いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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歓喜と夢と結果オーライ


‥てか!評価10ぅうう!嬉しいぃいい!


No.5結果発表

ーーーー雄英校入試試験5ヶ月前ーーーーー

 

 

「はぁあっ!!せいやぁああああっ!!うわぁっ!?」

 

仮面ライダーオーズに変身した火野映司は

誰もいない廃墟にて1人、その力を制御するべく独自の修行に励んでいた。

手作りの人型の的にタトバキックを入れようとするが

途中で力が抜け、変身が解かれ勢いよく地面へと

叩きつけられ転がる。

 

「いってててっ‥!やっぱり必殺技がダメか‥。

変身っ、する時はっ、だいぶ慣れたけど、

これすると一気にしんどくなるんだよな‥。

あ〜、難題だなぁ‥。」

 

映司はよろけながら立ち上がり、食糧が置いてある場所へと痛そうに座り込むと置いてあった水を喉が渇いたのかガブガブと飲み干す。

すると、そこに誰もいないはずの廃墟なのに、

人の気配がしたのか映司は身構える。

 

「誰かいるんですかっ‥?」

 

「あぁ、ごめん。驚かせたね。

いやぁ、あまりに凄い〝個性〟だったから

つい見惚れちゃって。」

 

建物の柱の影から姿を現したのは

同じ年齢くらいの少女だった。黒の髪に

白色のアッシュが目立つボーイッシュな髪型の女の子だ。

映司は気が緩み、ふぅっ、と息を吐く。

 

「ここ、私のお気に入りの場所なんだ。

静かだし、誰もいないから。」

 

「えっ!?あぁごめん!思い切り練習場所として使ってた!」

 

「いいよいいよっ。面白いものが見れたんだもん。

チャラってことでっ。それに私が勝手に決めた所だから、別に好きにやっていいよっ。」

 

「本当?ありがとうっ。そう言ってもらえると助かるなっ。」

 

「‥ねぇ、その腰に巻いてあるの、それが君の個性?」

 

女の子は映司のオーズドライバーに興味を示す。

 

「あぁ、うん。そうだよ。物心付いた頃から

手元にあってさ、このメダルを使って能力が出せるんだ。」

 

「へぇっ!凄いっ!ちょっと触らせてもらってもいい?」

 

「いいよっ。はい。」

 

映司は腰からドライバーを取るとメダルと一緒に

女の子へ渡す。女の子は興味津々とドライバーとコアメダルを色んな角度から見て観察し、

満足したのか映司にありがとうと言って返した。

 

「は〜っ。面白いものが見れたぁ‥っと!

じゃあ私は行くね。修行頑張ってね!」

 

「うん、ごめんねっ。なんかお気に入りの場所

横取りした感じになっちゃって‥。」

 

「大丈夫!満足したし、それじゃあまたねっ。」

 

そう言い残すと女の子は手を振り、その場を去って行った。

それ以降、この廃墟でその女の子と出会う事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何だあいつ!?デカい仮想(ヴィラン)

ぶっ壊しやがったぞ!?」

 

「あいつ確かヘドロ事件で気を失ってた筈だよな?」

 

「個性使いこなした‥とか?」

 

「絶対そうだろっ。あのバッタみたいな足で

片っ端から仮想(ヴィラン)蹴り倒して行ってたぞ。」

 

「俺んとこ虎みたいな爪で(ヴィラン)を切り裂いてた!」

 

「高いところから周囲の様子を伺ってたけど、

あの人も鳥みたいなマスクで周囲の様子探ってたわ‥。」

 

「三つの個性同時持ち!?そんなんチートかよ!?」

 

「てゆかっ、個性三つって前代未聞じゃないっ!?」

 

 

試験終了後、鉄の塊となった大型仮想(ヴィラン)の周囲に

ぞろぞろと受験生達が集まり、その光景を眺め驚き、

ガヤガヤと騒ぎ始める。

変身を解除した映司は発目明を降ろすと

ドッと疲れが出たのかその場に膝を突く。

 

「なるほど!そのチート級の力を使うと

反動も大きいのですね!まさにギブアンドテイク!」

 

「はぁっ、はぁっ‥!こ、この状況でも君は元気なんだね‥。

とゆか、君はいいの‥?あのロボット倒してる

とこ見てないけど‥!」

 

「あ、大丈夫です。私は()()()()()()()()()()()。」

 

「え‥?」

 

その言葉に疑問を抱いていると、受験者等の間を

潜ってこちらに向かってくる杖をついた老婆が現れる。

彼女は『リカバリーガール』。

雄英で看護教諭をしており、保健室の先生は勿論、

個性の治癒能力で完全回復してくれる

ドクターヒーローだ。

 

「お疲れ様〜〜、お疲れ様〜〜、

ハイハイハリボーだよ。ハリボーをお食べ。

さ、怪我した子はいるかい?直ぐに治してあげるから

こっちにいらっしゃい。」

 

老婆は受験生達にグミを渡し、怪我していた受験生に近づくとなんとチュウをした。

‥治癒だけに?

 

とまあ、冗談はさておき、こうして

この雄英高校の入試試験は幕を降ろしたのだった。

 

 

 

 

 

★☆★☆

 

その一週間後。

 

映司は結構なアウトドアな性格をしており

家にいる事は殆どなかった。

それは親譲りで、彼の両親は共働きで政治家をやっており

海外にまで出張するほど仕事熱心の親だ。

そして両親はほぼ家におらず、映司は

親の愛情を知らずに育ってしまうが、一人、

唯一手を差し伸べてくれる人がいた。

 

名は『 泉 比奈(いずみ ひな)。』

 

「映司君、今日だよね?雄英から通知来るの。」

 

「うんっ。だから緊張しちゃって昨日中々寝付けなくて‥。」

 

「ちゃんと寝ないと身体に悪いよ?」

 

「分かってる‥。」

 

彼女は親戚の子で、料理屋を店主と営んでおり、

映司とは小さい頃から面倒を見ているお姉さん的な存在だ。

両親が帰ってこない一軒家で過ごしているが

こうして泉が直々来ては家事をしてくれている

よく出来たお人好しでその行為にすっかり

甘えてしまっているが映司も負けないくらいの

人好しでやる事はしっかりとやっている。

 

「‥だ、大丈夫よ映司君!今までも大丈夫だったじゃない!

ほらっ、抽選会で一等絶対当てるって言ってたら本当に当たったし!」

 

「アレはたまたま。それとこれとは話違うよっ。

点は取れたけど最後あのデカいロボット

倒しちゃったし‥あれで不合格なんて事も‥あぁ〜‥。」

 

映司は軽く塞ぎ込む。受験の合格通知は大体一週間か

遅くても二週間はかかり、その間の受験生は地獄の時間。

こうやって映司みたく、考え込んでしまうのもざらにある。

 

「もうっ!くよくよ考えない!映司君は凄い個性持ってるんだからきっと受かるよ!」

 

「‥そう言う比奈ちゃんだってヒーローらしい

個性持ってんじゃん。」

 

「なんか言った?」

 

「ごめんなさい。」

 

「もぅ、それに私映司君より歳上なんだから

〝お姉ちゃん〟って呼びなさいっていつも言ってるでしょ?」

 

「今更でしょ、この呼び方の方がなんかしっくりくるし。」

 

そう言って映司は食卓に置かれてた味噌汁を啜る。

彼女の個性は『怪力』。

尋常ならぬ力の持ち主でなんのデメリットもない。

が、本人曰く女の子ぽくないと気にして

ヒーローは目指さなかったみたいだ。

 

「ふぅ、ご馳走様。やっぱり比奈ちゃんの料理は美味しいな。」

 

「それこそ今更でしょっ。でもありがとう。」

 

ご飯を食べ終えると映司は食器を片付け、

自分の部屋へ戻り、そのままベッドに大の字で寝転がる。

 

「‥‥。そう言えば、緑谷君と爆豪君はどうなったのだろう。」

 

天井を見つめ、ふと考える。

爆豪の個性はヘドロ事件で折り込み済みなので

まず問題ないだろうとすぐ納得するが

緑谷に至ってはあの時個性も何も見せてなく

爆豪を助けようと足掻いていた。

ヘドロには効かない個性で使わなかったのかなと

考え込んでいる内に映司の意識は朦朧とし、

そのまま目を閉じ、深い眠りについたのだった。

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

 

映司‥

 

おい‥映司‥‥!

 

起きろ‥!

 

 

 

誰かが呼んでいる。目を開けると暗くて

何も見えない世界がただ広がっていた。

でも呼んでいる事は確かだ。

その声は男性で、何故か聞き覚えのある声だった。

 

 

(‥誰だろう‥声が出せない‥。)

 

 

映司‥!映司‥!目を覚ませ‥!!映司!!

 

 

 

 

 

 

 

「映司君!起きて!ふんにゅ〜〜ぅ!」

 

「ふぁっ!?いででででっ!?」

 

頬に痛みを感じ映司は飛び起きる。

何が起きたのか多少パニックになるが横には

泉がいて映司の頬を抓っていた。

 

「いたいっ!?何すんだよ比奈ちゃん!?」

 

「これ!届いてたよっ!」

 

泉は一枚の封筒を突き出す。そこには封蝋がされおり、よく見ると雄英のシンボルマークが記されていた。

それは間違いなく、雄英からの通知だ。

 

 

 

 

 

☆★☆

 

 

 

 

「‥‥ふぅ、よしっ。せいやっ。」

 

いつの間にか夕方の時間帯になっていたこの時間。

映司は一人自身の部屋の机に座って封筒をがさつに破く。

すると、一枚の黒いチップが卓上に転がる。

何かと思い触ろうとした瞬間、そのチップは光りだし

その真上に映像が映し出される。

 

 

 

『んんっ!私が投影された!』

 

 

 

「わっ!?オールマイトっ!?」

 

映像ドアップで映し出されたのは他の人とは違う画風のオールマイトが元気よく発言した。

 

『驚いたかい!?いやぁ最近のテクノロジーって奴は

手の込んでる事してくれるよね!オジサンも正直びっくりだよ!ハッハッハ!‥え?時間がない?

一言ぐらいギャグが有ってもいいだろよ?

‥わかったわかったっ。』

 

映像の隅から男性らしき手が見えオールマイトに

急かす様合図を送っていた。

 

『さて!本題に入ろう火野少年!君の筆記は

ギリギリ合格点。勉強もうちょっと頑張ろね?

そして実技は65P!素晴らしい!文句無しの合格ラインだ!』

 

その言葉に映司は震え、一気に力が抜ける。

勉強は苦手な方だったので実技でカバーしようと思ってたが

65Pは合格ラインだったらしく、

映司は喜びの笑みを浮かべる。

 

『‥まあ、まだ話は終わってないけどねっ!』

 

「え?」

 

『先の入試、見ていたのは(ヴィラン)ポイントのみにあらず!!もう一つの審査!!

レスキューポイント!!しかも審査制!!

全く君はあの少年と同様ヒーロー感満ち溢れてるね!

覚えてるかい!?どデカいあのロボットから救った一人の少女の事を!?』

 

そう言われて映司は「はっ。」と発目明を

救けた事を思い返す。

 

『我々雄英が見ていたもう一つの基礎能力!

それは60ポイント!くぅ!久しく見たぞ!

総合ポイント〝100〟越えは!!文句無しの一位だぜ君は!

まあ君の合格なんて私はかなり予想してけどな☆

さあ来いよ!火野少年!

ここが君のヒーローアカデミアだ!!』

 

そして映像はそこで途絶えプツンと消える。

映司は手が震えている事に気付く。武者震いというものだろうと解釈すると

 

「やっっっったああっ!!」

 

ガタッと椅子から立ち上がり両腕を拳で突き上げる。

 

仮面ライダーオーズこと、火野映司、

彼のヒーロー人生はここから始まるのだった。

 

 

 

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