いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ 作:しょくんだよ
くううう、毎日投稿できそうにない…!
ですが3日に一回は出来るだけ出せる様努力します!
今後共よろしくお願いします!
「あらら…!あいつ脳無殺しちゃった!」
ビルの屋上、貯水タンクの上で戦況を眺めていた
脳無を殺して気を失っているステインに応援に来た警察等が拘束している所を同じく双眼鏡で覗いていた死柄木は見るのを止め、苛立ったのか〝個性〟双眼鏡を粉々にする。
「…帰ろ」
「満足いく結果は得られましたか?死柄木弔」
「バァカ、そりゃ明日次第だ」
死柄木の言葉に黒霧はワープゲートを展開し、不満気に死柄木はその中へと入って行く。
すると、ビルを跳躍して来る者がいた。
蟷螂ヤミーと蝗ヤミーだ。
「あ、帰ってきた…ってこれだけぇっ?
流石に倒されすぎちゃったかぁ〜…、黒霧さん。
こいつ等も連れて帰るよーっ。」
「?責めてこいつ等も暴れさせれば良いのでは…?」
「ダメダメッ。いっぱいヤミー作ったのは囮でこいつ等は持ち帰る用に残しといたのっ!
早いとこ連れて帰るよっ。
脇真音がそう言って顎をくいっと動かすと2体のヤミーは無言でワープゲートの中へと入って行く。
そして、脇真音も中へ入るとワープゲートは黒霧事その場から姿を消した。
☆★☆★☆★☆★
あの事件から一夜が明け、ステインと戦った
雄英生徒4人、プロヒーローのネイティブは
近くの保須総合病院に搬送されていた。
「冷静に考えると…すごい事しちゃったね」
「そうだな」
緑谷が喋ると轟は頷く。
ステインに斬りつけられた3人は箇所に包帯を巻いており、火野は深くはないが背中に二箇所針で刺され胴体に包帯を巻かれていた。
「あんな最後見せられたら、生きてるのが奇跡だって…思っちゃうね。僕の脚、これ多分…殺そうと思えば殺せてたと思うんだ」
「あぁ、俺らはあからさまに生かされた」
緑谷と轟は巻かれている部分の怪我を見てそう言うと
轟は火野を見て口を開く。
「ヒーロー殺しが来る前にお前あのオーズと戦ってたんだろ…?怪我してたのによく戦えたな」
「まあ…なんて言うか、救けなきゃって思う気持ちでハイになってたから…動けたんだと思う。
俺なんかより、あんな状態で動けていた緑谷君と飯田君は凄いよ。
2人が畳み掛けなかったらやられてたかも…。」
「いや、違うさ。俺はー…」
「フン!映司。コンボとオーズのお陰でもある事を忘れるな。
オーズの力がなければそこの2人は怪我で動けなかったのもあるだろっ」
飯田が言いかけた瞬間、病院の窓越しに座っていた人間姿のアンクが鼻を鳴らしてそう言う。
「アンク、お前もあんな力あるんなら協力してもよかっただろ」
「本当にどうしようもなかったらとあの戦いで言った筈だっ。
これくらいの事で殺られる様ならお前等はそれまでだったって事だ」
「アンク!」
轟が言うとアンクはセルメダルを投げながら口を動かす。
言っていい事と悪い事がある為、火野は怒り気味で叫ぶと、アンクは舌打ちをして窓の外を眺め始める。
すると病室の扉が開かれ、グラントリノ、マニュアルが入って来る。
「おぉ、起きてるな怪我人共!」
「グラントリノ!」
「マニュアルさん…!」
突然の来訪に緑谷は座り直そうとするが
グラントリノがそのままでいいと言わんばかり手を出して止めると同時に口を開く。
「すごい…グチグチ言いたい…が」
「あっ…す…?」
「その前に来客だぜ」
動揺する緑谷だがすぐに落ち着きを取り戻す。
すると、グラントリノは背後に親指を指すとスーツを来た大柄の男が入って来る。
グラントリノがそう言うとアンクを除いた他の3人は立ち上がる。
「保須警察署署長の面構犬嗣さんだ」
「面構!!署…署長!?」
「い、犬…!?は、初めまして…!」
「フン、面が犬…まんまだなぁ…」
「アンク…!!」
現れた男のその顔は犬。その事に火野は驚くと窓越しに座ってたアンクは鼻を鳴らし、侮辱する物言いに火野は注意すると面構は口を動かす。
「掛けたままで結構だワン。君達がヒーロー殺しを仕留めた雄英生徒だワンね」
署長がこんな病院に現れる事に驚き緑谷は無理に立ちあがろうとするが面構がそう言って皆に尋ねると4人は驚きながらも頷く。
「ヒーロー殺しだが…火傷に骨折と、微量だが
「「「「!」」」」
面構が言うとほんの少し4人の目は見開く。
毒を打ち込んだ張本人の火野はまずい事を仕出かしたと思い俯向く。
そして面構はそのまま喋り始める。
「超常黎明期…警察は統率と規格を重要視し、〝個性〟を武に用いない事とした。そしてヒーローはその穴を埋める形で台頭してきた職だワン。
個人の武力行使…容易に人を殺められる力。本来なら糾弾されて然るべきこれらが公に認められているのは、先人達がモラルやルールをしっかり遵守してきたからなんだワン。
資格未取得者が保護管理者の指示なく〝個性〟で危害を加えた事、たとえ相手がヒーロー殺しであろうともこれは立派な規則違反だワン。
君達4名、そして火野映司君の〝個性〟アンク。
及びプロヒーローエンデヴァー、バース、マニュアル、グラントリノ、この8名と1人には厳正な処分が下されなければならない」
「はぁ…?ちょっと待て、映司の〝個性〟の何で俺もだ?」
「君は〝個性〟で合ってもその人格と行動は火野英司君の意に反して行動をしていると聞いてね。
こちらの判断の結果君も処分を下さないと行けないんだワン」
「巫山戯んなっ!あの状況で放って置いたら全員タダじゃ済まなかっただろが!」
「アンク落ち着いて!署長の言ってる事が正しいよ!」
面構の言葉に苛立ち窓から降りてズカズカと詰め寄るアンクを火野は肩を押さえて止める。
何を言おうと火野達は学生。危険を顧みずヒーロー殺し、ヴィランオーズ、ヤミー等と交戦してしまった事の重大差に緑谷、飯田、火野は顔を俯向くが、
ふと、処罰と言う言葉に納得が行かなかったのか轟が口を開く。
「アンクの言う通りだ…」
「轟君…」
物申そうと一歩前に出る轟に飯田は言葉が出ず名を呼ぶ。
彼もその正義感溢れる正しい心を持ち、兄がやられたという悔しさと憎しみが溢れて制御が効かず、我を忘れてしまった行動に何も言い換えせずにいた。
一旦区切る轟は感情的に口を開く。
「飯田が動いてなきゃネイティヴさんが殺されてた。
先に来た緑谷が来なけりゃ2人は殺されてた。誰もヒーロー殺しの出現に気付いてなかったんですよ。
規則守って見殺しにするべきだったって!?」
「ちょちょちょ…!」
「ハッ!轟って奴の言う通りだなぁ。お前等警察は碌に加勢すらして来なかった。俺達が動いていなかったらあの場のヒーロー共の命も無かっただろぉな。
学生がどうこう言ってる暇なんかあったらとっくに全滅だった!」
「やめろって!」
轟に続いてアンクも反感を買いに出て緑谷と火野は必死に止めようとする。
「結果オーライであれば規則など有耶無耶でいいと?」
面構が尋ねると、アンクは激昂し、轟は辛抱たまらなくなり反論する。
「分からねえのか!?映司は命知らずで
その〝命〟を掛けてこいつ等を守ろうとしてたんだよ!!」
「っ!人をっ…救けるのがヒーローの仕事だろ」
「だから…君は“卵”だ、アンク君も…。全く…良い教育をしてるワンね。君の〝個性〟、そして雄英も…エンデヴァーも…」
「っ!この犬ー…」
「その減らず口塞いでやる…!」
「やめたまえ2人共!もっともな話だ!!」
感情任せに怒る2人に面構は呆れると
火に油を注いだのか轟とアンクは突っ掛かろうとする。
「まァ…話は最後まで聞け」
「アンク、取り敢えず話を聞こう?轟君も…」
するとグラントリノが手を出して止める。
火野もアンクと轟を宥めると2人は大きく息を吐く。
大人しくなった2人を確認し、面構は鼻を弄りながら口を動かす。
「以上がーーー…警察としての意見。で、処分云々はあくまで公表すればの話だワン」
「「「「!?」」」」
その言葉に目を見開く。
一旦区切ると面構は再び喋り出す。
「公表すれば世論は君らを褒め称えるだろうが処罰は免れない。一方で汚い話公表しない場合、ヒーロー殺しの火傷跡からエンデヴァーを功労者として擁立してしまえるワン。
あのヤミーと言う存在も鴻上のヒーローによりそちらに市民達の視線は向けられている…、つまり幸い目撃者は避難しているお陰で極めて限られているワン。
この違反はここで握り潰せるんだワン。だが君達の英断と功績も、誰にも知られる事は無い」
面構は親指を立ててグッジョブを作るとヒーロー殺しに関わった5人に提案を申し込む。
「どっちがいい!?一人の人間としては…前途ある若者の〝偉大なる過ち〟に、
「まぁどの道監督不行届で俺らは責任取らないとだしな」
涙目になるマニュアルがそう言うと職場体験でお世話になっていた飯田が頭を下げる。
「申し訳ございません…」
「よし!他人に迷惑がかかる!わかったら二度とするなよ!!」
飯田の頭を軽くチョップしてマニュアルは叱る。
面構の言葉を聞いた4人はその提案を承諾し、深く頭を下げる。
「よろしく…お願いします…」
「フン、後始末は警察側の取り柄だろが」
「アンク!お前も頭下げる立場なんだよ…!」
「おい馬鹿!やめろ…!」
アンクが鼻を鳴らして腕を組むと、火野は頭を抑えて無理矢理アンクの頭を下げる。
「大人のズルで君達が受けていたであろう称賛の声は無くなってしまうが…せめて、共に平和を守る人間として…ありがとう!」
また、面構も深々と頭を下げた。
飯田、緑谷、火野は安心の笑みを浮かべると
轟とアンクは最初からそう言えと言わんばかりに
深く息を吐いていた。
思わぬ形で始まった路地裏の戦い、ヤミーの鎮圧は
こうして人知れず終わりを迎えた。
ただーー…その影響もまた人知れず、彼らを蝕んでいた。
☆★☆★☆★☆★☆
『3人の
そしてこの保須市に散らばっていたメダルの様な物。
これは虫の怪人の源であると推測されており、その技術を応用して作り出された鴻上ファウンデーションのシステムは更なる安全を約束すると宣言し、サポートアイテムの開発に勤しんでいるとの事です。
尚、〝オールマイト〟以降の単独犯罪者では最多の多数、犯罪史上に残すであろう
ーーーー……ーーーーー……』
「……何処もかしこも、脳無は二の次かよ。
忘れるどころか俺らの方がおまけ扱いか……」
「私のヤミーもだねえ…、鴻上の宣伝代わりみたいになってる、ウケる。」
「……その割には悔しそうじゃないな、脇真音」
死柄木等の拠点となるバーで、報道の連中が嗅ぎつけたヒーロー殺しの話題がテレビで放映されていた。
その内容はヒーロー殺しを中心とした内容で脳無、及びヤミーはそのヒーロー殺しの引き立て役となった存在となり、二の次となっていた。
新聞を開いても題名は大きく『ヒーロー殺し逮捕』、『保須での暴動、徒党組んでの犯行か』、『粛正を目論む執念』、などと殆どステインの話題と記載されており、脳無やヤミーは新聞の隅の話題となっていた。
死柄木は新聞をクシャクシャに丸め投げ捨てると意外にも悔しそうにしていない脇真音を見て疑問を抱く。
すると脇真音は笑みを浮かべて大きな袋を背負う。
ジャラジャラと金属が摩擦する音がその袋の中から聞こえる。
恐らくその中にはセルメダルが大量に敷き詰められているのだろう。
「ま、私の本当の目的は
黒霧さん、ドクターの所へワープさせてくれるかな?」
「構いませんが…そのメダルどうされるおつもりです?」
言われた黒霧はワープゲートを開きながら聞くと
脇真音はその袋を担いで口を開く。
「成功したら教えるよ、じゃあねっ。」
そう言い残し、脇真音はワープゲートの中へと入りその場を後にした。
「…自分勝手な女だ……。何がしたいんだ…?」
「分かりません…、あくまで彼女は我々
「詳細不明のオーズの力を持った女……先生が
☆★☆★☆★☆
「はぁ…」
「あ、火野君。話は終わったの?」
「あ〜うん…とりあえずは…」
保須総合病院のホールで麗日と電話していた緑谷が電話を切ると外から疲れた顔をしている火野がちょうど入ってきたので声を掛ける。
ヤミーに関しての話を警察に事情聴取されたらしい。
「
「フン、文字通りヤミーを生み出す〝個性〟だろ。
何処にいてもあの存在と出会す運命なのかもなぁ。」
「あ、火野アンク君……ん?何処にいても?」
「だぁっ!?な、なんでもないよ?あははっ。」
緑谷が疑問を抱くと火野からアンクが憑依して
火野アンクとなりボヤく彼に緑谷は首を傾げると
アンクを無理矢理引っ込めて火野は誤魔化す様に笑う。
前世の世界の発言はタブーなのでよくボロが出るアンクに火野は気が抜けず大きく息を吐く。
警察側には同じオーズを持つあの
火野自身、アンクも不明で有力な情報は伝える事が出来なかったが、そのヤミーの詳細は(適当な理由で)説明してあげていた。
警察側も調査に専念すると言ってその場はやり過ごせたが
何れは知っている人達に記憶のない前世の事を話さなければならないのかと火野は悩んでいる。
「と、取り敢えず教室に戻ろうかっ。ちょうど飯田君も診察が終わった頃だろうしっ。」
「あ、うん…そうだね」
☆★☆★☆★
2人は病室へと戻ると轟、そして診察を終えた飯田が深刻な顔をして座り込んでいた。
「あ、飯田くん。今麗日さんがね…」
「緑谷、火野。飯田、今診察終わったとこなんだが」
「「……?」」
電話の事を教えようとするが轟が割入り口を開く。
すると、飯田は包帯で巻かれていた腕を見つめ喋り出す。
「左手、後遺症が残るそうだ…」
その言葉を聞き2人は固まり、顔は青白くなる。
「両腕ボロボロにされたが…特に左のダメージが大きかったらしくてな。腕神経叢という箇所をやられたようだ。とは言っても手指の動かしづらさと多少の痺れくらいなものらしく、手術で神経移植すれば治る可能性もあるらしい。ヒーロー殺しを見つけた時、何も考えられなくなった。マニュアルさんにまず伝えるべきだった。奴は憎いが…奴の言葉は事実だった。だから、俺が本当のヒーローになれるまで、この左手は残そうと思う」
「飯田君…」
「……あ………」
緑谷は何かを言い出そうとしたが、思い留まり自身の傷跡が残っている右手を見つめ口を開く。
「飯田くん、僕も…同じだ。一緒に強く…なろうね」
「…緑谷君……。あぁ…、勿論だ」
拳を作る右手をほんの少し突き付け約束を誓う緑谷に
飯田はその腕を見ながら強く頷いた。
それを見ていた火野はうんうんと小さく2回頷き笑みを浮かべる。
すると、轟は何か思ったのか自身の手を見つめて口を動かす。
「なんか…わりぃ…」
「え?何が?」
その言葉に疑問を抱き火野が聞くと、轟は脂汗を流して口を開く。
「俺が関わると…手がダメになるみてぇな…感じに…なってる……呪いか?
火野、お前もそのアンク…俺の呪いに掛かってそんな異形な手になっちまったんじゃねえのか…?」
「えっ、そうなのっ?「馬鹿!鵜呑みにする奴があるか!そんなわけないだろ!!」
「ほら、性格も乱暴になってるし…」
「馬鹿が!!俺は映司の〝個性〟だって言ってるだろが!何だ?お前意外と『天然』って言う奴の類いなのか?あァ?」
「天然……?俺は天然記念物か何かなのか?」
火野アンクとなってツッコむアンクに轟は無表情で首を傾げる。
その予想外の発言に火野アンクは白目となり立ち尽くしていると飯田と緑谷がブフッと笑い出す。
「あっはははは、何を言っているんだ!」
「轟君も冗談言ったりするんだね」
「おい待て、コレは冗談なのか?「…だぁ!急に出てくるなよ!…でも轟君面白い事言うんだね。」
笑い出す飯田と緑谷に火野アンクは首を傾げると火野に戻り轟にそう言う。
すると轟は増す様に脂汗を流して口を開く。
「いや、冗談じゃねぇ。ハンドクラッシャー的存在に…」
「「「ハンドクラッシャーーーーー!!」」」
思わぬ発言をしてしまう轟に、病室内は笑いに包まれていたのだった。
今回おまけ省略で…すみません泣
次回!No.50 動き出す者達
更に向こうへ!Plus Ultra!!