いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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宣言と記憶途切れとロボ!


No.22第一種目、障害物競走

ー 雄英体育祭、控室 ー

 

 

「皆準備は出来てるか!?もうじき入場だ!!」

 

「コスチューム着たかったなー。」

 

「公平を期すため着用不可なんだってよ。」

 

各々が緊張の為か会話をしたり一人で

精神統一を行う生徒等がいた。飯田の言う通り

開始時刻は残りわずか、火野も二枚のメダル

手に取り眺めていると緑谷が話しかけてくる。

 

「ひ、火野君っ、それもしかして〝新しい〟メダルっ?」

 

「あ、うん。そうだよっ。」

 

「〝ライオン〟と、〝サイ〟…かな?

凄い!まだこんなメダル持ってたんだ…!」

 

「え〜っと、何て説明すればいいか…、

コレ実は〝いつの間にか〟持ってたんだよ。」

 

「?…それってどういう──」

「緑谷。」

 

会話中、突然と轟が割入り緑谷に声を掛けてきた。

轟が話しかける事なんて珍しいのか皆の視線が

徐々に二人の方へと向けられる。

 

「轟くん……、何?」

 

「客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う。」

 

「へ!?うっ、うん…。」

 

キョトンとする緑谷に轟は宣言した。

 

「お前オールマイトに目ェかけられてるよな?

別にそこ詮索するつもりはねぇが…お前には勝つぞ。」

 

「っ!」

 

いきなりの宣戦布告。その空気はドヨドヨとした

緊迫する空気に変わり、緑谷の隣にいた火野は

轟を止めようとする。

 

「ちょ、ちょっと轟君!体育祭前に喧嘩腰はよくないって…!」

 

「仲良しごっこじゃねぇんだ。何だっていいだろ。

火野、お前は恵まれた〝個性〟だよな。

お前にも負ける気はねぇからな。」

 

ギッと鋭い目付きの轟に火野は一瞬目を見開くが

周りを見て喋り出す。

 

「恵まれてなんかないよ。勿論力を使えば

身体だって壊すさ。どんなに弱いとか強いとか

言われようとその人の持ってる〝個性〟だから。

言いかえれば皆んな恵まれてる〝個性〟だよ!

轟君が何を思っているのか分からないけど、

やるからには俺も全力で勝つよ!」

 

「あぁ。」

 

周りの生徒の一部からおーっと感心する様な声が聞こえて、

火野は離れ、椅子に腰掛けると

一枚の紙切れを取り出しジッと眺め始める。

続いて緑谷も下を向きながら喋り出すが

それは段々と強い表情に変わって行った。

 

「轟君が何を思って僕に勝つって言ってんのか…は、

僕も分かんないけど、そりゃ君の方が上だよ、

実力なんて大半の人達は敵わないと思う…。

客観的に見ても…、でも…!!火野君みたいに、

皆…他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ。

僕だって…遅れをとるわけにはいかないんだ!

僕も本気で獲りにいく!」

 

「…おう。」

 

緑谷が言い返してくるとは思わなかったのか、

轟は目を見開き頷いた。

そして、それぞれの思いを胸に、

A組は呼ばれ、体育祭の会場へと入場した。

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

『雄英体育祭!! ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!! どうせてめーらアレだろ!?こいつらだろ!!?(ヴィラン)の襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!ヒーロー科!!1年!!!A組だろぉぉ!?』

 

野球ドームの様なド派手な会場でそれは開幕されていた。

歓声の雨を呼ぶ観客達のテンションを上げるべく

実況をしているプレゼント・マイク。

そのオーバーな紹介に、一年A組は入場していく。

 

「わあああ…人がすんごい…。」

 

「大人数に見られる中で最大のパフォーマンスを

発揮できるか…!これもまたヒーローとしての

素養を身につける一環なんだな。」

 

「めっちゃ持ち上げられてんな…、

なんか緊張すんな爆豪…!」

 

「しねえよただただアガるわ…!」

 

飯田と緑谷、切島と爆豪は観客を見るなり

個々でそう言っていた。

 

『B組に続いて普通科C・D・E組…!!サポート科F・G・H組も来たぞー!そして経営科…』

 

ヒーロー科B組も入り、普通科、サポート科、

経営科の生徒達もA組とB組に続けて入場する。

だがあからさまに盛り上がりに欠けているその

状態のせいか不満そうな生徒が大勢いた。

 

「俺等って完全引き立て役だよなぁ…。」

 

「たるいよね〜…。」

 

普通科の生徒は不満を垂れ流す。そこには心操もいて

A組生徒を見ながら歩いていた。

 

「フフフフッ!!さあドッ可愛いベイビーちゃんの

出番ですね!貴方の()()

ギンギンと興味ありますが!」

 

「うるさい黙れ。」

 

サポート科の生徒、発目はその目を眩かせ、

後藤は一枚の銀色のメダルを握り、黙々と歩いていた。

 

『選手宣誓!!』

 

一年の全ての生徒等が集まり、壇上に上がった

ミッドナイトが鞭を鳴らし声を上げていた。

 

「18禁なのに高校に居てもいいものか?」

 

「いい。」

 

ボソッと呟く常闇に間入れず峰田は凝視しながら言う。

 

『静かにしなさい!!選手代表!!1ーA火野映司!!』

 

「はっ、はいっ!」

 

ミッドナイトに指名されたのは火野で、

緊張気味の火野はぎこちなく壇上へと登って行く。

 

「火野君っ?え、何で…?」

 

「あいつ入試一位通過だったからな。」

 

「……ちっ。」

 

驚く緑谷に瀬呂は教えてると爆豪は気に食わない

表情で火野を睨んでいた。

火野はミッドナイトに軽く礼をしながら

マイクへと近付き、息を吸い込み宣言した。

 

『選手宣言!!先生!私達、選手一同は自身の

全力を出し抜きスポーツマンシップに則り

戦い抜くことを誓います!!…。』

 

言い終わろうとしたその直後、機能停止したかの様に

火野の首はガクンと垂れ下がる。

一瞬何事かと思い、生徒等はざわつき、

ミッドナイトは駆け寄ろうとしたが、

火野は直ぐに顔を上げる。…が。

 

 

『…優勝するのはこの()()だ。』

 

 

その瞬間、生徒等からはブーイングの嵐が巻き起こる。

 

「ふざけてんじゃねぇぞお!!」

 

「調子乗んなよA組オラァ!!」

 

「何だあいつ!?俺らはいい踏み台ってか!?」

 

ブーイングの最中、A組は驚愕していた。

あの火野があんな口調で煽る様な行為などしない筈なのに彼はその行為を行ったからだ。

 

「…ふぁ…、え?ど、どうしたの皆んな…?」

 

「どうしたのじゃないぞ!こっちの台詞だ火野君!」

 

「お前そんなキャラだったかっ!?何で煽ってんだよっ!?」

 

「え、えぇっ!?」

 

何が起きたのか分からないと言わんばかりの表情をする

火野に飯田と切島は怒るが本人は何故かシラを切っていた。

謝りながら壇上から降り、列に戻った火野を確認し、

ミッドナイトはブーイングを無視して競技の説明をする。

 

『さーて、それじゃあ早速第一種目行きましょう!』

 

「雄英って何でも早速だね。」

 

『いわゆる予選よ!!毎年ここで多くの者が

涙を飲むわ!!さて運命の第一種目今年は…!』

 

「早速ではないよね。」

 

「言うな。」

 

麗日がツッコむと耳郎がボソッと呟き、上鳴が宥める。

 

『コレ!!!』

 

ミッドナイトの後ろに空中投影で映し出されたのは

障害物競走と書かれていた。

 

『計十一クラスでの総当たりレースよ!

コースはこのスタジアムの外周、約4km!

我が校は自由さが売り文句!ウフフフ…!

コースさえ守れば()()()()って構わないわ!』

 

ミッドナイトが説明していると、背後の壁が

組み替えられ、入り口と見受けられる場所へと

形を変えていく。どうやらここがスタート地点みたいだ。

 

『さあさあ…位置に着きまくりなさい…。』

 

そう言い終わるとゲート上部に設置された

ランプが点滅を始める。生徒等は慌てて

スタート地点へと移動する。

 

「はぁ…。」

 

火野も位置に着くと思いきやオーズドライバーを

腰に宛がい装着しながら溜息を吐いていた。

先程の宣言は昨夜泉と共に内容を考えていたのだが

あの発言の()()が飛んでるのか

ブーイングを受けた事に意味が分からず、

終始首を傾げていた。

モヤモヤの気持ちが晴れないまま、火野は

腰を低くし、目の前のゲートを見つめる。

何はともあれ、今から始まる体育祭。

出出しをくよくよと考えてる暇も与えてくれない

その雄英に彼は逆に感心していた。

火野は考えるのを止め、三枚のコアメダルを

スロットに嵌めて行き、オースキャナーを

取り出し構える。

そして、ついに始まりの合図がやって来る。

 

 

 

『スターーーーーーート!!』

 

 

 

「変身!」

 

その合図と共にドライバーへとスキャンした。

 

 

 

 

タカ!

 

トラ!

 

バッタ!

 

 

 

 

合図により火野はオーズに変身すると同時に生徒達が

一斉にゲートを通ろうと走り出すが

狭く設計されているのか詰め入った状態となり

後方の生徒等は通れずにいた。

 

『さぁて実況していくぜ!っとお!

いきなり宣戦布告ボーイがド派手にフォームチェンジだ!

あ、解説ヨロシク!ミイラマン!』

 

『無理矢理呼んだんだろが…。

まあアレはあいつの〝個性〟だから仕方ない。』

 

プレゼント・マイクが実況を取り行い、怪我人の相澤が

若干切れ気味な口調で一応解説していた。

オーズは混雑するゲートを一番後方列から見ると

足に力を入れ始める。

 

「下がダメなら、上だなっ!」

 

そう言ってオーズは跳躍し、ゲートのトンネルの中の壁を蹴って突破していく。

出口まで出るとそこには一面氷が張られており、

何十名かその氷が足に凍り付き動けなくなっていた。

恐らく今先頭を走っている轟の仕業だろう。

オーズは凍らされていない地面へ着地し、

駆け出し轟の後方を走っていると、

後ろからA組生徒が人混みから飛び出し後を追う様に

駆け出していた。

 

「クラスの()()は当然として、

思ったよりよけられたな…。」

 

「氷は轟君の専売特許だもんね!

把握してればその対策も考えるよ!」

 

「ちっ…、だが負けねぇ…!」

 

轟は前方に氷を地面に生成し、滑る様に速度を早める。

すると、峰田が突っ走り、頭の紫のボールへと手を伸ばす。

 

「お前のうらのうらをかいてやったぜ!

ざまあねえってんだ!ヒャッハー!」

 

峰田実

 

個性『もぎもぎ』

 

頭から、粘着力の高いボール状の物質を無限に生み出す!

もぎって投げるという単調な動き故に、対人は不向き!

もぎりすぎると頭から流血してしまうぞ!

 

 

「喰らえオイラの必殺、GRAPE ドゴォ!

 

「峰田君!!?」

 

突然ロボットに殴られ峰田は側転の如く転がっていき

近くにいた緑谷は声を上げる。

 

『ターゲット…大量!』

 

「これ…入試の仮想(ヴィラン)!?」

 

入試の時にいた1Pの仮装(ヴィラン)が行手を阻むが、

その先には0Pの超大型仮装(ヴィラン)

何十対と聳え立っていた。

 

『さあいきなり障害物だ!!まずは手始め…、

第一関門!ロボ・インフェルノ!!』

 

「入試ん時の0 P(ヴィラン)じゃねぇか!!!」

 

「マジか!ヒーロー科あんなんと戦ったの!?」

 

「多すぎて通れねえ!!」

 

ヒーロー科、そして他の科の多くの生徒達が

驚愕し立ち止まる。

 

「どこからお金出てくるのかしら…。」

 

その夥しい数のロボットを見て八百万が呟くと

先頭の轟は腰を低くし、その周りが凍り始める。

 

「一般入試用の仮想(ヴィラン)ってやつか。

(せっかくならもっとすげえの 用意して

もらいてえもんだな)…クソ親父が見てるんだから。」

 

轟は右手を大きく振り上げると前方にいた

超大型仮装(ヴィラン)は一瞬にして凍りついた。

そのロボットの足元を轟は走り抜ける。

 

「あいつが止めたぞ!!あの隙間だ!通れる!」

 

「やめとけ。不安定な体勢ん時に凍らしたから…

倒れるぞ。」

 

続いて生徒達も後を追うが轟がそう言うと

文字通り超大型仮装(ヴィラン)は体制を崩し、

勢いよく倒れ、後方の生徒等を含め吹き飛ばされていた。

 

『1ーA!轟!!攻略と妨害を一度に!!

こいつぁシヴィー!!!すげぇな!!

一抜けだ!!アレだな、もうなんか…ズリィな!!』

 

プレゼント・マイクが実況すると、轟は

この第一関門を突破し、次のステージへと走っていく。

オーズも負けずと立ちはだかる残りの超大型仮装(ヴィラン)

警戒していると、一体の1P (ヴィラン)

オーズに向けて突っ込んできた。その時。

その仮装(ヴィラン)は何か()()()()かの

様に、胴体が割れ、その場に鉄の塊となって倒れた。

オーズは振り返ると、そこには

()()()()()()()()()()を模した銃を

向けた普通科の後藤がいた。

 

「…!こんなところでヒーロー科の奴らに

遅れをとるようなら、世界は守れない…!」

 

「…また世界か…。本当、雄英は色んな人がいるなぁ。」

 




ー体育祭入場の時ー

緊張は色々と身体にでる、例えば!

緑谷、峰田、飯田
「「「……!」」」
手足が同時に出る!

爆豪
「…。」BOM BOM
手汗で爆破!

切島
「っし…。」
こわばりで硬化!

耳郎、麗日

「…あれ、梅雨ちゃんは?」

「えっ?今そこにいたよ…?」

落ち着かない!

蛙吹
「…」
擬死!

「梅雨ちゃんしっかり!!?」

次回!No.23みんな個性的でイイネェ!!

更に向こうへ!Plus Ultra!!
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