いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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決着と結果と結局


No.11 学ぶべき事

「先生!止めた方がいいって!爆豪あいつ、

相当クレイジーだぜ!殺しちまうぜ!?」

 

「いや‥、爆豪少年!次ソレ撃ったら…強制終了で

君らの負けとする!屋内戦において、大規模な攻撃は

守るべき牙城の損害を招く!ヒーローとしては勿論、

(ヴィラン)としても愚策だそれは!大幅減点だからな!」

 

切島の発言を手を軽く上げて止めたオールマイトは

何か気付いていたのか爆豪にそう伝え実戦を続行させた。

納得が行かなかったのか爆豪は手負いの

緑谷に飛びかかる。爆風のダメージ相まってか

緑谷は押される一方で片腕を掴まれると

爆破の勢いで地面に叩きつけられていた。

 

「リンチだよコレ!

テープを巻き付ければ捕らえた事になるのに!」

 

「ヒーローの所業に非ず‥。」

 

「緑谷もすげえって思ったけどよ…戦闘能力に於いて、

爆豪は間違いなく、センスの塊だぜ。」

 

その圧倒的な差、戦闘の実力は爆豪の方が上だ。

映像を見る限りそれは認めざるを得ない。

 

「逃げてる!」

 

「男のする事じゃねぇけど仕方ないぜ。

しかし変だよな‥爆豪の方が余裕なくね?」

 

ここまで来ると少し緑谷が可哀想に思えてくる。

でもそれは一瞬だった。緑谷は急に立ち止まると

何か言っているのか口を動かし、

爆豪も近づきながら何か喋っている。

そして、二人は何か叫ぶと互いに地面を蹴り

真っ向から腕を突き立て突っ込んで行く。

 

「先生!!ヤバそうだってコレ!先生!」

 

「‥!双方‥‥中止」

 

流石にダメと思ったのか切島は訴えると

オールマイトは()()()()()()のか

無線を持つ手が震えていた。

 

「っ!何か合図したみたいだぞ。」

 

障子が言うと幼馴染の二人に熱中していた

一部を除く生徒等は麗日と飯田がいるモニターを確認すると、麗日は小型無線で了承したのか急に

ビルの柱に捕まる。そして、爆豪と緑谷が激突!かと

思いきや、緑谷は個性の超パワーを爆豪ではなく

頭上に向けて拳を突き出し、その天井から上の階は

衝撃波で貫通していく。また先程みたく地響きが鳴るが

生徒等は動揺しつつも映像を見届けている。

 

その衝撃は核の置かれてる階まで走り、

麗日と飯田の空いた距離のフロアが破壊される。

そして、麗日が捕まっていた柱が壊れると

個性により浮かし持ちづらそうにするが

それを怪力の如く振ると残害の瓦礫や石の塊が

千本ノックみたく無数に飯田へ打ち飛ばしたのだ。

飯田は全力で避けている隙に麗日は個性を自分に使い、

浮かせるとそのまま核へと飛んで、

身体を覆い被さる様に核に掴んだのだ。

 

「ヒーロー‥‥、

ヒーローチーム!W I I I I I N!!」

 

核の回収に成功し、オールマイトは勝利を告げると

同時に、緑谷は気を失い、麗日は下から込み上げてきた

異物が出され吐いていた。

 

「負けた方がほぼ無傷で、勝った方が倒れてら‥。」

 

「勝負に負けて、試合に勝ったと言う所か‥‥

。」

 

「訓練だけど。」

 

第一試合。一通りを見ていたが最初の

緑谷の背負い投げ以外は盛り上がらず、現時点では

歓声の声すら上がらない。

 

「じゃ、私はちょっと様子見てくるから。

皆は待機!ちょっと休憩しててもいいからね!」

 

オールマイトはそう言うとモニタールームから飛び出し、

真っ先に緑谷と爆豪のいる階へ行った。

勿論超パワーを使った緑谷の腕は腫れ上がり、

直様搬送用のハンソーロボを手配していた。

そして残りの三人はここ、

モニタールームへと呼ばれるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

「まぁつっても。

今戦のベストは飯田少年だけどな!!!」

 

「なな!!?」

 

オールマイトの評価に当の本人の飯田は驚く。

 

「どういう事かしら?勝ったお茶子ちゃんか

緑谷ちゃんじゃないの?」

 

「何故だろうな〜〜〜?分かる人!!?」

 

「はい、オールマイト先生。」

 

蛙吹は首を傾げると挙手したのは八百万だ。

 

「それは飯田さんが一番状況設定に順応していたから。

爆豪さんの行動は、戦闘を見た限り私怨丸出しの独断。

そして先程先生が仰っていた通り、屋内での

大規模攻撃は愚策。緑谷さんも同様の理由ですね。

麗日さんは、中盤の気の緩み。そして、最後の攻撃が

乱暴過ぎた事。ハリボテを核として扱っていたら、

あんな危険な行為出来ませんわ。相手への

対策をこなし且つ、核の争奪をきちんと

想定していたからこそ飯田さんは最後反応に遅れた。

ヒーローチームの勝ちは、訓練だからという甘えから

生じた反則のようなものですわ。」

 

 

シーーン‥!

 

 

「(思ってたより言われた!!!)

ま…まぁ、飯田少年もまだ固すぎる節は

あったりする訳だが…まぁ…正解だよ!くぅ…!」

 

的確な説明に静まり返る中、プルプルと震えながら

グッジョブを送るオールマイト。

 

「常に下学上達!一意専心に励まねば、

トップヒーローになどなれませんので!」

 

えっへんと言わんばかりに腰に手を当て八百万は言う。

聞いた話によれば八百万は推薦入学四人の内の一人。

個性も相まってかその頭脳も冴えていた。

 

 

「っ!まあ!欠点があるとすればアレだ!

飯田少年!訓練中にお片付けはあまりよろしくないな!」

 

「はっ!?ええっ!?」

 

「ていうか芸術って感じだったよな。

今度教えてよその収納術、俺片付け

あまり得意じゃないんだ。」

 

必死に考え閃いたオールマイトは飯田に注意すると

火野は映像を見ていたので飯田に声をかける。

片付けた物は隣の部屋に詰め込んでいたが

それはもう二度見する程綺麗に隙間なく

収納されていたのだ。

 

そうこうしている間に第一試合は

ヒーローチームの緑谷と麗日の勝利、

緑谷は大怪我で、麗日は体調不良で保健室へと

連れて行かれ、飯田と爆豪はここで見学となるが

威勢が良い爆豪はこの時、妙に大人しく下を向いていた。

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

場所は変わり、別のビル

 

第二試合 

B ヒーローチーム 轟&障子

F (ヴィラン)チーム 尾白&葉隠

 

 

 

「轟かぁ!あいつも確か推薦入学だったよな!?」

 

「ならこれもうヒーローチームの勝利確定じゃね!?」

 

切島、上鳴とBチームの二人に票を入れる様に宣言する。

轟の個性は氷を生成し、周りを凍てつかせる凄い個性。

奴がいればこの戦闘も有利にことが運ぶだろう。

 

「尾白君はあの強靭な尻尾‥。葉隠さんは透明。

不意をついて尻尾で氷を叩き壊す手もあるな。」

 

「火野ちゃんの言う事も一理あるわね。

彼らもいい個性だからそう簡単にはやられないと思うわ。」

 

映司は考えると蛙吹が人差し指を口下に

当てながらそう答える。

賛否両論に騒つく中、二組の戦闘訓練が開始された。

 

Bチームの轟と障子は入り口にて会話中。

障子は触手の様な腕から耳を生やし、轟に

何かを伝えている様に見える。

彼の個性『複製腕』だろう。

 

 

障子目蔵

 

個性『複製腕』

 

触手の先端に自身の身体の一部を複製する事ができる!

耳を複製すれば辺りの音がよく聞こえて索敵に便利だぞ!

 

 

「あれ?葉隠がいねえぞ?」

 

一方で (ヴィラン)チームの尾白と葉隠だが

葉隠の姿がどこにも見当たらない、透明な彼女は

唯一グローブとシューズを着用していたが

それは尾白の横に置いてあったのが見える。

そう、今葉隠は正真正銘‥。

 

「全裸だな。全く最高だぜ。」

 

「瀬呂、こいつ縛り上げた方がいいぞ。」

 

「あっ!」

 

誰もが分かっていた事なので敢えて言わなかったが

峰田が口に出してしまい、なんとも言えない空気になる。

切島に言われ瀬呂は個性でテープを出して

ぐるぐる巻きにすると、芦戸が声を出し全員

モニターを確認する。

そこに映し出されたのは先程のビルが見てない内に

凍結、それもビル()()()だった。

 

「うわぁ!何アレ!?」

 

「凍らせるのは知ってるけど、あれは凄いな‥。

とゆか、寒っ!」

 

「仲間を巻き込まず、核兵器にもダメージを与えず、

尚且つ敵も弱体化‥‥。」

 

「最強じゃねぇか!!」

 

芦戸と映司は驚き、次第にこちらまで影響され

部屋の温度が下がり皆はブルブルと震え出す。

障子は外でその光景を驚く顔で眺め、

轟は一人、核のある部屋まで移動していく。

その部屋には尾白が待機していたが

下半身を凍らされ、身動きが取れない状態でいた。

葉隠も恐らく素足なので相当今痛いはず‥。

 

「ヒーローチーム!WIN!‥へっくしゅ!」

 

核に触れた轟を確認し、オールマイトは鼻水を出しながら

勝利を告げる。すると、轟は左手で触れた瞬間、

周りの氷がみるみると溶け始めたのだ。

 

「えっ!?何アレ!熱‥!?」

 

「まさかあいつ!個性二つ持ち!?」

 

耳郎、切島と驚くとモニタールームも次第に

暖かくなってくるのが肌で分かる。

轟焦凍‥、彼はどうやらもう一つ別の個性を

持っているようだ。

 

 

 

轟焦凍

 

個性『半冷半熱』

 

右手で凍らし左手で燃やす!

範囲も温度も未知数!化け物かよ!!

 

 

 

「すっごい個性だなぁ。」

 

「火野、お前も大概だぞ?」

 

 

ボソッと呟く火野に上鳴が突っ込む。

呆気なく終わった訓練だったが、

爆豪は轟の映像を見て何か思ったのか

歯を食いしばっていた。

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

その後、残り六組、つまり三回の戦闘訓練が行われた。

まず第三試合はこうだ。

 

 

第三試合 

 

C ヒーローチーム 峰田&八百万

I (ヴィラン)チーム 芦戸&砂藤

 

 

この戦いはヒーローチームが勝利した。

砂藤が核を守り、芦戸が先制攻撃を仕掛けていたが、

八百万は多彩な道具で翻弄している内に、

初めに用意しておいた梯子で最上階に登らせた峰田を

砂藤と戦わせるが、頭の紫のボールで動きを封じ

見事核を回収する。終わった峰田は所々顔面が腫れており、

八百万は顔を赤らめ、峰田に対して怒っていた。

何があったのかは詮索しなかったが、

峰田は嬉しそうに微笑んでいた。

 

続いて第四試合

 

G ヒーローチーム 上鳴&耳郎

H (ヴィラン)チーム  蛙吹&常闇

 

この戦いは (ヴィラン)チームの勝利。

蛙吹と常闇の意外な連携プレイにより

ヒーローチームは制限時間外まで粘られ敗北となった。

モニタールームに帰ってくるなり

上鳴は「うぇーい‥」と見た事がない顔で

入ってきたので思わず火野は笑ってしまったのは内緒。

耳郎曰く、個性ぶっぱしてああなったの事。

 

 

 

そして残るは、この戦いは実物なんじゃないかと

騒つく生徒が何名かいた。

それは入試一位の記録を残した彼の戦いが

見れるからなのだろう。

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

第五試合

 

E ヒーローチーム 青山&火野

J (ヴィラン)チーム 切島&瀬呂

 

 

 

 

 

『双方!開始だ!!』

 

 

 

タカ!

 

トラ!

 

バッタ!

 

 

 

小型無線からオールマイトの声が聞こえる。

どうやら開始の合図だ。

火野はオーズに変身し、

訓練で使われるビルの屋上を下から眺める。

 

「さて、と。青山君。ちょっといいかい?」

 

「何だいマドモアゼル?」

 

「いや、、俺女じゃないから‥。

俺がジャンプして一番上の階から忍び込むから、

青山君は下の階から上に上がって来てくれる?

流れ的に上の階に〝核〟がありそうだけど念のため。

どっちかが核を見つけたらすぐに連絡し合おう。

君の個性も強力だし、心強いよっ。」

 

「オッケー。任されたよ!

それじゃあスマートに煌めこうじゃないか!☆」

 

「う、うん。じゃよろしくね?」

 

青山にそう告げたオーズはそこからビルの屋上まで跳躍し、

着地すると、オーズは下を見下ろし、 

青山がいない事を確認すると屋上の扉から侵入する。

そして下の階へ降り、その部屋を覗いてみると

予想通り、核が置かれていた。が、

 

「うわっ、何だこれ‥?」

 

オーズが驚く。目に映るその光景は

天井に無数の〝白いテープ〟がぶら下がっているのだ。

すると、核の後ろから二人の姿が出て来る。

 

「あ!?もう来たのかよ!早すぎねえかっ!?」

 

「切島ー!せっかくトラップ仕掛けたのに何してんだよー!?」

 

「あぁ悪かったって!」

 

「‥えと、これ何?」

 

私情を挟んでは訓練として悪い評価になってしまうが

この光景は気になってしょうがないのだろう。

オーズは指を天井に指して問い掛ける。

 

「俺の個性でトラップ仕掛けたんだけど、

切島の個性で千切られたわけ。」

 

「何かお化け屋敷のアレみたいじゃね?

入り口にぶら下がってるアレ!」

 

「いや、俺は〝蝿取り〟に使うテープかと思った。」

 

「「あぁ〜‥‥。」」

 

『んんっ!こらそこ!見えてるぞ!

これは授業何だから私語は厳禁だ!』

 

普通に会話をしてしまい、オールマイトに怒られてしまう。

三人はいかんと気を取り直して警戒する。

 

「火野!お前とは一度勝負してみたかったんだぜ!

がっかりさせないようにな!」

 

「生憎、今はヒーローとしてここにいるから、

後ろの〝核〟をすぐに回収するよ。」

 

切島は拳を合わせるとガコン!と鈍い音が鳴り

オーズと戦えると嬉しそうに見てそう言う。

だが、時間は有限。オーズは腰を低くしながら

瀬呂をチラリと見て、一枚のコアメダルを取り出す。

 

「そうはさせねぇ!」

 

「っ!うぁっ!?」

 

瀬呂は腕を伸ばすと肘から〝テープ〟の様な物を出し、

一瞬にしてオーズを縛り上げる。

 

「何かしようと思ったか!?やらせないっつーの!」

 

「お、お前意外と (ヴィラン)っぽいな。」

 

「‥やるね瀬呂君、だけど、どうせ縛るなら

()()()事縛れば、俺は困っていたかもね。」

 

「え?」

 

瀬呂に縛られたのは肩から肘の部分まで。

オーズドライバーはガラ空きだったので、

オーズはすかさず真ん中のトラのメダルを

黄緑色の〝蟷螂〟が造形されたコアメダルと入れ替え、器用にオースキャナーを取り出しスキャンした。

 

 

 

タカ!

 

 

カマキリ!

 

 

バッタ!

 

 

「せいやっ!」

 

「のあっ!?切れた!?」

 

真ん中のメダルを『カマキリ』に変え、

オーズは〝タカキリバ〟となり、テープを切り裂く。

頭部から下は昆虫類の色が揃い顔は赤、下から緑と

異様な配色をしていた。

そして胴体の両手には逆手持ちのカマキリを

模様した刃が見受けられる。

 

「は、刃物ってありかよ!?」

 

『個性ならね!ちょっと私も新しいの見れてびっくり!』

 

瀬呂と無線越しからオールマイトも驚き、

瀬呂は怖気づいたのか距離を取ろうとする。

 

「はっ!なら俺の〝身体〟は切れるか!!?」

 

「っ!!」

 

切島が飛び出し、オーズに向かって〝拳〟を突き出す。

オーズはその刃〝カマキリソード〟で受け止めると

鈍い金属音と共に火花が飛び散る。

 

「確か‥に‥!!君の個性とはこのメダルは

〝相性〟悪いかも‥ね!」

 

「うおっと!?」

 

オーズは踏ん張りを入れ、切島を仰け反らすと

バッタの跳躍で地面を蹴り、天井の壁へ器用に回転する。

そして天井の壁を今度は逆さで蹴ると

一気に核の場所まで跳躍し、

 

「あっ!しまっ!」

 

「よっとっ!!」

 

オーズは核に触れた。

 

 

『ヒーローチーム!WIN!』

 

オールマイトにそう告げられ、オーズは

軽く拳を上に上げ、勝利を喜んでいたのだった。

 

 

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