いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

43 / 132
地獄絵図と有毒虫と助っ人


No.43 増殖コンボ

 

「おっらぁあ!!」

 

伊達はバースに変身し、目の前にいる脳無に渾身の右フックを打ちかました。脳無はよろけるが、すぐに体制を立て直しバースに大振りの拳を振りかぶる。見切ったバースは何とか避けて脳無から距離を取りながら肝を冷やした。

 

「んおっと!?こいつ固ってえな!?」

 

「伊達さん!バースの『CLAWsシステム』使って下さい!半端な攻撃じゃ奴は倒せませんよ!」

 

「そだな!んじゃ、やりますか…!」

 

市民の避難をしながら後藤はバースにそう叫ぶとバースはセルメダルを取り出し、バースドライバーの展開されたカプセル〝トランサーシールド〟を手動で閉じ、セルメダルをスロットに嵌め込んだ。すると待機音が鳴り、ダイアル部分の〝グラップアクセラレーター〟を回し、再度トランサーシールドが展開し、発光する。

 

 

 

 《 カポーン… 『ドリル・アーム』》

 

 

 

音声が鳴り、右腕のカプセル部分からアームが出現すると、バースの右腕に文字通り、ドリルのアームが装着される。これがバースドライバーにセルメダルを投入する事により出現・装着されるユニット。その名も〝バースCLAWs〟。

 

「っしゃぁ…。後藤ちゃん!近寄るなよ!」

 

「近づく気なんて更々ありませんよ!」

 

後藤はそう答えると、バースは脳無に向かって走り出し、ドリルアームを装着した右手をぶん回し、脳無に攻撃する。高速回転を纏ったドリルは脳無に直撃し、身が削れる様に削がれていた。だが次の瞬間、その削られた部分が()()し、元の形へと戻っていく。

 

「ちょっ!?こいつ再生の〝個性〟かよ!?なら手加減はいらねえな!再生が追いつかない勢いで攻撃してやるよ!ハァッ!!」

 

 

バースはそう言って再び脳無に攻撃を加え、戦闘を開始していると、人混みを掻い潜って保須のヒーロー達が何人か集結する。

 

「あんた等鴻上のとこのヒーローだな!遅くなった!加勢する!」

 

「てか何だよあれ…!?脳剥き出しって気持ち悪…!」

 

「っ!増援ありがとうございます!」

 

「君ヒーローにしちゃ若いね!もしかして職場体験っ?それならここはわたしらが食い止めるから応援にきた警察の避難誘導に従いな!」

 

増援に来た3人のうち、2人はヒーローは脳無を見るなり驚きながらそう言うと、1人の女性ヒーローが後藤を見て叫ぶ。が、後藤はバースドライバーを腰に巻き付け、セルメダルを取り出す。

 

「いえ!脳無相手ではこの人数でも苦戦を強いられると思います!だから俺も…」

 

「後藤ちゃん!!お前はまだヒーローじゃねえんだ!こっちは何とかする!後はヒーローに任せてお前も避難しろ!」

 

交戦中のバースが脳無の攻撃を避けながら叫び叱喝する。

 

「ですが伊達さん!」

 

「今は『バース』だ!…気持ちは分かるが!この脳無ってやつ!予想以上に強!い!今はそのお姉さんに従え!分かったな!?」

 

「っ……わかりました…!!」

 

バースに言われ、雄英生徒の身である後藤は悔しそうにセルメダルをしまうと逃げる市民の後を続き、その場から離れる。

 

「よしっ!じゃあヒーローさん達!協力して奴を…」

 

後藤がこの場から離れたのを確認し、バースはヒーロー達に指示を出そうとしたその時。

 

ドォオンッ!!

 

「ーーーーーッ!!!」

 

空から飛来してきた翼の生えた〝脳無〟が発狂すると共に現れ、その手に掴んでたヒーロー〝ザ・フライ〟を勢いよく地面に叩きつけていた。

 

「っ!?おいおいおい新手かよ…!!」

 

「あれはザ・フライ!?やられたのか!?」

 

バースは別の脳無に驚き、女性ヒーローは地面に叩きつけられ気を失っているザ・フライを見て叫ぶ。

 

「おいっ!大丈夫か!?」

 

「何だよこいつら…!?」

 

すると、応援に駆けつけてきた2人のヒーローが現れる。1人は飯田が職場体験に向かった先のノーマルヒーロー〝マニュアル〟だ。

 

「ヒーローはこれで5人か…!!頼もしいねえ…!じゃあ手分けしてこいつらを捕らえるぞ!!」

 

「「「「了解!」」」」

 

バースが指示を出すと2人の脳無に対し、3:2で別れ、脳無と交戦を開始する。

 

脳無の破壊活動により火災が発生し、戦いが繰り広げられる最中、一方で1人の少年、緑谷出久がこの保須市を駆け回っていた。彼は指名先の〝グラントリノ〟の元へ職場体験をしていた。この日はグラントリノの言葉によりちょうど保須へとパトロールに来ていたのだが、新幹線の移動中、脳無に襲われ、グラントリノは新幹線から脳無を引き剥がし、別行動となる。待機命令が下された緑谷だが、その脳無の存在を知っていた彼は新幹線を降り、最善を考えるべく保須を走り回っていたのだ。

 

「本当どこ行ったんだよ…!天哉くーーーん!!」

 

「っ!」

 

マニュアルが脳無と交戦の最中、途中でいなくなった飯田の名を呼び叫ぶと、その声に反応した緑谷が戦場に現れると、緑谷はその光景を見て驚愕する。

 

「そんな…何だ…コレ…!?」

 

側から見ればその光景は地獄絵図だった。建物や車が壊れ、燃え上がり、脳無と戦うヒーロー達は苦戦を強いられ、やられているヒーローも何人かいた。バースもいつの間にか脳無の攻撃を受け火花を散らし倒れ込んでいた。

 

「何でこんな時に限ってどっか行っちゃうんだ!」

 

マニュアルが叫ぶと緑谷は飯田が言っていた訪問先の人だと思い出していると、女性ヒーローが緑谷の存在に気付き、彼の前へと立って口を開く。

 

「こら邪魔だよ!下がってて!私等が食い止めてる!警察の避難誘導に従いな!」

 

「わっ!すいっ、すいません!」

 

緑谷が謝ってその場から身をひこうとするが、先程のマニュアルの言葉が頭をよぎる。あの真面目な飯田がこんな状況で単独行動を起こす筈がない。保須、脳無、事件…キーワードが頭の中をぐるぐると掻き乱し、彼は一つのニュースを思い出した。

 

「(ヒーロー…殺し……!)」

 

それを思い出した緑谷は、顔色を変え、その場から離れて全力で駆け出す。

 

「くっそ本当何なんだこいつらは…!?」

 

「あだだだっ…!この強さ…これも〝個性〟かよ…!?」

 

女性ヒーローはその異常な強さを見せつける脳無に怖気づいていると、バースは立ち上がり、目の前の黒い脳無に向かってそう言い放つ。

 

「…ここが正念場だ……!気合い入れて頑張りますか…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

「ハァッ!!」

 

「おぉっと!あぶなっ!」

 

場所は変わり、オーズに変身した火野は、ヴィランオーズと戦闘を繰り広げていた。オーズが回し蹴りをすると、紙一重でヴィランオーズは交わし、そのバッタレッグで屋上を跳躍して距離を取る。オーズも後を追うように跳躍し、空中から飛び蹴りをするも、再び紙一重で避けられた。

 

「…ちっ!オーズの特徴を理解してやがる…!つくづく何者なんだあいつ…!?」

 

「さあてね〜!そう言うアンクは戦わないの〜?君の()()()()()見えてるんだよ?」

 

「タカの特性か…!生憎!俺も加勢したいところだが、この世界に来てからか上手く本調子が出せない!(まあ少しだけならイケるがなぁ…。隙を見てコアメダル根刮ぎ奪ってやる…!)」

 

「ふうん、そりゃ残念……じゃあ…」

 

アンクの言葉に反応し、ヴィランオーズはそう言うとアンクは右腕を左腕で押さえながら返すと、ヴィランオーズは口を動かしながら…その場から跳躍し、一気にアンクの元へと詰め寄る。

 

「まず君のメダルから貰おうかな!!」

 

「っ!?」

 

突然狙いをアンクに変え、アンクは咄嗟の動きに驚き、右腕を突き出そうとする。が、オーズも一気に跳躍してヴィランオーズの背中に飛び蹴りを食らわした。

 

「ハァッ!!」

 

「!きゃあっ!?」

 

背後からの攻撃にヴィランオーズは吹っ飛ぶが空中で体制を立て直し、ビルの貯水タンクの上へと着地する。オーズもアンクの元へ着地すると、アンクの安否を伺った。

 

「危なかったな!」

 

「ハッ、余計な心配してる場合か」

 

「お前助けてあげた癖にその態度はないだろっ?」

 

「いったぁ〜い…!女性に暴力はいけないんだぞ!」

 

「ごめん、でも(ヴィラン)のお前が言う台詞じゃないだろ。痛いのが嫌なら大人しく降参してくれれば俺も助かるんだけど…」

 

「あ〜…それは嫌だね。よっとっ」

 

オーズの言葉に論破されたヴィランオーズは貯水タンクから降りて、オーズとアンクに向き合うと口を開く。

 

「んん〜…!やっぱ抜け目ないな〜…!仕方がないか…、ちょっと本気出そっと…」

 

「………っ!」

 

ヴィランオーズはそう言って、3枚のコアメダルを取り出す。それを見たアンクは大きく目を見開いて驚愕し、口を動かした。

 

「お前…!それ……どこで……!?」

 

「え?……あぁ!そっかそっか……。コレ()()()()()しかないよね〜…。でも安心して。この中に()()()はいないから」

 

「あいつ…?それって……」

 

ヴィランオーズの言葉にオーズはアンクを見るとアンクは警戒しながら黙って頷く。彼女の手に持っているコアメダル3枚。それは前世で瀕死の火野に取り憑いたグリード『ゴーダ』が使っていた〝ムカデ〟〝ハチ〟〝アリ〟のコアメダルだった。

 

「お前…!それを何処で手に入れた!?」

 

「いやあ…、この世界には凄い科学者みたいな人がいてね?このタトバのメダルをベースに、なんとコアメダルを造ってくれたの!本当凄いよね!?でも、君達のコアメダルはエネルギーがどうとかなんか足りないだの言ってて何故か造れないの。よく出来た不愉快な設定だよね…」

 

「設定……フン!それだけは同感だ…。お前を含めて本当に癇に触る世界だここは……」

 

「あっは!ウケる!君等からしたらそうかもね!」

 

アンクの問いにヴィランオーズはドライバーからコアメダルを抜き取り、手に持つコアメダルを1枚ずつ嵌め込みながら口を動かす。アンクも同意見なのかヴィランオーズに指を挿しながら口を開くと、ヴィランオーズは頷き、オースキャナーを取り出しベルトをスキャンした。

 

 

 

 

 

ムカデ!

 

ハチ!

 

 

アリ!

 

 

ムカリー!チリッチリッ!ムカリー!チリッチリッ!

 

 

 

火野やアンクが聞いたことのないコンボソングの音声が鳴りその姿は同じ昆虫類の〝ガタキリバ〟とは異なる『毒性』を持った虫の系統のコンボ『ムカチリコンボ』となり、百足の頭に蜂の胴体、蟻の脚部のそのフォームはコンボ特有の一色の色ではなく、紫、黄色、黒と異色合わせのフォームへと姿を変えた。

 

「何だあのコンボ…!?」

 

「ちっ!おい映司!気を抜くなよ…!前の世界にはなかったコンボだ…!」

 

「設定上は考えられたコンボらしいけどね…?さあ、いっくよーーー!!!」

 

初めて見るコンボに警戒するオーズとアンクにヴィランオーズは軽くジャンプしながらそう言うと胴体部分の鉢の針が装着されたその右手を勢いよく突き出すとオーズに向かって()()()()()()()()()

 

「っ!?おわっ!!」

 

「っ!?何だ!?伸びやがった!?」

 

「おぉー!流石火野映司君!避けるかぁ!まだまだ行くよー!!」

 

「うわっ!?この!ハァッ!」

 

ギリギリで避けたオーズとその腕に驚き飛び退くアンクは驚き口を開くと、ヴィランオーズは右腕を収縮し、続けて今度は左腕を伸ばして攻撃を仕掛けてくる。オーズは避けきれないと思ったのか能力を解放し、トラクローを展開すると咄嗟にその左腕を斬りつけた。

 

「ぎゃっ!?いったあああいっ!!!」

 

「あぁごめん!」

 

「馬鹿!敵に謝る奴があるか!!だが、手負いはできたな」

 

火花と血しぶきが散り、痛がるヴィランオーズは左腕を収縮し、その腕を痛そうに押さえていると、オーズは謝り、相変わらずのお人好し振りにアンクは呆れそう叫ぶ。そしてアンクはヴィランオーズを見ると、左腕からは血が流れるのを確認し、ニヤリと笑っていた。

 

「痛い痛い痛いぃ〜………!!!こんんんの、ばかちんがぁぁああア!!!!」

 

だがヴィランオーズが叫ぶその瞬間。その傷口が()()()()()()()()()()()()

 

「っ!?傷が治った…!!」

 

「…成る程なぁ……。俄に信じ難いが、そのコンボは()()()()()能力があるのか」

 

オーズは驚き、アンクはそれを見て推測すると、左腕が動けるか軽く手を振り確認するヴィランオーズは答える。

 

 

「正解…!ムカチリコンボの特性は『細胞増殖』!文字通り、私の身体はあらゆる部分を急激に細胞を増殖させて伸縮自在の身体になったってわけ…。怪我すりゃたちまち元に戻せるけど…痛みは…戻らないんだよ!ばぁぁかっ!!」

 

激痛が走るのか言葉で怒りをぶつけるヴィランオーズはそう言い終わるとその場から両脚を伸ばして空中を登っていき、両脚を収縮してその勢いで跳躍する。

 

「こんの…!」

 

「!おい待て映司!」

 

オーズも負けずとバッタレッグで跳躍するがアンクはそれを見て止めようと声を上げる。だが、オーズはそのまま飛んでしまい、空中のヴィランオーズに突っ込んで行く。跳んできたオーズにヴィランオーズは右手を伸ばし、攻撃を仕掛けるがオーズは空中でそれを避ける。

 

「さっきのお返し!!」

 

「おっと!?そう何度も同じ手は…」

 

「そんな単純な攻撃するかっての」

 

オーズがそう言った瞬間。ヴィランオーズは仮面の下でニイっと笑い、ムカデヘッドからムカデの胴体らしき触手、〝センターセンチピード〟を伸ばし、オーズの背中を突き刺す。

 

「あがあっ!!?」

 

「ハハハッ!!落ちろこの野郎!!」

 

痛みにオーズは叫ぶと、ヴィランオーズはそのままセンターセンチピードを振るい、オーズをビルの屋上へと叩き落とす。落ちた衝撃にアンクは怯むが、煙が晴れるとすぐにオーズの元に駆け寄り、無謀な真似をしたオーズを叱る。

 

「馬鹿が!後先考えずコンボ相手に飛び出す奴がいるか!」

 

「ご、ごめん……ぐっ!?あああ!?背中が…!?」

 

「っ!?…これは…〝毒〟か!?」

 

「そだよ〜?激痛を伴う毒注入しといた…。オーズはコンボだけが取り柄じゃない…。メダル1つ1つが能力を兼ね備えてるのは火野映司君やアンクも理解してるでしょ…?痛い恨みは怖いよぉ?まあ死ぬ訳じゃないから。でもしばらくは痛むかもねぇ」

 

刺された背中が痛いのか叫ぶオーズにアンクはオーズを見て言うと、空中から着地したヴィランオーズが両手を広げて愉快そうにそう言う。

 

「ぐぅ…!?ああ……!?はぁ…!はぁ…!」

 

「っ!おい映司!?」

 

悶え苦しむオーズは激痛により変身が解かれる。それを見たアンクは目を見開いて火野の名を呼ぶ。

 

「あっれれ〜!?火野映司君もうおしまい〜?やっば、このコンボ凄い強いじゃ〜ん!ウケる。」

 

「ちっ!さっさとメダル変えさせればよかったか…!」

 

コアメダルを変えさせ臨機応変に戦うのが火野とアンクの戦い方だが、敵がオーズで未知のコンボが相手となるとその出方も伺わなければ逆に不利の状況に変えてしまうこともある。それを見据えてタトバで応戦させたが相手はオーズ。そんな流暢な考えなど甘い選択だったとアンクは舌打ちをした。

すると、息切れを起こす火野はポケットに入っていたスマホのバイブが鳴っているのに気付き、余裕そうなヴィランオーズに警戒しながら徐に取り出し画面を確認する。通知は緑谷からで、何故か位置情報だけが送られていた。その位置に心当たりがあったのか、火野は目を見開いて、アンクに声を掛けた。

 

「(………アンク……〝お前〟のメダル貸して…!)」

 

「あ?お前……その状態で」

「(いいから…!!この状況打開できるかもしれない…!!)」

 

「………わかった。お前がそう言うなら……」

 

火野は小声でアンクにそう言うとアンクはクジャクとコンドルのコアメダルを火野に渡す。

 

「あれ?その状態で動けるの?大丈夫?」

 

「…いや…正直立つのもしんどい……!ていうか、…こんな状態にさせたのお前だろ…!心配なんかしてこないでくれる…?」

 

「……まあそりゃそうだよね。…で?今から何のコンボになるの?ねえねえ!私と同じ昆虫系のガタキリバ?それともラトラーター?え〜〜何だろっ?」

 

「こいつ…本当に俺達の事知り尽くしてるみたいだな…!」

 

火野は本気なのか巫山戯てるのか心配してくるヴィランオーズに苛立ち、睨むような目付きでそう言うとヴィランオーズは頷き、火野の手に持つコアメダルが気になるのか興奮気味で喋るとアンクは小さく呟き火野から距離を取る。火野は激痛でふらつきながらも、オーズドライバーからトラとバッタを抜き取り、クジャクとコンドルを嵌め込んだ。3枚の赤が揃い、コアメダルは赤く発光すると、ヴィランオーズは舞い上がるかの様に声を張り上げる。

 

「わぁああ!!それやるかあ!!いいよいいよ!!見たいから待ってあげるね!!」

 

「本当何なんだよこいつ…!?もお!変身!!」

 

その喜ぶ姿を見て火野は若干引きながらもオースキャナーをドライバーにスキャンし、声を上げた。

 

 

 

 

タカ!

 

クジャク!

 

コンドル!

 

 

 

 

 

タ〜ジャ〜〜ドルゥ〜〜〜!

 

 

 

音声が鳴り響き、火野身体は真紅の炎を纏う。既に夜の時刻となった空は暗くなっていたがその炎は美しく燃え上がり、その一面は明るく照らされていた。そして火野はオーズ〝タジャドルコンボ〟へと姿を変えたのだ。

 

「おおおおお!!やっば!?Time judged all!!!」

 

その神々しい姿を拝めれたヴィランオーズのテンションは有頂天となり飛び跳ね、急に英語口調の小歌を口遊む。

 

「うぐっ…!……アンク!着いてきて!!」

 

「っ!?おい何する気だ!?」

 

オーズは痛みながらそう言うと背中からクジャクウィングを展開し、地面を蹴って飛び立つとヴィランオーズに向かって勢いよく突っ込む。

 

「えっ!?ぐぇっ!!?」

 

「アああああっ!!!」

 

ヴィランオーズの腹部に体当たりを打ちかまし苦しそうに声を上げると、オーズはそのままヴィランオーズを連れて空を滑空する。凄まじいスピードの風圧によりヴィランオーズは体を持っていかれそうな体制となっていた。その間に、オーズは緑谷が送られてきた位置情報の場所を探し、その場所を複眼で確認したのか、勢いよくその()()()へと急降下する。

 

「せいやあああっ!!!」

 

「っ!きゃあああああっ!!!」

 

オーズは急降下し、ビルの隙間を通り抜けた瞬間、ヴィランオーズを投げ飛ばし、地面へと叩き落とす。衝撃により、地面から土煙が舞い、そこにいた()()は何事かと驚いていた。

 

「っと!…………やっぱり……!大丈夫…皆……!!」

 

「ひ、火野君!?な、何で空から…!!?」

 

オーズはその場へ着地すると、その路地裏には情報を送ってきた緑谷本人、轟、飯田、そして、ヒーロー殺し〝ステイン〟がこの場に集結していた。

 

「……ハァ………!!次から次へと……!!よく邪魔が入る……目障りだ……!」

 

突然登場したオーズ。そして地面に叩きつけられたヴィランオーズを見て、ステインは怒りの目を突きつけオーズを睨んでそう言っていたのだった。

 

 




ー 活動も楽じゃない ー


ステイン「この世が自らの誤りに気付くまで、
俺は現れ続ける…!」

ステインは死柄木等にそう言い残し
貯水タンクから飛び降りる。
すると、ステインのスマホから着信音が鳴り出す。
ステインは取り出すと、そこには『店長』と
書かれており、ステインは動きを止め、
画面をスワイプした。

ステイン「…これから夜勤…?いや、今日はちょっと…。
用事が…すみません……ハァ…大事な用なので…。」




脇真音「…ちょっと、私見ちゃいけないもの見たわ……。」

死柄木「生活の掛け持ちしながらかよ…。
健気で泣けちゃうね。」

黒霧「(ステイン…色々と大変なのですね……。)」



次回!No.44ヴィランVS雄英生徒

更に向こうへ!Plus Ultra!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。