いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ 作:しょくんだよ
「丸山さん、本日は色々とありがとうございました。私だけご馳走にまでなってしまって…」
「いえいえ、素敵なショーを見せてくれたささやかな御礼ですよ。本当は生徒達も招待したかったのですが先に遊園地の方に行かれてしまいましたからね」
「午後からは自由にして良いと言ってしまいましたから…。年頃の生徒達なので仕方ないです」
A組達が転個の〝個性〟により混乱している中、遊園地の事務所内にて、相澤は丸山にご馳走されて御礼を言ってると丸山は相澤に質問をした。
「先生、この後は如何なされるのですか?」
「学校に戻ってもう直ぐ始まる中間、期末テストの問題内容を考える予定です。あいつ等にとって雄英初めてのテスト期間ですから頑張って貰わないと雄英教師の名折れですので」
「おぉ、そうなのですか。休日だと言うのに先生は凄いですねぇ。少し休憩してから行きませんか?お茶とお菓子用意しますよ?」
「お誘いは有難いのですが遠慮しておきます。私も急いでいるので…、では失礼します」
時間は有限。相変わらずの合理的な判断をする相澤はお辞儀をして部屋から出ようとドアノブに手を掛ける。その時だった。
外側からその扉は勢いよく開かれ相澤は少し驚く。
すると、部屋に入って来たのは女の子の身体になっていた飯田だった。
「失礼します!!…!相澤先生!まだいらしてたのですね!?」
「お前………まさか、飯田か…!?」
「ほっほ、これはこれは可愛らしいお客様ですね」
流石は担任と言ったところか、女の子になっていた飯田を見抜いて目を見開いていると、丸山は気付いていないのか微笑ましくそう言って笑っている。
だがそんな悠長な事ではないと言わんばかりに相澤は真剣な表情となり飯田に向かって口を開いた。
「何かあったみたいだな…。飯田、事情は現地に向かいながら説明しろ」
「わ、分かりました!」
「丸山さん、後で連絡するのでいつでも警察に連絡出来る様待機しててください」
「け、警察!?しかし…園内には大勢のお客様達が…!」
相澤の言葉に飯田は頷き、相澤は丸山にそう言うと状況が分かっていない丸山は目を見開いて焦り出す。
相澤は少し考えると、落ち着かせる様に口を開いた。
「今の時点で園内のお客様達から何の音沙汰もないって事は、恐らくこいつ等雄英生徒達だけ被害にあっています。早急に見つけ次第こちらで対処したらこちらの事務所に犯人を連れて来ます。その時は警察を呼んで貰いますがよろしいですね?」
「わ、分かりました……よろしくお願い致します…!」
的確な判断力に丸山は了承し、飯田も流石だと目を輝かせていた。現時点で遊園地に
「飯田、行くぞ」
「はい!」
そう言って相澤は飯田と共に部屋を出て行ったのだった。
☆★☆★☆★☆★
「ああああああっっ!!!!」
雄叫びを上げる水操は水の塊となったその巨大を麗日、轟、火野、アンク、そして麗日の〝個性〟によって倒れてる転個の元へと近づいて来る。
「こんな奴が園内に出たら市民に被害が…!」
「ここで大人しくさせねぇとパニックになるぞ…!」
「うん…!いや、ダメだよ!私達学生だから〝個性〟使うのは外では禁止されてる!」
「てめぇ!?さっき散々俺に使っただろ!!?何でもいいからそいつ止めてやってくれ!!」
プールエリアは幸いこの場にいる者しかいないがそのまま園内に行ってしまえば大混乱になる事間違いない。轟は〝個性〟を使おうと手を伸ばすが麗日が思い出したかの様にそれを止める。だが転個は言ってる事が矛盾してるとキレると麗日は脂汗を流して下手な口笛を吹いてそっぽ向く。
その間、アンクから投げ渡された火野は2枚、1枚とドライバーにコアメダルを嵌め込むと焦りながら口を開いた。
「言われなくても止めるよ!学生がどうこう言ってるより他の人が危害を加えられる方が危険だからね!」
「…案外仲間想いなんだな…。だがどの道お前等がしでかした事は当然罪に問われるぞ」
火野に続き、轟は倒れてる転個に向かって口を開くと転個は間入れずに水操を見ながら喋った。
「あいつは…!こんな俺みたいな奴でもずっとついて来てくれた良い奴なんだ…!あの〝覚醒剤〟は〝個性〟が一時的に増幅されるが〝副作用〟も凄い薬なんだよ…!もしもの時の為に保管してあったのに…!」
「フン!巫山戯るのも大概にしろ!人の性別変えて散々迷惑を掛けておいて情けに頼み事か!同情する余地もないし知った事じゃない。が、ここで倒さねえとアイスが食えなくなるのは癪だからなぁ。映司!さっさとこのデカブツを止めろ!」
「あぁ!」
転個の頼み込みにアンクは呆れてそう言うがここで止めないとアンクにもデメリットがあるのかそう言うと火野は頷き、オースキャナーを取り出し待機音が流れる。そしてオーズドライバーにソレをスキャンし、叫んだ。
「変身!!」
タカ!
トラ!
バッタ!
タ・ト・バ!タトバタ・ト・バ!
コンボソングが鳴り響き、火野は仮面ライダーオーズ〝タトバコンボ〟にへと姿を変え、ファティングポーズを構える。
すると、あさっさりと変身出来たオーズを見て轟と麗日は目を見開いて驚いた。
「えぇっ!?火野君変身出来とるやん!?」
「〝個性〟も反転する筈なのに…どーなってんだ…?」
「まあ、ラッキーと言うしかないなぁ…。だが、問題はあの水の塊、どう対処するかだ」
驚く2人にアンクはそう言って水操を見遣る。
タトバを使わせたはいいものの、基本形態は物理攻撃を得意とする戦い方だ。
「ハァッ!!」
オーズは駆け出し、腕部のトラクローを展開して跳躍すると、勢いよく水の塊に腕を振り下ろして斬り付ける。
だが、アンクの言ってた様に分厚い水の塊相手ではダメージは愚か水を弾いただけでなんの攻撃も当たらなかった。
オーズは地面に着地し、脚部のバッタレッグに力を溜めて今度は蹴りを繰り出すが膜でも纏っているのかボヨン!と音がしてオーズはその反動で勢いよく飛ばされた。
「うあああっ!?」
「ヒャヒャヒャヒャ!!こいつはスゲェ…!!誰も寄せ付けない…!今の俺は無敵その物って事だよなぁ!!」
吹っ飛ばされ地面を転がるオーズを見て水操は機嫌良くそう言うと、水で出来た腕を今度は轟と麗日に向けて勢いよく先端から水を放射する。
「悠長に考えてる暇ねぇな…!そんなもん氷で!」
轟は前に出て
「あっつ!!?轟君ソレ火ぃ!!」
「わ、わりぃ…!今は
付近にいた麗日は熱の温度で顔を両手で防ぎながら怒ると自身の〝個性〟が反転している事を忘れていたのか謝る。
「クッソ…!不快だが…今は左手が…!氷…!」
そして轟は今度は間違えぬ様、そう言って左腕を水操に向かって突き出す。すると氷が生成され、お決まりのブッパ攻撃により氷結が水操を覆う水の塊を一瞬で凍らした。
「やったか!?」
「…いや、まだだ」
うつ伏せていた転個は声を上げるが、轟は否定して水操を見ていた。凍っている中で中心の水操まで凍っていなかったのか中で動いており、力を入れる素振りを見せるとその氷は一瞬で砕かれ、辺りに氷塊が散らばっていく。
「おらおらおらぁあ!!!そんなもん通用しねえんだよおおお!!!」
「なら!その水事ウチの〝個性〟でっ!!」
転個が言っていた副作用のせいかハイになって暴れ狂う水操。すると、今度は麗日が駆け出し水に触れようと接近する。
「近づくんじゃあねぇえええ!!!」
「っ!!?あぶっ!!」
だが、水の塊から水圧噴射の様に水が放射され、麗日は身体全体でモロに食い、その衝撃と勢いで吹っ飛ばされる。
「麗日っ!」
「げっほ…!へ、平気…!!でもアレじゃあ近づけれへん…!」
轟が安否を確認すると麗日はびしょ濡れになりながらも咳き込み立ち上がる。
それを見ていたアンクは軽く舌打ちをすると、ちょうど吹き飛ばされてたオーズがやって来てオーズはアンクに向かって口を開いた。
「アンク!今持ってるメダルであの分厚い水何とかならない!?」
「フン。メダルを変えたところで攻撃が通らないんじゃ拉致があかない…、
「メズールって…確かアンクと同じグリードの?」
「あぁ、メダルの中で唯一水中戦を得意とする海の属性を秘めたコアメダルだ。あの塊が全部水で出来てるんなら本体を狙う事も訳ないだろぉな。…映司、他のメダルは持ってるくせに何でそれだけ持ってないんだ?」
アンクの問いにオーズは「うぅん」と唸る。
今まで持ってたアンク以外のコアメダルは火野映司曰く『いつの間にか持っていた』との事。オーズの〝個性〟での出来事なのか定かではないが唯一考えられるのは恐らくその〝個性〟故なのだろう。
「火野!!お前のオーズでどうにかならねえか!?俺の〝個性〟じゃ少しだけの足止めが手一杯だ!」
アンクとのやり取りをする最中、水操に氷結攻撃を繰り出し一瞬動きを止める轟が叫ぶ。
「ああごめんっ!」
「っ、おい映司!!」
話している中轟と麗日だけが戦っている事に罪悪感を感じてオーズは飛び出す。そしてそのままアンクの呼び止めを無視してオーズはそのまま駆け出してしまう。
「水が分厚くて氷が本体まで届かねえ上に炎も相性がわりぃ…!おまけに近付かせてくれねえ始末だ…!火野、オーズの力使えんなら、コアメダルで何とか出来るんじゃねぇのか?」
「ううん…!アンクにも聞いたけど難しいって」
「俺を目の前にしてお喋りとは随分余裕じゃあねぇか!!!」
隣に来たオーズに轟はそう言うとオーズは小さく首を振って口を動かす。その瞬間、水操は声を上げて水の腕を勢いよく2人に向かって振り下ろす。
だが水の巨体を動かすのは苦手なのか動きが鈍く2人は左右に転がって回避した。
「っとと!マズイなぁ…!これじゃあ近付くのも一筋縄じゃ行かないぞ…!…アンクの言ってた
防戦一方となっている状況にオーズはそうボヤく。
すると突然オーズは違和感を感じる。オーズドライバーの左腰ベルト部分にある〝オーメダルネスト〟をふと、オーズは確認するとその中から微かに青色に発光していた。
「え……?ひょっとして………」
オーズはまさかと思い、オーメダルネストを展開すると、そこにはあるはずの無いコアメダルが3枚入っていた。直ぐに取り出して掌で再確認する。
あろう事か〝鯱〟、〝鰻〟、〝蛸〟の造形が施されたまだ所持していない青色のコアメダルだったのだ。
「こ、これ…!!アンク!アンクー!見て見て!ほら!これ!持ってた!」
「あ!?お前…それをどこから…!?ちっ!まあいい!持ってんならさっさとそれ使え!」
驚いたオーズは3枚を手にアンクに見せびらかす様声を上げると案の定アンクも驚き目を見開く。
だがこの場を打開する唯一のメダルだったので理由は聞かずにアンクは指示を出すとオーズは「分かった!」と強く頷き、オーズドライバーからタトバのメダルを抜き取り、手に持つ青のコアメダルを嵌め込む。入れ込まれた3枚のメダルは清らかな青色へと発光するとオーズはオースキャナーを取り出しドライバーへとスキャンした。
シャチ!
ウナギ!
タコ!
シャ・シャ・シャウタ!シャ・シャ・シャウタ!
軽快なコンボソングが流れると共にオーズの身体から突然水が放出され、それと同時にその姿は水棲生物を催した全身青色をメインとしたカラーリングの戦士となる。その名も仮面ライダーオーズ〝シャウタコンボ〟。
「っ!新しいコンボか…!?」
「凄い…!」
今まで見たことのないフォームに轟は驚き、2人はその凛とした立ち姿とデザインに
それは敵側の転個も同じ事で、うつ伏せながらもシャウタの姿に驚き口を開いていた。
「な、なんじゃありゃあ…!?色も見た目も変わってるじゃねーか!」
「あ?当然だ。オーズはあのベルトのコアメダルを3枚変える事で姿も能力も変わる。現時点でその姿を変えれる亜種形態の数は未知数だなぁ…」
「…」
付近に立っていたアンクが反応してオーズを見ながらそう答えると転個は真顔になり言葉を失う。
「あぁん…!?姿が変わったからって何になるんだオラァ!!!」
「っ!轟君麗日さん下がってて!」
水操は叫ぶと再度水塊の腕をオーズに向けて振り下ろす。オーズは2人を後方に下がる様指示を出し、駆け出す。
「っ!?火野!」
「あぶないっ!」
オーズは何も攻撃体制に入る素振りを見せずに走り出したのを見て轟と麗日は声を上げる。
だが、アンクはそのコンボの能力を知っているのかニヤリと頬を上げて黙ってオーズの姿を見届けていた。
そして、水操の腕がオーズの頭に今にも当たりそうになっていたその瞬間。
オーズの身体が半透明に透けてその身体は
「え!?ちょ!?何入ってきてんだよぉお!!?」
液状となったオーズは水操に詰め寄ろうと突っ込んで来るが、水操はさせまいと水塊で内側から押し出そうとする。だが、液状となったオーズにはダメージどころか当たる事すら出来ず、あっという間に水操の前へと到達するオーズ。すると液状化していたオーズの身体は元に戻り、その脚部〝タコレッグ〟が発光し、驚く事に足が8本に増える。それはもう蛸の足そのものだった。
「うわ、蛸!ちょっと気持ち悪い」
「まるで水を得た魚かよありゃあ…。本当何でも出来ちまうんだな火野…」
水塊の中で戦う光景を麗日と轟は見ており、それを聞いたアンクは「フン」と鼻で笑い口を開いた。
「オーズだから当然だ。…まあ、それを使いこなす
初めて使うメダルやコンボを難なく使いこなせる火野を幾多と見てきたアンクはそう自身気に言っていた。
その時だ。
「ぁダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!」
「ごぶ!?ぶべ!?ぶ、びゃ!?ごべ!?ふぶっ!?ちょ!?や、やめ!?あバァ!!?」
蛸足となったオーズはその8本のタコレッグでなんと連続蹴りを繰り出したのだ。
水の中だと言うのに重々しい音が響き蛸ラッシュの猛攻撃に水操は喋る間も無くボコボコと息を吐き出していた。
「や、やめろよぉおおっ!!!」
「っ!?うわあ!!」
流石に堪えるのか水操は水塊の中で何とか逃げるとその巨体を大きく動かしてオーズを引き離そうとする。
すると、流石に重力にはどうしようも無いのかオーズは水塊から放り出され空中へと投げ出されてしまう。
だがオーズは体制を立て直し、オースキャナーを取り出すと再度ドライバーへとスキャンした。
スキャニングチャージ!
「ハァア!!」
音声が響き渡るとオーズは両肩に付いている電気鰻を催した〝ウナギウィップ〟を両手に取ると水操目掛けて振り下ろす。ウナギウィップは勢いよく伸びると水操の身体に巻き付き拘束する。
「な、何だ…!?あばばばばっっっ!!!?」
拘束しただけではなく、何と電流がウナギウィップから流れ、水操はビリビリと痺れながら引っ張られ水塊から出て来る。すると、水塊は主がいなくなったのか動きが止まり、只の水に戻り地面に落下して水溜りとなって広がる。
そしてそのまま水操は電流を浴びされながらもオーズに引っ張られて行き、オーズは1つに束ねたタコレッグを回転させ、引き寄せる水操目掛けて落下する。
「はぁあああ!せいやぁあああああ!!!」
「あばあああああああ!!!?」
これがシャウタコンボの必殺技、名を〝オクトバニッシュ〟。
ドリル状となって回転するタコレッグの先端に水操はぶち当たると水操は諸に受け、吹っ飛ぶと地面へ叩きつけられたのだった。
当然、水操はそのダメージに耐え切れずピクピクと痙攣しながらその場で気絶していた。
「や、やったあ!」
「…何とかなったか……」
暴走を止め、麗日は喜び、轟はホッと息を吐いていると、いつの間にか解除されていたのか転個はその場に座り込んで気絶している水操を見てガタガタと震えていた。
「な、何とかしてくれって言ったけどよぉ…!か、完全に…オーバーキルだろこれぇ…!?」
「おい!ああなりたくなかったらさっさと元に戻せ!」
「ひぃ!?します!元に戻します!!自首でも何でもしますので勘弁してくださいい!!」
肩を掴まれガン飛ばすアンクに怖気づいた転個は何度も首を上下に動かして声を上げていたのだった。
☆★☆★☆★☆★☆★
「あぁ〜!元に戻ったぁ…!!」
「一時はどうなるかと思いましたわ…」
「私は楽しかったけど?」
「あんたどんな環境でも生きられそうだね…」
しばらくして、A組生徒達は遊園地の事務所へと集まり、転個の〝個性〟により元に戻され女性陣を中心に周りは一息を吐いていた。2人の犯人も捕まえて取締役の丸山が警察を呼び、2人は署に護送されて被害を出す事なく事を終えていた。
水操の暴走を止めた直ぐに相澤と飯田が駆け付けてくれたが、〝個性〟を使って止めた等と言えばまた迷惑が掛かると思い、『変な薬を使用して暴走したが自爆して転個と共に捕まえた』と咄嗟に理由を述べたのだ。幸い誰も使用していない園内で唯一離れてたプールエリアなのであの場に居た者以外は誰もいなかった為その嘘は何とか通ったが相澤は最後まで疑心暗鬼の目で火野達を見ていた。だが何とか信じてもらい火野、麗日、はどっと疲れが出たのか事務所の玄関付近で座り込んで精も根も尽き果てていた。
「お茶子ちゃん大丈夫…?」
「あ、うん、梅雨ちゃん、私、大丈夫やよ」
「言葉と見た目が合ってないわ。目が死んでいるわよ」
蛙吹が麗日を覗き込むと麗日は上の空の目でそう答えている。
「犯人捕まえれて何よりだぜ!流石だな火野、轟!」
「ま、まあ何とかなったって感じかな…。ね、轟君」
「あ、あぁ…」
「ケッ!もう少し早く行けば俺が仕留めれたのによぉ!」
切島が近寄り火野と轟に声を掛けると戦ったとは言えなかった為しどろもどろで2人はそう言うと、爆豪が切島の隣で残念そうに悪態を吐く。
すると、警察を見送った丸山が生徒達の前に立つと急に深々と頭を下げたのだ。
「皆さん、楽しい時間を潰してしまい大変申し訳ございませんでした。私の不注意でこんな事になってしまい皆様に大変な迷惑をお掛けしました…」
「い、いや!謝んないでください!いいっすよ!」
「そうですよ!
「他の市民が無事だったのなら問題ない…」
「そうだな、寧ろ俺達が的でよかったかもしれん!」
「午後は大変だったけどヒーローショーは楽しかったしね!」
「それね」
丸山の謝罪に切島と尾白は首を振ってそう言うと常闇の言葉に飯田は強く頷く。後に続き葉隠がそう言うと耳郎が同感する。その考えはこの場の全員が思っていた事なのか、皆は強い眼差しを丸山に向けていた。
「皆様…」
「…本当、そんな事で謝らないで下さい丸山さん。こいつ等はヒーローを目指す若者達。そして誰よりも市民の安全を軽んじて無碍にしない生徒です。この子達にとって市民の笑顔を見る事が一番だと思いますから…」
丸山は驚いていると、警察の人と話を終えた相澤が帰って来て丸山にそう言っていた。
すると、そうでもないと思っている生徒が2人、陰で口口と小声で言っているのが聞こえてくる。
「クソ…!どうせなら反転した他の男子の奴ら見たかったわ…!」
「轟とかぜってー可愛かったろーにな…」
「…」ビュッ!
「「……!!」」
峰田、上鳴が指を地面に擦り付けながらそう言うと相澤がギロリと睨み、首に巻いてある捕縛布を2人目掛けて伸ばすと、瞬く間に2人はがんじがらめとなってその場で踠いていた。
その光景を見て生徒達は徐々に笑い出し、その場は笑い声と笑顔に包まれて行った。
ふと、その笑いに包まれる中アンクは皆が見えない壁に寄り掛かって立っており、火野が突然使っていたシャウタのコアメダル3枚を手に取り眺めていた。
「…映司の奴、何処でメズールのコアメダルなんか持ってやがったんだ…?この遊園地に来る前まで持ってなかった筈だ…。これも〝転生〟した影響なのか…」
アンクはコアメダルをギュッと握り締め、笑っている火野を見て口を開いた。
「…だとしたら、
アンクは不意に背筋に寒気が走る。グリードの身体の筈なのに感じたアンクは紫のメダルの事について思い出したのか表情が強張り、舌打ちをしていた。
いつの間かコアメダルを持っている火野。だが今はそれが火野とアンクにとっては大きな戦力となり得る事。アンクは深く考えず、5種類の属性のコアメダルに加えてムカチリのコアメダルを所持している事に少しだけ満足気にしていた。
こうして、フューチャーパークは予想外の出来事だったが、忘れる事のない思い出となったのは間違いないだろう。
そして、生徒達各々はこの出来事を息抜きとして次に控えているテスト期間に向けて励む事となったのだった。
どうも、しょくんだよです。
いやぁ、仮面ライダーバースを今日見ました…。
サイコーですね、本当オーズは最高の作品です…。
そしてあのバースの動画を見てこの小説に関わる悩み事が私の中で決まりました。
私が考えていたオーズ、火野は多分こうしたかったのだろうと私は思います。
その答えはもう少し先のお話しで出しますので、これからも私の作品をよろしくお願い致します。
次回!第7章 〜期末試験〜
No.61 やってきた生徒達の地獄
更に向こうへ!Plus Ultra!!
火野「このエピソードに意外な人が登場!アンク、あの人って…?」
アンク「まさか…あんな奴までいるとはなぁ……」