いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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反省とお食事と謎の美少女




久々の高評価ありがとうございます!!うれひー!!


No.57 蠢めくピエロ

 

「つーわけでお疲れ。…と言いたいところだが、まあ見事に企画していたショーとかけ離れた終わり方をしたもんだなお前等」

 

ヒーローショーが終わり、観客達がテーマパークへと戻っている最中、舞台の幕を閉じて片付けに勤しんでいると、相澤が生徒達の前へと立ち労いを掛けてきた…と思っていたが、その表情は強張り生徒達に緊張が走る。

 

「まず緑谷、何だあの演技は?主人公の役を背負ってんだからその責務を真っ当しろ。ヒーローでも要救助者を助ける為の仕事、人様の注目を浴びるのも当たり前なんだ。下手な真似は金輪際するな」

 

「す、すみません……」

 

「次に爆豪。また餓鬼みたいな真似しやがって…、緑谷に対してのその態度はどうにかならないのか?お前もヒーローを志す人間なら小さい事で癇癪起こすな。周りに迷惑が掛かる」

 

「わぁーってるよ…」

 

騒動の発端となった緑谷、爆豪が指摘され2人は反省したのか俯く。

 

「そして最後、一番迷惑をかけた峰田。お前のその馬鹿みたいな卑猥な考えのおかげで危うく観客の人達に危険を犯す所だった。爆豪が抑えたからよかったものの、もしあの建物が倒れて市民が怪我でもしたらどうするつもりだったんだ?おい?」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

「相澤先生、私も気付いてたのに直ぐに止めなかった責任もあるわ…。」

 

2人に比べて一層怖い顔をして相澤は峰田に圧を掛けながら指摘すると、峰田は完全に縮こまり謝っていた。

すると、蛙吹が自ら挙手をして反省していると暗い雰囲気を見せる生徒達を見兼ねたのか機動が相澤に口を動かした。

 

「まあ先生、大目に見ましょうよね。結果的にはかなりお客様達は高評価でしたし子供達もよくやったね。あんな事が起きて咄嗟にアドリブを考えるなんて大人達でも早々出来る事じゃないよ本当ね」

 

機動の言葉に相澤は深く溜息を吐くと指摘した3人を含め、皆に向かって口を動かす。

 

「幸い、火野と他の生徒達で事は大事にならずに済んだ。爆豪と緑谷も咄嗟に言動したアドリブとその起点は良しとする。だが今後そんな真似をしてみろ。一切の躊躇なく除籍処分とする。お前達はヒーローを目指す雄英の生徒何だからこれを機に必ず反省してその過ちを二度と繰り返すな…いいな?」

 

 

「「「「「「「はい!!」」」」」」」

 

 

なんだかんだでこの相澤は生徒達を想ってくれているのだろう。相澤の言葉を重々と聞き入れ生徒達は大きく返事をしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぁあ…!!終わったーー!」

 

 

舞台の後片付けも終わり、更衣室を借りて私服へと着替えた解散したA組一向は一旦会場から離れてテーマパークエリアに訪れていた。

時刻は午後の12時を過ぎた頃、切島は大きく背伸びをしてその解放感を味わっていた。

 

「ヒーローショーもなんやかんやで無事終わった事だし!」

 

「意外と高評価だったねー!」

 

「私、後半から何も出来ずにいましたわ…不甲斐無いです…」

 

「宙ぶらりんだったからね、仕方ないよ」

 

上鳴がそう言うと葉隠が手を振っているのか袖がブンブンと動かしながら口を開いていると、申し訳なさそうに八百万は反省している。だがあの状況は仕方ないと耳郎が慰めていると、芦戸がプルプルと震えながら口を動かした。

 

「皆んな、ただ()()()()だけじゃないでしょ…?」

 

芦戸が珍しく低い声でそう言うと騒いでいた生徒達はピタリと止まり俯く。

そして、芦戸勢いよくは飛び上がると同時に声を上げた。

 

「午後からは自由行動だあーーーー!!!」

 

 

「「「「「イエーーーーイ!!!」」」」」

 

 

芦戸に続いて基本的に明るいグループが一緒に飛び上がって喜んでいた。

 

「入場料と乗り放題付きで実質タダだもんな!ここで遊ばないと勿体無いってな訳よ!」

 

「アトラクション!スイーツコーナー!デザート!!」

 

「食べて遊びまくるぞー!!」

 

上鳴に続き、麗日、葉隠がそう言うと飯田が腕を振り下ろし、口を開いた。

 

「静粛に!!自由行動とは言っても俺達は雄英生!そして相澤先生が言ってた様に羽目を外し過ぎない程度と言われた筈だぞ!」

 

「おいおいおい…、解散しても尚委員長気取りか?」

 

飯田の言葉に峰田が険しい顔でズンズンと近寄るとテーマパークに指を指して口を開いた。

 

「授業の一環としてヒーローショーはこなしたが終わって解放された今!オイラ達は実質お客様、神様なんだよ!プライベートまで茶々入れられてちゃあ良くないんだよなぁ!?こういう縛りプレイは好まない主義なんだよぉ!」

 

「お前ヒーローショーで一番迷惑掛けた人間だよな」

 

「唯我独尊…」

 

縛られたくないのか峰田は強張った顔でそう言うと瀬呂、常闇が隣で呟く。すると、峰田は勢いよく2人に振り返り指を指した。

 

「こちとらそんな事くらい分かってんだよ!緑谷と爆豪以上に反省文を書かされなきゃならねぇ始末押し付けられた!だけどなぁ!!今は釈放された身!!こんな美味しい報酬貰っといて遊ばねぇでいつ遊ぶんだよぉ!!オイラも1人の人間としてフリーダムが欲しいんだ!!」

 

「釈放て…」

 

「アイツの中で何かが解かれたみたいだな…」

 

声のトーンが高くなり舞い上がる峰田に瀬呂、砂藤が可哀想な目をしてそう言っている。

相澤に叱られその発端となった3人には反省文を提出しろとの罰が下された。緑谷、爆豪は2枚、そして阿呆な計画を立てた峰田は4枚と言い渡され「差別だぁあ!」と嘆いていたのは先程までだった。鬱憤晴らしで遊びたいのだろう。すると、珍しく轟が軽く手を上げ口を開いた。

 

「まあ、峰田の言う事にも一理あんじゃねぇか…?この後は自由行動でいいって先生が言ったんなら、別に迷惑をかけなきゃ問題はねえって事だろ…」

 

「そうだね、普通に遊んでいれば大丈夫だと思うし、飯田君もたまには羽目を外してみたらどうかな?ヒーローショーをやり遂げた自分へのご褒美としてっ」  

 

轟に続いて火野が飯田に微笑みながらそう言う。

 

「…確かに、ここまで頑張って来られたのも全員の力が結束して成し遂げる事が出来たモノ…!よし!今から自由行動として思う存分フューチャーパークを楽しもう!!但し!閉園時間までには必ず退出するぞ!!」

 

ビシッと振り下ろす様に手をスナップさせ飯田は生徒等に声を上げそう言うと生徒達は各々で騒ぎ始めた。

 

「おっしゃ!っつってもハナからそのつもりだったけどなぁ!」

 

テンション上げた上鳴はそう言うと、後ろで芦戸は女性陣達に手招きをして声を掛けた。

 

「やったー!お茶子ちゃん透ちゃん梅雨ちゃん響香ちゃんヤオモモ!早く行こー!お腹空いたー!」

 

「あ、うん!行こ行こ!」

 

「ケロッ、楽しみね」

 

「ウチ等も行こ、ヤオモモ」

 

「はい!(遊園地…よくお父様から聞かされていましたがアトラクションとはどんな物なのでしょう…!楽しみですわ!)」

 

女の子達は和気藹々とそう言ってまずフードコーナーへと移動して行く。

 

「爆豪!飯行こうぜ!勿論遊ぶだろ!?」

 

「はぁ!?誰が遊ぶか!帰ってクソ勉強しなきゃなんねーんだよこっちは!!」

 

「意外と真面目さんだよなお前、まあそう言わずに今日くらいは遊ぼうぜ!俺遊園地なんて小学生以来だからよ!」

 

切島も爆豪を誘うが爆豪はキレながら断ろうとする。だが背後から瀬呂が近寄り爆豪の肩に手を置く。

 

「俺もなのよー。つーわけで爆豪今日くらいは付き合ってもらうぜー?」

 

「今日は羽伸ばそうぜ!そうと決まれば先ずは飯!!肉食うぞ!」

 

「あ!?クソ、テメェ等離しやがれコラァ!!」

 

瀬呂に続いて切島も腕を掴み、爆豪は2人にキレながら無理矢理連れられ移動して行った。

 

「おい上鳴!オイラ達も行くぞ!女の子達が待ってるぜ!」

 

「それな!でも流石に腹減ったから飯食った後な!」

 

峰田もある意味同じ仲間の上鳴を誘いその場を後にする。

その後に障子、尾白、砂藤とその場から離れて残ったのは飯田、常闇、緑谷、轟、そして火野の5人となった。

 

「飯田君、僕達もご飯食べに行かない?」

 

「うむ!そうだな!常闇君も一緒に来ないか?」

 

「フッ、良いだろう。だが俺はアップルパイを味わってみたい…。」

 

緑谷が飯田を誘うと飯田は隣にいた常闇を誘う。

常闇も賛同するが珍しく食べたい物をリクエストすると緑谷が「あぁ!」と思い出したかの様に声を出して口を開いた。

 

「ネットで見たけどスイーツコーナーで限定数十個のアップルパイ!見た目もそうだけど美味しさもかなり高評価で僕も気になってたんだ!」

 

「ほう、それは興味深いな!限定なら早めに行かねば売り切れるかもしれん!早急に行こう!」

 

「うん!…あ、火野君と轟君もよかったらどう?」

 

飯田も食べてみたいのか頷くと、残りの2人に緑谷が声を掛けるが、火野は軽く手を上げ口を動かした。

 

「あー、ごめん。俺はいいよ。轟君と蕎麦食べる約束してたし」

 

「あぁ…俺も大丈夫だ…」

 

火野が断ると轟も小さく頷く。

 

「そうか、それなら仕方ないな。ならば緑谷君、常闇君!3人でアップルパイを堪能しよう!」

 

「あぁ」

 

「うん、分かった!じゃあ火野君轟君!また後でね!」

 

緑谷はそう言って3人もその場から離れて行った。

残る2人となったこの場で火野が「よし」と呟くと轟に話し掛ける。

 

「俺達も行こっか」

 

「あぁ、そうだな」

 

「(おい映司、約束忘れんなよ)」

 

「分かった分かった。蕎麦食べ終わってからな」

 

2人も移動しようとすると火野の中のアンクが強請り、火野は軽くあしらいながらそう言って移動したのだった。

そして、その様子を陰から見ていた水操もまた、スマホを耳に当て小声で喋り出す。

 

「兄貴、例の餓鬼共が移動しましたぜ」

 

『そうか…、なら決行の準備だな。お前も手伝え水操』

 

「へい!」

 

転個から指示をもらうと水操は頷き電話を切る。

そして2人の後を気付かれない様に動いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

午後の時間。フードコーナーに訪れたA組生徒達はそれぞれの食べたい場所へと趣き、フューチャーパークの食事を堪能していた。その中で、火野と轟は飲食店のテーブルの椅子に座っており、やっと注文したざる蕎麦が持って来られ、2人はご馳走にありつけていたのだった。

 

「……うんま!!めっちゃ美味しいよこれ!」

 

「あぁ…コシが効いてるな」

 

一啜りした火野はその味と蕎麦のもちもちとしたコシがたまらず美味しさを口に出して表現する。

一方で轟も余程美味しかったのか普段見せない綻びる様な笑みを見せ評価していた。フューチャーパークのフードコーナーもかなりの大手飲食店が協力しているお陰か品揃えも多く目移りしていた。そしてその客もまた多く、火野達が到着した頃にはほぼ満員で注文が殺到している程だった。

 

「にしても、凄い客だなぁ」

 

「最近出来たばかりの最先端技術で出来た遊園地何だろ?飯も美味いし当然だと思うぞ…」

 

「そだね、見た感じ家族連れが多いみたいだし」

 

「……そうだな」

 

食べながら満員の客席を見渡す火野はそう言うと轟も一旦箸を止めて口を動かす。

火野が子連れのお客を見ながら言うと轟は何処か寂しげな表情をして頷いていた。

 

「…やっぱ火野はすげぇな…」

 

「ふぉ?」

 

ふと、轟がポツリと呟く。突然の褒め言葉に火野は蕎麦を含みながら返事をしてしまう。

 

「ヒーローショー…緑谷達のミスを最速でカバーしてたろ…、機動さんも早々出来るもんじゃないって言ってたし観客達も喜んでた…。お前はすげぇよ火野…」

 

「…ううん、そんな事ないよ。あれは偶々咄嗟の思い付きだったし、一か八かの賭けに出たからとてもヒーローとして正しい判断じゃないよ…。けど、ヒーローショーが成功したのは皆んなの力あってこそだと思う。轟君のアシストだって凄いよかったよっ。あれだけ臨機応変に動けるんだから大した物だよ」

 

「そうか…?ありがとう…。だけど、お前だってオーズになれば十分なアシスト出来たんじゃねえか…?USJの時の……えと…確か……ガタガタって奴」

 

素直にお礼を言う轟だが、名前が出てこないのかコンボソングの冒頭部分をレクチャーする轟に火野は「あぁ」と理解して口を開いた。

 

「ガタキリバの事?確かにそうだけど、でもあれ他のコンボと違って使ったら物凄く疲れるんだよなぁ。」

 

「最高で50体…だったか?まああれだけ分身すればそうなるのか…。」

 

「うん、力の代償ってヤツ」

 

火野はそう言い終わるとそこで会話は止まり2人は黙々とざる蕎麦を啜り始める。

すると、火野の中からアンクが突然出て来て目の前にあるざる蕎麦を豪快に掴むとつゆに雑に漬け込み頬張る。数回噛んで飲み込むと火野アンクは少し驚いた顔でざる蕎麦を見ながら口を開いた。

 

「…まあまあだな」

 

だが、そう言った瞬間。そのつゆをなんとグイッと飲み干したのだった。

 

「…!ぶぁっ!!?げっほ!!ア、アンク!何でつゆを飲むんだよ!?」

「(おい!まだ食べてる途中だろが!俺にも食べさせろ!!)」

「俺が食べたいんだよざる蕎麦は!お前後でアイス食べるだろ!!あー勿体ない…!」  

 

予想外の行動に火野は慌てて表に出てつゆの濃い味が喉にきたのか咳をして咽出す。

火野が美味しそうに食べてるのが気になったのだろう。

無くなったつゆのお椀を見て落ち込んでいると轟は火野の中にいるアンクに向かって口を開いた。

 

「…アンク、蕎麦のつゆは飲み物じゃねえぞ…。さっきみてぇに蕎麦を付けて啜って同時に味わうモノだ…。」

 

「(フン!なら最初からそう言え!)」

 

「…最初からそう言えって、責めて一言言ってから食べろよな…、あぁ〜…。ごめん轟君、ちょっとつゆ貰ってくるね」

 

「俺の半分やろうか?」

 

「いやいやいいよ!流石に悪いしっ。ちょっと行ってくる」

 

火野はそう言って席を離れると1人になった轟は少し見送ると、そのままざる蕎麦を啜って食べていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

 

「あー美味しかった!」

 

「あぁ…また食べに来てぇな」

 

 

ざる蕎麦を食べ終え店の外に出ると第一声に火野は満たされた満腹感で幸せそうに言うと、轟もよかったのかそう言ってスマホの食べログでざる蕎麦について評価していた。

 

「(おい!映司!さっさと行くぞ!)」

 

「うるさいなぁ、言われなくても行くってば!」

 

「…相当我慢してるのか…?なら早いとこ行こうぜ火野…」

 

急かすアンクにキレながら答える火野、それを見た轟はアイスが売られている店へと行こうとする。

 

「モシモシモーシ?そこの若いお二方っ!」

 

すると、背後から急に声を掛けられ2人は振り返ると赤と黄色のカラーをしたピエロが立っていた。奇抜この遊園地の仕事をしていてその関係か何かで声を掛けたのだろうかと火野は思っているとピエロは独特な喋り方で話しかけてきた。

 

「ヒーローショーで来てくれたユウエイのお2人デスヨネ!僕ちんとってもシビレましたー!感動感謝ですよ!!ブラーボー!」

 

「は、はぁ」

 

「えと、ありがとうございます…」

 

その喋り方とくねくねと動く仕草をするピエロに火野と轟は脂汗を流しながら頷くとピエロは片手に持っていた大量のカラフルな風船を二つ、差し出した。

 

「これは僕ちんから細やかなプレゼントでーす!この後はアトラクションで遊びマスデスヨネー!?楽しんで行ってくださーい!」

 

「風船だっ、ありがとうございますっ」

 

一つずつ貰い、火野はお礼を言って轟は無言で会釈しながら受け取りふわふわと浮かぶ風船を眺めていた。

 

「デハ!僕ちんはこれで!シーユー!!」

 

風船を渡した途端ピエロはそう言って颯爽にその場から立ち去って行く。

 

「…俺あまり来たことないからわかんねぇんだけど、遊園地ってこういうの渡すのが仕事なのか…?」

 

「さ、さぁ…?まあでも良かったじゃん。タダで貰えたんだし」

 

轟は風船を見ながら首を傾げそう言うと火野は苦笑しながらも貰い物は貰い物なので素直に喜ぶ。

 

 

「(おい!風船なんかどうだっていいだろ!アイスだ!)」

「はいはい…、行こうか轟君」

 

「あぁ、アイス何があるんだろな…」

 

急かされるアンクに火野は渋々了承して轟と共に2人は風船を手に持ちデザートコーナーへと移動したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

「のああ!!全然相手にもされてくんねーじゃねえかよお!!!」

 

時刻は午後14時半頃、昼ご飯を食べ終えたA組、観客達はメインとなるテーマパークを遊んでおり、ゴンドラやジェットコースターなどがフルで起動しておりフューチャーパーク内は洒落たBGMと観客達の楽しそうな声により賑わっていた。

そんな中、敷地内の道の脇にあるベンチで峰田は土足で立ち上がり突然発狂していた。

 

「早めに飯切り上げて来たけど、結構カップルとかばかりだもんな〜、よくよく考えたらこんなとこに女の子一人で遊びに来るもんじゃなくね?」

 

「上鳴!女子は友達と来る奴等だっていんだよ!…でも相手にもされねぇ…!!

うあぁ!オイラだってイチャイチャして遊びたい!ハーレムで遊園地を堪能したいんだよぉ!!」

 

「とりあえず落ち着けよ」

 

峰田と行動していた上鳴は疲れたのか自販機で買ったジュースを飲みながらそう言うと猛烈に息が荒くなる峰田が声を上げており、他の人達の視線を買ってしまった為、冷静に上鳴は峰田を落ち着かせる。

 

「まあとりあえず野郎だけでもアトラクション乗らね?せっかくの無料の入場料が勿体無いしさ」

 

「上鳴…オイラお前と友達でよかったぞ…!!だが本音は男じゃなくて女の子と乗りたいんだよぉ!!」

 

「余計な一言がなけりゃマシな方なのに…」

 

上鳴はそう言って苦笑して飲み干したペットボトルを近くに置いてあったゴミ箱に捨てる。

すると、その捨てた拍子に奥の方からこちらにやってくる女の子に目線が行く。

 

「あらら!中々可愛い子いんじゃん!」

 

「どこだぁ!?……ん?変な格好してねーかあの女子」

 

遠くからだがその可愛らしい顔はハッキリと分かる上鳴は声を上げると峰田が食い付いて女の子を見る。だが、峰田の言う通り、()()()()()()()()()()()()()()()()()()の格好をしていた。

サイズが合ってない様なダボっとした服でこれまたサイズが合っていない()()なのか少し斜めっている。女の子は2人に気付いていない様で、辺りをキョロキョロと見渡しながら何か思ったのか急に走り出そうとする。

 

 

コテッ…

 

 

のだが、何故か急に躓き転けたのだ。

 

 

「転けた!?」

 

「これはチャンスだ上鳴!助けてあわよくば最高のお礼をしてもらおうぜ!!」

 

その動作に驚く上鳴だが、卑猥な考えは変わらず峰田はそう言って駆け出す。上鳴も後を追いかける様に走り出し、その転けた女の子へと近寄り声を掛けた。

 

「御嬢さん、お怪我はありませんか?☆」

 

「失礼、余りに君が可愛らしい顔をしていたから、見惚れてしまい助けるのが遅れてしまった☆」

 

言ってしまえば気持ち悪い顔をしながら2人は声を掛ける。女性にナンパする際、この様な感じで話しかけられたらそれは誰も寄ってこないであろうその表情に、転けた女の子は傾いてた眼鏡を元に戻すと、2人の顔を見て何故か笑顔になり口を開いた。

 

 

 

 

()()()()()()()()よかった!君達は無事なんだな!?」

 

 

 

「「エ?」」

 

 

突然、2人を知ってる様な言い方をする女の子にキョトンとした顔で上鳴と峰田は声を漏らす。

 

 

「ど、ドナタデスカ…?」

 

「いや待て上鳴!オイラ達は体育祭やヒーローショーで活躍した身だ!名前を覚えられる程有名になったんだきっと!」

 

名前を知られている目の前の女の子に急に片言の言語で会話しようとする上鳴だが、峰田はそう言うと何故か鼻血を出しながら女の子に手を差し伸べた。

 

「ホラ、大丈夫かい?転んでしまっては綺麗なお身体に傷がついちまうぜ?」

 

「あ、ありがとう。だが心配は無用だ!元より俺の〝個性〟エンジンで毎日走っているからな!鍛えてあるこの身体なんの影響もないぞ!」

 

 

「「エェ?」」

 

再度峰田が声を掛けると女の子はよろよろと()()()()()()で立ち上がり平気そうな表情をしている。だが、その立ち上がる際に言った言葉に2人は疑問と困惑が頭の中に広がっていた。

 

先程から男性の様な物言いに、〝エンジン〟と言うキーワード。そして、午後の別れ際の時に見たある眼鏡をかけた生徒と同じ服装。

 

 

「…ま、まさか!何処かの委員長じゃあるまいし」

 

上鳴は困惑する頭の中を掻き消そうと上の空でそう言うと立っている女の子は不思議そうな顔をしてこう言ったのだった。

 

 

 

 

 

「何を言っている!俺は雄英高校1年A組クラスの委員長!〝飯田天哉〟だぞ!?」

 

 

「「は、ハァアアアアアア!!!!???」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

「兄貴!殆どの生徒達に風船配り終えましたぜ!」

 

「ピエロだっ!!」

 

人気のないテーマパークの橋っこ側、水操は集合場所に掛け着くとピエロの転個がおり、元気よく状況を伝えると早々に怒られ「すいません!」と謝り、申し訳なさそうに続けて口を開いた。

 

「で、ですが…男子生徒の2人の餓鬼はまだ渡せていやせん…」

 

「は?何してんだよ!午後の飯時ならあのエリアに集まっている時間帯に渡せって言ったろ!?」

 

「く、隈無く探したんですけど!何せ人が多いもんですから、中々発見出来ないと言いますか…!」

 

「言い訳すんな!…ちっ、まあいい。他の餓鬼共には風船配ったからヨシとするか…。」

 

水操の言い訳に怒る転個だが、他の生徒達には風船を渡したのかすんなりと落ち着いてそう言っていた。

 

「へっへ、今頃驚いてわんわんと泣き喚いているのでしょーね!」

 

「あぁ…そうだな…。俺の〝個性〟は人生を狂わす自分でもびっくりな〝個性〟だからな…!ひっひ…!()()()()()()()()()したらそりゃあ、もう今までの生活なんて出来るものか…!」

 

喜ぶ水操に転個はニヤリと不気味な笑みを浮かべ自分の手からピンクの色をした煙が微量に立ち昇り、そう言っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

性半転個(せいはんてんこ) 

 

個性『リバーシブル』

 

身体から出る桃色の煙を相手に浴びせる事で

その相手の性別を反転させる!!個性も反転する!

因みに自身には効果がないぞ!!

 

 




ー 緑谷、飯田、常闇 ー

解散した生徒達。その一方、緑谷達は……



緑谷「あむ……んん!美味しいよこのアップルパイ!」

飯田「外はサクサクとした食感に中はふんわりと林檎の風味が広がって美味いな!!」

常闇「美味……」

食事を後にした緑谷達は真っ先に限定アップルパイが売られている飲食店へと向かい、列に待つ事数十分、ようやくお目当てのアップルパイが食べられ、3人は幸せそうな笑みを浮かべていた。

緑谷「でもよかった〜…、僕達が最後のアップルパイだったんだね…」

飯田「あぁ!並んで待った甲斐がある程の食べ物だなこれは!…しかし、常闇君がアップルパイ好きだったとは驚いたな」

常闇「好物は林檎…、それを使った食べ物ならば、何れも問題ない。だがこのアップルパイは格別だ。滑らかな舌触りに濃厚な林檎の味が空腹を満たされていく…。フッ、喜色満面だな」

緑谷「珍しく喋り方が流暢だ…」ボソッ

飯田「うむ!そうだな!…しかし、これだけではお腹は満たされないだろう?デザートを先に食べてしまったが、2人は他に食べたい物はあるのかい?」

緑谷「あ、僕は何でもいいよっ。常闇君は?」

常闇「俺も何でも良いが…そうだな…強いて言うなれば、林檎を使った料理が良い」

飯田「林檎…、それならばカレーはどうだろう!」

緑谷「あ、うん!いいね!カレー!」

飯田「カレーと言えばビーフカレーも捨て難いな!」

緑谷「うわあ、良いね!あ、シーフードカレーとかも良いかも…」

常闇「…ならこの後はカレーで決まりだな」

飯田「よし!ならば早めにアップルパイを食べてカレーを食べに行くぞ!!」

緑谷「い、飯田君…流石にアップルパイは味わって食べたい…かな」

常闇「同意だ」


No.58 性別反転!?個性も反転!?

更に向こうへ!Plus Ultra!!
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