いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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全力と強個性とアンクの策略


No.118 A組VS通形ミリオ

 

場所は変わって、体育館γ(ガンマ)。体操服に着替えたA組一同はコンクリートの岩山地帯と化した体育内へと集まり、準備体操をするミリオと距離を取っている中、瀬呂が不安そうに声を掛けていた。

 

「あの……マジすか?」

 

「マジだよね!」

 

「ミリオ…辞めた方がいい、形式的に〝こういう具合でとても有意義です〟と語るだけで十分だ」

 

本気で取り組もうとするミリオに天喰がボソボソと言う。だが体育館の壁に突っ伏して喋っており、正直聞こえづらいのもあってか、峰田が「遠っ」とツッコみを入れる。

 

「皆が皆、上昇思考に満ちているわけじゃない。立ち直れなくなる子が出てはいけない」

 

「あ、聞いて知ってる?昔挫折しちゃってヒーロー諦めちゃって問題起こしちゃった子がいたんだよ。知ってた?大変だよねぇ。通形、ちゃんと考えないと辛いよ。これは辛いよー」

 

「おやめください…」

 

天喰に続いて、芦戸の触覚をいじりながら波動は喋る。その2人の言葉はA組の生徒達が挫折する前提で言ってきており、火野は軽く首を傾げていると、解せなかったのか常闇がミリオに声を掛ける。

 

「待ってください…。我々はハンデありとはいえプロとも戦っている」

 

「そして、(ヴィラン)との戦いも経験しています!そんな心配される程、俺らザコに見えますか……?」

 

噛み付く様に切島はミリオに言う。

 

「うん、いつどっから来てもいいよね。一番手は誰だ!?」

 

格下を見る様な目で頷き、ミリオはそう言ってA組を見つめる。その言葉に間入れず切島が親指を自身に向けながら叫ぶが、意外な人物が真っ先に口を開いて宣言する。それは緑谷だ。

 

「おれ!」

「僕……行きます!」

「意外な緑谷!!」

 

被せられた切島も驚いていた。どうやら3日間

で差を付けられた分取り戻す為なのだろう、他の生徒達よりも意気込みが違う様子に火野も感心していた。相澤も「お前ら。良い機会だ、しっかり揉んでもらえ!」と声を上げる中、ミリオはやる気を見せる緑谷を見るなり嬉しそうに口を開いた。

 

「問題児!!いいね君、やっぱり元気があるなあ!」

 

耐えさず余裕そうな笑顔を振る舞うミリオ。緑谷はダンッと足を大きく踏み込むと同時に腰を低くする。瞬間、全身にワン・フォー・オールの力を張り巡らせ、戦闘態勢へと入る。

それに呼応する様に、他のA組達も臨戦態勢へと入っていく。

 

「近接隊は一斉に囲んだろうぜ!」

 

砂藤が言う様に、近接戦を得意とするメンバーは緑谷の後ろへと移動し、その他の遠距離戦のメンバーは後方でいつでも攻撃が出来る様構えていた。

そんな中、火野はオーズドライバーを腰に宛い装着し、「よしッ」と意気込みを入れて近接メンバーの元へ行こうとした瞬間、体の外へ出ていたアンクが「映司」と呼び止める。

 

「アンク?」

 

「お前はまだ出るな」

 

「え、なんで?」

 

「この雄英高校で最強と言われてんだろ、アイツは?様子見だ」

 

「でも…」

 

「馬鹿が、先ずは敵の動きを知っておけ。アイツがどの程度の実力か…見物だなァ」

 

格下に見られていると言えど、相手はビッグ3と謳われる程の実力者。このまま緑谷と一緒に出て行っても良いが、他の生徒達が居ると返ってオーズの実力が発揮出来ないのもアンクは考えていた。火野は納得の行かない様子で顔を曇らせている。ふと、それは轟も同じなのか火野と同様に距離を置いて様子を見ていた。すると、硬いものが軋む様な音が聞こえる。切島が硬化して腕を擦り合わせる音だ。

 

「よっしゃ先輩!そいじゃあご指導ぉー……

よろしくお願いしまーっす!!」

 

切島の声が狼煙となって、先頭に居た緑谷がまず先に駆け出した。

だが次の瞬間、ハラリと、ミリオの着ていた体操服が()()()()その身体からすり抜ける様に落ちた。

 

「あーーーー!!」

 

「今服が()()()ぞ!?」

 

「ああ失礼、調整が難しくてね!」

 

男の勲章が見えそうになり、大声を上げて顔を隠す耳郎、服の落ち方に驚く瀬呂。慌ててズボンだけを履き直すミリオはそう言うが、その瞬間が隙だらけと思ったのか、緑谷は動じず、顔面目掛けて回し蹴りを打ち込んだ。

が、確実に直撃したと思われた回し蹴りはミリオの顔をすり抜ける様に空かぶり、緑谷はその背後へと着地する。

 

「ーーッ!!」

 

「顔面かよ」

 

遠慮ない攻撃にズボンを履き終えたミリオは息を吐きながら緑谷へと振り返る。その瞬間、遠距離メンバーである瀬呂のテープ、芦戸の酸、青山のネビルレーザーが緑谷に続いて顔面へと攻撃を仕掛ける。だが、その攻撃もすり抜けてしまい、緑谷は咄嗟に横へとジャンプして瀬呂達の攻撃を避ける。すり抜けた攻撃は地面へと直撃し、轟音と共に土煙を舞わせていた。

 

「!?待てッ!いないぞ!!」

 

ハッとした飯田が声を上げる。土煙が晴れると、一歩も動かず立ち尽くしていたミリオの姿が消えたかの様にいなくなっていた。

 

「まずは遠距離持ちだよね!」

 

全員がミリオを探そうと辺りを見渡す中、遠距離メンバーの最後尾に居た耳郎の背後からミリオが現れ、宙を舞っていた。何処から!?と一部の生徒が困惑する刹那、戦闘に参加していない火野は()()()()()()()()()()ミリオを見て目を見開いている。

 

「ギャアアア!!」

 

再び耳郎は全裸になっているミリオの身体を見て悲鳴を上げると同時に、ミリオは耳郎の鳩尾に拳で強烈な一撃を叩き込む。怯んだ隙に、伸ばしていたイヤホンジャックで体をぐるぐると拘束し、その場にダウンさせた。

 

「ワープした!!」

 

「すり抜けるだけじゃねえのか!?」

 

「どんな強個性だよ!?」

 

初見殺しもいいところの〝個性〟を見せつけるミリオ。近接戦メンバーの生徒達は困惑しながらも急いでミリオの居る後方へと駆け出す。

後方の一同は取り乱しながらもミリオに攻撃を仕掛けるが、ミリオは〝個性〟を駆使して遠距離メンバー達を次々と鳩尾に急所を叩き込み、ダウンさせていった。

 

「おいおい嘘だろ…これが雄英トップの実力……!?」

 

遠距離のメンバー10人が僅か4秒程で地面に倒れている。少なくとも、経験を積み重ねて来たA組は力を培ってきた筈なのに、こうもあっさりやられてしまっているその光景を見て火野は驚愕する。ミリオの実力を認めたのか、隣に立っていたアンクとウヴァも「ほォ…」と声を漏らしていた。

そして、叩きのめしたミリオはズボンを履いて、高らかに「POWERRRRRRッ!!!」と声を捲し立てる。

 

「『通形ミリオ』……。あの男は俺の知る限り、最もNo1に近い男だ。プロも含めてな」

 

「一瞬で半数以上が…!No. 1に最も近い男…」

 

相澤が珍しく素直に評価していると、隣に立っていた轟が目を見開いて息を呑んでいた。

 

「………………お前行かないのか?No. 1に興味無いわけじゃないだろ」

 

「俺は仮免取ってないんで…」

 

「(丸くなりやがって…)……火野、お前も見学か?」

 

「あ、すみません…!行きたいのは山々なんですけど…」

 

「フン、もう少し待て」

 

これまでは真っ先に氷結を繰り出して先制攻撃をしていた筈の轟は理由を述べて参加していない。相澤は心の中でそうツッコみながら少し離れた場所に居る火野にも声をかけるが、まだ様子見だと言わんばかりにアンクがそれを止めていた。

 

「遠距離はこれだけ、あとは近接主体ばかりだよね!」

 

「何したのかさっぱりわかんねえ!!」

 

「すり抜けるだけでも強いのに…ワープとか…!」

 

「それってもう……無敵じゃないすか!」

 

「よせやい!」

 

近接戦メンバーは緑谷、砂藤、切島、飯田、葉隠、麗日、尾白のその場で合わせて6人。遠距離メンバーは全員倒されてしまい、その〝個性〟の凄さに何もする事が出来ず気圧されていた。

だが、それでも諦めていないのか緑谷が「何かからくりがあると思うよ!」と言う。

 

「『すり抜け』の応用でワープしているのか『ワープ』の応用ですり抜けているのか、どちらにしろ直接攻撃されてるわけだからカウンター狙いでいけばこっちも触れられるときがあるハズ……!何しているかわかんないなら、わかってる範囲で仮説を立てて、とにかく勝ち筋を探っていこう!」

 

久々に聞く緑谷のブツブツモードだが、それは闘気を奮い立たせる言葉で諦めかけていた皆の指揮が上がる。

 

「おぉ、サンキュー!謹慎明けの緑谷、スゲー良い!!」

 

フンスッと鼻息を吐いてやる気を見せる緑谷に切島はそう言ってやる気を見せる。が、ミリオも同じで「探ってみなよ!」と駆け出し、地面へと通り抜けるように落ちて行った。

 

「!!()()()!?」

 

ズボンだけがその場に残り、完全に姿を消したミリオに慌てふためく一同だが、1人…緑谷は咄嗟に背後へと振り返ると同時に右足を振りかぶる。緑谷の背後からミリオが飛び出てきたのだ。

 

「凄い…!予測した!」

 

「勘が冴えたか」

 

攻撃を仕掛ける緑谷に火野とウヴァが言う。だが、それはミリオも同様で驚いてはいるが、迫り来る回し蹴りにそのまま突っ込み、腕で受け止めるかと思いきや、その右足は通り抜けていった。

 

「だが必殺!!!ブラインドタッチ目潰し!!」

 

「うっ!?」

 

通り抜けていく腕は、緑谷の顔面へと迫り目潰しをしようと仕掛ける。咄嗟に目を瞑ってしまった緑谷は、隙だらけとなってしまい、空中で体制を立て直したミリオは下から緑谷の鳩尾目掛けて一撃をお見舞いする。

 

「ぅグ…!!?」

 

「ほとんどがそうやってカウンターを画策するよね。ならば当然、そいつを狩る訓練!するさ!!」

 

「緑谷君!?」

 

地面へと倒れる緑谷に声をかける飯田だが、ミリオはもう既に飯田の背後へと回っていた。

再びミリオの1人無双が行われている中、見学していた波動が天喰に声を掛けていた。

 

「通形さァー、ねぇ聞いて、通形さー。強くなったよね」

 

「ミリオは子どもの頃から強かったよ……。ただ…ーー

加減を覚えた方がいい」

 

そう言っている間にも、近接の生徒達は次々と腹パンされていき、地面へと落ちていく。無敵と言わざるを得ない彼のその姿に火野も圧巻していた。そしてその場の生徒達を全てダウンさせ、ミリオは高らかに「POWERR!!」と声を張り上げていた。

 

「…おいウヴァ、奴に一泡吹かす。お前のメダルよこせ」

 

「ム…?……チッ、絶対返せよ」

 

勝利宣言の様に立つミリオを見て、アンクはボソッとウヴァに交渉を申し込む。ウヴァは釈然としない様子で渋々コアメダルを渡すと、ソレを火野に向かって投げ渡した。

 

「映司、これで奴を潰せ」

 

「え?…うわっっと!いきなり渡すなよな!」

 

完全に不意を突かれ、火野は遅れて反応するが、何とかコアメダルをキャッチし文句を垂れる。

が、同時にやっと出番かと言わんばかりに火野はコアメダルを3枚ドライバーへと装填し、右腰のオースキャナーを取り出し、ドライバーへとスキャンした。

 

 

「変身!」

 

 

 

 

クワガタ!

 

カマキリ!

 

バッタ!

 

 

 

 

ガ〜タ!ガタガタ・キリッバ・ガタキリバ!

 

 

 

 

 

昆虫類のコンボソングが鳴り響き、火野はエネルギー状の虫を模した輪をその身に纏う。その体は緑一色に覆われた姿、〝ガタキリバ〟コンボへと変わり、オーズは「ハァッ!」とファイティングポーズを構える。のだが、ガタキリバ専用の変身音声と、体が緑色一色になっている事に気付き、思わず口を開いた。

 

「え、ええっ?いきなりこれ…ガタガタの奴!?」

 

「いいからさっさと行け」

 

普段はタトバのコンボで対応するのが基本だが、生憎トラのメダルはカザリに奪われて持ち合わせていない。それに、A組達が先に戦闘を行って、ミリオを観察出来たのもあっての判断をしたアンク。オーズは何か策があるのだろうと思い「わかったッ」と取り敢えず頷き駆け出した。

すると、隣に居たウヴァが顔色を悪くしながらアンクに声をかけた。

 

「グゥ…アンク…セルメダルをくれ……力が入らん…」

 

「…ハッ、無様だなァ。勝手にくたばってろ」

 

「ムゥ…貴様ァ……」

 

意思の入っているコアメダル1枚と先程オーズに渡したコアメダル3枚、計4枚しか無いウヴァにとって3枚も手放してしまえばグリードにとって死活問題になる。体に力が入らず今にも倒れそうになっているウヴァをアンクは滑稽そうに見下していた。

 

「…おや!?そうだったね!もう1人いたっけな!」

 

「先輩!手合わせお願い、します! 

ウォオオオオオオオ!!!」

 

ズボンを履き終えたミリオは、こちらに向かって来るオーズの存在に気付き、嬉しそうに声を掛ける。オーズもそう言って立ち止まって構え、気合いを入れるかの様に雄叫びを上げる。

 

「…!!」

 

「うるさ…!?」

 

「火野…!?」

 

「あ、あのコンボって…確かUSJの時の…」

 

「ガタキリバ…!」

 

体育館内に響き渡る声量が木霊し、グロッキーになっていたA組生徒達は思わず耳を塞いでいた。オーズの姿に気付き、一同は見つめている中、オーズはガタキリバの特性、〝分身〟という名の人海戦術の能力が発動し、約50体程の数へと瞬く間に分裂していった。

 

「……へえ!面白い〝個性〟だ!」

 

「!!凄ッ!何アレ!?ねえ、あれもしかして最近噂で聞くオーズの子!?凄い数!緑色で虫みたいで不思議!なんか天喰君に()()()ね!」

 

「む、虫はちょっと……!」

 

分身した脅威の数にミリオ、波動、天喰が目を見開いて驚く。それを見ていた相澤も若干目を見開きつつ、その口を開いた。

 

「通形ミリオの〝個性〟は絶対的な初見殺し…。

だが、火野のオーズの力は…下手をすれば、雄英()()の初見殺しかもな……」

 

「これなら…あの先輩に勝てるんじゃないですか…?」

 

オーズの能力はメダルによって形態が異なり、未知数の〝個性〟。メダルを統一させたコンボの力もまた絶大的。幾度と無く見て来た轟はそう確信した様子で口を開くが、相澤は「どうだかな…」と口を挟んだ。

 

「「「「「全力で、行かせてもらいます!!」」」」」

 

「おぉ、凄いね!!同時に喋れるんだ!良いよ君、君()!さァどっからでもかかって来い!!」

 

オーズ達が一斉に喋り、驚きながらも腰を低くして構えるミリオ。コンクリートで出来た岩山の構造を駆使して何十体の数のオーズは飛び交う様に跳躍し、3〜4体だけは倒れているA 組達を運んで相澤の元へと連れて行っていた。

 

「す、すまない…」

 

「ありがとう…」

 

「大丈夫、後は俺が頑張るからッ」

 

「応…行ったれ…真打…」

 

最後になった飯田と緑谷を運び終え、お礼を言ってくる2人にオーズは応えると、切島がグロッキーになりながらも応援する。

そして、オーズ達は一斉にミリオへと飛び掛かっていった。

 

「「「ハァアッ!!」」」

 

四方八方から飛び掛かるオーズ達。何処にも逃げ場など無い絶望的な状態だが、ミリオはズボンだけを残して、立っていた真下の地面へと落ちていった。

 

「また消えた!」

 

「とりあえず、攻撃してみるよ!!」

 

いなくなったミリオを探すべく、攻撃を仕掛けたオーズ達は円陣を組んで死角を無くして警戒していた。だが、背後から出て来る戦法では無く、円陣を組んでいたオーズ達の付近で地面から飛び出て来た。

 

「!!死角からじゃない!?」

 

「これだけ数いれば死角からの方が難しいからね!」

 

驚くオーズ達にミリオはそう言って、回し蹴りを直撃させる。

 

「「「うわぁ!」」」

 

「(ダメージは入る…なら叩きまくるだけだ!)」

 

分身と言えば、連想するのは分身された人間は影武者で本体を狙うのが筋だが、ガタキリバは全員が本体そのもの。誰かが攻撃に当たってしまえば、残りの全員にもダメージが入ってしまうのが欠点。分身だろうと攻撃が入った事にミリオは確信を得て続け様にオーズ達に攻撃を仕掛けて行く。

だが、オーズも負けずと数で攻め寄せるが、ミリオの通り抜ける体に攻撃は当たらず、全てが空かぶってしまっていた。

 

「やっぱ攻撃が当たらない…!」

 

「ハハ!そうだろね!どうする後輩!(…とは言ったものの、俺の攻撃で()()()()のはちょいと面倒だね…)」

 

余裕の笑みを見せるミリオだが、()()

を狙って攻撃しても怯むだけのオーズ達に警戒していた。オーズの中でも防御性が高いガタキリバの体はシンプルな打撃は通らない。殴る、蹴るの攻撃を得意とするミリオにとって防御が硬い相手は天敵と言える存在でもあった。

 

「(これは持久戦になりそうだ…!)」

 

そう思った直後、オーズ達は先手を取って再びミリオへと飛び掛かっていく。ミリオと交戦をしていく中、1人のオーズに、腕だけのアンクが「映司」と声をかけて来た。

 

「アンク?」

 

「作戦がある。頭のツノを使え」

 

「ツノ?何で?」

 

「黙って聞け。いいか、一度しか言わないぞ」

 

頭部のクワガタヘッドの鍬形を模した角(クワガタホーン)に指を指しながらアンクはその作戦を伝える。それを聞いたオーズは「成る程、やってみる!」と頷き、それをその体育館内に居た50体のオーズの脳内へと意思を疎通させる。全員のオーズ達はハッとし、攻撃を仕掛けていたオーズ達は一旦距離をとった。

 

「「「よし…ハァッ!!」」」

 

ミリオの近くに居たオーズ達は力む様に力を入れると、複眼が発光し出す。

 

「?あからさまに力んじゃってるけど、何かする気かい?」

 

「んん〜…!ちょっと…!!」

 

「パワーを溜めているみたいだけど、それがーー…」

 

腰を低くして踏ん張る様に気合いを入れているオーズ達。ミリオは笑みを浮かべながら、地面へと落ちて行き、そのオーズ達の背後へとワープして地面から飛び出した。

 

「(隙だらけなんだよね!!)」

 

宙へと飛び出したミリオは右腕を振りかぶり、オーズの背面目掛けて拳を振り下ろし、直撃させた。

 

だが次の瞬間。

 

 

BZZZZZ!!!

 

 

「がっッッッ!!!?」

 

「「「!?」」」

 

オーズの背面に拳を当てた直後、ミリオの体に電撃が走り、稲妻が走る轟音と共にミリオは感電する。それを見ていたA組生徒、相澤、波動、天喰は驚愕した表情で目を見開いていた。

 

「な……()()……!?」

 

「うあああ……!?や、やったぁ……!?」

 

束になってまで攻撃を当てる事のできなかった生徒達は唖然とする。初めての攻撃が直撃し、目の前に映っていたのはミリオが膝をついて倒れそうになっていたのだ。だが、反動なのかオーズ達もまた体に電気が走っているせいかビリビリと痺れて次々と地面に膝をついていき、最終的には変身が解除され、本体の火野がその場に倒れ込んでしまっていた。

 

「あぐ…!?ああァ!……し、しびイ!?レ…る…!!」

 

ビクンビクンと痙攣を起こしながら、体から煙が立ち上る火野。痙攣すると同時に声も裏返ってしまっている。それを見ていた波動と天喰は驚きを隠せずに口を開いた。

 

「う、嘘でしょ…!?通形君に…攻撃を当てた……!?」

 

「あの姿…分裂するだけじゃないのか……!?」

 

2人が驚いている中、相澤もまた目を見開きながら「成る程な」と理解した様子で口を開いた。

 

「通形に気付かれないように電気を体にへと流し込み、攻撃する直後の実態した腕へと通電させた………。あのツノは電気も使えるんだったな、見た目と使える能力がごちゃごちゃになってて忘れてたわ」

 

「ッ………すげェ……」

 

相澤が評価をしている最中、轟も素直に火野を評価し、思わず感服したのか声を漏らしていた。そんな中、人間態へと姿を変えたアンクが「フン」と鼻を鳴らして火野を見つめる。

 

「相手がどれだけ強い〝個性〟だろうが、オーズの力はそれ以上だ。……もっとも、それを上手く使いこなせるアイツこそあってだがなァ…。

が、この程度で倒れる様じゃ、まだまだアイツも未熟者だな」

 





No.119 強さの先と対面する者達

更に向こうへ!Plus Ultra!!
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