いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ 作:しょくんだよ
ひょひょー!!評価10とは!高評価も沢山!
感謝感激感動極まれりですううう!!!
本当こんな作品にありがとうございます!!!
しかも久々にランキング入ってもうテンション爆上がりですぅ!!
これからも頑張りますのでどうかよろしくお願いします!!
※今回はアニメオリジナルの話が含まれています
作戦とお姫様と実力者
『えー…けっこう状況動いています!現在通過者が52…あ、53名!続々出てます!2人以上を脱落させた者もいる為、脱落は230名!そして今、54人目出ました、あと半分切った!早く!終われ!』
第一次選考は数十分程経過し、続々と通過者がで始めていた。再び目良は眠気が襲ってきたのかややキレ気味にアナウンスする中。
場所は変わり、工場をモチーフにしたエリア。
その一部の一帯には、建物や道を埋め尽くす程の氷が覆われており、足元を凍らされて身動きがとれなくなっていた忍者を模したコスチュームの候補生達が「くそっ!」と悔しそうに悪態を吐いている。そして氷の〝個性〟を使用したのは雄英生徒である轟だ。
「フゥ…」
白い息を吐く轟は、両手を見ながら歩き出す。〝個性〟伸ばしや必殺技訓練をしたとは言え、まだ両方を同時に発動するには練習不足なのか体の動きが鈍っている。まだまだだと反省していると、体に取り付けていたターゲットが青色に発光した。
『通過者は控え室に移動して下さい。……早よ』
このターゲット装置は、通過や脱落をデータとして送信されるらしく、ボールと装着者を認識し誰が誰に当てられたか距離や動き等を様々な要素から判定されている。因みに一度取り付けられたら、専用の磁気キーでないと外せないらしい。こういう無駄にハイテクな道具にもお金を掛けているので、それだけ仮免は重要な試験と言えるのだろう。
ターゲットに急かされた轟は少しだけ早歩きとなって控え室へと足を踏み出したのだった。
☆★☆★☆★☆
同時刻、岩場のエリアを後にしたオーズ達は、高層ビルのエリアへと侵入し、周りの様子を伺いながらその奥地へと入って行く。
「どんどん通過者が出てるわね」
「半分は切ったみたい…俺達も急がないと」
「お2人共、焦りは禁物ですわ。耳郎さん、障子さん、周囲の状況はどうですか?」
アナウンスを聞いて、ビルの隙間壁を張って歩く蛙吹の声に、オーズは頷き、八百万はそう言って周囲の状況を探る障子と耳郎に声をかけた。
「…かなり離れた場所から数人くらいの足音が聞こえるよ」
「どうやら近くにはいないようだ…その数人を叩くか?」
「…そうですわね………」
2人の返答に八百万は頷き考え込む。すると、アンクが「フン」と鼻を鳴らして口を開いた。
「ちまちま隠れて行動するなんざ面倒だな…。おい映司、ボールをよこせ。人間2人にボールを当てれば合格ならお前だけ通過すれば良いだろ」
「え?」
手を伸ばして言うアンクにオーズは反応すると、障子が口を動かした。
「…確かに、アンクなら1人の試験者では無く、火野の〝個性〟。ターゲットが無い以上、強引にでもボールを当ててしまえば火野は少なくとも楽に通過出来るな」
「そうね、この状況から考えれば、アンクちゃんが動いてくれれば今の火野ちゃんは無敵よ」
アンクの提案に障子と蛙吹が頷きそう言う。
火野の〝個性〟として動けるアンクは、その〝個性〟である以上ターゲットを身に付けていない。アンクだけで他の候補生に突っ込んでも、ターゲットが無い以上相手も反撃するだけでほぼデメリットは存在しない。1人でも雄英生が先に通過出来るのなら、今はそれが優先的であると、八百万も無言でオーズを見つめているが、オーズは直ぐにそれを否定した。
「確かにそれなら俺は楽に通過出来るけど、駄目だ」
「あ?」
「そんな勝ち方で通過するのは俺個人としてあまり気が進まない…。ここに居る皆と協力して、通過する方が後味良いでしょ」
「ちっ、どこまでもお人好しが。誰もお前の都合なんか聞いてないぞ!」
「最終的に通過出来たら別に良いだろッ。楽してクリアするなんて、俺は望まないね」
「お前…!」
「お2人共御止めなさい!」
徐々に張り合うオーズとアンクに、八百万は声を上げてそれを止める。オーズはハッとして「ごめん」と謝り、アンクは「…フン」と呆れてそっぽを向くと、オーズは口を動かした。
「とにかく!今は救け合って、誰も脱落せずに全員で通過しよう。人数居た方が全員クリア出来る確率も上がるだろうし、その方が絶対良いに決まってる」
「火野…そうだな」
「ウチも賛成」
「ケロッ」
オーズの言葉に障子、耳郎、蛙吹は頷き、その意見に八百万も賛同して口を開いた。
「そうですわね。火野さんの仰る通り、人数が多い方が勝算の幅が広がりますわ。ここは全員で通過しましょう」
「決まりだね。じゃあアンクはフォローを頼むよ?」
「馬鹿が、勝手にやってろ」
オーズは頷き、そっぽを向くアンクに声を掛けるが、意地を張ってしまったのかアンクはそれを否定する。「もォ…」とオーズは息を吐くと八百万が辺りを警戒しながらふと、1つのビルを発見する。
「皆さん、一先ずあのビルの中へ向かいましょう。ここで相手側から見つかってしまえば格好の的になってしまう可能性があります。あのビルの最上部なら、障子さんの索敵も発揮出来ますし、もし敵に見つかってもビルの地形を上手く利用すれば身を潜めながら戦闘を行えますわ」
「わかった」
「ケロ」
「異論は無い。直ぐに向かうぞ」
3人は頷き、早速目的のビルへと向かおうとする。すると、オーズは「ちょっと待って」と食い気味に声を掛け、4人の足を止めた。
☆★☆★☆★☆
同時刻。八百万達が向かおうとしているビルの隣のビル。その最上階部の部屋、試験真っ最中の筈なのだが、その一時を忘れているかのように1人の候補生が、椅子に腰掛けテーブルの上に置かれている紅茶を飲みながら優雅に過ごしている者が居た。見た目は白をベースとした清楚な学生服に学園の勲章をデザインされたベレー帽子を模した帽子を被っており、髪型は薄水色のロングヘアーで、片目にはモノクルをかけている。
「才様」
ふと、隣に立っていた少し小太りの女子生徒がその候補生の名を呼ぶ。彼女もまた同じ制服を着ており、どうやら同じ学園の生徒のようだ。
「雄英生5人と1人が、隣のビルに向かっているのを確認致しました」
「『映像』は出せて?」
紅茶を置いた才は小太りの生徒に言うと、「はい」と頷き、彼女は片目を開けると赤く光り出したその目から映像が空中投影された。
映し出された映像にはビルに向かおうとする八百万達がくっきりと映し出されており、才は八百万達を見つめて口を開いた。
「『腕の複製』、『蛙』、『音波使い』、『物を創り出す』、『動物のメダルを使い分けその能力を使える〝個性〟』そして、その彼から生まれた独自で動く〝個性〟型の人……」
一目見ただけで瞬時に八百万達の〝個性〟を見抜く才。すると、彼女はスッと両目を閉じる。何か考え事をしているのか、暫く目を瞑っていると、先程までの御淑やかな表情は消え去るように彼女は顔を曇らせながら目を開いた。
「才様、如何なさいましたか?」
「……困りましてよ。私の〝個性〟を使用してさえ、勝利の方程式が見当たりませんわ。彼、メダル使いの御片が相手では、ビルの構造を駆使しても…此方との戦力差も…恐らく歴然……」
オーズを見るなり、才は眉を八の字にして顔に手を当てながらそう言う。小太りの生徒も心配そうに「才様…」と声を漏らしていると、その部屋の扉がガチャリと開かれた。
「私、なら行け…ます」
「
「……何か申し出して?」
屋上から外の候補生達を偵察していた突島が才に声を掛け、才は意図を聞こうとする。
「隣のビルに…
「…要するに〝囮〟。貴方の意見は把握致しましてよ。ですが、メダル使いの彼の〝個性〟は未知数…。これは推測ですが、彼はまだ複数のメダルを公表せずに所持している可能性が高くてよ?それに姿が変わった時の身体能力も高くなってる…。貴方だけの〝個性〟ではとても対処し切れるとは思えませんわ」
ポツポツと喋る突島は提案を申し出る。
観察力、そして知恵も働くのか才はオーズを考察して意見を述べる。しかし、突島はそれでも「大丈夫、です」と言い切り、制服のポケットから何かを取り出して才達に見せる。
「……貴方、それを何処で?」
「えと…『神野区』で偶然拾いました。これをオーズに見せれば、少なくとも私の方に来てくれる。時間稼ぎくらいなら、わ、私でも出来ます。その隙に、才…様達は、残りの生徒達を相手に、出来…ます」
突島の見せる物、そして彼女の考える提案に才は顎に手を乗せて俯く。すると、「フフ…」と企みの笑みを浮かべると、席から立ち上がった。
「わかりました。貴方の提案、受け入れましてよ。では、皆を集めてもらえる?残りの4人を相手なら私の勝利の方程式は既に決まっているも同然でしてよ」
「はい、才様」
才の言葉に小太りの生徒は了承し、早速部屋から出て行く。才は突島に「後はよろしくてよ?」と言うと、突島は「はい」と頷き、手に持っている1枚の『セルメダル』を握りしめて部屋を出て行った。
☆★☆★☆★☆
一方、目的のビルの入り口へと到達したオーズ達。
「よし、尾行はされて無いな…」
「皆さん、用心して下さい。私達の〝個性〟を把握してこのビルの中にも潜んでいるかもしれません。慎重に参りましょう」
辺りを警戒しながら言う障子に、八百万は警戒態勢を怠らずにメンバーに伝える。緊迫する空気の中、オーズ達はビルの中へと入ろうとしたその時だった。
「いッ!?」
突然耳郎が声を上げる。何事かとその場にいたメンバーは耳郎へと振り返る。
「どうしたの耳郎ちゃんっ」
「い、いや、何か肩にぶつかって…」
突然肩に衝撃が走り、心配する蛙吹に耳郎はそう応えながら足元に落ちている物を耳郎は拾い上げる。
「え…これ…!火野!」
それが何か、直ぐに理解した耳郎はそれをオーズとアンクに見せる。耳郎の手に持っていたのは、1枚のセルメダルだった。
「え!?メダル!?」
「なに…!」
オーズとアンクは目を大きく見開き、アンクは耳郎に近寄りセルメダルを奪うように取り上げる。
「何でこの試験場にメダルが…!?アンク!」
「……いや、ヤミーの気配は感じられない…。あの脇真音共の気配も…誰かが仕向けたのか?」
この世界でメダル絡みと言えば
すると、オーズは何か見つけたのか「あ!」と声を出す。指を指している方角をその場の全員は見つめると、別のビルの屋上からこちらを見下ろす様に、突島が立っていた。
「誰かいる…!」
障子が言い、全員は腰を少し低く倒して身構える。全員が見つけたのを確認した突島は、オーズとアンク
「何処のどいつだか知らないが、奴を放っておく訳には行かないなァ」
アンクは言い終わると、地面を強く踏み込み突島の居るビルへ向かうように跳躍する。
「ちょ!アンクッ!」
オーズは慌てて追いかけようと足を踏み出す。だが、八百万は「お待ち下さい!」と声を上げた。
「火野さん、これは敵の罠かもしれません!」
一連の流れを見るからに、突島の行動は明らかにオーズとアンクを誘い出す行動を見せた。既に敵の攻撃が始まっていると考えた八百万はオーズを止めようとしていたが、オーズはアンクの方角を見つめて口を開いた。
「例え罠だったとしても、メダルを持っている時点で、無いかも知れないけどもしかしたら
「あ、火野…!」
そう言い残したオーズはその場から跳躍し、アンクの後を追って行く。耳郎も呼び止めようとするが、既にオーズは突島の居たビルの屋上へと上り詰めてその場から姿を消していた。
2人の姿が見えなくなると、障子は八百万に声を掛ける。
「どうする八百万、火野の後を追うか?」
「……いえ、火野さんの言われた通り私達はビルの中へと入りましょう。彼も無闇に行動する御方ではありません。火野さんとアンクさんを信じましょう」
「…そうだな」
今成すべき事を思い出し、八百万はそう判断する。八百万と障子が先陣を切ってビルの中へと入って行く中、2人の後を追う耳郎に蛙吹が声を掛けた。
「大丈夫よ響香ちゃん。火野ちゃんとアンクちゃんはそう簡単に脱落したりしないわ」
「う、うん…ありがと梅雨ちゃん」
「ケロ、今は私達がやるべき事をやりましょう」
心配そうな表情を浮かべる耳郎を励ます蛙吹。耳郎はグッと気持ちを切り替えて、「マジで頼むよ…」と自分に言い聞かせるような小さい声を出す。そして八百万達の後を追って行った。
☆★☆★☆★
「いた…アンク、待てって!」
「来るのが遅すぎんだよ」
「急に飛び出すアンクが悪いだろ…。で、あの人がさっきの…?」
ジャンプから着地したオーズはアンクに合流し、文句を垂れるアンクに言い返しながらオーズは目の前に居る突島を見遣る。グリード化している右腕を突き出し、アンクは突島に問い掛けた。
「お前、何者だ?何故セルメダルなんか持っていやがる?」
「えと…偶然、神野区で拾った。君達が、そのメダルに関わっているのは……テレビで見てた、から」
「神野区って…、あの現場に居たのか」
ポツポツと喋る突島。悪夢と呼ばれていた事件が起きたその神野区に居合わせていた事に衝撃を受けるオーズ。すると、アンクは「ハッ」と笑い口を開いた。
「何だ、鴻上か脇真音の連中に関わっていると思っていたが、とんだ期待外れだな」
「ごめん、…でも、君達を足止めする様に言われた。だから、暫く…わ、私と相手して欲しい」
深く息を吐くアンクに申し訳なさそうな表情で突島は言うと、その言葉にオーズは反応する。
「足止めって、じゃあこれは俺達を引き離す為…!?八百万さん達が危ない!」
既に敵の作戦にハマってしまった事にオーズは動揺して八百万達が入って行ったビルの方へと振り返る。
その直後だった。
「!?おい映司!!」
咄嗟にアンクがオーズの名を叫ぶ。オーズは「え?」と振り返ると、少し離れていた場所に立っていた突島が、地面を蹴って
「なっ!?」
「フッ!!」
驚くのも束の間、突島は右腕の掌から〝棒状〟の何かを生み出す様に取り出し、オーズ目掛けて勢いよく振り上げる。咄嗟にソレをオーズは避け、アンクは「チッ!」と舌打ちしながらグリード化した右腕で突島を払い除けようと振りかぶる。だが、突島はアンクの攻撃を避けて、距離を取る為、その場から直ぐに飛び退いた。
「……先ずは、
「あ?」
ボソッと呟く突島の声に、アンクは疑問を抱く。同時にオーズも警戒態勢に入るが、彼女の言葉にハッとし、腰部分を見遣る。
自身に取り付けていたターゲットが1つ、赤く発光していたのだ。
「うわっ、えっ!いつの間に!?」
先程の一戦を交わしただけでターゲットにボールを当てられていた事に愕然とするオーズ。アンクは突島を見遣ると、片手で槍のような武器を振り回しながら、もう片方の手にはボールが握られていた。
「成る程、当てれば、投げなくても良いね…。」
ボールを見つめながら解釈する突島。まさか見るからにか弱そうな女性生徒にターゲットを当てられた事に未だ動揺するオーズだが、相手は相当な手練だと認識し、オーズは警戒して身構える。
「馬鹿が、なに人間相手にやられてんだ!」
「ふ、不意を突かれたのは謝るけど、突然過ぎるだろあんな攻撃!」
「チッ!だがあいつ何者だ…!?今の動き、相当な腕前してやがる…」
突島の動きに驚くオーズとアンク。どうやら、そう簡単には行かせてくれなさそうだと認識し、オーズはそのまま戦闘態勢へと入ったのだった。
No.108 裏の裏
更に向こうへ!Plus Ultra!!