いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ 作:しょくんだよ
オールマイトの協賛から企画されたA組オリジナルのヒーローショー。
生徒達はフューチャーパークへと訪れヒーローショーが幕開けされて事は順調に進んで行った…の筈だったのだが、緑谷のミスにより怒りを露わにした爆豪が観客達が見るステージ舞台で緑谷に襲い掛かろうとしていたのだった。
「死ねぇえっ!!!」
「か、かっちゃん!!?」
「マジかよ爆豪!!」
飛び掛かろうとする爆豪に緑谷は怖気付いてしまい、尻餅を着きながら爆豪の名を呼ぶ。
だが、彼の猛進は止まる事なく
「おい!ショーの最中だぞ!?」
「修羅め…!ダークシャドウ!」
『アイヨ!!』
「ぐっ!?テメェら何しやがる!!?」
切島は硬化して爆豪の爆破攻撃を正面から受け止めると観客に聞こえない様に小声で話し掛ける。
それに加わって常闇もダークシャドウを出して爆豪を取り抑えようと試みるが空中へと逃げて爆豪は両手から爆破を連発して彼等を錯乱させる。
「これじゃあショーが台無しだぞ!?」
「と、とりあえず爆豪抑えるしかないしょ!」
こうなってしまってはヒーローショーどころではないと判断したヒーロー役の砂藤が小声で瀬呂にそう言うと瀬呂も小声で答え肘からテープを射出して爆豪を捕縛しようとする。だが爆豪はその行動を先読みして伸びてくるテープを見ずに爆破させテープを燃やしていた。
すかさず瀬呂はテープを繰り出し、切島と常闇も加勢して爆豪を止めるべく攻撃を繰り出し、爆豪は爆破と反射神経を駆使して次々と避けていく。
攻防が続いている中、人質として摩天楼をバックに吊されていた八百万、そして主人公役の緑谷も突然の騒動に困惑していた。
そして観客達もまた、
「なんだなんだ!?爆殺卿って奴急に仲間割れし始めたぞ!?」
「しかも手下の
「一時休戦って事?」
「それより無駄に戦闘アクション凄くない!?」
「すげー!まるで本当の戦闘シーンじゃん!」
爆豪を止めるべくガチ戦闘を繰り広げている連中にまさかの観客達は盛り上がり歓声の声が上がっている。
VIP席に座っていた丸山も驚いて穏やかな口調で口を開いた。
「ほっほっほ、これは凄いアクションですねえ。流石雄英高校、楽しめてくれますね」
「…ったく、何やってんだあいつら……。だが予想外の展開はヒーローにとって付き物。この場面どう切り抜けるか………」
これもショーの一環と勘違いしている丸山に対して相澤は溜息を吐きながらそのハプニングシーンをそう言って見届けていた。
一方で舞台裏で待機していた生徒達も止めようとしていたが観客達の盛り上がりに驚き戸惑っていた。
「やべえやべえやべえ…!何か無駄に盛り上がってねえか…!?」
「だがこの後どうする…?今は観客達の勘違いで何とかなってるが、結局その場しのぎにやっているだけだぞ…?」
「あぁ…やっぱ止めるしかねえか…!」
上鳴がおどおどしながら口を開くと障子、轟とそう言って表に出ようと試みる。
「待って!」
だが、火野は突然声を上げて止めようとする生徒達を呼び止めた。そして続けて口を開き、提案を申し出た。
「何とかなるかもしれない…!」
「火野?何か打開策が見つかったのか…?」
「うん、多分もしかしたらだけど…!アンク!」
火野の言葉に首を傾げる轟。すると、火野は自身の中にいたアンクに呼びかけ始める。
「(何だ?)」
「ちょっと
「(あ?フン、断る。面倒事は勝手にやってろ)」
「ショーが終わったらアイスたらふくご馳走してやるから!」
「(……ちっ、……乗った。)」
アイスの条件にアンクは舌打ちをするとすんなり了承する。
火野は「よし」と頷くと近くにいた機動、そして待機している生徒達に声を掛けた。
「機動さん、ここからは完全にアドリブで動きます!皆んなもなるべく合わせてほしい!」
「…オッケー!何か思いついたみたいね!」
「指示を出してくれ火野。できる限りの最善は尽くす」
「私も!」
火野の強い眼差しに機動は笑顔で頷くと轟、麗日とやる気を出して火野に声を掛ける。
「俺はちょっと準備してくるから、皆んなは今の状況をなるべく演技だと観客に持ち上げさせてほしい!ちょっとした騒動だけど、ヒーローの活動には予想外は付き物!必ずショーを成功させよう!」
「「「「「おーー!!」」」」」
火野の言葉にこの場の全員が拳を突き上げ声を上げる。
やる気に満ち溢れる中、火野は奥の小部屋へ移動し入って行く。ふと、上鳴は先程までいたはずの峰田がいない事に気付き、辺りを見渡す。
「…あら、峰田はどこ行った?」
そう言ってキョロキョロと見渡し首を傾げる。
その直後だった。ステージの方から観客達の声が聞こえてきた。
「おい!?何だアレ!?」
「
観客達の視線、爆豪等が戦っているその隣に建てられた摩天楼の模型に設置されているベニ板で作られた木が勝手に動いてビルをよじ登っていたのだった。
観客達からはそう見えるが、その正体はなんと紐を通して木を背負っていた峰田だったのだ。
「(オイラの計算通り…!!爆豪と緑谷の相性は最悪!ショーは台無しだ!この機にオイラが八百万を助けて万事解決ってな訳よ!!ひょー!!)」
「馬鹿!アイツ何してんだ!?」
「アレは流石に止めないとまずいよ!」
峰田はそう思いながらもぎもぎのボールで器用に摩天楼を登って行く。それに気付いた舞台裏の上鳴、麗日は声を上げて指を指すと轟は右腕から氷を生成し氷結を繰り出そうとしていた。
が、その時。
「ぐぇあっ!!?」
八百万の真下まで来ていた峰田の木に突如、空の背景に設置されていた
「貴方大概にしなさいよ峰田ちゃん」
「ひ、ひぃぃぃ!!?」
その雲の裏に潜んでいたのは何と蛙吹だった。
「ショーが始まる前にその木に小細工してたでしょ?貴方の思惑は見え見えなのよ…ケロ」
「迂闊だったぁ…!だがしかし!ここで引き下がる程、オイラは甘くねぇっての!」
今までにない程怒りに満ちた表情をした蛙吹のそのオーラにビビる峰田だが、彼もプライドがあるのか足掻こうともがく。
しかし、それを見ていた観客達は変な捉え方をし始めていた。
「見ろよ!摩天楼を舞台に木と雲が戦ってるぞ!?」
「どうなってんだよ!!?だけど気になるぜ!!」
「気になるなぁ!木だけに!」
しょうもないギャグを言いながら観客達は何故か盛り上がり、混戦しているステージに釘付けとなっていた。
めちゃくちゃになっているヒーローショー。
火野の打開策と言えど止めるべきかどうか裏方の生徒達も迷っている最中、立て続けに事件は起きた。
峰田の重心で摩天楼の建物は大きく揺れ始め、徐々にそれは観客席の方へと傾き出したのだった。
「ケロッ!?」
「うわあっ!?」
ビルが傾き、蛙吹と峰田は投げ出されてしまい舞台の床へと落下する。吊るされていた八百万もビルと一緒に傾き出した。
「おぉ!?ビルが落ちる!!」
「離れねえと下敷きになるぞ!!」
「いや待て!これ倒れたら観客が下敷きに!!」
爆豪と戦っていた4人も気付き、瀬呂、砂藤が声を上げ避難しようとするが、切島の言う通り、このまま倒れたら観客達が下敷きになってしまう。
「っ!緑谷!!」
「…あっ」
珍しく常闇が叫ぶ。その目線の方角には観客のプレッシャーで腰を抜かしたのか緑谷が模型のビルの真下にいた。
常闇の呼び掛けに我に帰ったのか倒れてくるビルの存在に気付く。
このままだと大惨事になると舞台裏にいた生徒達も駆け出そうとそう思った直後、真っ先に動いた者がいた。
それは爆豪だった。
「ッ!!!!」
爆豪は爆速で移動して倒れてくるビルを片手で押さえた。
傾きが止まり、八百万も上で宙ぶらりんとなっており、
生徒達、アシスタントの作業員等はホッと安心の息を吐く。
固まっていた緑谷もあたふたとしているとそれを見て苛立ったのか爆豪は緑谷に向かって口を開いた。
「おいこらデクてめぇ…!ミスった挙句に腰抜かしてんじゃねーよクソがぁ…!!!」
「何!?爆殺卿がヒーロー助けた!?」
「どゆこと!?」
頂点に達した怒りを緑谷にぶつけていると、観客達はその爆豪の行動に困惑して声を上げる。
そして緑谷は混乱しているのか小声混じりの台詞を喋り出した。
「(せ、台詞!台詞!)えと…!
「あ〝ぁ!!?」
急な台詞をしどろもどろで言い出した緑谷に訳わからず爆豪は怒号する。
だが、それを聞いた観客達はざわざわと騒ぎ始めていた。
「え……、
「と、父さん〜〜〜!!?」
「『父さん、悪事を働くのはまずい』…って言ったよな!?」
「じゃあ何か!?爆殺卿はあのヘタレの親父で爆殺卿が悪さをしていたのはヘタレな
「もしかして会社が潰れたのも爆殺卿の計算の内だったって事か!!」
「おいおいどこまで心揺さぶる気だよー!!」
勝手な思考と妄想で観客達は一気に盛り上がって歓声の声がこの会場を轟かしている。
大人達もそうだが、子供等もド派手なアクションシーンを見て興奮していた。
「な、何だこりゃあ…!?」
「めっちゃウケてんじゃね…?」
「なんか完全に俺等浮いてるぜこの状況…」
「予想外…」
爆豪と緑谷から場違いと思ったのか舞台の端っこに離れていた切島、瀬呂、砂藤、常闇の順でそう言っていると、いつの間にか舞台裏にいた芦戸、蛙吹が麗日と共に「こっちに戻って」と口パクで伝えていた。
4人は頷くと観客達に悟られない様にそそくさと舞台裏に移動する。
その途中で転がっている峰田を瀬呂は無言で拾い上げていた。
「おいおいコレどえらい事になってねーか!?」
「うん!私も驚いた!でも火野が何とかしてくれるみたい!とりあえず切島達は待機してて!」
裏方に戻ってきてそうそう切島がそう言うと、先に戻って聞いたのか芦戸はどこか落ち着いた様子で4人に話すと、首を傾げながらも切島達は了承していた。
そして、勘違いで盛り上がっている観客達。「次どうなるの?」「全然展開が読めない」などとざわざわ騒ぎ始める。
そんな中、爆豪も多少は冷静になったのか観客達を見て小さく悪態を吐いて口を開いた。
「(はぁ〜〜?んだよコレ……!)クソが…!」
爆豪は嫌そうな顔になりながらも辺りの状況を把握すると、目を泳がせながら続けて口を動かした。
「……少しは成長しやがれや…!馬鹿
「え……?か、かっちゃ」
「
「ひぃ…!!?と、父さん…!!」
生徒達誰しもが思わなかった爆豪の発言。目の前にいる緑谷が1番驚いており名を呼ぼうとすると爆豪はなるべく聞こえない様な声で緑谷を睨み付け、無理矢理アドリブを言わせていた。その状況で…。
「「「「「うおおおお!爆殺卿ーーー!!!!」」」」」
観客達は爆豪のアドリブを聞いて大いに盛り上がり歓声の声が上がる。
「いや…客の深読み凄すぎない……?」
音響の小さいスタジオからも耳郎は手を止めショーの騒動を見ていたのかそう呟いて脂汗を流す。
すると、無線でその部屋に取り付けられた小型のスピーカーから機動の声が聞こえてくる。
ジッ…『耳郎さん!聞こえるね?』
「え、あっ、はい!何ですかっ?」
若干ノイズが走るがその声はしっかりと聴き取れるのか耳郎はすぐに返事をする。
ジッ…『予備の
「えっ?予備の…、わ、分かりました!」
機動の声に戸惑う耳郎だが、返事をしてすぐに対応し、爆豪が登場した時に流したBGMとは違うBGMのボタンを押して音楽を流し始めた。
「えっ?何だこのBGM…?」
「何何!?今度は何だ!?」
「俺ここで終わりかと思ってたんだけど…!?」
突然流れ始める不穏なBGMに観客達は戸惑い始める。舞台にいた緑谷、そして傾いたビルを立て直しながら爆豪もその音楽に警戒し、戸惑っていた。
すると、舞台の端から待機していたナレーション役の芦戸が現れ、マイクを持って司会を始めだした。
『
「…よし。行けっ、火野」
「俺もそれなりに出してやんぜ!!」
芦戸のナレーションに更に困惑する観客達。それと同時にその
そして、その演出の中から…火野が登場するのだが、思わぬ格好をした姿で舞台に現れたのだった。
その姿を見た瞬間、観客達は目を見開いて一斉に声を上げた。
「「「「お、お、
なんとその派手な演出から現れたのは国王役だった格好をした火野だったのだ。
ゆっくりと爆豪と緑谷がいる中央へと歩み寄る中、緑谷、爆豪も驚き口を開いた。
「え…!?お、王…!様…!?」
「あ”ぁ……?ちげぇ…、お前……
爆豪はいち早く火野の顔を見て気付く。緑谷も確認すると、火野の姿だがその顔付きはアンクが憑依した時の姿、〝火野アンク〟がその場に現れていた。
「…おい映司。さっきの約束忘れんなよ?」
「(あぁ、だけどお前もしっかりやれよ?俺が台詞を伝えるからアンクは演技でそれっぽく合わせて!)」
「…フン」
アンクは火野の言葉に鼻を鳴らして俯くと、軽く咳払いしながらバッと両手を広げる。そしてアンクを知る生徒達がこの先見ることのないだろうアンクの演技を目の当たりにした。
「フッフッフッ…!ハハハハハ!!!爆殺卿!!貴様にチャンスを与えてやったと言うのに見事にしくじったな!!おかげで計画が台無しだ!!」
「えぇっ!?」
「はぁっ!?どう言う事だ!?」
火野アンクの高らかな笑いにビビるA組達だが、構う事なく火野アンクは悪者になりきり爆豪に(火野から言われながら)台詞を喋る。
当の爆豪と緑谷も突然の登場と台詞に困惑しているのだが、火野アンクは続けて台詞を言い出した。
「俺はある国の優しき国王エイジ!だが…本当の顔は悪の組織の頂点に君臨する…〝アンク大魔王〟だ!!」
「「「「予想外の展開キターーーー!!?」」」」
高らかに宣言する火野アンクに観客達は目が飛び出る程驚き声が重なる。
「おいおいおいおい!これ誰も予想できねえって!!」
「あのモモ姫のお父さんが悪者!?」
「マジでここ最近で一番びっくりなんだけど!?」
「おい見ろよ!モモ姫の表情!本当に何が起きたか分かんねえ顔してるぞ!」
「迫真の演技だ…!!むしろ逆に可愛い!」
一人一人が声を上げて言ってる最中、1人の観客が
未だに宙ぶらりんになっている八百万を指差してそう言う。
彼女、八百万は爆豪が暴れ出した時点で本当に何が起きているのか分からず最初は困惑していたが現時点では抜け殻の様に固まっていた。
そして、火野アンクは一旦区切りを入れて再び悪役っぽく台詞を言い始めた。
「何れはあの忌々しい我が娘を殺す予定だった…!そこで都合良く現れてくれたのが貴様だ爆殺卿!貴様を利用して今日この日!あのモモを殺せると俺は考え、貴様に部下を送ってやった!…だが!何だそのくだらない茶番劇は…!?おかげでこの騒動に部下も逃げ出してしまった!!」
「……ハッ!成る程そう言う事かぁ…!!…で、テメェは我慢出来ずにのこのこやって来て直接あの女を殺すっつー寸法かよ?」
才能マンたる爆豪は状況を理解してそれっぽい台詞を言いながら両手を広げて構える。
「フン!この俺様が直々に手を下してやるんだ!貴様等を含め!街、そして会場の全員諸共葬り去ってくれる!!!」
火野アンクはアンクの腕となった右腕の肘を曲げて上へと向けるとその腕から炎が出て燃え上がる。
それが
『真のラスボス!アンク大魔王が爆殺卿、デクの前に立ちはだかる!!モモ姫をたぶらかした悪の根源をここでやっつけてモモ姫の国!そしてこの会場を守る為に親子の絆が試される!!!
皆んなで爆殺卿とデクを応援しよう!!せーの!!』
「「「「「頑張れーーーーー!!!!」」」」」
「爆殺卿ー!!デクーー!!」
「倒してくれー!モモ姫があぶねーー!!」
「うぉおお!そんな奴倒せー!!」
「今まで王として人を騙し続けた奴だろ!絶対倒せー!!!」
「今こそ親子の絆見せてやれーー!!」
芦戸の掛け声に呼応するかの様に観客達は精一杯応援する。すると爆豪はニヤリと笑うと両手から爆破を出して悪人の言うアドリブを口にした。
「ハッハー!いいぜ魔王!!この俺がギタギタに捻じ伏せてやんよ…!お前には色々と苛ついていたからなぁ!!」
爆豪は今にも飛び掛かろうと戦闘体制に入っていると、緑谷も覚悟を決めたのかゆっくりと立ち上がった。
「(僕のせいで皆んなに迷惑が掛かってる…!きっとかっちゃんもかっちゃんなりにカバーをしてくれたんだろう…!ここで良い所を見せないとヒーローショーが本当に台無しになる…!立て…!緑谷出久!!最高のショーに!笑顔で終われるヒーローショーに!するんだ!!)うぉおおおおおおああああっ!!!!」
緑谷は心の中でそう思うと雄叫びを上げ、両手で頬を思い切り叩く。気合いを入れると爆豪の隣に立ち、グッと拳を構えファイティングポーズを取った。
「おぉ!?緑谷覚醒したか!?」
「土壇場でプレッシャーを見事に打ち砕いたか!流石だ緑谷君!」
「いいねえ、若いって素晴らしいね!」
「(機動さんも全然若いんとちゃうかな…)」
裏方で見ていた生徒達も緑谷の勇姿に驚き、瀬呂が言うと飯田も手をスナップさせながら喜び、機動はそう言っているが彼女も見た目はかなり若気な顔をしている。それに対して麗日はジト目で機動を見てそう思っていた。
「かっ…!爆殺卿!…いや、父さん!!力を合わせて…一気に勝負をつけよう!」
「…!!ぁああ親に向かって命令すんじゃねぇ!!!いいか!?俺の足をせいぜい引っ張らない程度にサポートしろ!!このクソナード餓鬼!!!」
「う、うん…!!(〝ワン・フォー・オールフルカウル、5%…!!〟)」
緑谷の事が嫌いな爆豪はかなり自分を押し殺したのだろうか唸り声を上げてアドリブをキレ気味に言うと、緑谷は頷き、身体から緑の稲妻がほとばしる。
本気を出して挑まないと返って下手な演技になりかねないと思ったのだろう。するとアンクもニヤリと笑い、両手を広げて声を上げた。
「ハッ!!来い!!!」
「言われなくても行ってやらぁあ!!!!」
「えと…!全力で、お前を倒す!!」
爆豪と緑谷はそう言うと爆豪は爆破の遠心力で上空に飛び出す。緑谷は舞台の床を蹴って火野アンクに向かって突っ込んで行く。
そして両者が接近してくる中、表に出ているアンクに向かって火野はアンクに声を発した。
「(アンク!避けたらダメだからな!)」
「フン!ならお前も覚悟しとけ!緑谷はともかく爆豪は本気だぞ!」
火野の言葉にアンクはそう言って爆豪の方を警戒し、右腕を突き出して防御体制を取る。
そして、爆豪は爆破を加えた回転力で勢いを増して突っ込み、緑谷も右腕を大きく振りかぶり、両者は攻撃を繰り出そうとした。
「〝
「(加減で…当たらない程度に!!)〝5%オリジナル・SMAAASH〟!!!」
ドオオオオオオオオン!!
互いの技が炸裂し、直撃したアンクから爆発が起きる。その衝撃で応援していた観客達もピタリと声が止み、ショーの舞台は煙が立ち昇り見えなくなっていた。
「どうなった!?」など等観客から声が上がる中、煙が徐々に晴れていき、そこに立っていたのは爆豪と緑谷。火野アンクは床に(わざと)横たわっていたのだった。
『し、勝者!!爆殺卿とデクの勝利ーー!!親子の絆で見事、アンク大魔王を打ち倒してくれましたー!!!2人共!ありがとー!!!』
「「「「「わぁああああああ!!!」」」」」
芦戸は高らかに勝利宣言をすると観客達から歓声の声が上がる。爆豪は拳を突き上げ、緑谷も照れ臭そうにほくそ笑みながらも、倒れている火野アンクを心配そうに見つめていた。
「…おい映司、予想以上に痛いぞ……。礼のアイスもっと追加しろ」
「(あはは…、分かったよ)」
倒れていた火野アンク、表に出ているアンクは
爆豪の技を受け止めた右腕が煙が昇って痛みでビリビリと痺れているのか火野にそう言うと、火野は苦笑しながら頷いていた。
『さあ!今一度活躍した2人に大きな拍手をお願いしまーす!!!』
ナレーションの芦戸がそう言うと観客達は大いに拍手を送り、見事?ヒーローショーは無事終了となったのだった。
ー ヒーローショーの裏方 ー
機動「尾白君!それ運んで!」
尾白「はい!」
機動「切島君はその模型を一番端に!急いでね!」
切島「うす!!」
上鳴「場面切り替えって結構バタバタすんなー!」
ヒーローショーが始まった冒頭シーンで蛙吹が幕を降ろしている間にアシスト組は場面切り替えの準備を取り替かっていたが、予想外にも忙しく、まだ出番ではない人の力を借りて大慌てで作業に勤しんでいた。
火野「よいしょ…!!結構大変だな…!」
アンク「ちっ…!何で俺まで…!!」
火野「人手不足なんだからしょうがないだろ?…あ、そうだ!」
アンクがボヤくと火野は何か閃いたのかオーズドライバーを取り出して腰に宛い装着する。
アンク「おい待て映司。何してる?」
火野「え?オーズに変身すれば楽にできるだろ?
…そうだ!あれは!?ガタガタ!ガタキリバ!アンク!ガタキリバのメダル貸して!」
アンク「あぁ!?巫山戯んな!何で戦闘でもないのにオーズの力を使わなきゃなんねーんだ!」
火野「その方が効率が良いだろ!?あのコンボ意思疎通できるし!」
アンク「お断りだ!使った矢先にお前ぶっ倒れるが落ちだろ!」
火野「いいだろ別に!その時はアンクが動けば問題ないって!」
アンク「人を使うのも大概にしろ!前言撤回だ!やっぱりお前はただの大馬鹿野郎だ!」
火野「んな!?そこまで言わなくていいだろ!?」
機動「コラそこ!!喋らずに手を動かすね!!」
火野「あぁ!すいません!」
アンク「ちっ!何で俺まで…!!!」
No.57 忍び寄るピエロ
更に向こうへ!Puls Ultra!!