いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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感想と初日とその仕組み


No.6入学という名の別れ道

 

 

「実技総合成績が出ました。」

 

 

ブゥンとモニターが切り替わり、入試試験の

最も高いポイントを獲得した順位が十名映し出される。

 

 

 

1位 火野映司 ヴィランP65 レスキューP60

2位 爆豪勝己 ヴィランP77 レスキューP0

3位 切島鋭児郎ヴィランP39 レスキューP35

4位 麗日お茶子ヴィランP28 レスキューP45

5位 塩崎茨  ヴィランP36 レスキューP32

6位 拳藤一佳 ヴィランP25 レスキューP40

7位 飯田天哉 ヴィランP52 レスキューP10

8位 緑谷出久 ヴィランP0 レスキューP60

9位 鉄哲徹鐵 ヴィランP49 レスキューP10

10位 常闇踏陰 ヴィランP47 レスキューP10

 

 

 

救助(レスキュー)ポイント0で2位とはなぁ!!」

 

「『1P』『2P』は標的を捕捉し近寄って来る。

後半他が鈍って行く中、派手な個性で寄せ付け

迎撃し続けた。タフネスの賜物だ。」

 

「対照的に(ヴィラン)ポイント0で8位。

アレに立ち向かったのは過去にもいたけど…

ブッ飛ばしちゃったのは久しく見てないね。」

 

「思わず YEAH!って言っちゃったからなーーー。」

 

「しかし自身の衝撃で甚大な負傷…

まるで発現したての幼児だ。妙な奴だよ。

あそこ以外はずっと典型的な不合格者だった。」

 

審査員は爆豪、緑谷の成績を見て感想を話し合う。

爆豪はその個性で片っ端から寄せ付ける

仮想(ヴィラン)を破壊。

対して救助(レスキュー)は性格相まって

周りの受験生に「どけ!」「殺すぞ!」などの

暴言を吐いていたので皆無。

方や、緑谷は仮想(ヴィラン)相手には

怖気付いたのか逃げ回ってしまっていた。

が、大型仮想(ヴィラン)出現した際は

瓦礫で足を挟んでしまった麗日を助けるべく、

その個性らしき〝超パワー〟で大型仮想(ヴィラン)

ぶっ飛ばし、麗日を救助する。

‥が、その手足は反動なのかバキバキに折れ

その試験では行動不能となるが、救助(レスキュー)Pは

見事に獲得し、それぞれ二人は合格ラインを達した。

 

「んまあ、ニ人共凄いけど‥。」

 

「やっぱ一位の子だな!」

 

「周りを見る観察、敵を前にして戦える勇気、

機動力に身体能力も素晴らしかったよ。」

 

「履歴書だと小学、中学は

特に平凡な学生生活をおくっているな。

あんな個性を持っておいて推薦がないのは珍しいよ。」

 

「聞いた話じゃ、個性を上手く制御できなかったらしい。

でも、この入試でそれも克服したってことだよな。」

 

「まさに“Puls Ultra”だな!」

 

その注目は一位、火野映司を見る。

ヴィラン65レスキュー60、総合計は125と

歴代の高順位に入る程の成果を残している。

稀に見ない逸材とはこの事だろう。

 

(ったく、ワイワイと‥‥。この試験は

本当〝合理性〟に欠ける‥‥。)

 

一人、壁に寄りかかる男性は興味なさそうに、

ため息を吐いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

春。‥うん、春。

 

 

 

「映司君!ほら、ハンカチとティッシュ!」

 

「ありがとう!あぁっっ、生徒手帳部屋に忘れた!」

 

「もお何やってるのっ!昨日の内に準備してないから

こうなるんでしょっ?」

 

「ごめ〜ん!」

 

時は流れ、入学日当日。年齢は15歳となり、いよいよ始まる高校生活。

新しい日々の楽しみ、それと緊張が昨夜の睡眠を妨げてしまい、朝からバタバタと荒れる映司と泉。

まあ初日の朝から慌ただしくなるのはよくある事だ。

それがあってか映司は急いではいるが表情は微笑んでいた。

何せ新しい学園生活。しかも有名な名門の高校。

夢が叶う第一歩として今この瞬間はこれ以上の喜びがあるのだろうか。

 

「よしっ!じゃあ比奈ちゃん!行ってくる!」

 

「うんっ!行ってらっしゃいっ。」

 

映司は準備が終わり、玄関を開けて駆け出す。

その背中を見送った泉は何処か嬉しそうに見届けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

雄英校 校内にて。

 

 

 

「ふぁあっ!雄英広すぎんだろ!?

やばいやばい!完全遅刻だっ!」

 

火野映司!行き道に困ってる人を

構ってしまって学校完全遅刻!やっちまった!

そして彼は自分の教室『1-A』へと目指し走っているが

その学校の広さもヒーロー級で中々教室に

辿り着けずにいた。が、そう思っている内に

教室へとたどり着いたが、そのクラスの前で

黄色の寝袋の男と生徒数名が見えるのを確認する。

 

「すみませんっ!!遅れましたっ!!」

 

「あっ!火野君っ!?」

 

「えっ?あっ!緑谷君っ!?受かったんだね!よかっt」

 

「おい。遅刻して〝先生〟を前にして

よく再会の喜びなどできるな?」

 

緑谷が教室の前にいた事に喜びを感じるのも一瞬。

その寝袋の男性の低い声が空気を一瞬で変える。

映司は察した、この人が担任なのだろうと。

 

「はぁ。同じ事を言うのは嫌いだが、

初日だから遅刻も含めて特別だ。

俺は担任の 相澤消太(あいざわしょうた)。よろしくね。

クラスの連中にも言ったが早速 体操着(これ)を来て

グランドに出ろ。以上。」

 

「え?‥は、はい‥。」

 

寝袋から取り出した体操服はさておき、

この異質な空気のまま映司達生徒は

初日からいきなり試練という名の授業を受ける事となった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

「〝個性〟把握…テストォ!?」

 

 

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事、

出る時間ないよ。雄英は自由な校風が売り文句。

そしてそれは〝先生側〟もまた然り。」

 

相澤の発言に皆は唖然とする。

が、ここで意見を言っても聞いちゃもらえないだろうと、

納得いかないまま相澤の発言を黙って聞いていた。

 

「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、

持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。

中学の頃からやってるだろ? 個性禁止の体力テスト。

国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けてる。

合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ。

‥おい、爆豪。中学の時ソフトボール投げ何mだった?」

 

「67m。」

 

「じゃあ〝個性〟を使ってやってみろ。

円から出なきゃ何をしてもいい。思いっきりな。」

 

淡々と話を終えると、爆豪にボールを渡す。

爆豪は腕を慣らし、軽く準備運動をして投げる

位置の円の中へと入る。

 

 

「んじゃまあ‥死ねぇ!!!

 

FA BOOM!!

 

 

 

 

(‥‥死ね?)

 

 

暴言を吐き、爆豪は投げる瞬間爆発で勢いを加算し、

ボールは一瞬にして点となり飛んでいく。

映司は若干引いていたが、それは他の生徒等も

同じ事を思ったはず。

そうこうしている間に相澤が持つ端末機から

『ピピッ』と何か知らせる様な音が鳴る。

 

「まず自分の最大限を知る。

それがヒーローの素地を形成する合理的手段。」

 

そう言って相澤が見せた端末機には、

『705.2m』と表示されている。

今爆豪が投げたボールの記録なのだろう。

 

「なんだこれ!!すげー面白そう!」

 

「705mってマジかよ!?」

 

「〝個性〟思いっきり使えるんだ!!流石ヒーロー科!」

 

その数字に生徒等が一気にざわつき騒ぎ出す。

個性を使うのは()()()の学校では

原則禁止とされていた。また別の高校に行っても

一部を除いてはそれは変わらなかったのだろう。

その縛りから解放されたかの様に生徒は湧き上がっていた‥‥が。

 

 

「‥‥‥‥面白そう…か。

ヒーローになるためのこの三年間、

そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

 

その空気が静まり返る。一人、『面白そう』と言った

金髪の少年は俺のせい?と言わんばかりに指を指すが

相澤の言葉は終わらず、それを発言した。

 

「よし。トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、()()()()としよう。」

 

 

「「「「はぁああっ!!?」」」」

 

 

その爆弾発言にこの場の空気が変わる。

 

「ちょっ!ちょっと待ってください!

それはいくら何でもおかしいですよ!?

皆んなこの雄英に入る為に必死に努力したんですよ!?

それをいきなり除籍だなんて‥!」

 

「だから何だ火野。お前は試験の総合結果が

()()だからって俺は甘やかすつもりはない。

ヒーロー目指すたる者、そんな生優しい覚悟じゃ

この世界はやっていけねぇ。それに除籍は

最下位と言ったはずだ。お前ぐらいの優等生なら

この課題くらいどうって事ないだろう?

これ以上の文句があるなら問答無用で除籍にするぞ。」

 

「ぐっ‥!」

 

納得が行かなかった火野は反抗するが

除籍の言葉に押し返され悔しそうに引き下がる。

 

「生徒の如何は俺達の〝自由〟!

ようこそ、コレが雄英高校ヒーロー科だ。」

 

相澤は不吉な笑みで生徒等を見下す。

初日初、生徒等の人生の別れ道となる授業が

今、始まるのだった。

 

 

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