いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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不穏とパトロールと対面


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No.42 動き出すその信念

 

「何を成し遂げるにも信念…想いが要る。無い者、弱い者が淘汰される。当然だ。だからこうなる」

 

ステインは横たわる死柄木に跨りナイフを死柄木の右肩に突き刺し、ドクドクと血が流れる。もう片方のナイフは首元に突きつけていた。呆気なくやられていたのか死柄木は笑い出す。

 

「ハッハハハ…!いってえええ…!強過ぎだろ。」

 

「もおおお…!!体…動かないんだけど…!?せめて変身させてほしかったなぁ…、何もできずに動けないの超腹立つ!黒霧さんこいつ追い出してよぉ……!」

 

「申し訳ありません…私もです……!恐らくヒーロー殺しの〝個性〟……」

 

奥では脇真音も手を斬りつけられ、嘆くと黒霧も腕を斬られていたのか2人はその場から動けずにいた。

 

英雄(ヒーロー)が本来の意味を失い偽者が蔓延るこの社会も、徒に“力”を振り撒く犯罪者も、粛清対象だ…ハァ………」

 

「!!」

 

ステインはそう言って死柄木の首をナイフで切ろうと動かすと、死柄木は右手でそのナイフの刃先を鷲掴む。

 

「ちょっと待て待て…この掌は……ダメだ。殺すぞ」

 

その直後、死柄木が掴んだナイフは徐々に崩れていく。

 

「口数が多いなァ…信念?んな仰々しいものないね…。強いて言えばそう……オールマイトだな…あんなゴミが祭り上げられてるこの社会をめちゃくちゃにブッ壊したいなァ、とは思ってるよ……!!」

 

「っ!?」

 

顔を被さる掌の奥で不気味な笑みを浮かべる死柄木にステインは慄き、咄嗟に死柄木から距離を取る。そのまま掴みかかろうと死柄木は右手を振るうが既に飛び退いた後なので空振ってしまう。

 

「あ〜……せっかく前の傷が癒えてきたところだったのにさ…。おい、脇真音。お前の()()()()()俺を回復できねぇのか?」

 

「ごっめん…あれ私だけ…。それにあれ無理矢理怪我したとこ元に戻すだけだから正直回復とは言わないんだよね…しかも発動したら痛いし…」

 

「はぁ…使えねぇな……。おい、ヒーロー殺し…、この責任はとってくれんだろぉなぁ…?」

 

脇真音はそう言うと死柄木は首をボリボリと掻きながらステインを睨む。

 

「……それがお前か……」

 

「は?」

 

ステインはナイフを収めて立ち上がりながらそう言うと死柄木は納得いかない言葉に声を漏らす。

 

「お前と俺の目的は対極にあるようだ…だが、『現在(いま)を壊す』、この一点に於いて俺達は共通してる…」

 

「はぁっ…!?喧嘩ふっかけて来て、こんな事しといて巫山戯んなだし!」

 

「…理解できねぇ……〝最も嫌悪する人種〟なんだろ」

 

ステインの言葉に脇真音は怒り声を上げ、死柄木はますますステインを怪訝そうに睨み声を出す。

 

「真意を試した。死線を前にして人は本質を表す。異質だが…『想い』…歪な信念の芽がお前には宿っている……。……お前等がどう芽吹いていくのか…、始末するのはそれを見届けてからでも遅くはないかもな…」

 

理由を述べるステインに死柄木は不満そうに斬られた肩を抑え、口を動かす。

 

「始末すんのかよ…。こんなイカレた奴がパーティーメンバーなんて只でさえそこの使えない奴がいるってのに…、嫌だね俺……」

 

「ちょっと、今とても失礼な事言ったよね君?まあそれについては私も同じだね。こんな奴とは一緒にいたくない。不愉快!べーっ!」

 

「死柄木弔、脇真音優無。彼が加われば大きな戦力になる。交渉は成立した!」

 

死柄木はそう言うと、横たわってた脇真音が動けるようになったのかゆっくりと起き上がり、ステインに舌を出していると、黒霧は宥めようとステインを評価し、2人は嫌そうにも了承したのか黙り込む。そしてステインはここに連れてきた現況黒霧に向かって声をかけた。

 

「用件は済んだ!さァ〝保須〟へ戻せ。あそこにはまだ成すべき事が残っている…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

ー 鴻上ファウンデーション 開発部署 ー

 

 

「パトロール…ですか!?」

 

「おう、隣街の〝保須〟にな。ここはそんなに治安悪くねぇし…。ほら、保須って最近盛んになってるだろ?しかも変なニュースが話題になってるし、パトロールするなら持ってこいだって話」

 

「伊達さん、ニュースってあの〝ヒーロー殺し〟ですか?だったら他に理由があるんじゃないですか?」

 

「正解!っつっても、半分正解かな後藤ちゃん。ここら辺は渋谷とかよりもあまり人口が少ない都市だからな。犯罪ってのは人が多ければ多いほどトラブルが増える。三鷹市は案外平和なもんだが、隣街の保須で既にヒーローが2人やられたらしい。原因はまだ不明だがヒーロー殺しの可能性がある。ぶっちゃけそのヒーロー殺し絡みの応援要請が掛かって今からその保須でパトロールってわけよ。OK?」

 

伊達はそう説明すると、珍しくアンクがその説明に、茶々を入れるかのように口を挟む。

 

「…フン、伊達。こいつらはまだ学生だぞ?公表でこいつらを戦わせるのは法律かなんかでその悪党共を叩きのめすのは禁止されてるんじゃないのか?」

 

「まあまあ!そこはこの俺バースがいるから大丈夫だアンコ!「アンクだ!」

それにあくまで仮の話を想定してのパトロールだから、そこまで気を使わなくたっていいぞ。まあ、もし出会したら火野や後藤ちゃんには市民の避難活動をしてもらうから…。だから危ない真似だけはするなよ?」

 

「はいっ!」

 

「わかりました」

 

名前を間違え、アンクは叫ぶが無視をされ伊達はそのまま話を進め、最後は本気の表情で忠告すると、2人は頷く。職場体験が始まり、彼此3日目の午後17時。火野達は鴻上ファウンデーションに来てからはこの2〜3日間は発目の実験に付き合わされ殆どヒーロー活動らしい活動などをしていなかった。それだけ三鷹市は平和な日々を送っているのだが、青春の学生の火野達にとってはそれは不満でもあった。後藤に至っては発目が嫌いなのか分かりやすく、常に拳を握っていた程だ。見兼ねた伊達は、体育祭で成果を残した2人を見込んで応援要請を引き受け、現在話し合っていたのだ。

 

「よし!じゃあ早速準備だな。コスチューム来たら下のフロアで待っててくれ。パパッと車用意しとくからよ」

 

伊達はパンッと手を叩き指示を出すと、先に開発部署を出て行く。

 

「火野、俺達もコスチュームに着替えて行くぞ」

 

「うん!…あれ?アンク………あ、おーいアンク!更衣室に行くぞー!」

 

「勝手に行ってろっ。俺は下に降りる」

 

「えーっ…。もぉ分かった。ちゃんと降りとけよ!」

 

壁に寄りかかっていたアンクは発目から作ってもらった合計24枚のコアメダル、セルメダルを収納できる〝オーメダルホルダー〟にコアメダルを嵌め込み眺めながら、火野にそう返すと後藤と火野は開発部署から出て行った。

 

「……中々揃っているなぁ……。……だが映司の奴…、このコアメダル、どこから手に入れてやがる……?」

 

メダルホルダーのコアメダルを数え、アンクは呟く。そこに入っているコアメダルは何枚かセルメダルを除き、10枚が入っていた。

 

タカ×1

 

クワガタ×1 カマキリ×1 バッタ×1

 

ライオン×1 トラ×1 チーター×1

 

サイ×1 ゴリラ×1 ゾウ×1

 

そして、アンク自身には

 

タカ×2

クジャク×3

コンドル×3

 

と、以上の8枚を所持している。グリードは9枚揃う事で〝完全体〟となり自身の欲望を望むがまま行動をするのだが、前世で火野と出会い共に行動していたアンクは最も欲しかった物『命』を味わえた為、アンクはその衝動的行動をする事なく、現在に至り、火野の側を付き添っている。そして今、アンクは違和感を覚えていた。この世界で(ヴィラン)側にいたオーズを除きコアメダルが絡む存在と出会していない火野が何故こんなにもコアメダルを所持しているのか疑問に思う。本人曰く、「気が付いたら手元にあった」との事。ますます謎の現象にアンクは眉間に皺を寄せるが。

 

「……まあ、リスク無しで手に入るのは儲けもんだな。takeが好きな俺にとっては有難い事だ」

 

アンクは考えるのを辞め、そう言い残すとホルダーを閉じ、開発部署を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

ー 保須市 ー

 

日が落ちて空の色が薄暗くなっていく頃、黒霧のワープゲートから転移してきたステインはビルの貯蔵タンクの上へと立ち、保須の街を眺めていた。しばらくすると、ワープゲートから続いて死柄木と脇真音も到着し、死柄木は保須を見て呟く。

 

「保須市って………思いの外栄えてるな」

 

「そりゃあ隣の三鷹市にあの超有名な鴻上ファウンデーションがあるからじゃないっ?」

 

「知らね」

 

「死柄木君、自分で呟いといてせっかく応えたのに、冷たいなぁ」

 

「ヒーロー用の会社なんて興味が更々ないね」

 

脇真音と死柄木が言い合っていると、ステインは割り込む様に、口を動かしてきた。

 

「この街を正す、それにはまだ……犠牲が居る」

 

「先程仰っていた〝やるべき事〟というやつですか?」

 

()()()()話が分かる奴だな…」

 

黒霧が反応し、問い掛けるとステインは保須を見渡しながら答える。すると、それを聞いていた2人は苛立ったのか小声で口を開いた。

 

「いちいち角立てるなオィ………」

 

「私等は空気読めない子供ですか…っての…」

 

脇真音が文句を言っているとステインは両手を広げ、保須に向かって喋るかの様に口を動かす。

 

「ヒーローとは偉業を成した者のみ許される〝称号〟!多すぎるんだよ………!英雄気取りの拝金主義者が!この世が自ら誤りに気づくまで、俺は現れ続ける」

 

ステインはそう言って、背中に背負っている刀の柄を持ってその場から飛び降り、姿を消した。

 

「…え?何?あれだけ言っといて地道にヒーロー殺しするの?」

 

「やる事は草の根運動だなあれ…健気で泣けちゃうね」

 

「……そうバカにも出来ませんよ、お二方」

 

「「?」」

 

根に持つ2人はステインがいなくなると同時に嫌味を吐き死柄木に至っては首を掻きまくっていた。すると、背後から黒霧が2人に向かって口を開く。

 

「事実、今までに奴が現れた街は軒並み犯罪率が低下しています。ある評論家が『ヒーロー達の意識向上に繋がっている』と分析してバッシングを受けたこともあります」

 

「……へぇ、じゃあヒーロー殺しを野放しにしとけば、ヒーローはどんどん行き場を無くして食いぶちを減らす算段、みたいな?」

 

「素晴らしい…!とでも言うか回りくどい!!やっぱ…合わないんだよ根本的に…ムカつくしな…。黒霧、脳無出せ。俺に刃ァ突き立ててタダで済むかって話だ。ブッ壊したいならブッ壊せばいいって話…ハハ……。おい脇真音」

 

「分かってるよ〜今回は私もやられっぱなしだからね。……大暴れしてあげるよ」

 

脇真音が軽いノリで解釈すると死柄木は怒り、黒霧に指示を出すと、無言で従いワープゲートを開いて行く。そして脇真音はオーズドライバーを腰に宛てがい装着すると、3枚のタトバのコアメダルを取り出す。その変身する手順は火野映司とは異なり、タカとバッタをそれぞれ持った両手を顔の正面でクロスさせ、2枚を嵌め込む。その後、トラのメダルを顔の正面に持ってくると、器用にスロット部分に投げ込む。そして右腰のオースキャナーを取り出し、ベルトへとスキャンした。

 

 

「変〜身っ!」

 

 

 

タカ!

 

トラ!

 

バッタ!

 

 

 

 

 

 

 

 

音声が鳴り響き、脇真音はオーズへと姿を変える。それと同時に、黒霧のワープゲートからUSJの時とは異なる姿、形をした脳無が3体出現する。

 

「ねえねえ!さっきの凄い決まってたでしょ!?凄い練習したんだよ!綺麗に決まって今テンション爆上がりなんだけど!」

 

「五月蝿い。さっさと行け……。さあヒーロー殺しステインさんよお…。大暴れ競走だ。アンタの面子と矜恃、俺等で潰してやるぜ、大先輩」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

ステイン、死柄木等が現れてから数十分後、保須へ到着した伊達、後藤、火野は車から降りる。アンクは途中で火野の中へと入っていたが、車から降りた途端、人の姿となり出てくる。

 

「…?どうした火野。」

 

「あ、ごめん…ちょっと友達の事思い出してて…」

 

「フン、飯田って奴だろ?」

 

「えっ!?どうして分かるのっ?」

 

「お前の中にいたら嫌でも聞こえてくるんだよ」

 

車で移動中、出る前ははしゃいでた火野は徐々に口数が減ってきたのを見兼ねて後藤は火野に声をかけると、アンクがそう言って市内を見ていた。飯田の兄、ターボヒーロー〝インゲニウム〟が(ヴィラン)に襲われた事はニュースは把握していたのだが、後付けで刃物で刺されていたなどの原因が述べられ、恐らくヒーロー殺しの仕業ではないかと推測されていた。その事を忘れて、今回のパトロールではしゃいでいた火野は自分が情けないと今落ち込んでいたのだ。

 

「飯田君…大丈夫かな…」

 

落ち込む火野に、伊達は声をかける。

 

「ま、時が経てば解決するだろ。さ!今の俺達はヒーローとしてここに来たんだ。他のヒーロー達と合流して、街をパトーー」

 

 

 

ドゴオオオオン!!

 

 

その刹那。

 

伊達の背後で爆発が起き、火野達を含め周囲の人も驚き、その場を確認する。()()したのかそこには体が黒く、脳が剥き出しの大男、脳無が煙が上がると同時にゆっくりと立ち上がり、周囲を見渡していた。

 

「何っ!?爆発!?」

 

「わああっ!?なんだあいつ!?」

 

「に、逃げた方がいいぞ!逃げろぉ!!」

 

市民はその得体の知れない存在に驚き、困惑し、虫が散り散りになる様に大勢の人が逃げ出す。

 

「あれって…脳無!!?何でここに…!?」

 

「おいおいおいおいマジかよ……!こんな話聞いてないんだが…!!」

 

火野は脳無を見て驚愕すると伊達はそう言いながら、バースドライバーを腰に巻き付ける。

 

「とりあえずこいつ抑えねえと被害が出るな…!火野!後藤ちゃん!ついでにアンコ!避難誘導頼むわ!」

 

「はい!皆さん!こっちです!焦らず避難してください!」

 

伊達の指示に後藤は了承し、逃げ惑う市民に声をかけながら避難誘導をしていく。火野も手伝おうとするが、一歩も動かず、ビルの屋上を眺めていたアンクに声を上げる。

 

「アンク!お前も手伝えよ!」

 

「映司。…あれ見ろ」

 

アンクが屋上を指差す。怒りながら火野はその指差す屋上を確認すると、そこには()()()がこちらを見下ろす様に立っていた。

 

「っ!!?あいつ……!!」

 

「フン!初のご対面だなあ…!映司!奴を追うぞ!放っておけば何を仕出かすかお前なら分かるよなぁ!」

 

「っ!?わかった!後藤さん!ここ頼みます!」

 

「!おい火野!!」

 

アンクの言葉に火野は恐怖を感じ、後藤にそう言って火野はアンクと共にオーズが立っているビルの屋上へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

「はぁ…!はぁ……!!」

 

「……お前が偽物オーズか…」

 

屋上へとたどり着いた火野は全力で来たので、息切れを起こし、その場で膝に手を置く。一方でアンクは人間でもその実態はグリードなので疲れ知らずな顔をし、目の前のオーズに問いかけるとオーズはアンクを見るなり興奮した声で口を開いた。

 

「アンクぅ〜!!会えて嬉しいよ…!!体育祭の時はもうテンション上がって釘付けだったなあ!ねえ何で突然現れたの?火野映司君がコンボ使い過ぎてピンチだったからかな?ねえねえ何でっ?」

 

「ほぉ…。随分と知った様な物言いだなぁ。………お前、何者だ?」

 

「あっはあ!その喋り方本物アンクだぁ!え?私?私は脇真音優無。そんでもって、仮面ライダー……あ〜…、そのままだと被っちゃうか。んんっ!とりあえず、私は仮面ライダー〝ヴィランオーズ〟!って事にしといて!」

 

「巫山戯るな!何者だって聞いてるんだよこっちは!」

 

「名乗ったのに怒られた……ぴえん」

 

ヴィランオーズと名乗る脇真音オーズにふざけた対応されたアンクは怒り声を上げると落ち込んだのか彼女は顔を俯向く。

 

「…お前…!あの脳無使って何を企んでる…!?」

 

「あ〜、あれは私じゃないよ?ていうか、何で君達ここにいるの?……あ!職場体験ってやつか!で、偶然ここに来たんだね?はいはいはい、成る程、納得納得。まあ私は君達に会えたのなら全然問題ないけどっ」

 

「こいつ…イカれてやがるな…!」

 

息を整え、火野は問い掛けるとヴィランオーズはそう言って手をパタパタと震わせ、その行動にアンクは舌打ちをしてそう言う。するとヴィランオーズは振り返り、保須を見渡すと両腕を広げ、口を開く。

 

「さっきアンクが言ってた何者…だったかな?ふふっ、そりゃ当然だよっ。私は君達の事、ず〜〜〜〜っと()()()からね……」

 

不気味な声でそう言い、アンクは警戒しながらオーメダルホルダーからタトバのコアメダルを取り出す。火野もそれを確認し、オーズドライバーを腰に宛てがい、装着した。

 

「見てただと?フン!訳分からない事言いやがって…」

 

「とりあえず…君を捕まえるっ!事情は後で話してもらうよ」

 

「えー、捕まるのはごめんだけど、まあちょっとだけ相手してあげる」

 

アンク、火野はそう言うと、ヴィランオーズは手を頭の後ろに回して余裕そうな態度を取る。それはまるで、今から変身する事を想定し、やるならどうぞーと言わんばかりな態度だった。そしてアンクはその隙を逃さず事なく、火野に向かってコアメダルを投げ渡す。

 

「映司!!」

 

「っ!」

 

「わぁあっ!!生の投げ渡し!!録画したかったあ!!」

 

綺麗にキャッチした火野を見てヴィランオーズは興奮し、拍手しながら眺めている。その行動に火野は困りながらドライバーにコアメダルを2枚、1枚と順番に嵌め込み、右腰のオースキャナーを取り出し、ベルトにスキャンした。

 

 

「変身!」

 

 

タカ!

 

トラ!

 

バッタ!

 

 

 

 

 

 

 

 

音声が鳴り響き、火野はオーズ〝タトバコンボ〟へと姿を変える。

 

「おお〜っ!……さてと、やりましょうかっ」

 

ヴィランオーズはそう言ってファイティングポーズを構え、オーズも同じく構えると、アンクがオーズの横に来てヴィランオーズを見ながら口を動かす。

 

「映司、久々にやるか」

 

「やる…って何を?」

 

「馬鹿か、相手はメダルを使ったオーズ。となると狙いは当然……〝奴からコアメダルを奪う〟事だ」

 

 

 




ー 請求書 ー

職場体験1日目の出来事。



里中「会長。今月の修理費です。」

鴻上「ここのところ毎月必ず来ているネ。
………里中君、桁が間違っていないかね?」

里中「いえ、合っています。
材料費は勿論、失敗して爆発して、辺り一面の修理費、
まあ、主に発目さんが原因なんですけどね。」

鴻上「失敗を恐れず挑み続けるその欲望
素晴らしいぃいい!!」



ドゴオオオオン…!!!



突然爆発音が聞こえると、里中の携帯から
着信音が鳴り出す。

里中「……分かりました。
会長、火野さんの為に開発した
『メダジャリバー』何ですが、予想以上の威力で
開発部署の壁が真っ二つに斬れたとの報告です。」

鴻上「セルメダルの力はとんでもない力だね!
素晴らしいいよ里中君!…だが改良が必要だね。」

里中「では修理費を追加で手配しますね。
…あ、定時なので、そろそろ帰ってもいいですか?」

鴻上「いつも言っているだろう。好きにしたまえ!」


次回!No.43 増殖コンボ

更に向こうへ!Plus Ultra!!

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