いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ 作:しょくんだよ
ヒーローショーを行うことなったA組はショーのアシスタントをしている機動活美、そしてオールマイトの指導を得て着々と生徒達は練習に励み、皆んなで考えたヒーローショーを完成させて行った。
そしてあっという間に2週間が経ち、現在A組の雄英生達はつい最近出来た最先端の技術を駆使して完成した遊園地、〝フューチャーパーク〟へと訪れていたのだった。
「うっおおおおっ!!遊園地!!」
「最先端技術!!」
「おしゃれー!!」
「近未来!!」
「まさに輝いているね☆」
バスに乗って到着したA組生徒達は降りて移動するとそのフューチャーパークの門を見て興奮する生徒一行。
〝ようこそ未来のテーマパークへ!〟と書かれておりそれを見ていた生徒等は感動していた。
時刻は午前8時、遊びに来店するお客もまだ来ていない時間の中、生徒達は集まっていた。
元より学生、10代にとっては遊園地はまだまだ魅力溢れる夢の国だからだろう。
すると、相澤の目付きが変わり髪の毛がふわりと上がると生徒等に向かって口を開いた。
「おい、はしゃぐな」
相澤の言葉に生徒達は若干肩を震わせ一気に静まり返る。
確認した相澤は上がっていた髪の毛を降ろすと説明し出す。
「よし…今日は予定通りヒーローショーを午前の10時から予定では1時間で行ってもらう。今まで練習して来た経験を活かして市民の皆様に見てもらい、存分に楽しませるように。いいな?」
「はい先生!!午後からは解散でいいんすか!?」
切島がバッと手を伸ばしそう声を上げて質問をすると他の生徒達も目を輝かせて相澤を見る。
相澤はやれやれと言わんばかりに軽く息を吐いてこう言った。
「…前にも言ったが、午後からは解散…帰るなり遊ぶなり、迷惑行動しなければ好きにして構わん」
「「「「「「おっしゃらぁあア!!」」」」」」
相澤の言葉に生徒達のテンションは頂点に達して声を荒げ、喜ぶ。
今日の日付は日曜日、ショーの練習ともうすぐ来るテストを控えて勉強を両立して過ごした生徒達も羽を伸ばしたいのだろう。
だがそれは相澤の威圧で一瞬にして再度静まり返り、相澤はチラシを取り出しチェックする。
そのチラシとはこのフューチャーパークで行われるヒーローショーのデザインが施された内容のチラシだった。
「じゃあ今からヒーローショーのステージに行くぞ。このテーマパークの取締役のお偉いさんが待っている。挨拶はしっかりしてくれぐれも粗相のないようにな」
相澤がそう言うと生徒等は「はい!」と大きく返事をしてぞろぞろと入園して行く。
勿論、フューチャーパークの入場料は無料で入れる手配をしてくれている為、入園のゲートを通る際、受付の女性が笑顔で「おはようございます」と挨拶をし、生徒達は次々と挨拶を交わして行く。
ぞろぞろと移動する最中、ショーを緊張して精神を整えようとする者もおり、また、その終わった後の遊園地を楽しもうとする者もいた。
「お茶子ちゃん、三奈ちゃん!どのアトラクションに乗るか決めたー?」
「色々乗ってみたいなー!でも一番行きたいのはこのスイーツコーナー!!どれも美味しそう!」
「私は全部乗るよー!目指せフューチャーパークアトラクション制覇!」
葉隠がフューチャーパークのパンフレットを見ながら麗日に声を掛けると麗日は涎を垂らしながら満面の笑みを浮かべてそう答えると芦戸も気合いを入れて嬉しそうに声を上げた。
開園したばかりのこの遊園地の飲食店は多くのスポンサーが協力してくれてるのか飲食店も名のある有名な店が豊富だった。中でもスイーツ店は女性の心を掴むかの様に種類も多く、そして値段も格安で提供しているそうだ。そんな話を聞いて雄英の女子達も黙ってはいない様だ。
ワイワイと食べ物の話題で盛り上がる最中、後方を歩く火野と轟はある飲食店をオススメとして勧めていた。
「轟君、この飲食店ざる蕎麦があるみたいだよ」
「本当か…?食べてみてぇな…」
「じゃあ終わったら食べに行こうよっ、前に約束したしね」
「あぁ…そうだな。だがその前にヒーローショーを無事こなさねぇとな…」
轟はそう言って拳を作る。この2週間で轟もアシストとして機動に色々と教わり、彼なりにも努力してきたそうだ。元より、このショーはある意味楽しみにしていたのだろう。轟の意気込みの言葉には火野にとってそう感じていた。
「大丈夫!あれだけ練習したんだし絶対成功するよ!」
「…あぁ」
火野の言葉に轟は頷いていると、ふと、火野の中からアンクが話しかけてくる。
「(おい映司、蕎麦なんかよりアイスが食べたい。先ずはアイスの店だ)」
「あ〜わかったわかった。ざる蕎麦食べ終わったら行くよ」
「…アンクか…?なんなら先にアイス食べてもいいぞ?」
アンクの声に火野が反応して独り言の様に呟くと轟は察してそう声を掛けてくるが火野は両手を振り断っていた。
「いいよいいよ気を使わなくてっ。それにアイスってデザートだろ?スイーツコーナー行ってこっちの店来てたら時間帯的に混みそうだからっ」
「そうか…?わりぃ。なんか、気ぃ使わせてしまったな…」
「いやいや…(轟の言う通りだっ、ここは先にアイ)まあ!とにかく今はヒーローショー!絶対に成功させよう!」
「…そうだな」
火野の言葉に体の中から割入ろうと声を出すアンクを無視して火野はそう言うと轟は軽く頬を上げ笑いながらそう答えたのだった。
☆★☆★☆★☆
「皆さん、今日はフューチャーパークに起こし頂き有難う御座います。私がこの遊園地を取り仕切る、代表取締役の
本日の件、ヒーローショーのご協力、重ねて誠に有難う御座います。」
「(狸じゃん…)」
「(狸だ…)」
「(大物って皆んな動物系なのかな…?)」
ステージの裏方、控え室に集まった生徒達の前に現れた代表の丸山は堅苦しく挨拶をする。
その姿は言ってしまえば本当の狸の様な顔に、身長も峰田と同じくらいの背丈で尻尾すら生えている。
上鳴、耳郎、そして火野はそう思いながらお辞儀をする。
恐らく他の皆もそう思っているだろう。
すると、一礼して代表の相澤が口を開いた。
「本日は御招きして頂きありがとうございます。
こちらも観客の皆様を楽しませる様、精一杯努めさせて頂くので今日はよろしくお願いします」
「「「「「よろしくお願いします!!!」」」」」
相澤がいい終わると生徒達も空気を読み一同は声を上げお辞儀をする。丸山はうんうんと和かに頷き、口を動かす。
「子供は元気が1番ですね。あ…、そろそろ開園のお時間になりますので、皆様は準備してください。お越しに来られるお客様達をどうか、来て良かったと笑顔で帰られる様、一緒に頑張っていきましょう」
「では、専用のコスチュームは演じる皆さんの名前が記載されてこちらに用意しています!更衣室は控え室を出て隣の部屋で男子女子と分かれてありますのでご試着の方を!
アシストに回られる方も動きやすい服に着替えて来る様にお願いします!その後は役者の機動さんがこられますのでこの部屋で待機しててください!」
腕時計を見ながら丸山はそう言うと、後に続き社員の男性がそう説明する。
各自は返事をすると和気藹々とショーによる準備に取り掛かったのだった。
☆★☆★☆★
ー 男子控え室 ー
「何で俺が
「本番間近になって何言い出してんだ爆豪。敵役は決まった事だろ?いい加減諦めろよ」
「…適役」
「うまいこと言ってんじゃねー!!」
ショーを行う為のコスチュームに着替えた演劇役のグループ達。その中、黒いマントを纏い髑髏を催したショルダーや破れた黒の服装。まさしく
普段のヒーローコスチュームとあまり変わらない(鎖や棘などが装着された)切島は呆れながら宥めると、これまた普段のコスチュームと変わらない黒いマント全身に羽織っている常闇がボソッと呟くとキレながら爆豪はツッコみを入れていた。
この2週間の練習中も爆豪は才能故か役は割とこなしていたが敵役の肩書きが気に食わなく文句をずっと垂れ流していた。そして主人公が緑谷だったのも気に入らないのかアクションシーンは本気で叩きのめそうとしてきたりとかなり危なかっかしい練習になっていたが、1番友好的な切島に宥められながらやってきたので何とかこの本番までやってきたのだ。
「緑谷君カッコいいねヒーローコスチューム!」
「うむ!物語の主人公らしさがあって尚且つ普段のコスチュームとは違いどこか新鮮味があるな!」
「そ、そうかな…?飯田君も似合ってるし、火野君も凄いよっ、本当王様って感じで!」
「緑谷の格好オールマイトのパチモンみてぇ」
「言うな言うな。でもお前等羨ましいよ、俺等いつものコスチュームだからよ」
対して火野は最初の出番だけとは言えどかなり派手な貴族の王様の格好をしており、カラーも赤と黄色の派手な色のコスプレ感満載な格好だった。
飯田も外国の甲冑兵士を催した格好で様になっている。
緑谷もオールマイトの様な奇抜なカラーリングのコスチュームで青いマントを羽織っており本人の地味さとはかけ離れたそのデザインに瀬呂はツッコみを入れると砂藤がそう声を漏らす。
2人のコスチュームは一般のヒーロー役なので
学校で支給されたコスチュームをそのまま活用している為、砂藤はやや不満そうに思っていた。
「鎧本物みたいだなコレ…でもちょっと動き辛い」
「そんな事より火野早く控え室行こうぜ!俺ら機動さんの説明聞かないといけねぇからよ!」
「あ、うん!分かった!それじゃあ皆また後でね!」
同じく甲冑兵士のコスチュームを着た尾白はその衣装の出来に評価していると峰田は着替え終わったのか火野を呼んで手招きをする。
火野は急いで峰田と一緒に更衣室を後にして飛び出して行ったのだった。
☆★☆★☆★☆
時刻は10時前と差し掛かり、着替え終わった役のグループ達はステージの裏へと待機していた。
アシストグループも機動、そして他の従業員等と
機材や道具、ベニ板で作られた背景の模型を設置していく最中、上鳴はステージの降ろされた幕を捲り観客達の方をチラリと覗く。するとそこには
ほぼ満席と言える程、来店にこられた市民達がガヤガヤと騒いで待機していた。
「うぉお…!ヤバ、めっちゃ人いるじゃん!!」
「そりゃあ今人気の遊園地だからね!ほらほら、手を動かすね!」
「うす!」
覗く上鳴を見つけて機動はそう言うと上鳴は王様が座る高そうなデザインの椅子を持ち上げ運んで行く。
そんな中、火野も台本を読み直して確認しているとステージの裏で後々使う模型の木に座り込んでいた峰田を発見して声をかける。
「峰田君何してるの?」
「わぁっ!?ひ、火野かよぉ…驚かすなよなぁ…。
別に何もしてねーよっ」
「あぁごめんごめん」
異様に驚く峰田に火野は首を傾げながら台本を持って移動すると、峰田は大きく息を吐いてその模型の木を何やらゴソゴソとつついていた。
その怪しげな行動にたまたま通りかかった蛙吹はジッと峰田を遠くから見つめていたのだった。
「…よし、セッティングはこんなもんかな。皆んな、そろそろ始まるから配置についてね!」
一通り準備が完了したのを確認した機動は観客に聞こえない様、生徒達、作業員の数名に声を掛け各々は自分の持ち場に移動する。
そして最初から最後まで観客を盛り上げ、ナレーションを努めるお姉さん役の芦戸もマイクを持って配置に移動していた。
「よぉーしっ、頑張るぞー!」
「その心意気だ芦戸君!…よし!皆んな!これまでの練習を無駄にしないよう、そしてお客様達を笑顔に楽しめるよう!全力を尽くして最高のヒーローショーにしよう!!」
「「「「「「おぉーー!!」」」」」」
芦戸が気合いを入れると委員長である飯田は先陣をきって生徒達に向かって声を上げ、生徒等、大人達の機動等を含めた一同は拳を突き上げやる気を見せていた。
そして、時刻は10時となり、音響担当の耳郎はオープニングのBGMが鳴るボタンを押してヘッドホンを装着する。
BGMが鳴り騒いでいた観客達は始まると思ったのか静まり返る。
幕が降りているステージの中央に芦戸は小走りで移動をすると息を大きく吸い込み、声を上げて観客達に挨拶をした。
『皆さーーん!!こんにちはーーー!!!』
「「「「「こんにちはーー!」」」」」
手を振りながら芦戸の挨拶に反応したのは勿論子供達だった。
元気で明るい声で会場は和まされるが芦戸は物足らないと思ったのか再度挨拶を行う。
『元気が足りないぞー!?大人達も一緒にー!!?こんにちはーーーーー!!!』
「「「「「こんにちはーーーー!!!」」」」」
芦戸はもう一度声を上げると今度は親とその他の大人達も加えて会場を轟かす様な観客達の声が響き渡る。
それをVIP席で見ていた丸山は笑顔で口を開いた。
「ほっほっほ、いいですねぇ。彼女は場を盛り上げる才能がありますね」
「今のは完全にアドリブですよ彼女…まあ、客の心を掴めてるのは彼女の生まれ持った才能ですかね」
丸山の言葉に隣に座っていた相澤はやれやれと言わんばかりにそう言うが彼なりに芦戸を評価して見守っている中、芦戸は満足したのか司会を続ける。
『うんうん!元気いっぱいの挨拶どうもありがとう!!
今日はこの〝フューチャーパーク〟に雄英高校から素敵なヒーロー達が皆の為に来てくれたよー!素敵なショーをお披露してくれるそうだから、皆楽しんで見ていってねー!!それじゃあ、始まりまーす!拍手ー!!』
笑顔で司会をする芦戸に観客達は応える様に拍手を送る。
好奇心旺盛の子供達もワァアと言いながら精一杯拍手をする中、舞台裏にいたキャスティングのグループ達は緊張しながら配置につき、アシストの障子は幕を上げるボタンを押す。
すると幕はゆっくりと上がって行き、お城の背景を催した光景が広がり、子供達は「すげー!」と声を漏らしていた。
そんな中、観客席にいたカメラを持った大人2人の内の1人が口を開いた。
「俺達はヒーローショーを数々見てきた…。高校生達がやるショーは初めてだが、どうせ素人の集まりだろな…、まあ念には念をだ。カメラ止めるなよ?」
「勿論です」
2人はそう言ってカメラを回していると、高台に登って作られた空と太陽の模型を眺める八百万が
片手を胸に置いて待機していた。
そこへ、司会の芦戸は口を開いて物語の始まりを言い始める。
『とある国のお姫様は裕福な暮らしをしていましたが、都会に憧れ、毎日窓の外でぼんやりと眺めていました!』
「何だ?昔話もじりの始まり方で都会??」
「あれか、田舎の国に住む子が都会に憧れる的な?」
「なるほど…なんか斬新な設定だな!」
ナレーションが入り、大人の観客達はざわざわと騒めき出す。
子供はその模型の作りや色鮮やかな背景に釘付けだが大人はその内容に興味を持ち始める。
何とか掴みを取る事ができて物語ははじまろうとしていたのだった。
☆★☆★☆★☆
ヒーローショーが始まった最中、テーマパークの方は客足がショーの方に回ってしまったのかお客の数が少なくガラ空きのエリアで、ピエロの格好をした男が1人、大量の風船を手に持ち人間観察をしていた。
そこへ、1人の男『水操』が現れピエロに話し掛ける。
「兄貴!ショー始まったみたいですぜ?」
「馬鹿やろっ、ここでは従業員だ。兄貴の呼び方は止めろ!
…そうか、予定通り来たか…」
水操が話しかけたピエロはその衣装を纏った転個だった。
転個はニヤリと笑い大量の風船を見て口を開く。
「平凡な作業員のフリをしてこの遊園地に入り、雄英の生徒共に近づく…!計画の第一段階はクリアだな…」
「流石っす兄…ピ、ピエロさん!…で、この後は…?」
慌てて言い直し、その計画の事を聞くと転個はメイクしたその顔で不気味な笑みを浮かべた。
「この風船には俺の〝個性〟が詰まっている…、奴らはまだ学生だからな。ショーが終わればこの遊園地で遊ぶのは間違いないだろよ…。
そこへ、俺がこの変装で近付いてこの風船を渡す…。
この風船は時間が経てば破裂する仕組みになってんのよ…」
「ホホー!すげぇ!やる事えげつねぇっす!」
「だろぉ…?見てろよ学生共…!お前等偽りの餓鬼ヒーロー…、
ステインの代わりをしようとしてるのか転個はそう言って高らかに笑う。
すると、このエリアで遊んでいた子供が転個を見て指差しながら母親に口を開いた。
「ママー、あのピエロさん変だよ?」
「しっ!大人の事情ってのがあるのっ。さ、早くヒーローショーに行きましょう、もう始まってるわっ」
「うんー!」
親子はそそくさにその場から離れると、転個は恥ずかしそうに俯き、水操に声を掛ける。
「…とりあえず、計画はショーが終わった後だ…。
それまではお前も待機しとけ…」
「了解っす!」
転個の指示に水操は返事をしてその場から離れる。
移動する最中、水操はふとポケットに手を入れると何か触ったのか安心して声を漏らしていたのだった。
「もしもの時の為…!兄貴に喜んでもらうんだ…!!」
ー 自前用具 ー
階段の掃除班、、尾白、瀬呂、砂藤
尾白「箒がない?」
瀬呂「他のクラスとかも使ってるから一個もねぇんだと」
砂藤「箒がねえんじゃ掃除できねえぞ」
尾白「うーん、チリトリだけあってもなぁ……。仕方ないか」
尾白は尻尾を使って履き始める。
尾白「あんま気乗らないけど…」
瀬呂「お!いいじゃねえか、俺もテープ使おう」
砂藤「瀬呂、俺にも貸してくれっ」
瀬呂はテープを千切り、砂藤にも分けてひたすら階段をペタペタと粘着でゴミを取っていく。
瀬呂「コレ地道だけど綺麗になるな」
砂藤「意外と粘着力あるんだなお前のテープ」
☆★☆★
数十分後…
校長「うわぁ!なんて気持ちのいい階段なのさ!!」
尾白達が掃除した階段は反射する程輝いておりいつもより反って綺麗になったという。
No.55 猛れ!爆・殺・卿!
更に向こうへ!Puls Ultra!!