いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ 作:しょくんだよ
緑谷出久 四
八百万百 ニ
爆豪勝己 一
常闇踏陰 一
障子目蔵 一
尾白猿夫 一
切島鋭児郎 一
芦戸三奈 一
砂藤力道 一
蛙吹梅雨 一
青山優雅 一
瀬呂 範太 一
上鳴電気 一
耳郎響香 一
葉隠透 一
峰田実 一
「ぼ、僕四票〜!!?」
「なんでデクに‥!!誰が‥!!」
「まーおめぇに入るよか分かるけどな!」
「あ、一票は俺入れたよ。」
「んだとゴラぁ!?俺に入れろや三色野郎!!」
「え、やだよ。その口調直したら考えたかもね。」
投票の結果、緑谷が四、八百万がニ、残りは一で
轟、火野、麗日、飯田の四人が一つも入ってない
結果となり、爆豪は苛立ちを見せていた。
「0票‥!分かってはいた!!
流石に聖職と言ったところか‥‥!!」
「他に入れたのね‥。」
「お前もやりたがっていたのに‥、
何がしたいんだ飯田‥?」
飯田は四つん這いになり、八百万と砂藤は言う。
ともあれ、この投票の差で委員長は決定された。
「じゃあ委員長緑谷、副委員長八百万だ。」
「うーん悔しい‥、流石ですわ。」
「ママママジで、マジでか……!!」
納得が行かないが二票も差があるのか諦めの顔で
息を吐く八百万。
そして緑谷は緊張でガッチガチに震えていた。
「緑谷なんだかんだアツいしな!」
「八百万は講評の時のがカッコ良かったし!」
「二人ともがんば!」
軽い拍手と応援され、緊張してた緑谷は若干照れ臭そうに
自身の髪を撫でる。
ただこの時、飯田はどこか納得が行かない
表情で俯いていた。
☆★☆★☆★☆
「相変わらずすっごい人集りだなぁ‥。」
「ヒーロー科以外にも、経営科やサポート科の生徒等も
いるんだ。当然こんな大所帯になってもおかしくない。」
お昼となり、食堂のメシ処へと来た火野は、
空いてる席を見つけて障子、八百万、葉隠の四人と
食事を始めていた。
ふと、八百万が箸を止めていたので葉隠は
気になり声をかける。
「八百万さんどしたのー?」
「‥もしかして票の事?」
「‥お恥ずかしながら‥その通りですわ。
常に正当なクラスへと導く為、精進してるおつもりですが、
一番の役割である委員長で緑谷さんに
差をつけられてしまい、
自分でも驚く程落ち込んでしまって‥。
申し訳ありません、折角のお食事ですのに‥。」
はぁ、と八百万は溜息を吐く。
「まあ緑谷君はああ見えて
凄い判断力と行動力があるからね‥。」
「気にする事ないぞ八百万。
現にお前は委員長になれたじゃないか。」
「そうだよー!気にする事ないって、元気だそ?」
「皆様‥!ありがとうございます‥!
百は、皆様の期待に恥じぬ様、
精一杯努力させていただきますわ!」
火野に続き、障子と葉隠は慰めると
意外にも立ち直りが早く、その目は輝かせていた。
「‥そう言えば、火野さん。
前からお聞きしたかったのですが、
火野さんのコアメダルは色んな種類があるのですよね?」
「‥んぅ?‥‥‥あぁ、うん。そうだね。」
「まだあるのー!?見せて見せて!」
「俺も気になってた、是非拝見したいものだ。」
八百万の言葉にご飯を含んでた火野は飲み込み答えると
葉隠と障子は手を止めこちらを見る。
火野はポケットをごそごそし、
テーブルに今あるメダル、計八枚を全て出した。
「うわー!こんなにあるのー!?」
「八枚‥、てことは八種類の個性が使えるのか‥?
流石だな火野は‥。」
「いやいや‥、そんな事ないよっ。」
葉隠は二枚ほど手に持つが個性が個性なので
浮いてる様にも見えており、障子もゴリラの
メダルを手に取り眺める。
「凄いですわ‥、
これ、どんな構造になっているのでしょう‥?
(少し分解してみたいですが、そんな事したら
火野さんに怒られてしまいそうですわ‥。)」
「んー、俺にもよく分からないんだ。物心ついた頃には
手元にあった‥ていう感じだったから。」
「そういえば火野、いつも使うメダルは
変な歌が流れていたな?」
「タカ!トラ!バッタ!のタトバだよね!
あれ中毒性あるよね!頭の中に残る感じっ。」
「う、歌は気にしないで‥。うん。あの姿は
一番使いやすいっていうか、身体に馴染む感じ。」
質問に答える火野、すると八百万が首を少し傾け
問いかけてくる。
「違う色‥?ということは、
あのメロディは他にも流れるのですか‥?」
「あーうん。この〝昆虫〟の緑の三枚なんだけど。」
そう言って火野は、カマキリ、バッタ、そして
〝クワガタ〟のメダルを指で持ち、三人に見せる。
「蟷螂と蝗に‥鍬形虫か。」
「‥‥なるほどですわっ。今まで異なる
三色のコアメダルを使っていましたが、その三枚は
全て同じ系統の緑、そして昆虫類っ。」
「えっ?何々どゆことなのっ?」
葉隠が聞くと、理解した障子が答える。
「要するに三色バラバラだったのが、統一した色で
別の力が発揮される‥、勝手な考察だがこれであってるか?」
「うん、正解。凄いね八百万さん、障子君。」
火野は頷くと理解した葉隠が詰め寄る。
「えぇー!!やっぱチートだね火野君!
じゃあその緑のメダル使えば凄く強くなるって事?」
「うんまぁ、‥強くなる‥と思うよ‥。
これ、中学の時一回使ってみたんだけど、
反動が凄すぎて吐血したんだよね‥。」
「と、吐血!?」
聞いた葉隠はガタン!と(恐らく)椅子から
立ち上がったのか驚いていた。
「身体に害するフォームなのか。
危険な組み合わせだな‥。」
「‥火野さん、もしかして他の色も
同じ三色があるのですか?」
「あぁ〜、どうだろう。今あるのこれしかないし
考えた事なかったなぁ‥。」
火野は腕を組み考えていた。
元々あった昆虫系のメダルを除き、他のメダルは
三色全てはなく、一枚、二枚と欠けた状態だった。
八百万の深く考えもしなかった言葉に
そう言えばと言わんばかりに気付く。
「‥ふっ、火野。お前はそこ知れない男だな。」
「え?何が?」
キョトンとした顔に三人は思わずクスクスと笑い出す。
側から見ればメダル一枚に付き、個性並みの能力が備わっている。
ただでさえチート的な呼ばわりをされているのに
そんなのが何枚もあったら
本当に敵無しのヒーローになり得る。
それを思い障子は言うが、
能天気な映司の顔に笑ってしまったのだろう。
火野は首を傾げながらもメダルを返してもらった
その時だ。
ウゥーー!!!
「ぶぅ!?」
「うわっ!?」
突然サイレンが鳴り響き、葉隠は驚いたのか
味噌を吹き出すと向かいにいた火野の顔面に盛大にかかる。
「ご、ごめん火野君大丈夫っ!?」
「大丈夫っ!それより‥警報っ!?」
『セキュリティ3が突破されました』
「3‥!?」
『生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難して下さい』
「すみません!セキュリティ3って
どういう意味でしょうかっ!?」
「校舎内に誰か侵入してきたって事だよ!
三年間でこんなの初めてだ!!君らも早く!!」
八百万は隣のテーブルの席に座っていた男子生徒に
声をかけると、立ち上がりそう言って駆け出す。
すると次々と席を立ち上がり食堂の
外へと逃げ出していく。さっきも言ってたが
こんな非常事態は今までになかった出来事なのか
皆困惑しているのだろう。
「いてえいてえ!!?」
「押すなって!」
「ちょっと待って倒れる!」
「押ーすなって!!」
直後、生徒という波が押し寄せて
立ち上がっていた火野達もその渦に飲み込まれてしまう。
「うわっ!?ちょっ!!?
障子君!八百万さん!葉隠‥さん!!」
火野は呑まれながらも先程までいた三人を呼ぶが
生徒等の困惑とパニックの声が重なって
自分の声が掻き消されていく。
「ぐっ!?何がどうなってるんだ‥!?
校内に侵入者‥!?」
はっ!と何か思ったのか火野は「すみません!」と
無理矢理人混みをくぐり抜け、窓際に辿り着き、
窓の外を見る。
そこには先程校門前にいた大量のマスコミの連中と
それを押さえるべく立っていた
相澤とプレゼント・マイクがいた。
「やっ‥ぱり‥!ぐぇっ!?」
確認した火野は今にも押し潰されそうになり
窓に身体が張り付いていた。
声を出そうとするが圧が掛かり上手く
言葉を出す事ができない状態だった。
その時だった。
「ヌォオーーー!!?」
「っ!?飯田君!?」
突如、頭上を何かが通り過ぎた。それは飯田だった。
足のエンジンを吹かしながらぐるぐると空中を
回転しながら飛んでいくと、
出口にある『EXIT』と書かれた標識の上にぶつかる。
上手くパイプと片足でその体制を保つと
彼は大きく息を吸った。
「皆さん‥‥
大丈ーーーー夫!!!」
ズギャアアン!!
大胆に飯田は叫んだ。すると、パニックになっていた
生徒はその足を止め、一斉に注目を浴びた。
「ただのマスコミです!
なにもパニックになる事はありません!大丈ー夫!!
ここは雄英!!最高峰に相応しい行動を取りましょう!!」
飯田の発言に徐々に落ち着きを取り戻し、
貼り付けられた圧が解かれ、火野はその場に尻もちを着く。
「ふぅ‥。‥凄いな飯田君‥‥。
‥でも、本当にマスコミだけだったのかな‥。
あのバリケード突破したって事になる、よな‥。」
何にせよ、難は逃れた火野は疲れもあって
その場に座り込んだのだろう。
それから数分後、警察が到着しマスコミは撤退した。
火野が気にしていた事を警察と教師等は調べると、
校門の防犯用の壁は壊されていたらしい。
その後の情報によるとマスコミの連中は
気が付いていたら壁が壊れていたとのこと。
何が起きたのか分からないまま、
火野達は午後の授業に移行したのだった。
☆★☆★☆★☆
「ホラ委員長始めて。」
「でっでは、他の委員決めを執り行って参ります!
‥‥‥‥けどその前に、いいですか!」
HRが始まり、早速決まった委員長の二人が指揮を
取ろうとすると、緑谷が話を止め、飯田の方を見る。
「委員長は、やっぱり飯田くんが良いと…思います!」
「!」
「あんな風にカッコ良く人をまとめられるんだ、
僕は…飯田くんがやるのが正しいと思うよっ。」
まさかの委員長の座を譲ろうとする緑谷に驚く飯田。
だが、例の件あってか皆はその意見に賛同する。
「あ!良いんじゃね!!飯田、食堂で超活躍してたし!!
緑谷でも別にいいけどさ!」
「非常口の標識みてぇになってたよな!」
「適した者こそ指揮をするに相応しい‥。」
切島、上鳴、常闇と賛同していき、
飯田は感動したのか震え出していた。
「何でもいいから早く進めろ…時間がもったいない。」
「ひっ!!」
相澤がギロリと睨み生徒等は怯えると
飯田は立ち上がる。
「委員長の指名ならば仕方あるまい!!」
「任せたぜ非常口!!」
「非常口飯田!!しっかりやれよー!!」
「頑張れ非常口ー!」
文字通り非常口のマークの格好で叫んでいたので
皆はそう呼んでいた。
こうして、委員長は決まり、ヒーローとして学ぶ高校生活へ戻る、と思ったのはこの時は知らなかった。
こんなにも早く邪なる者と戦う事になることを‥。
おまけ
切島「麗日、火野!小テストどうだった!?」
麗日「ズギャアアン!」
火野「ズギャアアン!」
あの一件以来、A組の「大丈夫」という言葉は
飯田の非常口を真似たようなポーズを取る仕草が流行っていた。