いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ 作:しょくんだよ
『騎馬戦、終了だあーーー!!
最後は白熱だったなお前等!じゃ、早速
上位4位チームの結果発表と行こうか!』
『1位!轟チーム!』
「‥‥くそっ。(何とか1000万だけは死守できた‥。)」
馬の3人から降りながら轟は小さく悪態を吐く。
『2位!爆豪チーム!』
「だあぁあああああっ!!」
地面へと座り込み発狂する爆豪、
その背後からはチームの切島、瀬呂、芦戸が
駆け寄っていた。
『3位!火野チーム!』
「あぁ〜取れなかったぁ‥!」
「‥そんな事ない、結果オーライだ。」
「ふぅ‥、熱くなりすぎた‥。」
「ソレネ☆」
変身を解き馬から降りながら悔しがる火野、
後藤は順位に入れたからそう言うと
背後で心操は若干悔しそうで青山は笑顔で共感する。
「‥‥。あの‥、ごめん‥本当に‥。」
4位の結果を言う前に緑谷はチームの3人に謝る。
動けなかった、奪えなかった。それを気にして
緑谷は顔も見ず下を向き、ただただ謝る。
「ベイビーちゃん‥。」
「デク君デク君!」
「!?」
緑谷からホバージェット外して受け取った発目は
電撃を受けて故障してるのを見てショックを受けると
落ち込む緑谷に気付き、背後を指差す。
それと同時に麗日も指差すと、そこには常闇がいた。
「お前の初撃から轟は明らかな動揺を見せた。
1000万を取るのが本意だったろうが‥‥、
そうは上手くいかないな。
それでも一本、警戒が薄くなった
緑谷、お前が追い込み生み出した轟の隙だ。」
そう言って常闇のダークシャドウは咥えている
625ポイントを緑谷に見せた。
『4位!緑谷チーム!以上4組が!
最終種目へ進出だぁあああ!!!』
「うわああああああああ!!!」
同時にプレゼント・マイクが叫び
緑谷もまた、滝の様に湧き出る涙と共に崩れ落ちていた。
『それじゃあ1時間程の昼休憩挟んでから午後の部だぜ!
じゃあな!!!オイ、イレイザーヘッド、飯行こうぜ…!』
『寝る。』
『ヒュー!』
マイクの電源を切り忘れたのか私言が入る放送が鳴り、
騎馬戦は無事終わり、昼休憩となった。
ぞろぞろと会場から控室に戻るA組生徒等は
各々の反省点や褒めたりなどの会話をしながら
帰っていると火野はトイレに行きたくなり
別の入り口へと入っていく。
「はぁ、スッキリぃ〜。」
火野は満面の笑みで出て手を洗い、廊下へと出ると
そこには爆豪がいた。
「‥あ、爆豪君?君もトイ」
「‥‥。」
火野が呼びかけると爆豪は珍しく発狂せず、
口元に人差し指を当て顎をくいっと後の廊下の
つき当たりを向ける。
何事かと思い恐る恐る覗いてみるとそこには
轟と緑谷がいた。
「あの…、話って…、何?
早くしないと食堂すごい混みそうだし…えと…。」
緑谷はもじもじと喋り出す。
どうやら呼び出したのは轟らしい。
轟は只ならぬその目付きで緑谷を睨むと喋り出す。
「気圧された。てめえの誓約を破っちまうほどによ。
飯田も上鳴も八百万も麗日も常闇も…感じてなかった。
最後の場面、あの場で俺だけが気圧された。
本気のオールマイトを身近で経験した俺だけ‥。」
「それ‥つまり……どういう…。」
「お前に同様の何かを感じたって事だ。
なあ……オールマイトの隠し子か何かか?」
「‥えっ、緑谷君隠しムゴゥ!?」
「黙れ…!」
轟の言葉に火野は驚き声を出すと爆豪に
口を塞がれる。何とか気付かれずに済み、
緑谷も同様、驚き口を動かす。
「違うよ、それは……って言ってももし本当にそれ…!
隠し子だったら違うって言うに決まってるから
納得しないと思うけど、とにかくそんなんじゃなくて……!
そもそもその…、逆に聞くけど…。
何で僕なんかにそんな……?」
言葉の筋立てられず乱れながら喋る緑谷に
轟は間入れず喋る。
「『そんなんじゃなくて』って言い方は、
少なくとも何かしら言えない繋がりがある、
って事だな。俺の親父はエンデヴァー。知ってるだろ。」
「!」
「っ!」
緑谷、そして隠れて聞いていた火野は
驚くと続けて轟は喋り出す。
「万年No.2のヒーローだ。お前がNo.1ヒーローの何かを持ってるなら俺は……、
尚更勝たなきゃいけねぇ。
親父は極めて上昇志向の強い奴だ。ヒーローとして
破竹の勢いで名を馳せたが…、それだけに生ける伝説
オールマイトが目障りで仕方なかったらしい。
自分ではオールマイトを超えられねぇ親父は、
次の策に出た‥。」
轟は一旦区切ると再度喋り出す。
「〝個性〟婚、知ってるよな?」
「っ!」
「‥!(まさか、轟君‥。)」
轟の発言に緑谷、火野は驚き、
まさかと思いながらも轟は喋る。
「〝超常〟の時代が起きてから、第二〜第三世代間で
問題になったやつ…、自身の〝個性〟をより強化して
継がせる為だけに配偶者を選び……結婚を強いる。
倫理観の欠落した前時代的発想。実績と金だけはある男だ…。
親父は母の親族を丸め込み、母の〝個性〟を手に入れた。
俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで
自身の欲求を満たそうってこった。鬱陶しい…!
そんな屑の道具にはならねぇ。記憶の中の母は
いつも泣いている…『お前の左側が醜い』と母は
俺に煮え湯を浴びせた。ざっと話したが、
俺がお前に突っ掛かんのは見返すためだ。
クソ親父の〝個性〟なんざなくたって……。
いや…、 使わず一番になる事で、奴を完全否定する。」
「…。」
緑谷、火野、爆豪はそれを聞いて下を俯く。
あまりに衝撃の家庭の事情の話に正直驚愕していた。
目指す場所は同じでも事情は人それぞれ。
それを改めて火野は奇しくも実感していた。
「‥言いたくねぇなら別にいい。
お前がオールマイトの何であろうと
俺は〝右〟だけでお前の上を行く。‥時間取らせたな。」
「‥‥僕は、ずうっと助けられてきた。
さっきだってそうだ‥僕は…
誰かに救けられてここにいる。」
轟はそう言って立ち去ろうとすると緑谷が話しかけ
立ち止まる轟。
「オールマイト‥。彼の様になりたい‥、
その為には1番なるくらい強くなきゃいけない。
君に比べたら些細な動機かもしれない‥。
他の皆に比べたら小さな理由かもしれない‥。
でも、僕だって負けらんない。
僕を救けてくれた人達に応える為にも…!
さっき受けた宣戦布告改めて、僕からも、君達に勝つ!」
その緑谷の意気込みに轟は黙って見つめ、
小さく頷くとその場から立ち去って行く。
緑谷も後から立ち去ると、
二人がいなくなったのを確認し、火野と爆豪は
顔を出して出てくる。
「‥なんか、聞いちゃいけない事聞いてしまったかな‥。
てか、爆豪君もあーゆー場面は空気読むんだね?」
「はぁ!?読み殺すわ!!
‥ちっ、だが俺には関係ねぇっ!
デクも!半分野郎も!お前も!!
俺が完膚なきまで叩きのめす!」
火野が呟き、爆豪を見て言うと
爆豪は何か思ったのか舌打ちをし、
暴言を吐き捨ててその場から立ち去っていく。
火野は溜息を吐き、轟と緑谷の通った道を見つめ、
控え室へと向かって行った。
☆★☆★☆★☆
昼休憩が終了し、一年生徒は会場に集まると
プレゼント・マイクが説明を行う。
『最終種目発表の前に予選落ちの皆へ朗報だ!
あくまで体育祭!ちゃんと全員参加の
レクリエーション種目も用意してんのさ!
本場アメリカからチアリーダーも呼んで
一層盛り上げ‥‥アリャ?』
『なーにやってんだ‥‥‥?』
『どーしたA組!!?』
チアアア!!!
プレゼント・マイク、相澤は気付き、
A組女子を見ると何故かチアリーダーの衣装を着て
両手にはボンボンを持っていた。
「「よっしゃあ!!」」
「峰田さん上鳴さん!!騙しましたわね!!?」
「ど、どうしたの皆その格好っ?」
「休憩中に峰田が午後は女子全員
応援合戦しなきゃいけないって相澤先生が言ってたって
言ってきたんだ‥!ヤオモモが衣装だしてくれたけど
アホだろアイツら‥‥。」
火野は聞くと耳郎が説明し、
ボンボンを地面へ叩きつける。
恥ずかしがる女子等だが、葉隠は意外にも乗り気でいた。
「まあ本戦まで時間空くし、張り詰めてもシンドイしさ。
いいじゃん!ヤッタろ!?おらぁああ!」
「透ちゃん好きね。」
ブンブンと腕を振り回す葉隠に蛙吹はツッコむ。
『さぁさぁ!皆楽しく競えよレクリエーション!
それが終われば最終種目、進出4チーム総勢
16名からなるトーナメント形式!!
一対一のガチバトルだ!!』
「トーナメントか…!毎年テレビで見てた
舞台に立つんだあ…!」
「去年トーナメントだったっけ?」
「形式は違ったりするけど、例年サシで競ってるよ。な?」
「うん、そのバトルは白熱でいつも
見入ってしまうんだよねっ。」
プレゼント・マイクは気を取り直し、
残りの生徒等も集まってきた中、説明すると
切島が興奮し、芦戸は瀬呂に問いかけると
瀬呂は答え、火野に向け、火野もまた答える。
『それじゃあ組み合わせ決めのくじ引きしちゃうわよ。
組が決まったらレクリエーションを挟んで
開始になります!レクに関しては進出者16人は
参加するもしないも個人の判断に任せるわ。
息抜きしたい人も温存したい人も居るしね。
んじゃ1位チームから順にくじを引きなさい!』
ミッドナイトの指示により、騎馬戦で勝ち抜いた
上位16名が用意した箱から紙を取り、
ミッドナイトに渡していく。
素早く集計を終わらせてミッドナイトは
モニターを起動させ口を動かした。
「さあ!組はこうなりました!」
1試合目 緑谷 VS 心操
2試合目 轟 VS 瀬呂
3試合目 常闇 VS 八百万
4試合目 飯田 VS 発目
5試合目 芦戸 VS 後藤
6試合目 火野 VS 青山
7試合目 上鳴 VS 切島
8試合目 麗日 VS 爆豪
「くそぉ!殆どA組ばっかりか!!」
「まあ仕方ないよ鉄哲。私等は大人しく
見ておこう。どんな戦い方をするか
見て勉強するのも悪くないんじゃない?」
悔しがる鉄哲に拳藤はそう言って彼の肩に手を置き
他のB組等も一同頷いていた。
「…緑谷、か。」
「心操って確か…。」
心操、緑谷は互いは名を読み、そして見つめる。
心操は鼻を鳴らし、普通科の並びにへと帰って行く。
「…1試合勝てばあいつとか。
(火野、俺はお前に挑戦する…!)」
後藤は火野を見て拳に力を入れていた。
「‥‥意外と早かったな。
(来いよ緑谷、この手で倒してやる。)」
同じく轟もモニターを見てそう呟く。
「あ?麗日?」
「(ヒィィーーー!)」
爆豪は麗日と最初に渡り合う事になり、
当の本人は背後で顔を真っ青にしていた。
「飯田ってあなたですか!?」
「ム?いかにも俺は飯田だ!」
「ひょーー!!良かった、実はですね…!」
発目は飯田に駆け寄ると何やらコソコソ話を始め出す。
「青山君、お互いベストを尽くそう!」
「オーケー!☆チートの君でも負けないよ!☆」
火野は青山に握手を求めると青山は変なポーズを取りながらもその手を握っていた。
『よーしそれじゃあトーナメントはひとまず置いといて
イッツ束の間!楽しく遊ぶぞレクリエーション!』
プレゼント・マイクはそう言って、残りの種目の
準備へと取り掛かる。
格して、残りの競技は和気藹々と盛り上がり、
その時間はあっという間に過ぎて行くのだった。
今回はパパッと次回予告!ごめんね!
次回!No.28ガチンコ対決!始動!
更に向こうへ!Plus Ultra!!