いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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冷静と憎しみとインターン始動




高評価ーーーー!!!ありがとうございます!!感謝感激ですう!!


No.120 いざ、再びあの会社へ!

 

「うおおおアア!!!」

 

ポセイドンとなった槍無は怒りのままにディーペストハープーンを振り翳し、オーバーホール目掛けて突き刺そうと駆け出す。オーバーホールも素手になった左手を突き出したその時だった。

 

 

 

ムカデ!

 

ハチ!

 

 

アリ!

 

 

 

ムカリー!チリッチリッ!ムカリー!チリッチリッ!

 

 

「ンンッ!!」

 

「がっ!!?」

 

ポセイドンの背後からコンボ専用音声が鳴り響く。その正体は優無が変身したヴィランオーズ〝ムカチリコンボ〟で、姿を変えたと同時にムカデの体を模した頭頂部(センターセンチピード)を伸ばしてポセイドンの体へと絡み付き、締め上げた。

 

「が…うぅっ!ああああッッ…!!」

 

「ちょっっと…落ち着けバカ…!!」

 

怒りで我を忘れてしまってるのか、後一歩手前に居るオーバーホールに巻きつかれても尚、襲い掛かろうとするポセイドンを必死に押さえるヴィランオーズ。だが、彼とは別にダン!と地面を蹴ってオーバーホールに向かう者が他にもいた。Mr.コンプレスだ。

 

「待てコンプレス!」

 

「こいつはやべェ!!俺の圧縮で閉じ込める!!」

 

死柄木が止めようと声を張り上げるが、マグネを一瞬で死に貶めたオーバーホールはもう脅威でしか見ていないMr.コンプレスは、自身の〝個性〟で圧縮させようと右腕を突き出した。ポセイドンを止めるのに精一杯のヴィランオーズも「待って!!」と声を出したその時、ヴィランオーズの頭部の目、〝ムカデアイ〟によって虫の様に特化した複眼は奇妙な物体を捉えていた。

 

()…!?」

 

Mr.コンプレス目掛けて飛んできていたのは小さな針が付いた弾丸だった。それがMr.コンプレスの右肩に直撃するも、小さ過ぎて痛みを感じないのか、Mr.コンプレスはそのままオーバーホールの左腕に触れる。だが、何故かMr.コンプレスの〝個性〟が発動しなかった。

 

「(…!?〝個性〟が発動できないーー…)」

 

相手に触れれば、忽ちガラス状の球体に圧縮させる〝個性〟。それは発動せず、触れた瞬間オーバーホールの体が蕁麻疹の様にブツブツが大量に浮き出ていただけだった。

 

「触るな…!!」

 

オーバーホールが言って、Mr.コンプレスの右腕を払い除けた直後、マグネの様に彼の右腕はバツン!!と破裂し、血と肉片が飛び散った。

 

「ッッッ!!〜〜〜ッ!!!?」

 

右腕が無くなり、激痛で声にならない断末魔を上げてその場に尻餅を着くMr.コンプレス。

 

「コンプレス!!!こんのォ…!!!」

 

ヴィランオーズも、冷静を乱しては話にならないと、必死に堪えていたが、目の前で次々と仲間が倒れて行くのを見届けるのは我慢がならなかったのか、ポセイドンを拘束していたセンターセンチピードを緩めようとしたその時。

 

「押さえてろ脇真音!」

 

「!」

 

声を上げた死柄木の言葉にハッとするヴィランオーズ。直後、死柄木はその場から全力で駆け出し、オーバーホール目掛けて右腕を突き出した。

それと同時に、先程のMr.コンプレスに打ち込んだ小さな弾丸が死柄木の腕目掛けて飛んでくるが、ヴィランオーズはハッとし、咄嗟に腕を伸ばしてソレを見事にキャッチする。

それに気づいたオーバーホールは迫り来る死柄木の手が触られようとした瞬間、声を張り上げた。

 

「盾っ!!」

 

叫んだ直後、死柄木の目の前にオーバーホールと同じペストマスクを着用した男が現れ、身代わりに死柄木の手が触れられた。

 

「うぐっ…!?」

 

触れられた腹部からボロボロと崩壊していき、男はあっという間に消し炭となってその場に崩れ落ちる。

 

「薄々…感じてたけど…!」

 

「…なるほどーー…ハナからそうしてりゃ幾分わかりやすかったぜ」

 

ヴィランオーズは察知し、死柄木は理解したのかその場から飛び退き、気を失ったMr.コンプレスを抱えるトゥワイスの横へと着地する。

その時だった。

オーバーホールの背後の壁に亀裂が走り、その壁は勢いよく破壊される。衝撃と共に現れたのはこの場に居る者達よりも何倍ものある屈強な体をした男、その頭部には黒い布を被った小さな男、右には黒いマント、左には白いコートを着た男達がオーバーホールの元へと集結する。全員のその顔にはペストマスクを着用しているのを見る限り、オーバーホールの傘下と見て間違いないだろう。

 

「待て、どこから!!尾行はされてなかった!!」

 

「大方、どいつかの〝個性〟だろう」

 

送迎の1人を除いた2人だけで、車で来た筈なのに、大勢の加勢に驚愕するトゥワイスだが、尾行を得意とする〝個性〟がこの中に混じってるだろうと解釈する死柄木。

すると、オーバーホールの隣に白いコートを来た男が彼に声を掛ける。

 

「危ないところでしたよオーバーホール」

 

「遅い…!」

 

「予想外でした。チャカの弾を見抜ける〝個性〟が居るとは…。まァしかし、即効性は充分でしたね」

 

白いコートの男は拳銃を握りながらそう言って、ポセイドンを押さえてるヴィランオーズへと見遣る。Mr.コンプレスが〝個性〟を使えなかったのは、恐らく彼が持つ拳銃に何か仕掛けがあるのだろうと考えるヴィランオーズ。

 

「穏便に済ましたかったよ、(ヴィラン)連合。こうなると冷静な判断を欠く。そうだな…戦力を削り合うのも不毛だし、ちょうど死体は互いに1つ……キリもいい、頭を冷やして後日また話そう。腕一本は負けてくれ」

 

「ふざけるな…!!今すぐにお前もぶっ倒す!!」

 

「てめエ殺してやる!!!」

 

「弔くん、私刺せるよ。刺すね」

 

「弟君、駄目だってば…!!」

「……駄目だ」

 

コンプレスとマグネの仇を討とうと怒りを露わに声を荒げるトゥワイス達だが、ヴィランオーズと死柄木は押さえようと制す。

 

「殺してやる!!」

 

「責任取らせろ!!!」

 

「駄目!!」

「駄目だ」

 

仲間を殺された仇をとポセイドン、そしてオーバーホールを紹介してしまった罪悪感に襲われたトゥワイスを再度制すヴィランオーズと死柄木。

 

「賢明な判断だ、手だらけ男に虫女」

 

それを見た大男の頭部に乗っている小さな布の男はそう言うと、釈然としなかったのか「誰が虫女だ…」とヴィランオーズは呟く。そんなやり取りを無視して、オーバーホールは背を向けながら1枚の紙切れを取り出すと死柄木の方へと投げて口を開いた。

 

「すぐにとは言わないが、なるべく早めがいい。よく考えてみてくれ…自分たちの組織とか色々…冷静になったら電話してくれ」

 

「待てゴラァ!!何故止めた死柄木ィ!?」

 

死柄木の足元に落ちた紙切れ。そこには死穢八斎會のであろう電話番号が記載されていた。オーバーホールと部下達はそのまま倉庫から退出し、トゥワイスは立ちあがろうとしたその時、トガが口を挟んだ。

 

「仁君、それより圧紘君を医者へ」

 

トガの言葉にハッと我に返る。抱き抱えていたMr.コンプレスはオーバーホールにやられて無くなった腕の肩から大量に血が流れている。

 

「ッ!?…立てるか?」

 

「〝個性〟が……出なかった……クソ痛えぇェ……!!」

 

先ずは怪我人を何とかするのが優先だ。冷静になったトゥワイスは、苦痛で呻き声を上げるMr.コンプレスをゆっくりと立ち上がらせ、肩を貸しながらその場から離れて行く。

倉庫から姿を消したオーバーホール達を見送ったヴィランオーズは、拘束していたポセイドンを解いて、そのまま変身を解除する。ポセイドンも息切れを起こしながら変身を解くと、そのまま振り返り、優無に近寄って胸ぐらを掴んだ。

 

「姉さん!何で止めた!?目の前でマグ姉が死んだ!!」

 

「マグ姉とコンプレスがやられたの見たでしょ…?アイツに()()()()()ら、あんたもああなってたんだよ?」

 

「でも!だからって見殺しにーー」

 

「いいから黙って!!」

 

捲し立てる様に怒鳴り声を上げる優無は、掴まれた腕を払い除ける。暫く沈黙が続き、優無は小さく「ごめんね…」と呟くと、槍無は納得の行かない顔をし、トゥワイス達の後を追った。

すると、死柄木が優無に声を掛ける。

 

「脇真音……()()()()()()を渡せ」

 

「ああ…そうだったね…」

 

死柄木に言われ、持っていた小さな弾丸をソッと死柄木に渡す。死柄木はそれを見つめ、ポケットへと仕舞い込むと、そのまま彼もトゥワイスの後を追った。

優無も後を追おうと足を踏み出した時、無惨にも下半身だけが残されたマグネを見つめているトガに視線が向く。

 

「…優無ちゃん、アイツら刺すよ?」

 

「駄目だって………」

 

「どうして………………!?」

 

ナイフを取り出して言うトガだが、優無の顔を見て言葉を失った。血塗れの地面を見つめていた優無の顔は、今にも噴火しそうな怒りと憎悪の顔で満ちていたのだ。そして、優無はふと、血塗れになっていた腕に付けるブレスレットを見つける。それは、優無がプレゼントとして買って上げたマグネのブレスレットだった。

 

 

 

 

 

『あらやだ!?優無ちゃん、めちゃくちゃお金持ってるじゃない!?どしたのそれ!』

 

『あぁ〜、先生の紹介で外国人さん達と取引した時に貰ったんだよね。先生は君が使うと良いって言ってくれたからさ』

 

『ヤダー!私実は欲しい物があるの!中々高級品で手が出せなくて困ってたのよっ』

 

『なに〜?あからさまに買って欲しいみたいな言い方じゃんっ。…良いよ、連合に入ってくれた祝いとして買ったげるよ』

 

『ウソ、やだ本当!?嬉しい!ありがと優無ちゃん!一生の宝物にするわね!』

 

『大袈裟だなァ。…まぁ、これからもよろしくね、マグ姉』

 

 

 

 

 

「………馬鹿野郎……」

 

ボソッと呟きながら、血塗れの中へと手を伸ばし、ブレスレットを手に取る。それを自身の胸へと押し当て、身体が微弱に震え出すと同時に頬に一滴の涙を流す。そして優無は顔を上げると、覚悟に満ちた眼をしてオーバーホール達が出て行った倉庫の外を見つめていたのだった。

 

一方で、倉庫から出て行ったオーバーホールは、乗ってきた車の後部座席へと乗り込む。横にあったハンカチを手に取り、ゴシゴシと返り血を落としていると、運転席へと乗り込んだ白いコートの男が彼に声を掛けた。

 

「オーバーホール、そういやァ例の若い奴はどうしたんで?」

 

「あぁ……何でも()()()()()から合流すると言って離れた…」

 

「力ですか?何かの〝個性〟で?」

 

「知らん…何れにせよ、部下を1人失った今、あの男も戦力として加えなきゃならない…。使える者は使わないと、俺の計画が狂う」

 

オーバーホールはそう言い終わり、倉庫の方へと目を向けながら「出せ」と命令する。白いコートの男は「へい」と頷き、エンジンを掛けると、車を走らせたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

同時刻、街の明かりが綺麗に灯されている都市、三鷹市。その市内の屋上に、眺める様に見つめている1人の青年、カザリが座っていた。

 

「〝個性〟…力を持った人間か……。その人間がどんな欲望を持っているのか楽しみだな」

 

セルメダルを手に取り、手の中で転がす様に回しながらカザリはゆっくりと立ち上がる。

 

「それにしても、一体どんな偶然かな…。まさかあの()()までこの世界に存在してるなんてさ…」

 

カザリはそう言って、目の前に聳え立つビルを眺めている。それはこの世界で有名な大企業、鴻上ファウンデーションだった。

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 「1年生の校外活動(ヒーローインターン)ですが、昨日協議した結果、校長をはじめ多くの先生が『やめとけ』という意見でした」

 

翌日。爆豪も謹慎から戻り、朝のHRで相澤の報告にクラス内の空気が騒然となっていた。

 

「えー、あんな説明会までして!?」

 

「でも全寮制になった経緯から考えたらそうなるか…」

 

「ざまァ!!」

 

「自分が参加出来ないからって…」

 

報告を聞いてがっかりする生徒もいれば、納得する生徒もいる中、仮免で落ちた爆豪は嬉しそうな表情で席から立ち上がる。のだが、それを割いて相澤は「が」と一声を上げ、教室内は再び静まり返る。

 

「今の保護下方針では強いヒーローは育たないという意見もあり、方針として『インターン受け入れの実績が多い事務所に限り、一年生の実施を許可する』という結論に至りました」

 

「成る程…つまり、申請出してくれるところは行けるって事か…」

 

「ガンヘッドさんとこどうなんやろー…」

 

「セルキーさん連絡してみようかしら」

 

インターンがなくなった訳では無いと言う報告を聞いて、生徒達は職場体験でお世話になっていたプロヒーロー達に宛が無いか心配を浮かべている中、爆豪の「クソが!!」と吠える様にに悪態を吐くのが教室内へと響く。

 

「鴻上会長のところ…申請出してくれているかな…」

 

火野もまた、職場体験でお世話になった鴻上ファウンデーションが脳内に思い浮かぶ。近年活動を開始したヒーロー〝バース〟事、伊達が事務所として扱っている会社…なのだが、火野は「う〜ん…」と首を傾げて項垂れていた。

 

「火野」

 

ふと、相澤が名を呼び、火野は顔を起こして反応する。

 

「あ、はいっ」

 

「それと、耳郎」

 

「えっ、あっはい」

 

「2人共、放課後に職員室に来い」

 

まさか自分が呼ばれるとは思わず耳郎も驚きながら返事をすると、相澤から短調に告られる。内容は全く言わずに終わった空気に、火野と耳郎は何かしたのだろうかと異様な罪悪感を覚えていた。

 

 

 

 

 

☆★☆★

 

そして迎えた放課後、火野と耳郎は早めに身支度を終わらせ、クラスメイトに「じゃあな〜」「何かわかんないけど、頑張れ!」と励ます様に見送られ、教室を出て行く。階段を降りている最中に耳郎が声を掛けた。

 

「何だろね、話って」

 

「さぁ……耳郎さん心当たりはある?」

 

「ウチは…無いかな」

 

「だよね……」

 

思い当たる節が見当たらず、顔を曇らせる耳郎。頷く火野もインターンの事かと思ったが、耳郎までもが呼ばれている辺り別の件での話なのだろうと、そう思いながら2人は廊下を歩いていた。

そして職員室へと辿り着いた2人。

「失礼します」と言ってドアを開けて中へと入り、相澤が座っている机の方へと移動する。

 

「来たか」

 

「先生、ウチらに話って?もしかしてインターンですか?」

 

「とりあえず聞け」

 

声を掛けるなり、気になって仕方がないのか耳郎は質問攻めするみたく相澤に問い掛けるが、相澤は制して口を開いた。

 

「その様子だと薄々勘付いている様だな。お前らを呼んだのは耳郎の言った通り、インターンの事だ」

 

相澤の言葉を聞いて、やっぱり…と2人は眉を寄せた。

 

「…で、話と言うのは火野と耳郎、お前らには鴻上ファウンデーションからインターンの活動受け入れの申し出が届いている」

 

「あ、はい」

「そうなんですね………」

 

渡された用紙をプリントを配られる感覚で受け取った2人だが、数秒沈黙し、2人は揃って「ええっ!?」と声を上げた。

 

「申請が来たんですか!?」

 

「マジびっくりなんだけど…!?え、てか先生…火野はわかるんですけど何でウチもですか?」

 

「そこまではわからん。その用紙に書いてある通り火野とお前の名前が推薦されてあったのを確認しただけだ」

 

職場体験で鴻上の所とは無関係のプロヒーロー事務所で世話になった耳郎。会長の鴻上自身が決めたのだろうか?それとも伊達さんが推薦してくれたのだろうか?と、火野は顔を曇らせていると、相澤は口を動かした。

 

「申請が来ているのはお前ら2人だけだ。教室で渡せば喧しくなるからここに来てもらった。……行くか行かないかはお前達が」

 

「勿論ーー」

 

「行きます!」

 

「(即答ね…)…………なら、それに名前と印鑑を押して俺に提出しろ。以上だ」

 

「「はいっ」」

 

やる気を見せる2人の顔を見ながら相澤はそう言って火野と耳郎を職員室から退場させる。

軽く見送っていた相澤に、通りかかったミッドナイトが声を掛けた。

 

「どういう風の吹き回し?何方かと言えば()()()だったでしょ、イレイザー?」

 

「………別に、直に世の中を見てきた方が経験も得て合理的だと思ったからだ」

 

校外活動(ヒーローインターン)1年生の実働は多くの教師が反対していた中、相澤もその中の1人であった。賛成派のミッドナイトは先程火野と耳郎にインターンの許可を出しているのを見て驚いたのだろう。

 

「…それに……」

 

「それに?」

 

何かを言いかけたが、直ぐに「いや、何でもない」と相澤は首を振り、火野達が出て行ったドアを見つめていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

そして日は流れ、週末日。

休みの日あってか、A組一同の活動は緩やかであった。

 

「オッスー、火野お出かけ?」

 

「あァおはよう、上鳴君。うん、ちょっとね」

 

「女か?」

 

「うん違うよ」

 

制服へと着替えた火野は、談話スペースへ行くと、ジャコジャコと眠たそうに歯磨きをしている上鳴と峰田に声を掛けられ、火野はそう応えて素通りして行くと、階段辺りからドタドタと凄い勢いで降りて来る足音が聞こえる。火野は振り返ると、急いで身支度をした緑谷が「おはよう!!」とすれ違い様に挨拶をし、そのまま玄関へと走り去っていく。遅刻したのだろうか?と火野は心配そうにしていると、机に座っていた切島と常闇に声を掛けられる。

 

「おお火野、早いな」

 

「…出掛けるのか?」

 

「おはよう切島君、常闇君。うん、インターンでちょっとね。切島君達も?」

 

「まァな、もう少ししたら俺も出るぜ」

 

「同じく」

 

2人もインターンに行く事になった様なのか、朝から意気込みをする様に拳に力を入れる切島。常闇もまた同様で、いつもとは違う様な雰囲気を出していた。火野は2人を見て、「頑張ってね」と言い残し、談話スペースから出て行く。

靴を履き替えた火野は、寮の玄関を開けると、先に外で待機してたであろう耳郎が出迎えた。

 

「おはよ、火野」

 

「おはよう耳郎さん。じゃあ行こっか」

 

「うん」

 

鴻上ファウンデーション自ら申し出を申請された火野と耳郎は、切島達よりも一足先に、本日が校外活動(ヒーローインターン)初日となっていた。期待に胸を膨らます火野と耳郎は、現地に向かう為、三鷹市へと赴いたのだった。

 

 

 

 

 

…だが、到着した火野達は、会社の入り口先で用意されていたモニター画面に映っている鴻上会長。

モニター越しで発言された言葉は、出発前の火野と耳郎は予想打にもしなかった。

 

 

『よく来てくれたね火野君!!アンク君!そしてウヴァ君!!

………それと、……()()()君は!?』

 

 

「………え?」

 

申請出してくれた筈の耳郎に、衝撃の一言が突きつけられる。その言葉に耳郎は困惑し、驚愕の表情で立ち尽くしていたのだった。

 





No.121 不安から始まった校外活動

更に向こうへ!Plus Ultra!!
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