いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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覚悟と捨て身とど根性


No.30頑張れお茶子!

 

「ふぅ‥。」

 

 

「あ、火野君お疲れ様‥。」

 

「あぁ、麗日さ…うわ!?

どうしたの眉間に皺寄せて!?」

 

「眉間?あー…ちょっとね。緊張がね、眉間にきてたね。」

 

青山とのバトルが終わり、控え室へと戻ってきた

火野は先に入っていた椅子に座る麗日と鉢合わせとなるが

眉間を寄せ強張った目付きになってる麗日を見て

驚く火野。

 

「…。そっか、麗日さんの相手、爆豪君だもんね。」

 

「うん、超恐い。」

 

正直に言う麗日。相手は戦闘に置いては

A組の中でも屈指の実力者。そしてあの性格は

例え女性だろうと容赦はしないだろう。

火野は何か対策ないかと思ったが

麗日はそのまま口を動かす。

 

「でもね、飯田君や、火野君の

()()()()とか見ててね‥。」

 

「あのやつ?」

 

「麗日さんっ!」

 

麗日の言葉に首を傾げると突然緑谷が扉を開けて現れる。

 

「デク君?皆の試合見なくていいの?」

 

「うん!大体短期決戦ですぐ終わって‥あ、火野君。

試合お疲れ様っ。レーザー避けるの凄かったよ!」

 

「あ、うんっ。ありがとう。

ところで、緑谷君どうしてここに?」

 

火野に気付き、緑谷は声をかけると火野は

どうしてここに来たのか尋ねると

一冊のノートを麗日に差し出す。

それはいつも緑谷が相手の特徴や〝個性〟の

メモを取るノートだった。

 

「僕は麗日さんに沢山助けられたから、

少しでも助けになればと思って‥‥、

麗日さんの〝個性〟でかっちゃんに対抗する策、

付け焼き刃だけど考えてきた!」

 

「凄い緑谷君!これなら爆豪君に勝てるかもしれないっ。」

 

「ありがとうデク君‥、でもいい。」

 

「「え?」」

 

緑谷はそう言う。流石に心配だっただろう。

爆豪と幼馴染な上に分析が得意な緑谷なので

火野は喜ぶと、麗日はそれを断った。

 

「デク君は凄い!どんどん凄いとこ見えてくる。

騎馬戦の時…、仲のいい人と組んだ方が

やりやすいって思ってたけど、今思えば

デク君に頼ろうとしてたかもしれない。

だから、飯田君が〝挑戦する!〟って‥、

火野君が〝君に勝つ!〟って‥‥。

二人がそんな事言ってて、

本当はちょっと恥ずかしくなった‥。」

 

「麗日さん‥。」

 

「う、麗日さん!俺本当は緑谷君と組もうとしたんだっ。

でも心操君のおかげで‥」

「そのおかげで、デク君と戦えた。‥‥実際そうでしょ?」

 

「それは‥‥‥。」

 

麗日の言葉に火野は言い訳をするが

掻い摘んで言われ、黙り込んでしまう。

 

「ありがとう火野君、緑谷君‥。でも大丈夫。

皆将来に向けて頑張ってる!そんなら皆、

ライバルなんだよね…、だから‥‥。」

 

麗日はそう言って立ち上がり、扉の前へ移動すると

緑谷と火野に向かって振り返る。

 

「火野君、勝ったら準決勝で!

デク君は!決勝で会おうぜ!」

 

麗日はそう言ってグッジョブをする。

が、その手は少しだが震えていた。

ニコリと無理矢理笑顔を作った麗日は

緑谷と火野に見せ、その部屋から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

『さぁーー!第7試合!A組同士の闘い!!

序盤は上鳴が押していたが!男気ど根性切島!

耐え抜いて耐え抜いたーー!!』

 

 

「ぉ、お前電撃に耐えれるんかぅぇ‥!?」

 

「はーっ!こんなモノか電気はーー!?」

 

 

火野達が控え室にいる最中、7試合目の

上鳴と切島がガチンコバトルを繰り広げていた。

プレゼント・マイクの言う通り、

上鳴の無差別放電をくらったのか切島の身体の

あちこちが焦げてはいるが、当の本人は

びくともしていない。電気を出し過ぎて

阿呆になりかけてる上鳴に、切島は身体を硬化させ、

突っ込んで行き、一気に懐へと入り込む。

 

「っーー!ちょっとは効けっつーーの!!」

 

「ーーーーー!!効か!!ねぇーーー!!」

 

「はぶぅ!!?」

 

上鳴は最後の力を出し切り、無差別放電を至近距離で

放出させるが、切島は押し切って上鳴に

ボディーブローを打ちかまし、見事にそれは入り、

上鳴はその場で膝をつき、倒れ込んだ。

 

「う、うぇ〜い‥‥。」

 

「上鳴君行動不能!!二回戦進出、切島君!!」

 

『決まったーー!!切島!重いボディーブロー!

男は拳で鼓舞しろってか!?ププー!!』

 

『おい、一人で何笑ってやがる。』

 

上鳴は阿呆になりながら気を失い、

ミッドナイトは言い渡し、プレゼント・マイクは

勝敗を宣言するが、なぜか自身の発言にツボったのか

笑い出し、相澤はツッコむ。

 

「わり、大丈夫か?上鳴。」

 

「う、うぇええい‥‥。き、効いたうぇ‥。

俺の負うぇだうぇい‥。」

 

「お前の放電も、‥‥かなり痺れたぜ。」

 

「青春!!イイネー!!」

 

上鳴に肩を貸す切島、その二人の会話に

ミッドナイトは鼻血を吹きながら喜んでいた。

 

 

 

 

☆★☆★

 

 

「次、ある意味最も不穏な組ね。」

 

「ウチ、なんか見たくないなー‥。」

 

歓席に戻った火野と緑谷は席に座ると

8試合、1回戦の最後の試合が行われようとしていた。

蛙吹と耳郎が言う様に、周りのA組のその表情は

決して楽しいとか高揚感とかそういうノリではなかった。

そして、両者がリングへと上がるのを確認し、

プレゼント・マイクが紹介する。

 

 

『一回戦最後の組だな…。中学からちょっとした有名人!

堅気の顔じゃねぇ、ヒーロー科!A組の爆豪勝己!!

VS!ぶっちゃけ俺こっち応援したい!!

同じくヒーロー科!A組の麗日お茶子!』

 

 

「お前浮かす奴だな、丸顔。退くなら今退けよ。痛ぇじゃ済まねぇぞ。」

 

「まるっ‥‥!」

 

爆豪は睨み、麗日へ忠告をする。

 

 

『START!!』

 

「速攻!!退くなんて選択肢無いから!」

 

「‥‥じゃあ死ね。」

 

だが麗日は開始と同時に低い体勢で飛び出し、

一気に距離を詰めるが、爆豪は爆破で迎撃し、

麗日はモロに直撃、その衝撃で煙が舞い、

麗日は煙の中へと包まれ姿が見えなくなっていた。

 

 

「くぅああ!!爆豪の野郎!!

マジにやってんじゃねえか!俺そっちの趣味ねぇんだよぉ!」

 

「お前黙ろうか峰田君?」

 

歓席で見ていた峰田の発言に

いい加減鬱陶しいのか怒り気味の火野が言うと

峰田はすんなりと縮こまる。

 

 

爆豪は煙の中を警戒していると、

正面から麗日の体操服が動いてるのを確認し、

押さえようと手を伸ばす。

 

「ナメっ‥‥!!」

 

爆破して取り押さえるが本人は違和感を感じたのか

すぐに爆破を止めると、それは麗日の上着だった。

 

『上着を浮かせて這わせたのかぁ!

よー咄嗟にできたな!ninjaだ!』

 

プレゼント・マイクの言葉と、背後に回り込んでいた気配に

気付き、爆豪は後ろに向かって咄嗟に爆破させ、

麗日を吹っ飛ばす。

 

「わ゛っ!‥たっ‥!!〜〜おらぁああ!!」

 

「おっせぇ!!」

 

リング上を転がる麗日だが直ぐに起き上がり

低い体制で突っ込むが正面から来る戦法で

爆豪は爆撃し、麗日を再度吹き飛ばす。

 

『麗日間髪入れず再突進!!』

 

「まだまだァ!!」

 

『休む事なく突撃を続けるが…、これは……。』

 

何度も何度も攻めては吹き飛ばされを

繰り返しており、プレゼント・マイクはそう言うと

ヤケを起こしたと思ったのかプロヒーローの1人が

立ち上がり、声を上げた。

 

「おい!!それでもヒーロー志望かよ!

そんだけ実力差あるなら早く場外にでも放り出せよ!!

女の子いたぶって遊んでんじゃねーよ!!」

 

「そーだそーだ!」

 

プロヒーローがそう言うと次第にそれは

広がり、一部の観客席からブーイングのコールが鳴り出す。

 

『一部からブーイングが!しかし正直俺もそう思…っ!

わあ肘っ!何スーンだ』

『今遊んでるっつったのプロか?何年目だ?』

 

プレゼント・マイクも混ざって言おうとするが、

突然先程から黙っていた相澤がマイクを奪い取り、

最初に声を上げたプロヒーローへと問いかけ説教を始める。

 

『シラフで言ってんならもう見る意味ねぇから帰れ。

帰って転職サイトでも見てろ。ここまで上がってきた

相手の力を認めてるから警戒してんだろう。

本気で勝とうとしてるからこそ、

手加減も油断も出来ねぇんだろが‥!』

 

そう言われ、ブーイングしていたヒーローは

ピタリと止め、最初に声を上げていたプロヒーローは

俯きながら席へと座り、その試合を黙って見ている。

その言葉を聞いた火野は麗日を見ると

彼女は立ち上がり、「まだやれる!」と言わんばかりの

表情をしていた。

 

「そろそろ…、かな… 。

ありがとう爆豪くん… 、油断してくれなくて‥!」

 

「あ…‥?」

 

麗日はそう言って両指を合わせて〝個性〟を解除する。

すると、何かが飛来してくる音が聞こえ、

爆豪を入れ観客の全員が上を見上げると、

大量の瓦礫が勢いよく降り注いでいた。

 

『こ、これは流星群ーーーー!!!』

 

『気づけよ。』

 

「っ!低姿勢で突進し続けたのは爆豪君の

視線を下に向かせる為‥!でもって爆豪君の爆破で

飛び散った瓦礫が煙で遮られ、尚且つ突進で

そっちに注意が逸れたんだ‥‥!」

 

「そんな捨て身の策を‥‥!麗日さん!!」

 

観席にいてその瓦礫の飛礫を見ながら火野が言うと

緑谷は驚き、リング上の麗日の名を叫ぶ。

 

「勝あアアァつ!!」

 

降り注ぐ瓦礫の中、麗日は爆豪に突っ込んで行く。

回避をしようにも、迎撃しようにも、この状況は

何処かで隙が生じるはず、そう思っていた。が。

 

 

 

 

BOOOM!!

 

 

「!!」

 

 

爆豪は左手を押さえながら勢いよく真上へ突き出すと

広範囲の爆撃を放ち、瓦礫は全て木端微塵となり

消し去ってしまっていた。

その衝撃で麗日も飛ばされリング上を転がる。

 

「デクの野郎とつるんでっからなてめぇ。

何か企みあるとは思ってたが…、危ねぇな‥!」

 

「そ、んな‥‥‥一撃て‥‥!?」

 

『会心の爆撃!!麗日の秘策を堂々ーーーー!

正面突破!!』

 

「ゔゔ‥‥‥!!」

 

目が空になり、満身創痍になりながらも麗日は

立ち上がる。それを見て爆豪はニヤリと笑い

両手を広げ威嚇する。

 

「いいぜ!こっから本番だ、麗日!」

 

「‥‥!!(全く通じんかった‥‥それでも!!)」

 

捨て身の策が破れても尚、麗日は爆豪に触れようと

突っ込む、が。突然麗日は膝から崩れ落ち、

その場に倒れてしまう。

 

「ハッ!ハッ!んのっ…!身体言う事…!きかん…!

まだっ‥‥父ちゃん‥‥‥!!」

 

 

「‥‥許容重量限界(キャパオーバー)‥‥!」

 

這いずろうと身体を動かすが徐々にその行動も鈍くなり、

ミッドナイトは爆豪に待てと手で指示を出して

麗日へと近寄る。

それを見ていた緑谷が呟くと、

ミッドナイトは立ち上がり言い渡した。

 

「麗日さん…行動不能。二回戦進出、爆豪君!

‥‥搬送ロボ、早くリカバリーガールのところへ。」

 

『アイ ノウ 。』

 

「‥‥!」

 

「緑谷君‥‥。」

 

ミッドナイトは搬送ロボを手配すると迅速に

タンカーへと麗日を乗せ、そのまま運ばれていく。

緑谷はそれを見て立ち上がると無言のまま

観席から離れ降りて行った。

 

『ああ麗日‥‥ウン、爆豪一回戦とっぱ‥ハァ。』

 

『ちゃんとやれよやるなら…。』

 

『さぁ気を取り直して、一回戦が一通り終わった!!

ちょっと休憩挟んだら早速次行くぞー!』

 

『私情すげえな。』

 

分かりやすくテンションの下がったプレゼント・マイクに

相澤が言うと直ぐに気持ちを切り替えてそう言っていた。

爆豪は黙って振り返り、リングから降りて行くその姿を

火野は拳を強く握りながら見届けていた。

 

 

 

 

 

☆★☆

 

 

「おーう、何か大変だったな悪人面!」

 

「組み合わせの妙とはいえ、とんでもない

ヒールっぷりだったわ、爆豪ちゃん。」

 

「うぅるっせぇんだよ黙れ!!フン!!」

 

試合から戻ってきた爆豪は早速A組の生徒等に

とやかく言われ、キレ気味に勢いよく席に座り込む。

 

「…おい三色野郎。テメーあの丸顔と一緒にいただろ?

デクは教えてねーって言ってたが、

テメーは何も言ってねぇよな?」

 

「‥俺は何も言ってないよ。

あれは麗日さん自身の戦略だと思う。

…流石の爆豪君も翻弄されちゃったみたいだね。」

 

「ケッ!!………焦ったわっ。」

 

火野に問いかけそう答えると爆豪は小さく呟いていた。

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

『さあ!小休憩は終わったな!?

始める前に先ずは現在の結果ご覧いただこーう!!』

 

プレゼント・マイクがそう言うと

モニター画面に映像の文字が映し出される。

トーナメントの現在の結果だ。

 

第二回戦

 

1試合目 緑谷VS轟

 

2試合目 常闇VS飯田

 

3試合目 後藤VS火野

 

4試合目 切島VS爆豪

 

 

 

『次の試合は勝ち上がったこの8名!!

一体全体誰が勝ち上がるかー!!

さあ、そろそろ初めて行こうか!

エヴィバディセイヘイ!!』

 

プレゼント・マイクが叫ぶと観客は

『イエーーーイ!』と答え、第2の試合が開幕された。

麗日と爆豪とまでは言わないが、

不安を漂わせるその試合を火野達は見ていると

保健室から戻ってきた麗日がやって来る。

 

「二人まだ始まっとらん?」

 

「うら‥」

「見ねば。」

 

「目を潰されたのか!!!

早くリカバリーガールの元へ!!」

 

飯田が声を掛けようと見ると麗日の目は赤く腫れ上がっていた。

 

「行ったよ、コレはアレ、違う。」

 

その言葉に火野は察したのか声を掛けず

黙ってリングを見ていると、麗日は隣の席に座り、

口を動かした。

 

「‥火野君、ごめん…。負けちゃった。

これじゃあ準決勝で会えないね‥。」

 

「…ううん、麗日さん本当よく頑張ったよ。

…次があるさっ。それに、麗日さんの戦い

俺にとっては()()じゃあないかもねっ。」

 

「え?…それってどういう‥。」

 

麗日が尋ねようとすると突然観客が盛り上がる。

その視線の先、リング上に上がって来るのは、

轟と緑谷だった。

 

 

『今回の体育祭、両者トップクラスの成績!!

まさしく両雄並びたち今!!緑谷対轟!!

レディイイイ!!START!!』

 

 

 

 

 

「行くぞ‥!!」

 

 

「っ!!SMAAAASSSHHHH!!!!」

 

 

合図が響き、轟は足元から凍りを生成し、

緑谷へと出してきた。

緑谷はすかさず、腕を前に出し、

デコピンの要領で指に力を入れ放ったのだった。

 




ー エンデヴァー遭遇 ー

轟との試合を迎えるべく、
控え室に向かった緑谷は敗退した麗日と会話し、
控え室から出てきたところ、、


エンデヴァー「おぉ、いたいた。」

緑谷「エン…!!!」

まさかのNo.2ヒーロー、エンデヴァーと遭遇。
エンデヴァーは轟の試合の対戦相手、緑谷を
テストベッドとして頑張れと言ってきたのだ。

緑谷「…僕は、オールマイトじゃありません。」

エンデヴァー「?そんなことはあたりま…」

緑谷「轟君も、貴方じゃない‥!」

エンデヴァー「っ!」

緑谷「あと!サイン貰っていいですか?」

エンデヴァー「え?…いや、俺は」

緑谷「サイン!!貰って!いいですか!!?」


ーー

緑谷「ありがとうございます。」

エンデヴァー「(くっ‥、この俺が気圧された‥!?)」


次回!No.31その目は何を見る!

更に向こうへ!Plus Ultra!!
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