いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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他のメンバーと情報と緊急事態


No.59 やったれ反転生徒

 

ヒーローショーを終えたA組生徒達はせっかくの休日を残りの時間、フューチャーパークで遊ぶ事となった。だが、突如現れたピエロの風船により、生徒達は性別が入れ替わり〝個性〟も反転してしまった。救けを呼ぶ者も入れば、元凶であるピエロを探そうと園内を捜索する者もいた。

果たして、生徒達は無事に元の姿に戻る事が出来るのだろうか…。

 

 

☆★☆

 

 

緑谷達が待機している公衆のトイレ付近から少し離れたエリア。ここはジェットコースターやゴンドラ等迫力満点の乗り物が集うエリアで、そこで緑谷達と同様に性別と〝個性〟を反転させられ、元凶であるピエロを探している生徒達が居た。

 

「クソがぁあっ!!!何処に居やがんだあのクソピエロ!!直ぐに見つけてぶっ殺して血祭りにしてやるぁあ!!」

 

「物騒な事言うなよ爆豪!でも早いとこ見つけねぇとマジでヤベェ事になるなこれ…!」

 

「爆豪、取り敢えずその〝顔〟と〝声〟と〝姿〟で汚い言葉使うの止めよーぜ?」

 

「うっせ黙ってろしょうゆ顔!!あんな風船テメェ等が受け取らなかったらこんな事にはならなかったんだクソが!!つべこべ言わずに探せカス!!こちとらババアの餓鬼の頃みてぇな身なりで気持ち悪いんだよぉ!!!」

 

怒鳴り散らす物騒な女の子。側から見ればそう見えるがその中身はA組の爆豪。女性になったその姿は気性の荒い彼の母親と見た目も中身もそっくりで本人は物凄く気にしてるのか相当嫌がっている。

次にピエロが見つからなかった事を考えたのか焦りを感じる切島は男らしい容姿だった時とは裏腹にムチムチの美肌にワックスで固めてた髪が下りて可愛らしい女の子と声になっている。

そして瀬呂は身長が変わらず高身長の女性の身なりで顔もそのまま女の子にしたまさにモデルと言えるその立ち姿。周りの市民からチラチラと目線が送られて来る程だ。

 

辺りを捜索している中、爆豪はふと子供達に風船を配っているピエロを発見し、物凄い勢いと形相でズカズカと詰め寄り、その顔をグイッとピエロの顔面に接近して声を掛けた。

 

「テメェか!?俺等をこんな姿にしたのは!!?」

 

「ひ!!?な、何ですかお嬢さん!?」

 

「誰がお嬢さんだコラァ!!正直に言えや!!その風船に細工でもしてたんだろ!あぁ!!?」

 

「ひぃぃ!!」

 

ピエロからしたら今の爆豪は怖い女の子。ピエロは恐れを成してビビると瀬呂がピエロの顔を確認し、良く見るとメイクの仕方が違ったのか慌てて切島と一緒に爆豪を引き剥がす。

 

「待て待て爆豪!この人よく見たら違う顔してるだろ!」

 

「この園内にピエロは沢山いるからって一人一人にそんな怖え顔して尋問すんなって!女の子になってもお前怖いから!すんませんこいつちょっと頭おかしくて…!」

 

「テメェから先に血祭りにしてやろうかクソ髪!!」

 

ジタバタと暴れる爆豪を2人は抑えていると従業員であるピエロはそそくさにその場から離れる。

いつもなら意外と冷静な爆豪も女体化して相当嫌なのだろうかその冷静が掻き乱されているようにも見えた。

 

「さっきのでここら辺のピエロはこれで全員じゃね?」

 

「そだな、まだ探してないエリアに移動すっか。…まあしっかし意外とこの遊園地広いなぁ。爆豪、これなら警備員に事情説明して捜索してもらった方がよくねえか?」

 

この辺りのエリアにいたピエロ達を調べ終えたのか瀬呂は口を開くと切島は爆豪にそう言う。

だが爆豪は「ケッ!」と悪態を吐くとキレ気味に口を動かした。

 

「阿呆か!そんな時間あったらクソピエロは逃げ出すに決まってるだろが!他の客共を見る限りこんな姿に変えられたのはどう言う訳か知らねぇが恐らく俺等だけだ。今頃他のA組の連中も同じ被害に合ってるだろぉから奴らもクソピエロを探してる筈だ。こんなみみっちい真似をする野郎なら俺等の姿を見て面白可笑しく観察してるだろよ、ならそう簡単に園内の外から逃げやしねぇ…。だったらそれまでに探して速攻でぶちのめすまでだ!」

 

「成る程…!やっぱお前意外と冷静と分析力兼ねてんな!流石だぜ爆豪!」

 

「当たり前だ!!俺ぁいつでも頗る冷静だわクソが!!」

 

「その性格じゃなかったら完璧なのによー」

 

才能マン故の発言に切島は感心し、爆豪はいつも通りにキレる。それを見ていた瀬呂はボソっと呟いていた。

 

「しかし、まさか〝個性〟も反転するなんてよー。俺只でさえ地味なのにもっと地味になりやがった…」

 

「俺だって自慢の〝テープ〟が()()()()()()テープになったよ。こればかりは勘弁してくれっつーの」

 

切島が自身の腕を見ながらそう言うと瀬呂もテープが射出する肘部分を見て溜息を吐く。

すると、爆豪もソレを聞いたのか彼等に背を向け見えない様にすると、掌を出して〝個性〟を発動させる。

普段はニトロの汗が出て爆発するのだが、発動させた瞬間、掌の上で()が生成されていた。

それを見た爆豪は小さく「ちっ」と舌打ちをしていた。

 

 

 

 

 

切島鋭児郎 (男→女)

 

個性『硬化』→『もち肌化』

 

身体がもっちもちの柔らか肌になる!

触っていると赤ちゃんの肌みたく気持ち良いぞ!

戦闘とかは全く持って皆無だけどな!

 

 

 

瀬呂範太 (男→女)

 

個性『テープ』→『ボジテープ』

 

肘から粘着がないテープ的なものを射出!

まあ粘着がないだけで後は何ら変わりない!

 

 

 

 

爆豪勝己 (男→女)

 

個性『爆破』→『冷氷』

 

手から液体窒素のような汗を出し自在に氷結させる!

動けば動く程大量の汗を流して本領発揮!

だが、使えば使う程身体が冷えて発揮しなくなるぞ!

はっきり言って使い辛れぇえ!

 

 

 

 

「オラ!とっとと行くぞ!」

 

掌の氷をパキンと握り潰し、爆豪はそう言うと先頭を我先にと言わんばかりに歩いて行く。切島と瀬呂も後を続くとふと、瀬呂が切島の身体をジロジロと見ていた為か切島が気になり声を掛けた。

 

「なんだよ人の身体ジロジロ見て…」

 

「いやあ、お前意外と体型が女の子らしいっつーか何というか…発育の賜物じゃね?」

 

「はぁっ!?やめろよ何か気持ち悪りぃ!俺だってマジで好きでこんな身体になったつもりじゃねえぞ!」

 

突然の問題発言に切島はバッと胸を両手で隠して背中を向ける。それを見た瀬呂は苦笑しながら「そんな趣味ねーから安心しろ」と言って揶揄われて怒る切島と共に爆豪について行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

一方で、爆豪達が向かおうとするエリア。

ここは子供達を中心に遊ぶメリーゴーランドやコーヒーカップ。ゆっくり回転する乗り物等が集うエリアで子供は勿論、家族連れのお客が沢山いる場所。

 

「轟君〜!居た?」

 

走って轟がいる場所へ向かう火野。だがその姿は他の生徒同様女の子になっていた火野だった。

癖毛の特徴のある髪は少し伸びて女の子らしい顔付きになり、声も可愛らしい声になっており、普段着ているエスニック風の服装がまたその可愛さを引き立たせる様な姿をした火野は轟に近寄ると声を掛けた。

 

「いや…こっちにはいねぇ。そっちは?」

 

「ううん、こっちもダメ…。あーどこ行ったんだろ〜…」

 

振り向くと首を振る轟に火野は肩を落とす。

対して轟も女の子の姿になっており、髪型は変わっていないが左右に別れた非対称の髪の色が逆になっており、アザのある方は母親譲りの白の色へと変わっていた。その容姿も何処となく可憐で声も女性の低い声となっていて落ち着きのある少女へと見えていた。

2人もエリアを淡々と移動して隈なく捜索しているが同じ格好をしたピエロばかりで肝心のピエロは未だ何処に居るか不明。これだけ敷地が広い園内を探し回るのはかなりの一苦労とも言える。

 

「んん…困ったなぁ、あの風船いきなり割れてこんな姿になるし…。あーせっかくの遊園地が遊べなくなったのもショックだし…」

 

「あぁ…さっさとあのピエロを探さねぇとこれじゃあ学校にも行けねぇ…それに……」

 

「それに?」

 

落ち込む火野に同調する轟。ふと、言い掛けた言葉に火野は聞くと轟は両手を出してジッと見つめると真顔で口を開いた。

 

「俺だけかわかんねぇけどよ…。性別が反転して〝個性〟も反転しちまってる訳だが……俺の髪色といい、〝個性〟がそのまま左右で反転っておかしくねぇか……?右手から()で左手からは()…。流石にかなりショックなんだが…」

 

轟は自身の両手を見つめてそう言うと火野は「あっ」と小さく声を漏らし察した。

お父さん嫌いな轟が最近になってようやく自身の炎を出す左手が逆になっていつも使う専売特許の右手から炎が出るこの現状に一見そこまで気にしてない様な顔をしてるが内心かなり傷ついているのだろう。

 

 

 

轟焦凍 (男→女)

 

個性『半冷半熱』→『半熱半冷』

 

右手から炎、左手から氷が出せれる!

左右が変わっただけで特に影響がないが

本人曰く右利きが強制的に左利きになった様な感覚になったとの事らしいぞ!

 

 

 

 

「ま、まあ!その〝個性〟はもう君のモノだろ轟君!それに、あのピエロを捕まえて元に戻してもらえば元通りになるでしょ?なら、尚更早く捕まえようよ!」

 

「…お前の言う通りだな火野。よし、早いとこ探しに行くぞ」

 

「うん!……と言ってもどうやって探そうかなぁ…」

 

元気付ける火野に轟は意外とすんなり立ち直り、強く頷く。再び捜索しようとする2人だが火野はこの園内で肝心のピエロを見つけられるか少し不安になる。増してやもう遊園地から出てしまっては元も子もない。火野は焦りを感じながら迷っていると急に肩を叩いてくる感覚がして、火野は振り返ると、そこには女性が立っていた。

金髪で青色の瞳をしており、一瞬外国人かと思ったが、その独特な()()に直ぐに気付いた火野はある人物の名を呼んだ。

 

 

 

「青山君!?」

 

「青山…お前も女の子になってたのか…」

 

 

「ウィ☆女の子になっても…僕は変わらず輝いているよネ☆」

 

 

火野の言葉に轟も気付いたのか声を掛けると女の子になっていた青山はその性格は相変わらずで身なりを火野達に見せつけていた。

すると、青山は続けて少し不機嫌そうに口を開いた。

 

「モゥ!それより何で僕が1人で行動してると思う!?僕がトイレに行ってる間に皆んなどこか行っちゃうからさ!ボッチだよ今僕!」

 

「え?あぁごめんっ」

 

「(そういやぁ、解散した時あの場に居なかったな…)」

 

プンプンと煙を立てる青山に無意識に謝る火野。

轟は心の中でそう思っていると、青山は落ち着いたのか冷静に喋り出す。

 

「イイヨ☆それはそうと、聞いてよ2人共。さっき変な()()()がぶつかって来てさ!その後麗日さんによく似た男の子が()()()を追って走ってたけど、ここの人は本当マナーがなってないよネ!」

 

「「!!」」

 

愚痴を言う青山。しかしその言葉に火野と轟は目を見開いて青山に詰め寄った。

 

「青山君!その人達何処に行った!?」

 

「え?向こうの方だけど」

 

「追っ掛けてる奴もきっと麗日だ。急ぐぞ火野」

 

「うん!」

 

青山から手掛かりを貰った火野と轟は直様青山が言った方角へと駆け出す。

 

「…そう言えば火野。さっきからアンク全然喋ってこねぇが、まさか女の子になってからアンクに影響が出たのか…?」

 

走りながら轟は火野に声を掛けてくる。

火野達が女体化した後、プツンと途切れたみたくアンクが喋り掛けてこないし、表にも出て来なくなっていた。それを心配する轟に火野は口を開いた。

 

「俺もさっきから呼びかけてるんだけど、反応がないんだ…。()()は感じるんだけど…」

 

 

火野はそう言いながら自分の胸元を見て確認する。

だが、火野は女の子の姿になっていた為か大きくなった乳房が走って揺れているのを見てしまい少し顔を赤めて気を逸らすかの様に前を向く。自身の身体が女の子になっているのを再度実感し、火野は「参ったなぁ」と小さく呟き、2人はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

 

「だああ!?止めろー!そんなの当たったら暴力罪で捕まるぞお前!!?」

 

「逃げるからやろ!?大人しくして早く元に戻してくれれば!ウチも何もせんから!!」

 

「うわったた!!?くっそー!風船渡してねぇ2人なんかほっといて帰ればよかった!!」

 

 

元凶であるピエロ事、転個は追って来て攻撃をしてくる麗日に叫びながら後悔していた。

峰田と上鳴をまだ女体化出来てなかった為にピエロに成りすまして捜索していたが、生徒である麗日に見つかってしまい今は園内を逃亡している最中だ。

男性になった麗日も反転した〝個性〟で動きを止めようと物を投げては転個の頭上で発動させ、

()()()()()()()()()()()その投げた物は勢いよく地面に叩きつけられる。

 

「早く投降しないと!その身体グチャグチャになるよ!!」

 

「ヒーローが言う台詞じゃねえ!!?お前等みてぇな餓鬼はやっぱ粛正対象だ!!」

 

 

麗日の言葉にゾッとした転個は全力で逃げる。

幸いにもアトラクションエリアから離れて今はまだ開かれていないプールへと続く道を走っている。人気がない事を機に麗日は〝個性〟を使って捕まえようとする。

すると、転個は逃げながらもスマホを取り出すと子分である水操に電話を入れた。

 

「おい!お前今何処いんだよ!?」

 

『あれ、兄貴?今は子供の乗り物がいっぱいあるとこに居るっすよ?』

 

「馬鹿野郎!そのまま奥の道のプールがある場所に来い!!餓鬼に見つかって捕まりそーなんだよ!!」

 

『えぇっ!?わ、分かりやした!!』

 

キレながら用件だけ伝えて電話を切ると転個は関係者以外立ち入り禁止と書かれた看板を無視してプールエリアへと入り込む。だが、いつの間にか麗日は転個の直ぐ背後まで近付いてきており、

麗日はその場から全力で跳躍する。

 

「〝G O K(ガンヘッドオリジナルキック)〟!!!」

 

「どぶあっ!!?」

 

 

 

転個の背後目掛けて飛び蹴りを食らわし、転個はくの字となって吹っ飛び、地面に直撃する。

ゴロゴロと転がる間に麗日はすかさず転個の身体に触れると転個は急に身体に重力が何倍にも掛かりその場から動けなくなった。

 

「あがぁ…!!?お、おっもぉ!!!」

 

「おっしゃー!!!なんか今までにないくらい気分が良い!!!」

 

 

 

 

麗日お茶子 (女→男)

 

個性『無重力(ゼログラビティ)』→『重力(グラビティ)

 

触れた対象に数倍もの重力が掛かる!使えば使う程気分が良くなりテンションMAX!!ヒャッハー!!

 

 

 

 

 

 

 

「っ!居た!!」

 

「麗日!」

 

転個を捕まえた直後、プールの出入り口から駆け付けた火野と轟が麗日を見つけて駆け寄る。

女の子になっている2人を見て麗日は一瞬誰か分からなかったが、その身なりと服装を見て直ぐに2人と気付いたのか声を上げた。

 

「…え!?火野君!?それに轟君!?めっちゃ女の子や!!」ブフゥ!!

 

「あ、あまり言わないで恥ずかしいから…」

 

「麗日、お前も男になってるじゃねえか…」

 

その姿を見て吹き出す麗日に恥ずかしそうにする火野。そして男になっている麗日を見た轟も静かにツッコむと、火野はうつ伏せで地面に倒れてる転個を見て口を開いた。

 

「間違いない。お前が風船渡したピエロだろ?」

 

「え、エ?僕チン?ナンノコトカナ?」

 

「顔覚えてんだから惚けても無駄だ」

 

火野が話し掛けるとピエロはあからさまに目を泳がせ片言に喋るが、轟がそう言うと「ぐぬぬ」と観念したのか黙り込む。

その直後だった。突然火野の中からアンクが赤く発光し、人間態となって飛び出てくる。

そして驚いた事にアンクも()()()になっていたのだ。

 

「えぇっ!!?おまっ!アンク!?」

 

「うわ!凄い美人!」

 

「お前も女になってたのか…」

 

火野、麗日、轟は驚く。全体的にすらっと細いボディに髪は少し伸びているが鶏冠の様なヘアスタイルは相変わらずで、麗日が言う様にどこか大人びた綺麗な顔立ちをしていた。

3人の言葉にアンクは「ちっ」と舌打ちをすると転個に詰め寄り頬を右手で強く掴むと口を開いた。

 

「お前、今すぐ俺を元に戻せ。おかげでアイスが食えなくてこっちはかなり苛ついてんだ。大人しく言う事聞けば命までは獲らない」

 

「ひっ!?お前ヒーロー志望の餓鬼の癖に言動が悪者じゃねえかよ…!?」

 

「ハッ!知ったことか。そもそも俺は元々お前等の言う(ヴィラン)って奴みたいなもんだったからなぁ…、そこ等のヒーローと違って俺は甘くないんだよ…!」

 

「ひぃぃ!?」

 

アンクの威圧に転個はうつ伏せになりながら悲鳴を上げ涙目になる。

 

「アンク!脅しは良くないって!」

 

「はぁ!?こいつが阿呆な真似しなかったらこんな事にならなかったんだ!何でグリードの俺まで女にならなきゃいけねぇんだ!巫山戯るな!今すぐ殺してやりたい気分なんだよこっちは!!」

 

「お、落ち着けって!!」

 

火野は慌ててアンクを転個から引っ張り遠ざけるとアンクは怒鳴り散らしてそう言う。

今にも襲い掛かりそうで火野は全力でアンクを止めてる中、轟と麗日は転個に近寄り声を掛けた。

 

「…どの道お前はこの後捕まる…大人しく俺等を解いてくれればまだ罪は軽いぞ…」

 

「そうだよ!私達意外の皆んなにも同じ事したんでしょ?今呼ぶから皆んなを元に戻して!」

 

「ぐ…ぬぬぬ…!!お前等みたいな餓鬼が…!世の中でヒーローなんかするもんじゃねえんだ…!!!真の…英雄こそが…!世を制す…!!

お前等は〝個性〟を持て余すだけの偽者だぁあ!」

 

重力が掛かって苦し紛れの呻き声を上げながらそう言う転個に火野に抑えられていたアンクが聞いてたのかフンと鼻で笑う。

 

「どっかのヒーロー殺しみたいな物言いだなぁ」

 

「こいつ…もしかして影響されたんじゃ…」

 

アンクの言葉に火野は目を見開いていた…その瞬間。

 

 

 

「兄貴ーーーー!!!」

 

 

 

プールエリアの出入り口から男性の声がエリア内へと響き渡る。

何事かと火野達は振り返ると、そこには走って来たのか息切れを起こした水操がいた。

 

「…来たか…!!」

 

「仲間っ!?」

 

「任せて!今の私はかなり強い!!」

 

増援により喜ぶ転個、その顔を見た火野は警戒すると麗日が駆け出し、両手を広げて突っ込んで行く。

だが水操はポケットに手を入れると、()()使()()()()()()()の様な物を取り出した。

 

「っ!麗日さん待って!!」

 

「兄貴はぁ…俺が救けるんだあああああ!!!」

 

その行動に気付いた火野は突っ走る麗日を呼び止める。

そして水操は声を上げながらその注射器を自身の首元に刺して中身の液体を注入した。

 

「おまっ!?ソレ何で持ってんだよ!?」

 

声を上げたのは転個だった。あの薬は水操から渡され自宅に保管してあった筈なのに子分が持ってる事に驚いていた。

注射器を刺した水操はドクンと身体の中で何か起き始めたのかその注射器を落としてその場で苦しみ始める。

 

「ぐぎぎ……!?あああっ!!?」

 

「うわっ…何!?」

 

「おいおい何かヤバいの打ったよなアレ…!」

 

「…映司、用心しろ。何かおかしいぞ……」

 

悶え苦しむ水操に麗日は何歩か下がって距離を取る。その行動を見た火野はボヤくとアンクはそう言って警戒をする。

だが次の瞬間だった。

 

 

「ああああああああ!!!!」

 

 

突然、水操の身体から()()()()が放出され水操の周りだけ透明な水槽があるかの様に徐々にかさ増しされていく。

火野、アンク、麗日、轟が驚く中、転個もその光景を見てあんぐりと口を開いて驚愕していた。

そして、その大量の水は水操を包み込む様に流れると、粘土で作られた様な水で出来た手足が生え、巨大な水の化け物となって火野達の前に現れたのだ。

 

「兄貴〜〜…!!今助けるぜぇええ!!!」

 

 

 

 

水操布烈太(すいそうぬれた)

 

 

個性『水流操作』

 

文字通り水を操る!だが操れる水の量は自分の体重の水だけ!

 

 

 

 

 

「ちっ!面倒事増やしやがって…!!」

 

「やべぇな…ありゃ完全に(ヴィラン)だ…!」

 

水の化け物の中心にいる水操はそう言ってその巨体を動かす。ただでさえ転個に苛立っていたアンクは再度大きく舌打ちをして水操を睨み付ける。

そしてその水の化け物を見た轟は戦闘体制に入ろうと構える。

火野もオーズドライバーを取り出し、腰に宛い装着すると、アンクは意図的にその行動を読み取りタトバのコアメダルを取り出す。

 

 

「映司!!」

 

 

アンクは叫ぶと3枚のコアメダルを火野に向かって投げたのだった。

 





青山君の個性反転は恐らくこれですね。



青山優雅 (男→女)

個性『ネビルレーザー』→『リフレッシュレーザー』

殆ど威力がないレーザーを放射!使えば使う程お腹の調子が良くなり快調になるぞ!!


No.60 水棲コンボ

更に向こうへ!Plus Ultra!!

 
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