 

「お前が持ってたらタトバが使えないんだよ」

 

アンクとウヴァのやり取りを聞いて火野は察していた。昆虫類を模したウヴァは緑のコアメダルをその体内に取り込んでいる。その中にバッタのメダルが含まれている為、基本形態のタトバを使う為にウヴァのメダルが必要不可欠になってくるのだ。

だが、要求されるウヴァは嫌そうな表情を浮かべてアンクに向かって声を上げる。

 

「断る!貴重なコアメダルをそう簡単に渡せるか!他のメダルで代用しろ」

 

「あ?……フン。何を言い出すかと思えば…お前、自分がここに居る理由をもう忘れたか?」

 

「何?」

 

アンクの言葉にウヴァは反応すると、その意味を察したのか唸り声を上げながら俯く。数秒黙り込むと、ウヴァは観念したのか渋々バッタのコアメダルを火野に向かって投げ渡した。

 

「おっと。サンキュー、ウヴァ」

 

「フンッ」

 

お礼を言う火野にウヴァは鼻を鳴らすと体を半回転し、競り上がったコンクリの方へと歩くとその場に座り込んだ。それを見ていた分身のエクトプラズムは火野に声をかける。

 

「苦労シテイルノダナ」

 

「えぇまぁ……。アイツらにとってこのコアメダルは…その、命みたいなモノですからね」

 

「事情ハ聞イテイル。ダガ協力シテ行動ヲシナイトイザト言ウ時二危険ナ目二合ウ事ヲ忘レルナ。火野クンハ、アンククントウヴァクントノ意思疎通ヲ課題二加エテオコウ。ジャア先ズハ君ノ必殺技ヲ見セテクレ」

 

エクトプラズムの言葉に火野は「はい!」と返事をする。火野の言う通り、アンクとウヴァはコアメダルをその身に宿す事によって実態を保つ事が出来る存在。自身のコアメダルが9枚揃う事によって完全体と言える存在になるのだが、ウヴァの持っている枚数は自信の意思を宿すコアメダルを含めて4枚。アンクは9枚を所持しているみたいだが、それでも火野に渡せるのは信頼関係があってこそだ。ウヴァは火野と契約して一緒に行動しているとは言え、まだ日が浅い。増してや4枚しか無いので1枚でも渡すのは抵抗があるのだろう。

その信頼を得て実戦の際に直ぐに渡せるようにするのを火野は今後の課題となった。

 

「アンク、メダル!」

 

「受け取れっ」

 

残りのメダルを貰おうと火野は手を差し伸ばすと、アンクはタカとトラのメダルを取り出し火野に向かって投げ渡す。2枚をキャッチした火野はオーズドライバーへとそれを嵌め込み、オースキャナーを取り出してソレをスキャンした。

 

「変身ッ」

 

 

 

タカ!

 

トラ!

 

バッタ!

 

 

 

 

 

3つのリング状のエネルギーが重なり、火野はオーズに姿を変える。戦闘モードに入ったオーズにエクトプラズムは「来イ」と言って身構えた。アンクはその光景を見つめながら、ウヴァとは少し離れた場所へと座り込む。

 

「おいアンク」

 

「あ?」

 

ふと、ウヴァがアンクに声をかける。面倒くさそうに返事をすると、ウヴァは口を開いた。

 

「お前は何故映司と一緒にいる?」

 

「今更なんだ?」

 

「前から気になっただけだ。いいから答えろ」

 

ウヴァの素朴な質問に疑問を抱くアンクだが、その答えを直ぐに返答した。

 

「まァ、使える馬鹿だからなあいつは。メダル集めは全然駄目だが、ここぞと言う時はやってくれる。……それに、お前も気付いてんだろ?あいつと一緒にいれば、俺達みたいな奴でも()()()()()()ってことをなぁ…」

 

火野と一緒に行動すれば、叶えられなかったその欲望を、少しずつだが実感して満たされる。グリードの体である彼らにとっては些細な事だが、それでも得られなかった快楽をその身に実感して得ているのだ。

 

「………認めたくは無いが……確かにそうだな」

 

死闘を繰り広げて来たウヴァにとっては、オーズの力を扱う火野と共に居る事態、認めたくはない現実だったが、火野と共に居る事により、それは認めざるを得ない現実となっていたのだ。

 

 

 

スキャニングチャージ!!

 

 

「せいやぁあああああッ!!」

 

アンクと話している間に、オーズは上空に飛び上がり、タトバの必殺技〝タトバキック〟をエクトプラズムに向けて放つ。衝撃波と轟音が鳴り響き、分身体であるエクトプラズムは威力に耐え切れず、煙となって消え去った。

 

「っとと!…あぁすみませんッ!」

 

「イヤ、謝ル必要ハ無イ」

 

思わず倒してしまった事にオーズは謝っていると、直ぐに別の分身体のエクトプラズムが到着してオーズに言う。

 

「基本形態デノ威力、破壊力モ申シ分無イ必殺技ダナ。流石ハ火野クンダ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

必殺技を評価するエクトプラズム。すると、その訓練場のコンクリをよじ登り、声を掛けて来る男性が現れた。

 

「やァ火野少年!」

 

「え、あれ!?オールマイト!?どうしてここにっ?」

 

「私が直々アドバイスをしてあげるぞ」

 

やって来たのはトゥルーフォームのオールマイトだった。まだ怪我は完治して無いのか、右腕にはギブスが嵌められており、オーズは思わず「動いて大丈夫ですか?」と心配する。

 

「ハッハッハ、これくらいどうって事無いさ。必殺技は順調かい?」

 

「はい、俺は必殺技を幾つも持っているので、その修正と改善を今は行っている所です」

 

「成る程…。確かに君のオーズにはその〝個性〟を最大限に活かした機能が備わっていたね。…なら、他のコンボも実戦して私にも見せてくれないか?出来る限りは助言して上げよう」

 

「オールマイトが直々に観てくれるなんて光栄です!わかりました、アンク!」

 

オーズは嬉しそうに頷くと、待機しているアンクに声を掛ける。だが、アンクはオールマイトに向かって不機嫌そうに口を動かした。

 

「おいオールマイト、余計な心配は必要無いぞ。こいつの力くらい俺が嫌と言う程観て来た。助言なら俺でも十分事足りる」

 

「あ、アンク!」

 

「HAHA…確かにそうだね。でも、私もジッとはしてられないんだ。こんな体になった以上、今出来るのは生徒達を見守る事。少しばかり私の我が儘に付き合ってはくれないだろうか?」

 

オールマイトの言葉に、アンクは数秒黙り込むと「…勝手にしろ」と不貞腐れるように了承する。アンクなりに、オールマイトを気遣っての態度だったのだろうとオールマイトは解釈しながら「ありがとう」と礼を言い、アンクはそのまま次のメダルをオーズに投げ渡したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

「んぁ〜……流石に連続のコンボは堪えるなぁ………」

 

「一瞬だけとは言え、連続で扱えるのはせいぜい4回までってとこか。さっさとその力をモノにしろ映司」

 

「無茶言うなよ。力が強い分反動もデカいんだから…。特にウヴァのコンボが1番負荷が掛かるんだよ」

 

「ム…………フハハ…、それだけ俺のメダルが強いって事か」

 

「フン、低脳みその虫ケラが。お前のは増えすぎんだからそれだけ扱い辛いって意味だ」

 

「なんだと!?」

 

「あーもう、やめろって2人共!」

 

必殺技の訓練を終えた火野は、使い過ぎたコンボの疲労を休憩して少し回復させ、アンクとウヴァと共に廊下でくっちゃべりながら歩いていた。毎度のように喧嘩する2人に呆れ果てて溜息を吐く火野に対して、ウヴァは声を掛ける。

 

「ところで映司。今何処へ行こうとしてる?」

 

「相澤先生が言ってただろ?…って聞いてないか。今のコスチュームを少し改良したいからここの開発工房に向かってるんだよ」

 

相澤曰く、コスチューム改良は専門外なので雄英専用の開発工房で改良するようにと言われたのを説明する火野。説明などウヴァにとってはどうでも良い事なので聴いていないのも無理は無い。すると、火野のコスチュームをジロジロと見たアンクは軽く鼻で笑った。

 

「その私服みたいな服を改良だと?フッ、何処をイジるんだ?」

 

「何処って、変身しなくても動きやすいようにするのと、この腰の鞄をもう少しデカくしようかと…。連続でコンボを使用して疲れた時の栄養ドリンクとかをもっと入れておこうかなって…」

 

火野のコスチュームはエスニック風の私服に近いコスチューム。直ぐに変身して活動する為にそこまで改良する必要が無かったのだが、コンボを使い過ぎて倒れてしまっては元も子もないので、多少の疲労が回復出来るようにと改良を望んでいるらしい。

そうしている間に火野達は雄英高校の一階へと降り、サポート科が扱う開発工房へと辿り着くと、その扉付近に1人の女性が立っていた。

 

「あれ、耳郎さん」

 

「あ、火野。おっ………す」

 

「ム?…貴様……」

 

立っていたのは耳郎で火野の呼びかけに反応し、挨拶をしようとするが、耳郎は隣に居たウヴァと目が合い、その目付きは睨むように変わる。

 

「……アンクも元気?」

 

「あ?…別に元気でも無い」

 

「そか、火野もコスチュームの改良?」

 

「おい、無視をするな…!」

 

ふと我に返った耳郎は目線を変えてアンクと火野に声を掛けるが、その対応が気に入らなかったのかウヴァが怒り気味でそう言う。だが、いちいち宥めるのも疲れたのか火野は無視して耳郎に向かって口を動かした。

 

「うん、ちょっとだけね。耳郎さんは?」

 

「ウチも自分の〝個性〟を活かす為に改良。ちょっとウチなりに考えた必殺技に使えるかなって」

 

「へぇっ、どんな必殺技なの?」

 

「まぁ…それは実際に出来上がってからってことで」

 

焦らす耳郎に火野は「えー何だろう」とボヤきながら先にその扉の前に立ち、開けようとした。

その瞬間だった。

 

 

 

BOMBッッ!!!

 

 

「うわぁあっ!!?」

 

「なっ!?爆発!?」

 

「っ!?何だ!?」

 

突然開発工房の扉が吹き飛び、爆発と同時に立っていた火野が吹き飛ばされてしまう。アンクとウヴァは驚き、一瞬何が起きたのかわからない耳郎はその光景を見て唖然としていた。

 

「フフフ……()()()やっちゃいました………」

 

「ゲホッゲホッ………お前…何回やれば気が済むんだ…!さっき言った事をもう忘れたのかよォオ…!」

 

爆発の煙が工房の中から充満している最中、その煙の中から女性の声が聞こえ、それに反応するかのように部屋からパワーローダーが不機嫌そうに言いながら顔を覗かせる。

 

「フフフフ…パワーローダー先生、私は失敗なんて恐れませんよ。かのトーマス・エジソンは仰いました。『天才とは、1%の閃きと99%の努力である』と!」

 

「それさっきも聞いたんだが…!?本当にお前出禁にするよ…発目!!」

 

パワーローダーが名を呼んだ頃合いに、その煙は晴れていく。同時に吹っ飛ばされた火野は何事かと目を開けると、爆発の威力で飛ばされたのか火野の上に発目が乗っかっていた。

 

「は、発目さ……!?!」

 

「あれ!?貴方はオーズのお方ではありませんか!」

 

火野は発目の胸元に目を向けて硬直した。黒のタンクトップで、次第に感じて来るその柔らかな感触に火野の顔は徐々に赤くなっていく。

 

「(なん……!!!)」

 

視界が広がった耳郎も、火野の上に乗ってる発目のその胸元を見て驚愕し、そして火野が顔を赤くしているのを見てショックを受けていた。

何故、神とやらは平等と言う物を与えてくれなかったのだろうかと。

 





No.103 発明好きな発目

更に向こうへ!Plus Ultra!!
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