いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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修行と

成果と

見せる時


No.4 火野映司・オリジン

「うっわぁ‥!広すぎだろ‥!?」

 

火野映司は指定されたGの会場へとやってきた。

そしてその場所に圧感されていた。

建物やその膨大な敷地。これが全て英雄の所有物となると

どれだけ凄い高校なのか改めて実感できる。

 

「ねぇ!そこのキュートな()()()使()()さん!」

 

「えっ?」

 

緊張をほぐそうと背伸びをした瞬間、背後から

声をかけられ、火野は振り返ろうとしたその時。

急に後ろから抱きつかれ身体をワシワシと触りだしたのだ。

柔らかな感触が背中に当たり、映司は()()

気付いたのか、慌てて振り払い距離を取り問いかけた。

 

「っ!ちょっ、なっ!何ですか急にっ!?」

 

「おっと失礼っ!それよりもやっと会えましたね!

これは運命の出会いと言うやつですよね!?」

 

「は‥い‥?」

 

意味が分からなかった。ドレッドヘアーみたく

纏まったピンク色の髪にスコープの様な瞳をした

女の子、映司はそこそこ記憶力がいいので

こんな変わったを忘れるのはほぼ有り得ない。

完全に初対面だ。だが一応映司は問い掛ける。

 

「えと、すみません、何処かでお会いしましたか?」

 

「いえ!全く!」

 

「ですよね。」

 

「でも私は存じ上げていますよ!

貴方ですね!『仮面ライダーオーズ』!」

 

女性は映司に指を指した。

その発言に周りの受験生等が騒つき始める。

 

「『仮面ライダーオーズ』って、あのヘドロ事件の‥!?」

 

「上空に飛んで気を失った人だ‥!」

 

「まさかアレが生で見れるのか‥?」

 

「また倒れるんじゃね?」

 

ざわざわと皆映司を見やる。あのヘドロ事件は

大きく新聞に取り上げられニュースにもなった出来事で、

知らない人は殆どいないだろうと有名な事件となっていた。

映司は半分納得して女性に発言する。

 

「あぁ、君はこの力が見たくて声を掛けたの?」

 

「勿論っ!因みにそれを作ったのはもしかして貴方ですか?それとも別の方ですかっ!?」

 

「こ、これは多分俺の〝個性〟で物心着いた時に手元にあったんだ。」

 

「個性っ!?そのメカメカしい造形が個性なのですk」『はいスタートー!』

 

突然プレゼントマイクの声が聞こえ、

その会場にいた受験生達は困惑し始める。

 

 

『どうしたあ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?』

 

 

急な合図に驚き受験生達は一斉に走り出す。

 

「やばっ!と、とにかく話はまた後で!」

 

「お、もしかして見せてくれるのですかっ!?」

 

「えぇっ?あぁもう!」

 

女性は興味津々と映司を見つめるが、映司は諦め

そのベルト〝オーズドライバー〟を取り出し腰に宛てがうと、ベルトが伸び装着される。

 

「おぉおっ!!」

 

「君も早く行かないと合格できないよっ!?」

 

「あ、大丈夫です!私は!」

 

「ええっ?」

 

会話しながらも映司はバッタとタカのコアメダルを同時に、

そしてトラのコアメダルを真ん中のスロットに嵌める。

ドライバーを斜めにし、右腰の〝オースキャナー〟を

取り出すと待機音声が流れる。

 

そして、ドライバーに振りかざすと

小気味良い音がその場に鳴り渡る。

 

 

 

 

 

 

         「変身!」

 

 

 

タカ!

 

トラ!

 

バッタ!

 

 

 

 

 

 

「ぉおおおおっ!『変身』ですか!そうやって姿が変わるんですね!

このフォルム!この形!最高ですね!素晴らしい!!」

 

「と、とにかく俺は行くから!お互い頑張ろう!」

 

映司はそう言い残し、脚部の〝バッタレッグ〟が

緑色に発光すると、形を変え、能力解放状態となる。

そしてそのまま力を入れ勢いよく跳躍する。

 

「あー!待ってくださーいっ‥!」

 

 

女の子は呼びかけるがもう既にオーズは点になる程

遥か彼方となり、姿を見失っていた。

 

(よしっ!痛みも反動も感じない!

()()()()()も使ってみたいけど、

この姿が一番安定するし、今はタトバで

どこまでやれるか試してみよう!)

 

跳躍しながらオーズはグッと拳に力を入れる。

彼はこの試験までの10ヶ月間、独自の鍛錬を行い、

今のオーズの姿、タトバコンボを何とか

使いこなせる様になっていた。

その自信を胸に秘め、オーズは演習場の中へと

入って行った。

 

 

 

 

☆★☆★

 

 

『標的確認!ブッ殺ス!!』

 

「来たな!とりあえず!()()()()()()!」

 

演習場の中にて、早速現れた仮想(ヴィラン)

ハイテクな技術で作られ、ポイントは1P!

脆い!速いぞ!と説明欄には書かれていた戦闘機。

目標を確認した目の前にいる人物は受験生の 泡瀬洋雪(あわせようせつ)

彼は仮想(ヴィラン)の攻撃を避け、懐に潜り込むと

地面に手を当て()()()()が手の平から出現。

それを仮想(ヴィラン)に当てると溶接をしたみたく

くっ付いて動けなくなっていた。

 

「やりぃ!1Pゲット!」

 

泡瀬洋雪

 

個性『溶接』

 

触れたモノ同士を分子レベルで結合できる!

生き物から無機物まで溶接可能。 
ただし結合したいモノとモノに

触れていないと発動しない!

 

『ブッ殺ス!ウゴケナイ!ブッ殺ス!ブチ殺ス!』

 

「言動怖すぎんだろ!?まあこの調子で他の

仮想(ヴィラン)も行動不能にすれば‥」

 

車輪を回し必死に溶接をが剥がそうとするが

頑丈に固定され身動きが取れずにいる仮想(ヴィラン)

泡瀬は一息付き、辺りを見渡した瞬間、

辺りが急に暗くなり、何か察したのか勢いよく振り返る。

 

 

『標的!確実にブッ殺ス!』

 

「うおっ!?不意すぎんだろっ!!」

 

現れた仮想(ヴィラン)はランチャーを背負った

3Pの戦闘機。

ミサイルを使うかと思いきや腕のアームを思い切り振りかざそうとしてきた。

 

「はっ!!」

 

その時、突然仮想(ヴィラン)は上空から

飛んできた物体に押し潰され破壊される。

それは紛れもなくオーズだ。

 

「あ、あんた‥!ヘドロ事件の‥!」

 

「大丈夫っ?襲われそうになったの見えたから

身体が勝手に動いちゃって‥、あ。もしかして

横取りしちゃったかな?だとしたらごめんねっ。

じゃ、俺も急いでるからっ!」

 

オーズは言い残すとバッタレッグで跳躍し、

ビルを壁キックの要領で飛び、その姿を消した。

ぽかんと呆気に取られた泡瀬は我に返り、

辺りを再度確認する。

 

「もういないみたいだな‥!にしてもアイツ‥。

確か個性使いこなせてなかったっけ‥?

いやいや!あれから何ヶ月経ってるんだ!

この日の為に努力してきたんだろうっ。

俺も!負けてられねぇぞ!」

 

バチンッと両手で頬を叩き、次の仮想(ヴィラン)

探すべく走り出す泡瀬。

始まってから四分が経過し、現時点で残り六分となっていた。

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

「ふっふっふ!流石ですね〝仮面ライダーオーズ〟!

もう65Pですか!」

 

 

演習場のあちこちで爆発音が聞こえる最中、

ビルの屋上で戦闘機を次々と破壊していたオーズを

その女の子は見ていた。

 

 

発目 明(はつめ めい)

 

個性『ズーム』

 

単刀直入で物凄く目が良い!

本気出せば五キロ先のものもクッキリだ!

 

 

『残り二分〜!』

 

 

「おやおや?もうそんな時間ですか?

もっと彼の活躍を拝見したいのですが‥。

もう少し近くまで行ってみることにしましょう!」

 

プレゼントマイクの声が聞こえ、発目は点を稼ぐ事は

諦めたのか屋上から降りようと振り返るその時だった。

 

 

 

『標的多数確認‥全員ブッ殺ス‥!!』

 

 

突然の地響きとどデカく聞こえる機械が軋む音。

受験生達は一斉に振り返ると全員()()を見上げた。

ビルを優に超えるその高さと巨体。

間違いなくプレゼントマイクが言っていた

0Pの『お邪魔虫』、仮想(ヴィラン)だ。

 

「ちょ!デカすぎんだろっ!?」

 

「マジかよ!あんなのに巻き込まれたら‥!」

 

「に、逃げなきゃ!」

 

 

受験生達はその大きさに恐怖し、

パニックとなりその場から一斉に逃げ出す。

 

「えっと、これはポイント無しだったよね。

逃げた方がいいのかな。

にしてもでっかいなぁ‥!

ここまでやるなんて流石雄英‥!」

 

ただ1人、オーズは立ち止まりその大型仮想(ヴィラン)

眺めてはこれを用意した雄英校に感心すら抱いていた。

オーズはいけないと我に返り、その場から離れようとしたが、

ふと、ビルの屋上に目が入る。

 

「‥人っ!?」

 

オーズの頭部〝タカヘッド〟の複眼が赤く発光する。

ビルの屋上にいたのは開始前に絡んできた

女の子、発目だった。

 

『ーーーッ!!』

 

大型仮想(ヴィラン)は腕のアームを大きく上げ、

勢いよく、()()()()()ビルへと振り下げ攻撃した。

 

「っ!!危ない!!」

 

衝撃で飛ばされている発目を見つけ、

オーズは右腰にあるオースキャナーを手に取り、

ドライバーへと振りかざし、コアメダルを転位(スキャン)する。

 

 

 

 

スキャニングチャージ!!

 

 

音声が鳴るとオーズは頭部、体、脚部からそれぞれ

赤、黄、緑と発光し、飛び回ってたのとは

比べ物にならない程の跳躍を見せる。

そして一気に発目との距離を詰めると

発目を見事に抱き抱える。

 

「大丈夫っ!?」

 

「ワオっ!来てくれたんですね!?

私は全然大丈夫なんでそのまま必殺技かましてください!」

 

「こんな時に呑気な事言ってる場合!?

わかった!ならしっかり捕まってて!」

 

「喜んでっ!ヒャッホー!!」

 

そのまま大型仮想(ヴィラン)の頭上を通過すると

オーズの真下に三つの三色の輪っかが発生する。

オーズはそのまま発目を抱き抱えたまま急降下し。

 

 

「せいやぁああああっ!!!」

 

 

その技〝タトバキック〟が炸裂した。

渾身の一撃。必殺技とも言えるその威力は

大型仮想(ヴィラン)に直撃し、

スクラップの様に粉々になり粉砕する。

オーズは上手く着地し、発目に安否を問い掛けるが

発目は無傷でその目を輝かせていた。

 

 

 

 

『はい!終了〜!!!』

 

 

 

直後、プレゼントマイクの声が響き渡る。

これにてヒーロー科の実技試験は幕を閉じたのだった。

 

 




発目明‥可愛いよね。

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