いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

21 / 132
夢と挑発と誕生秘話


No.21雄英体育祭、開幕

「せ、世界…?」

 

火野は突然呼び止められた生徒の言葉に困惑する。

 

「…そんな〝個性〟を持っていて、守れない様じゃ

どう足掻いても無理だ。世界に手を伸ばせない。」

 

生徒はそう言うと火野から離れ、去っていく。

あっけからんとした顔になった

火野は自身の手を見つめる。

 

「…世界か、大きくでたなぁ。

まあ、俺は今やれる事をやるだけだ。」

 

火野はそう言って背中を向け教室に戻る。

この時、二人の距離に窓から照らす光が差し掛かる。

まるで二人に切れない糸があるような光景だった。

 

 

☆★☆

 

 

「お金欲しいからヒーローに!?」

 

「ん?この声は緑谷君…?」

 

廊下を過ぎ、階段へ差し掛かろうとした時、

緑谷の声が聞こえ、行ってみるとそこには

麗日、緑谷、飯田の三人がいた。

入学当時からこの三人は仲がいいのか

よく一緒に行動している。

 

「あ、火野君っ。」 

 

「うぇっ!?火野君っ!?」

 

「教室振りだな!」

 

「ご、ごめんっ。何か聞いちゃいけない事

聞いちゃったかな…?」

 

今の聞かれたと言わんばかりに麗日は動揺するので

火野は咄嗟に謝ると、頬を赤らめながら

麗日は首を振る。

 

「…いや、いいんよ。話戻すと

ウチ今回の体育祭本気で頑張りたいの…。

目立てば色んなプロの人から見てもらえて

そこでまた頑張れば人気が出るかもしれへん。

そうなったら卒業してプロになった時、

お金を沢山貰えると思うから…。

な、なんかごめんね不純で…!」

 

「何故!?目標を掲げてヒーロー志望だろ?

凄く立派じゃないかっ。」

 

「飯田君っ。その手の振り方その内人に当たるよ…?

ほら、緑谷君の髪にちょいちょい当たってる。」

 

飯田の言う通り、麗日の目標は聞きは不純だが

生活を支える為の立派な目標だ。

少なくともここにいる三人はそれを貶す事は

絶対ないだろう。

 

「ウチ建設会社やってるんやけど、

全っ然仕事無くてスカンピンなの…。

こういうのあんま人に言わん方がいいんやけど…。」

 

「建設…。」

 

おどおどする麗日に飯田は手に顎を当て下を向く。

 

「麗日さんの〝個性〟なら許可とれば

コストかかんないね。」

 

「あ、本当だ。重機とか減らせるからだいぶ違うね。」

 

「でしょ!?二人の言う通りなんよ!

それ昔親に言ったんだよっ!」

 

二人の発言に勢いよく反応する麗日

 

「でもウチの親はお茶子が夢叶えてくれた方が

何倍も嬉しいって言ってくれて…。

だから私!絶対ヒーローになってお金稼いで、

父ちゃん母ちゃんに楽させてあげるんだ!」

 

「麗日君…、ブラーボー!!」

 

「凄い目標じゃないか麗日さんっ。

なら、今回の体育祭は余計に頑張らないとね!

絶対目立って社会に見せつけてやろう!」

 

「火野君…!うん!頑張るっ!」

 

その決意を真剣な眼差しで三人に向ける。

飯田は評価し、火野は応援し、拳を麗日に突きつけると

麗日は答え自身の拳を火野に合わせていた。

 

 

「おお!!緑谷少年!が!いた!!」

 

 

「「「「!!」」」」

 

突然、大声でやってきたオールマイトに

四人は肩をビクッと跳ね上がらせる。

何かと思い振り向くと、彼の手には

小さな小包が握られていた。

 

「ご飯…一緒に食べよ?」

 

「ぶふっ!?乙女や!!」

 

「…?ぜひ。」

 

思わぬ発言に麗日は吹き出す。

緑谷はそう言うとオールマイトについて行った。

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

ー 食堂にて ー

 

 

「デク君なんだろね?」

 

「オールマイトが襲われた際、

一人で飛び出したそうだぞ。その関係じゃないのか?」

 

「なるほど…。それで好かれたのかな?」

 

「乙女や!」ブフッ

 

緑谷がオールマイトについて行った後

火野達はメシ処にやってきて列に並んでいた。

その時、麗日が話しかけてきて飯田と火野は反応すると、

麗日はまた吹き出す。

 

「蛙吹君が言ってたように、超絶パワーも似ているし、

オールマイトに気に入られているのかもな、さすがだ。」

 

「なるほど。」

 

「ガッテンッ。」

 

飯田がそう言うと二人は手を叩きそれを納得していた。

その少し離れた列に並んでいた轟が

会話を聞いてたのかこちらを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

ー 放課後、教室にて ー

 

 

「うおぉおお…!!何事だぁっ!!?」

 

支度し終わった麗日は教室の扉を開け驚く。

そこには他のクラスの生徒達が大勢集まっていた。

 

「出れねーじゃん!何しに来たんだよ!」

 

「敵情視察だろ、ザコ。」

 

「…!!?」

 

「峰田君、あれがニュートラルなの…。」

 

峰田が言うとその横を通りながら爆豪は言い放ち

峰田は口をパクパクしながら緑谷に視線を向けると

苦笑しながら答えた。

 

(ヴィラン)の襲撃を耐え抜いた連中だもんな、

体育祭の前に見ときてぇんだろ。

意味ねぇからどけ、モブども。」

 

「知らない人のことをとりあえず

モブっていうのやめなよ!!」

 

爆豪の言葉に飯田は腕を振りながら注意すると、

大勢の生徒達の中から一人、押し退けるように

爆豪の前へと出てきた。

 

「どんなもんかと見に来たがずいぶん偉そうだなぁ。

ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?

こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ。」

 

「あぁ!?」

 

「ちょ、ちょっと爆豪君落ち着いてっ!

変な誤解招くだろっ!?すみません、こいつ

喋り方っていうか、頭がちょっと飛んでるっていうか。」

 

「んだとおいっ!?テメェからのしてやろうか

三色野郎っ!!」

 

首を押さえながら呆れた様子で言う不健康そうな

顔をした生徒に爆豪は反応するが、火野が慌てて止めに入るが、癪に触ったのか爆豪は

火野の制服のネクタイを掴み暴言を吐く。

その背後では飯田と緑谷が僕らは違うよと

言わんばかりに全力で首を振っていた。

 

「…普通科とかサポート科ってヒーロー科落ちたから

入ったって奴けっこういるんだ、知ってた?」

 

火野は爆豪の手を払い除けるとその生徒は

息を吐いて続けて喋り出す。

 

「体育祭のリザルトによっちゃ、

ヒーロー科編入も検討してくれるんだって。

その逆もまた然りらしいよ……。

敵情視察?少なくとも普通科(おれ)

調子のってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞーっつー、

宣戦布告しに来たつもり。」

 

「悪いが『心操』、サポート科(おれ)もそのつもりだ。」

 

その生徒〝心操〟の言葉に不穏な空気が流れると思いきや、

別の人混みから押し退けて反応し、出てくる生徒がいた。

それを見て火野は顔見知りなのか「あ」と声を漏らす。

それもその筈、火野が先程トイレですれ違った

男子生徒なのだから。

 

「お前も見に来てたのか、『後藤』。」

 

「当然だ。こんな礼儀知らずのクラスに

ヒーロー科が務まるものか。」

 

心操とは知り合いなのか後藤という名の生徒を見て

そう言うと後藤は爆豪を見た後、隣にいた火野を睨みつける。

 

((((だ、大胆不敵組…!))))

 

「隣のB組のモンだけどよぅ!!(ヴィラン)

戦ったっつうから話聞こうと思ってたんだがよぅ!!

エラく調子づいちゃってんなオイ!!!

本番で恥ずかしい事んなっぞ!!」

 

((((ま、また大胆不敵きた…!))))

 

普通科の心操、サポート科の後藤に続き、

隣のB組の銀髪で活気ある生徒までもが

A組の連中に挑発を仕掛けてくる。

悪口や中傷が増えてく最中、爆豪は平然と、

その生徒達の壁を押し退け帰ろうとする。

 

「待てコラどうしてくれんだ!おめーのせいで

ヘイト集まりまくっちまってんじゃねぇか!!」

 

「関係ねぇよ……。」

 

「はぁーーー!?」

 

耐えかねた切島が爆豪を呼び止めようとするが

爆豪は呟き、切島はその態度に呆れたのか叫ぶが

そのまま爆豪は言った。

 

「上に上がりゃ、関係ねぇ。」

 

爆豪は言い放ち、生徒等を押し退け帰って行った。

 

「く…!!シンプルで男らしいじゃねぇか!」

 

「上か…一理ある。」

 

「言うね。」

 

「爆豪君、ちょっとは見直したかも…?」

 

「騙されんな!無駄に敵増やしただけだぞ!」

 

切島、常闇、砂藤、火野が彼の言葉に同意してると

上鳴が間入れずツッコミを言い放つ。

 

「…はぁ。興醒めだ、帰ろ。」

 

そのやり取りを見て心操は呟くと帰って行く。

それに続けてなのか他の生徒も帰り出す。

そして一人、後藤は火野を再度睨み、帰って行った。

 

「なあ火野っ。お前をずっと睨んでる奴いたけど、

お前なんかやらかしたのかっ?」

 

「えっ…いや、ただの顔見知りだよ。

ちょっと注意されたっていうか…。」

 

峰田の言葉に火野は苦笑しながら返し彼等の

後ろ姿を少し見送った後、火野、クラスの生徒等は下校した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

その男、後藤は校舎の外を下校していた時、

一人の女子生徒が後藤を発見するなり、近寄ってきた。

 

「どうですかっ!?ちゃんと見ましたか

〝仮面ライダーオーズ〟は!?」

 

「…相変わらずうるさい奴だなお前。

…どんな奴かと思って興味を持ったがとんだ期待外れだ。

…俺にもっと強い〝個性〟があれば…!」

 

「あぁ〜、その事なんですけど!

貴方にもビッグチャンスが

訪れるかもしれませんよ!フフフ!」

 

「何?」

 

後藤は反応するとその女子生徒はスマホを取り出す。

そこには〝会長〟と書かれていた名の

通話中の画面が載っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

刑事の塚内は、都内の大型のビルへと足を入れ

エレベーターで上へと登っていた。

最上階に到達するとそこにはただ広い空間が広がっており、

奥には赤いスーツを着た男性と若い秘書と思える

女性が一人立っていた。

男性は趣味なのか蓄音機で誕生を祝う曲を流しながら

テーブルの上でケーキを作っていた。

 

 

「君が塚内刑事だね!我が〝鴻上ファウンデーション〟に

よく来てくれた!…座りたまえ。」

 

「いえ…、寧ろあの有名な

〝鴻上ファウンデーション〟に呼ばせてもらい

ありがとうございます。

…ところで、例の件なんですが…。」

 

「あぁ、里中君!」

 

「はい。」

 

椅子に腰掛ける塚内に秘書の里中が束になった

資料を塚内に渡し、塚内はペラペラと巡り

その内容を見ていた。

 

「君が提供してくれたあの〝メダル〟!

実に素晴らしいエネルギーが込められている!

あのニュースを見て私は考えた!

そのメダルを〝利用〟し!我々でも使いこなせる

〝エネルギー〟に変えてしまおうと!!」

 

「…これが!まさか…、本当に可能なんですか…?」

 

「事が早く進めそうならすぐに完成するだろう!

…だよね里中君?」

 

「はい、恐らく二週間後には…。」

 

その資料を見ながら塚内は口を開け驚いていた。

そして男性は持っていた泡立て器を上に突き上げ大きく叫ぶ。

 

 

「ハッピィバースデー!!そのメダルを力に変える!

新たな戦士の誕生だよっ!!」

 

 

その資料の目次には『バース』という

文字が刻まれていた。

 

 

 

 

そして、二週間はあっという間に過ぎ、

いよいよ、雄英体育祭が幕を開けるー!

 

 




ヤオモモ観察記録

彼女の強さ
それは知識
膨大なデータを得れば得るほど創造性は増す!

「恐悦至極に存じ奉りますわ!」

日本史の勉強をすると喋り方も流暢、古風!

「オブガリータッ。」

ポルトガル語の勉強をすれば喋り方もポルトガル!

「キタコレ!テラワロス!草回避!」

Twitterやインスタを勉強すれば…こうなる!!!



次回!No.22第一種目、障害物競走

更に向こうへ!Plus Ultra!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。