いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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反省と皆んなの成長と誕生


No.50 動き出す者達

 

保須事件から2日後ーー…

 

退院した雄英生徒達は残りの日を各々の職場体験で勉強する事となり、その日は、あっという間に過ぎて現在の夕方、火野を含めた職場体験の3人は鴻上ファウンデーションを出る事となり、会長室で別れの挨拶をしていた。

 

 

「皆さん、短い間でしたがお世話になりました!」

 

「ん〜、あんまし何もしてない気がするけどなぁ。…保須事件の事もあったしよ。」

 

発目、人姿のアンク、後藤、そして火野が並び立ち、火野は挨拶をすると伊達は首を傾げて不服そうに答える。ヒーロー殺し、そしてヤミーと戦闘をした火野に後藤は嫌味を言うように口を開いた。

 

「火野…、俺達学生が無闇に(ヴィラン)と戦うなんて雄英生徒の風上にも置けないぞ」

 

「フン、そう言うお前は何をしていた?連中を見て逃げ惑っていたと聞いたが?」

 

「なっ!?違う!どこの情報だそれは!俺は伊達さんの指示に従って避難しただけだ!」

 

後藤の言葉にアンクが反応し、悪戯心の笑みで言うと後藤は感情的に声を上げる。

喧嘩っ早いアンクに火野は呆れていると発目が目を見開いて火野に詰め寄った。

 

「オーズのお方オーズのお方!グッドベイビーのメダジャリバーは気に入っていただけましたか!?」

 

「う、うん凄かったよ!開発部署の時は建物事斬れちゃったけど実戦は最終的に相手だけ斬れた!」

 

「そうでしょうそうでしょう!セルメダルの余分なエネルギーを変換させて空間断裂を抑える機能をプラスで付けたんです!会長の言葉により、これでもうあの技をバンバン使って頂いても周りに影響は出ませんね!」

 

「え?…ま、まあ…バンバンは使えないかな…。」

 

好奇心溢れる発目に火野は会長と言う言葉に疑問を抱きながら苦笑して言うと

ワイワイと騒ぐ4人を「まあ、あれだ。」と言って伊達は静かにさせると真顔になって火野に一言申す。

 

「今回の事件…、警察のお偉いさんからこっ酷く怒られたし内容も聞かされたよ。俺は内心怒ってるんだぞ火野、アンコ」

 

「あ……すいません……」

 

「アンクだ!…説教はウンザリだぞ伊達」

 

伊達の言葉に火野は気付き謝るとまた名前を間違えられたアンクは怒り呆れた目で伊達に言う。だが伊達は少し息を吐いて口を開く。

 

「友達がピンチで駆けつけた事は人として正しい。だがな、もしもお前等に何かあったら悲しむのは誰だ?火野」

 

「…親と…友達…です」

 

「そだろ?アンコも火野の〝個性〟だからって調子乗って勝手な行動一緒にすんな。今回は無事だったから良かったものの、またこんな事が起きたら無事じゃ済まない」

 

俯向く火野に対し、アンクも小さく舌打ちをして珍しく黙り込んでいた。

元よりこれ以上反論したら余計に話が長くなると悟ったのだろう。続けて伊達は喋り出した。

 

「ヒーロー殺しはプロを殺せる程の実力者だ。幸いにも手加減して生かしてくれたんだろよ。

……あ〜、こう言う説教地味た事は俺も嫌いなんだ。とにかく!事は大事にならずに済んだ!生きて帰ってこれたのもお前等のその判断も正しいっちゃ正しい!だがな、ああいう時こそ大人を頼るのが筋ってもんだろ?

命を賭してまでも無茶な真似は今後するな!いいな!?」

 

「…はい!」

 

「フン…」

 

伊達は頭を掻き、言い纏めて火野とアンクに向かって声を上げ喝を入れる。

火野は自身の過ちと行動を反省して大きく返事をし、アンクは鼻を鳴らしてそっぽを向くが、その態度は彼なりの了承を得た態度だった。

伊達の言い分も終わり、数秒沈黙が続くと鴻上が勢いよく手を叩き注目を向かせる。

 

「さて!火野君!アンク君!そして後藤君に発目君!この職場体験を体験して君達はより経験を得ただろう!!

その経験を活かして更なる目標にチャレンジをしてくれたまえ!!!

君達と言う新たな未来への希望の卵が生まれた事に盛大に祝おう!!

ハッピーィィイバァスデェエエ!!!!!!」

 

 

「…な、なんか会長さんテンション高くないですか…?」

 

いつもよりテンションの高い鴻上を見て火野が汗を流して呟くと、後藤が息を吐いて火野の隣で囁く。

 

「会長の〝個性〟だ……。恐らくかなり無茶な()()を出したのだろう…」

 

「え?〝個性〟?権限…?」

 

火野は首を傾げると里中が説明する。

 

「2日前の事件で会長は〝個性〟を使われました。

火野さんは特例として()()()と戦闘を行う時、我が社が開発したサポートアイテムを使える『許可』が降りましたので」

 

「え!?…えぇ!?そうなんですか!?

…はっ。通りでプロの人や警察の人達からあの剣について何も言われなかったのか……」

 

「…ハッ、それはめでたい事だなぁ…。

ついでに学生でも戦える様仕向けたらどうだ?」

 

火野は驚くとアンクが鼻で笑いそう提案するが、伊達が首を振り口を開いた。

 

「ダメダメっ、会長の〝個性〟は大きな事を発令すればする程テンションおかしくなっちまうんだ。

そんな〝宣言〟したら会長自身がどうなることやら……」

 

「ハッハッハ!!心配いらないよ伊達君!お陰で私は頗る機嫌が良いのでね!!ハッハッハッ!!!」

 

 

心配する伊達に対して大いに高笑いをする鴻上だった。

 

 

 

 

 

 

鴻上光生

 

 

個性『権限発言』

 

個性を発動し、世に知らしめる宣言をすればたちまちその権限が世界に認知される!!

まさに権限という言葉の誕生!!

物凄い個性だがその発言する権限の内容が凄ければ凄い程自身の感情が昂り、超ハイになる!

お年寄りにとっては元気が1番だがやり過ぎ注意!!

命に関わるかもしれないぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

「とにかくだ。敵さんのオーズは俺達と警察で協力して捜索に当たるが火野、万が一〝ヤミー〟と出会した時の()()()()としての武器だ。

会長のありがた〜い権限だが、今回の事件みたく無謀な戦闘はマジでやめろよ?」

 

 

「……はいっ!わかりましたっ」

 

「学生や警察の制限を関係なしにあの剣が使えるのか…、フン。少しはマシに奴からメダル稼げそうだなぁ。」

 

伊達が締め括り、火野は強く頷くと隣で独り言を言うアンク。

ふと、後藤は若干俯いていると発目が詰め寄り声を掛ける。

 

「どうしましたか?後藤君」

 

「…何でもないから近寄るな、お前は男女の距離くらいのマナーを覚えろ。いつも近いんだ」

 

後藤はそう言って一歩後ろに下がり距離を取る。

 

「そんなの関係ありませんっ。人間誰しも興味を持てば近寄りたくなる生き物なのです!」

 

「デリカシーを覚えろって話だ!」

 

また発目は後藤に近寄ると声を上げて発目を止める。

それを見ていた伊達は顔を上げて笑い、口を動かした。

 

「ハハハ!まあまあそう言うなって後藤ちゃん。

発目ちゃんは今回の火野に渡して上げたサポートアイテム中々の出来栄えだったぜ?あとバースもな!」

 

「私はグッドなベイビーを作っただけですので!」

 

発目は頬を上げてスイカの様な形の口で笑う。

そして今度は後藤に向かって伊達は言った。

 

「どしたの後藤ちゃん?保須で避難して自分は戦わなくてよかったのかな〜、みたいな顔してるじゃないの」

 

「っ……そんな事……」

 

後藤は俯向く。伊達から見れば先程から保須事件の事を口にする度に拳を作ったりなどあからさまな態度が出ていて見え見えだった。

伊達は後藤に近付き頭に手をポンポンと置いて口を開いた。

 

「ま、気持ちは分かるがお前のした事は1番正しい事だ。それに小さな女の子を救ったんだろ?

母親からお礼の電話が来てたぜ。よくやったな、後藤ちゃん」

 

「……ありがとうございます」

 

伊達はそう言うと小っ恥ずかしそうに後藤は俯向いたまま礼をすると、伊達は「よし!」と声を上げるとその表情は子供が笑う様な笑みを浮かべ口を開いた。

 

「職場体験終了祝いだ!おでん用意したから皆んなで食べようぜ!」

 

「おでん!?いいんですか!やった!俺おでん大好きなんですよ!」

 

「…本当おでん好きですね伊達さん」

 

「私は好きですよ?」

 

いつの間にかテーブルにカセットコンロの上にデカい鍋が用意されており、ぐつぐつと煮込まれて何とも食欲を唆る匂いが漂っていた。

火野は喜ぶと後藤と発目はそう呟く。

すると、これまたいつの間にか用意していた

ケーキを載せた台車を里中が押してきて用意する。

 

「会長の作ったケーキもあります。デザートにどうぞ」

 

「おい、アイスはないのか?」

 

「ふむ、昨夜作ったアイスケーキを手配しよう!

諸君!!存分に堪能したまえ!!!

ハッピーィィバァスデェ!!!!」

 

ケーキを目の前にしてアンクが言うとお決まりの口癖の様に鴻上は高らかに声を上げる。

火野達はその用意されたご馳走を有り難く食べ始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

翌日ーーー……

 

 

 

「「アッハッハッハ!マジか!!マジか爆豪!!」」

 

 

A組の教室では切島と瀬呂が大声で笑い爆豪に指を指す。

No.4の〝ベストジーニスト〟の元へ職場体験に行った爆豪は普段の爆発髪とは裏腹になんとピッチリとした8:2の髪型になっていたのだ。

 

「笑うな!癖ついちまって洗っても直んねえんだ。おい笑うな!ブッ殺すぞ」

 

本人も相当気にしている様でその身体はプルプルと震え今にもキレそうになっていた。

 

「…フッ」

 

「蔑んだ目で見るなや赤鳥野郎!!てめぇらぶっ殺すぞ!」

 

「「やってみろよ8:2坊や!!アッハハハハハハ!!ひーー!!」」

 

人の姿で火野の机の上に座り込み鼻で笑うアンクに

爆豪はキレると切島と瀬呂は同時に大爆笑をする。

3人が馬鹿にすると爆豪はその怒りが頂点に達したのかボンッ!と髪を爆発させ元に戻っていた。

 

一方で芦戸、耳郎、蛙吹の3人は人の姿をしたアンクを見て話していた。

 

「アンクって人の姿にもなれるんだねー!」

 

「チャラいな…」

 

「火野君とは見た目も性格も大違いね、アンクちゃん」

 

順番にそう言うと芦戸は話を変えて職場体験の話を持ち掛ける。

 

「響香ちゃんは職場体験どうだったのー?」

 

「え?あぁウチは〝デステゴロ〟さんの所に行ったけど、めぼしい活躍は人質で立て籠った(ヴィラン)を捕まえたくらいかなぁ…」

 

「へー!(ヴィラン)退治までやったんだ!羨ましいなあ!」

 

「避難誘導とか後方支援で実際交戦はしなかったけどね」

 

「それでもすごいよー!」

 

「いやいや本当それぐらいだよ。暇な時間は街中走り回って体力作り。ぶっちゃけ学校の授業よりしんどかった。」

 

耳郎は耳朶のプラグを指で回しながら苦笑して答える。

すると、今度は蛙吹が自身の体験の話をする。

 

「私もトレーニングとパトロールばかりだったわ。

一度隣国からの密航者を捕らえたくらい」

 

「それすごくない!!?」

 

「そうかしら?」

 

「いや、十分凄い体験だよそれ…」

 

驚く芦戸に蛙吹は首を傾げると耳郎がそう言う。

ふと、麗日が通りかかったのか蛙吹は麗日に声を掛ける。

 

「お茶子ちゃんはどうだったの?この一週間」

 

「…とても、有意義だったよ」

 

麗日は白目となり気を解放している様なオーラを放ちながら喋る。その息は白く、何かに目覚めた様な表情だった。

 

「目覚めたのねお茶子ちゃん」

 

「バトルヒーローのとこ行ったんだっけ」

 

蛙吹、耳郎が拳を突き出し素振りをする麗日を見てそう言う。

彼女はゴリゴリの武闘派ヒーロー〝ガンヘッド〟の元へ職場体験に行き、対人戦の基礎を学んできたらしい。

麗日を椅子に座って見ていた上鳴と峰田は若干引いており、上鳴は呟いた。

 

「たった一週間で変化すげぇな…なあ、お前んとこはどうだったのよ?」

 

「変化?違うぜ上鳴」

 

上鳴の問いに峰田は指を振るとその指の爪を噛み始め震え出す。

 

「女ってのは…元々悪魔のような本性を隠し持ってんのさ!!」

 

「Mt.レディのとこで何見た…?それやめろ」

 

ガジガジと噛みながら答える峰田に上鳴はその行為を止める。

上鳴は思い出したかの様に話題を緑谷、飯田、轟、そして火野に向かって口を開いた。

 

「俺は割とチヤホヤされて楽しかったけどなー。

ま、一番変化というか大変だったのは…お前ら4人だな!」

 

その話を振られ集まっていた4人は一斉に振り向く。

爆豪に首根っこを掴まれていた瀬呂と切島が喋る。

 

「そうそうヒーロー殺し!!」

 

「命あって何よりだぜマジでさ」

 

「…心配しましたわ」

 

八百万も心配そうにそう言うと切島が続けて口を動かす。

 

「U S Jの(ヴィラン)のオーズが出たんだろ?ヤミーが出現して

鴻上ファウンデーションのバースってヒーローとエンデヴァーさんが救けてくれたんだってな!」

 

「う、うん…本当プロは凄いよ…」

 

「あぁ、そうだな。救けられた」

 

切島の言葉に火野は無謀な真似をした事を思い出して俯きながら返事をする。

轟も同じく言うと緑谷ははにかみながら頷く。

すると、尾白と障子が話を聞いていたのか口を開く。

 

「俺、ニュースとか見たけどさ。ヒーロー殺し、

(ヴィラン)連合とも繋がってたんだろ?もしあんな恐ろしい奴がUSJに来てたらと思うとゾッとするよ」

 

「現に連合のオーズが現れていた…。無事でよかったぞ3人共」

 

2人がそう言うと上鳴がふと、軽い気持ちで言葉を発した。

 

「でもさあ、確かに怖えけどさ。尾白動画見た?アレ見ると一本気っつーか執念っつーか、カッコよくね?とか思っちゃわね?」

 

「上鳴くん…!」

 

「え?あっ…飯…ワリ!」

 

上鳴の言葉に慌てて緑谷が止めに入る。

ステインの行動に飯田の兄がやられた事を思い出して上鳴は咄嗟に飯田に謝罪する。

保須事件の一件以来、動画サイトで一般人が投稿したのかヒーロー殺しステインの執念についての

動画が上げられていた。

それをメディアによって明かされた彼の思想は『英雄回帰』と呼ばれており、主張は『ヒーローとは見返りを求めてはならない。自己犠牲の果てに得うる称号でなければならない。』というものであった。

彼の言葉、そのカリスマ性に惹かれ動画は一躍ランキング1位となり、上鳴みたくかっこいい、等と言う輩も増えているみたいだった。

 

そして、上鳴が爆弾発言をしてしまったかと火野は恐る恐る飯田を見ると、彼は後遺症の腕を見ては口を開いた。

 

「いや…いいさ。確かに信念の男ではあった…。

クールだと思う人がいるのもわかる。ただ奴は、信念の果てに〝粛正〟という手段を選んだ。どんな考えを持とうともそこだけは間違いなんだ。俺のような者をもうこれ以上出さぬ為にも!!改めてヒーローの道を俺は歩む!!!」

 

「飯田君…!」

 

「おぉ…!かっこいいよ飯田君!」

 

ビシィッと手刀を繰り出す様に腕を降り下ろし、その前向きな発言に緑谷と火野は安心して2人共拳を作って目を輝かせていた。

 

「俺も、負けらんねぇな…」

 

「フン、なら修行でも特訓でもするんだなァ…」

 

轟も負けずと思ったのか呟くと、火野の机からこちらにやってきたアンクが轟の発言を聞いて彼なりの助言をしていた。

そして、今だにブンブンと手を振るう飯田は大きな声を出す。

 

「さァそろそろ授業だ、席に着きたまえ!!」

 

「五月蝿い…」

 

「何か…すいませんでした」

 

騒ぐ飯田に常闇がボヤくと上鳴が申し訳なさそうに謝っていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

同時刻ー……

 

 

薄暗い場所で機材が多く並び、壁のあちこちには巨大なガラス瓶が配置されており、中の液体が怪しげに沸騰している。何処かの研究施設だろうか。

その施設の奥でカタカタとキーボードを鳴らしてモニター画面を見つめてるドクターに女の子、脇真音が声をかける。

 

「ドクター、完成した?」

 

「おぉ来たか、今ちょうどな。…ほれ、ついでじゃ。お前さんが奪われたコアメダルも新しく作り直してやったぞい」

 

脇真音の存在に気付き、椅子を回転してそう言いながら振り返ると3枚のコアメダルを投げ渡す。

それは以前火野に奪われた〝ムカチリ〟のメダルだった。

 

「うわぁ!ありがとうドクター!!マジ感謝だわ!」

 

「なぁに、一度作った物なんぞ造作もない。

じゃが安易に奪られるじゃないぞ?他のコアメダルも貴重なメダルなんじゃからな…。

それより…お前さんの要望通りの物が完成したんじゃが。」

 

喜ぶ脇真音にドクターはテーブルに置かれてあった物を脇真音に見せる。

ギザギザに覆われた黄色の淵に3枚の〝メダル〟を嵌め込めそうな突起物がある円盤状の形をしたドライバーだった。

それを手に取り確認すると脇真音は再度喜ぶ。

 

「おぉお…よっくできてるねぇ…!?流石ドクター!

……で、肝心のあの子は…?」

 

脇真音はフッとその表情は真顔となりドクターに問う。

「あぁ」とドクターは頷き椅子から降りると一際大きなガラス瓶の場所へと歩み寄る。

脇真音も後を追う様に近づくと、そのガラスの中には真っ裸の()()が液体に包まれていた。

それを見ていた脇真音は目を見開いて驚いているとドクターは口を開く。

 

「多少セルメダルの影響か容姿が少し成長している。

最初はあんな小さな身体だったのに今では脇真音、お前さんと変わらん歳くらいに成長したんじゃないかの?」

 

「………ドクター……この子は……()()はもうこの中から出せるの…………?」

 

「あぁ、出した時に()()を身体に入れてやれば実験は成功じゃ…。どれ、待ってろ」

 

脇真音の言葉にドクターは3枚のコアメダルを脇真音に渡す。

青色のメダル2枚に赤色のメダル1枚。絵柄は()()()()()を催した造形が施されている。

渡したドクターはその隣にあるレバーを倒す。

すると、機械が作動して中の液体が徐々に抜かれていき、ガラスの扉が開かれる。

流石に裸は良くないと思ったのかドクターはタオルを一枚持ってきて少年に纏わせ、床へと横にさせる。

脇真音は息を呑んで渡されたコアメダルを3枚、その少年の胸元に置くと、コアメダルは体内の中へとゆっくり入っていく。

ドックン…と、まるで心臓が動き出したかの音が聞こえ、その音が聞こえた瞬間脇真音は涙を流す。

 

「おぉ…!成功じゃ…!セルメダルを投与すればヤミーの力を宿した身体へとなって目覚める事ができる…!

フフ…!ハハハ…!セルメダル…!!なんて素晴らしいエネルギーじゃあぁ…!!」

 

両手を広げ興奮するドクターを無視して、脇真音はその少年の手を握り、ゆっくりと目を開けるのを確認し、声を掛けた。

 

 

「〝槍無(そうむ)〟……弟君……やっと、会えたね……」

 

 

「………」

 

少年、槍無は脇真音の顔を見ると小さく首を傾げていたのだった。

 

 




ー悲喜交々ー

6月は梅雨の時期。それを喜ぶ生徒がいた!

蛙吹
「蛙吹梅雨よ、6月は私の大好きな季節っ」

緑谷「この季節髪が広がっちゃって…」モッサリ

火野「参っちゃうよね…」モッサリ!

芦戸「ほんとそれ!」モッサリン!

上鳴「俺も勝手に放電しちまうから怠いわぁ…うぇーい…」

瀬呂「テープがへなへなになって困る…」てろん…

上鳴「本当梅雨なんてなくなればいいのに!」

芦戸「な!!梅雨前線くたばれー!」



蛙吹「………」



次回!第6章 〜ヒーローショー!〜

No.51夢見る規格

更に向こうへ!Plus Ultra!!

火野「次回は番外編!一体どんな事をするんだろう…?」
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