いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ   作:しょくんだよ

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カウント・ザ・メダル!現在オーズの使えるメダルは!

タカ×2
クジャク×3
コンドル×3

クワガタ×1
カマキリ×1
バッタ×1

ライオン×1
トラ×1
チーター×1

サイ×1
ゴリラ×1
ゾウ×1

シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1

ムカデ×1
ハチ×1
アリ×1


No.63 対オーズ戦闘ロボ

 

「開始早々…!何この地響き!?」

 

「っ…!アンク!」

 

期末試験、戦闘演習が開始された火野と耳郎は突然起こる地鳴りに驚いていた。火野は直様アンクに変身する為に必要なコアメダルを催促すると火野の中から人型となったアンクが飛び出し、コアメダルを収納しているメダルホルダーからタトバの3枚を取り出す。

 

「はッ!真木の奴早速おっ始める気だなぁ!映司!アイツはドクターと言われてたんだ!変な物を使って企んでるに違いない!」

 

「自己紹介で…おっと!開発部署主任って言ってただろ!言われなくても承知の上だって!」

 

喋りながらアンクはコアメダルを投げ渡し、フラつきながらも何とか掴み取り、事前に装着していたオーズドライバーのスロットに2枚、1枚と嵌め込むとオースキャナーを取り出しドライバーへとスキャンした。

 

 

 

「変身!」

 

 

 

 

タカ!

 

トラ!

 

バッタ!

 

 

 

コンボソングが鳴り響き、火野はオーズ〝タトバコンボ〟へと姿を変えると、それと同時に地鳴りは大きくなっていき、オーズ達がいる場所から少し離れた前方の地面、そこから突然大きな物体が突き破って来たのだ。

 

「っ!?」

 

「なんが出た!?」

 

現れた物体に驚いた3人は身構えるとその物体はゆっくりと地面から這い上がりその正体が顔を出す。

 

「これ…!?」

 

(ヴィラン)ロボ!?」

 

機械が軋む音と共に蒸気を噴き出すのは入試試験、体育祭と馴染みのある一軒家程の巨体を誇る仮装(ヴィラン)ロボだった。

だがその見た目は大幅に改造されているのかかなりスラッとした造形になっている。

 

「て、てかまさかロボットが相手…?真木さんは…?」

 

『お呼びですか?』

 

「!」

 

相手となる真木の姿が見えない事に耳郎は辺りを見回していると(ヴィラン)ロボに付いている小型のスピーカーから真木の声が聞こえて3人は驚く。そして(ヴィラン)ロボから続けて声が聞こえてきた。

 

『耳郎さんの言う事は半分は合っていますが半分は違います。貴方方の前に立っている脅威(ロボ)()()()()()()()()ロボット。私の意のままに動く。言わば分身の様なモノです』

 

「操作…!?真木さんが乗って操縦してるとかじゃなくて?」

 

ロボから聴こえる真木の声に耳郎は警戒する。

 

『操縦しても構いませんが、事前にこの試験では()()で君達を叩き潰せと言われておりましてね…。本気で相手をするならば操縦する私にも危害が及ぶ可能性が高いので。私は遠くから操作させてもらいます。勿論、私が居る場所は教え出来ませんがね』

 

 

 

 

真木清人

 

個性『遠隔操作』

 

無機物の物体を操縦席に乗らずに遠隔操作する事が出来る!その範囲は約10km!操作する物体にカメラを付けていれば本人は身を潜めて操る事が出来るぞ!!

 

 

 

 

「じゃあ試験相手は真木さんが操る仮装(ヴィラン)って事でいいのかな」

 

『えぇ、そう思ってもらって構いません。ただ、君達が思っている仮装(ヴィラン)とは少し違いますのでそのつもりで…では、行きますよ』

 

オーズが確認すると真木はそう答え、同時にロボの腕を大きく()()目掛けて振り下ろしてきた。

 

「っ!」

「!耳郎さんっ!!」

 

いきなりの攻撃に耳郎は固まって呆然としてしまい、オーズは地面を蹴って耳郎を抱えてその攻撃を避ける。ロボのアームは容易に地面が砕かれる程の威力を見せつけているとアンクが跳躍し、オーズと耳郎の側に着地すると身構えながら口を開いた。

 

「こいつ!本気で潰す気で来やがった…!」

 

「あ、ありがとう火野…!」

 

「うん、怪我しなくて良かった…!」

 

動けなかった耳郎は申し訳なさそうに礼を言うがオーズは目線を逸らさずにロボを警戒する。

ロボは両腕のアームを地面に当てるとスピーカーから音声が聞こえてくる。

 

『今回の戦いは二人一組(チームアップ)。お互いをカバーし合うのは重要なポイントになりますからね。…さぁ、お話はこれくらいにしましょう』

 

真木は一旦区切るとそのロボの背中にある装甲が可動し、無数の小型ミサイルのハッチが展開される。

 

 

『今の私は(ヴィラン)そのモノです。私の手で君達の〝良き終末〟を迎えて差し上げましょう…!』

 

 

「やっばっ!耳郎さん捕まってて!」

 

「うわっ!?」

 

大量のミサイルを目視したオーズは危機感を覚え耳郎を担ぐと能力を解放し脚部バッタレッグの力でその場から全力で跳躍する。アンクも舌打ちをして距離を取ると同時にロボから無数のミサイルが射出され空中へと放たれ、オーズと耳郎目掛けて追尾し始めたのだ。

 

「誘導弾!!?耳郎さん!しっかり掴まってて!」

 

 

ドオオオオオオオオン!!!

 

 

 

「うわぁあああっ!!?」

 

追跡して来るミサイルにオーズは目先にある巨大な岩の壁を蹴り、別の方向へ跳躍する。するとミサイルは避け切れなかったのか岩に直撃すると物凄い爆風と衝撃を起こしその岩は一瞬で木端微塵となる。

抱えられていた耳郎も流石のその威力に驚き声を上げていた。

だがそう思っているのも束の間、次々と後方から接近して来るミサイルがオーズ達を追尾して突っ込んで来る。

 

「まだ来るのかよ!?」

 

「っ!火野!ウチしがみついてるから耳塞いでて!!」

 

「え!?わ、分かった!」

 

残りのミサイルにオーズは声を上げていると耳郎はオーズにそう叫びオーズに抱き締める様に捕まる。

オーズはその一瞬で空いた両手で耳を塞ぐと耳郎は耳朶のプラグを伸ばし両足に装備されているスピーカーに挿すとそこから爆音の衝撃波が放たれる。

後方から接近して来るミサイルに衝撃波が当たると連鎖するかの如くミサイルは次々と空中で爆発していき、跡形もなく無くなっていった。

 

「ありがとう耳郎さん!」

 

「う、うんっ、さっきの貸しは返したよ…!」

 

「?」

 

『成る程…、自分の心音を爆音に変えて衝撃波の様な音波攻撃を放出する『イヤホン・ジャック』。ミサイルは寄せ付けないと言う事ですか…』

 

オーズは空中から着地して耳郎を降ろしながら礼を言うと耳郎は耳を真っ赤にしてそっぽを向いていた。不意とは言え異性に抱き着いた事が今になって気付いたのか余程恥ずかしかったのだろう。オーズはそれに気付かず首を傾げているとロボが脚部に付いているキャタピラでこちらに向かって前進し接近して来た。

 

「っ!こっち来る!」

 

それに気付いた耳郎は声を上げると、付近に着地して来たアンクがメダルホルダーから重力コンボでお馴染みの〝サゴーゾ〟のメダルを3枚取り出し、オーズに向かって投げ渡した。

 

「映司!相手は所詮鉄の塊だ!時間も限られてるんならこのコンボでさっさとぶっ壊せ!」

 

「おっとっ!あ、これ!サッゴーゾォ!!ってヤツ!分かった!」

 

オーズは受け取り久々に使うメダルなのか少し上機嫌にその3枚をドライバーに嵌め変え、オースキャナーでドライバーをスキャンした。

 

 

 

サイ!

 

ゴリラ!

 

ゾウ!

 

 

サ・ゴーゾ……サ・ゴーゾォッ!

 

 

「はああァ!!」

 

重々しいコンボソングと共にオーズはパワー系重力コンボ〝サゴーゾコンボ〟へと姿を変える。

煽れんばかりのエネルギーをドラミングの要領で自身の胸を打ち鳴らし雄叫びを上げた。

 

 

「うぉおおおあああああああああっっっ!!!!」

 

 

「うわっわ!!?」

 

激しく打ち鳴らす重々しい振動音と共にオーズの居る会場全体が揺れ始め耳郎も立っているのがやっとな状態となっていた。

 

『属性を3枚使う事でその真の力を発揮するコアメダル。そのうちの一つ、重力を操るサゴーゾコンボ…。確かに、そのまま接近すればこのロボットでも粉々になる事は間違いないでしょう…。()()()ロボットならの話ですが』

 

真木は予測していた様な反応でそう言うと、ショルダー部分から小型の浮遊機の様な物が射出される。

空中へ飛び出したその機械は白く発光すると肉眼で微かに見えるか見えないぐらいの電子バリアの様なエネルギーが展開される。

すると、揺れていた辺りの地面一帯がピタリと止んだのだ。

 

「何…!?」

 

「…あれ……?」

 

「っ!?えっ?止まった!?」

 

ドラミングをしても反応がない会場に驚くアンクと耳郎、オーズ。するとロボから真木の音声が聴こえてくる。

 

『〝対オーズ用重力制圧防壁電子フィールド〟。これで君の重力攻撃は無効化されました。言い忘れていましたが、この仮装(ヴィラン)ロボは火野君。君が入試試験で破壊したお邪魔虫(0Pロボ)を私が改造した代物ですからね。最も、君専用に作った〝対オーズ戦用戦闘ロボ〟です。無論他のコンボの詳細もその対策も把握済みなのですよ』

 

「うっそぉ!?」

 

「バカが!そんなチートみたいな話あるわけないだろがッ!!ハッタリに決まってる!」

 

明かされたロボの詳細にオーズはマスク越しに両手を頬に当てて驚愕し、アンクはキレ気味に言い放つと真木の言葉から納得の行く発言を聞かされた。

 

『…まぁ、少し会長の〝個性〟を使()()()()頂きましたので、かなり強力なロボに仕上がってしまいましたのも正直な話です…』

 

「会長の…!?」

 

「ちっ!!あンの野郎ッ…!!」

 

「じゃあ…オーズの力は全部効かないって事!?ヤバすぎないソレ!?」

 

鴻上の〝個性〟『権限』は自身の発令した言葉が思い通りになる。それを聞いた瞬間、オーズは再び驚き、アンクは納得したのか不満そうに強く舌打ちをしていた。

耳郎も理解したのか青ざめた表情でそう言う。

その瞬間、ロボの背中から鉄の棒の様なモノが複数展開され、オーズの頭上へと射出される。

 

「っ!!耳郎さんごめん!」

 

「えっうわっ!!」

 

その飛んで来た物体が危険な物だと察知したオーズは加減して耳郎を突き飛ばす。耳郎は数m程飛ばされ地面に落とされる。その瞬間、鉄の棒の物体が勢いよく周囲に散らばるとロボ、オーズ、アンクを囲む様に地面に突き刺さり、作動すると同時にエネルギー状の壁が放出される。そして瞬く間に結界(ソレ)はドーム状の壁となった。

 

「これは…!?」

 

「ちっ!ハメられたか…!」

 

『〝電磁防壁バリア〟。これで君達は逃れられません…と言いたい所ですがあの瞬時にもう1人を範囲外へ逃すとは中々やりますね火野君。コレを作動してしまえば30分は自動で作動し、どんな攻撃でも止める事も出来ません。よって私も出る事は不可能…。もっとも、戦闘ロボ(わたし)を倒せば強制的に止められますけどね』

 

詰め寄るロボにオーズとアンクは身構える。その時、オーズは防壁の外に居る耳郎に向かって声を上げた。

 

「耳郎さん!ここは俺が引き付けるから君だけでもゴールへ向かって!」

 

「っ、何言ってんの…!?ウチだけゴールしたらあんた失格に…!」

 

「かもね!…でも、俺だって合宿に行きたいから出来る限り抗うよ!」

 

唯一その場を動ける耳郎だけでも、そしてなんとか倒して出ると決断し、オーズはそう言う。

その瞬間、校内放送のスピーカーからリカバリーガールの音声が聞こえて来た。

 

 

『報告だよ。条件達成最初のチームは轟・八百万チーム!』

 

 

「えっ!?もう!?」

 

「はっや…!流石だなぁ」

 

『…開始10分で1チームクリアですか…流石は雄英生徒ですね』

 

報告を聞いて耳郎、オーズは驚いていると真木は時刻を見たのかそう言って感心していた。

 

「行って耳郎さん!さあ早くッ!!」

 

「っ!ーーーー…ッッ!!」

 

最初のクリアした報告を聞いて焦りを感じたのかオーズは耳郎に向かって叫ぶと耳郎は悔しそうに歯を食い縛り、背を向けてゴールのある方角へと駆け出した。

 

『…自らの窮地を無視して彼女だけを合格させるとは、君はお人好しですね』

 

「フン!不本意だがそれについては同感だ。自分の事は全く視野に入れない。馬鹿もいいところだ」

 

「五月蝿いアンク!真木さん。さっきも言いましたけど俺はそのつもりじゃないです!俺は最後までもがきますよ!」

 

『良いでしょう。ならば君達だけでも終末を迎えて差し上げましょう…!』

 

ファイティングポーズを構えるオーズに真木はそう言い残すとロボの両腕のアームを広げオーズとアンクに向かって前進を開始し始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

「はぁっ…はぁっ…!!あ、あった…!」

 

荒野の会場を走り抜けて行く耳郎は前方に目的地点であるゲートが見えてくる。チカチカと洒落たライトが点滅しており、根津校長の絵が描かれており吹き出し口には『がんばれ!!』と文字が記載されていた。

耳郎は息を切らしながらゴール地点へ向かおうとするが、その足を止めて振り返る。目線の先、オーズが戦っているドーム状のエネルギー体を見ていた。

 

「……良いの…かな」

 

今更になって耳郎は考えボソッと呟く。ここで通過してしまえば耳郎は合格出来るのは間違いない。火野もオーズの力に加えてアンクがいるのだから倒して来ても不思議ではないと考え走って来たのだが、真木の作ったロボット相手に苦戦していたのも事実。

ふと、耳郎は火野が言っていたヒーロー志望の理由が頭を過ぎった。

 

『火野、当たり前の事聞くんだけど何でヒーロー目指そうと思ったの?』

 

『え?それは勿論〝困ってる人に手を差し伸べれる〟ヒーローになりたいからだよ。どんな場所にも手が届く、それが俺の理由でもあり目標でもあるんだ』

 

『へぇ。お人好しの台詞だね…でも嫌いじゃないかも』

 

『あはは、よく言われるよ。そう言う耳郎さんは?』

 

『ウチ…?ウチは……』

 

「…!」

 

耳郎はその回想を思い出すと目を大きく見開く。

そして、その足はゴールではなく、オーズ達が戦っている方角へと変えて走り出したのだった。

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

「うわあっ!!」

 

「おい!なに力負けしてやがる映司!!」

 

ドームの中、オーズはロボのアームの一撃によって吹き飛ばされアンクはキレ気味に言い放つ。コンボの中でもパワー系のサゴーゾを使っているのにそのゴリバゴーンを使った拳のぶつかり合いに力負けをしたのだ。

流石に窮地と思ったのかアンクは右腕をロボではなく浮遊している重力制圧装置に突き出し、火球を放つ。だが、迫り来る火球を認知したのか制圧装置はそれを避けた。

 

「ちっ!面倒なモンだしやがって…!」

 

「いったああぁ〜〜…!!あのロボットめちゃくちゃ硬いよアンク…!」

 

『当然です。アンク君が炎を放射する事は知っています。そして火野映司君。地球上最も硬いと言われているダイヤモンド。コレよりも更に硬質なウルツァイト窒化ホウ素をふんだんに使用した特殊な素材を両腕のアームに纏っているのですから。君の自慢の攻撃にも耐えれる様にしているのですよ』

 

やや自慢気に話す真木に表情が強張るアンクはふとオーズを見遣ると若干息を切らし始めているのを確認する。

 

「コンボは持久戦には不向きだ…!ここはメダルを変えて好奇を狙うか…!」

 

『メダルチェンジですか。させませんよ』

 

アンクの言葉を聞いたのかロボは片腕のアームから小型のミサイルをアンクに向けて射出する。それに気付いたアンクはその場から急いで跳び離れると、ミサイルは誘導弾ではないのかその場の地面に当たり爆発した。

 

「アンク!」

 

「クソ!そんな暇与えてくれないってか!」

 

 

『報告。緑谷・爆豪チーム条件達成!』

 

「!」

 

オーズはアンクの安否を確認する直後、リカバリーガールから放送が聞こえ、オーズは目を見開く。オールマイト相手にまさかの相性最悪コンビが初陣の合格に続いて2番目に早く合格したのだ。同じく聞いていたアンクは鼻で笑い口を開いた。

 

「フン!笑える報告だ。アイツら仲悪かった筈だろ…!」

 

「あぁ…。本当凄いや…!」

 

共感したオーズは頷くと同時に全身に気合いを入れて拳に力を入れる。あの2人が勝った事により頭の中で負けられないと思ったのだろう。

オーズは一か八かでオースキャナーを取り出そうとしたその時だった。

突然、囲んでいたドーム状のエネルギーがビリビリと誤作動を起こしているかの様に微量に揺れ始める。

 

『?これは…』

 

真木も認識したのかその様子にロボ事見上げていると、オーズは気配を感じて背後を振り返る。

そこにはプラグを足のスピーカーに挿して爆音をドームに向けて放出していた耳郎が立っていたのだ。

 

「耳郎さんっ!?何で!?」

 

「火野!ゴメンっ!無理だった!」

 

「えっ!?もしかしてゴール地点にトラップか何かあるの!?」

 

耳郎の言葉にオーズは驚くと耳郎は大きく首を振る。

 

「1人で…!合格するなんて…!ウチには無理みたい!!火野ならオーズで何とかなるんじゃないかってさっき思ってたけど…!そんなん後味悪過ぎるじゃん!?」

 

ビリビリと自身にも心音が轟くのか耳郎の表情が強張っていきながらも続けて声を上げる。

 

「ウチ!索敵以外は何も取り柄ないけど…!そんなん理由にしてたらカッコ悪いって思ってさ…!!だったらウチも最後まで足掻いて()()()でクリアしようよ!!」

 

「!」

 

自分も苦しい筈なのに耳郎は笑顔でオーズに言い放つ。それと同時にオーズ、火野は耳郎が言っていた言葉を思い返す。

 

 

 

 

『ウチは、〝皆んな〟で助けて最後は笑い合えるヒーローになりたい…かな』

 

 

 

耳郎の言葉を思い返したオーズは自然と笑みが溢れると、耳郎に向かって頷き、オースキャナーを取り出しドライバーにへと再度スキャンした。

 

「耳郎さん…!うん!必ずクリアしよう!!」

 

 

スキャニングチャージ!

 

 

「うぉおおおおっ!!!」

 

 

音声が鳴り響くとオーズの頭部と両腕のゴリバゴーンが発光し始め、雄叫びを上げる。

 

「う…!?これ以上は身体が…!!でも…!負けらんないよ、ね!!!」

 

負荷に身体が掛かり立っているのもやっとになり始める耳郎は自身を言い聞かせて更に爆音の威力を上げる。

 

 

 

「全力で!!Plus Ultra!!(〝ハートビートノイズ〟!!!)」

 

 

耳郎は声を荒げると衝撃波の威力が強まり、ドーム状のエネルギーが大きく揺れる。

その瞬間。

 

 

バキャアアアン!!

 

 

『ッ!?バリアが…!(やはり外からの衝撃は脆いですね…)』

 

ドーム状のエネルギーを纏った装置が負荷に耐え切れず大破し、そのエネルギーが消え去る。

それと同時に耳郎の脚部に装備されていたスピーカーも壊れてしまう。

 

「や…った…!」

 

『小賢しい真似を…』

 

膝から崩れ落ちる耳郎にロボは先手をせんとアームを上げて耳郎に襲い掛かろうとする。が、付近にいたアンクがいなくなっている事に気付きその動きは止まる。

 

『まさか…!』

 

真木は異変を感じたのかロボを使い頭上を見上げるとそこには紅く美しい()を背中から広げていたアンクが飛んでいたのだ。

 

「こういうのが出来る事も、調べてたのか!?フッ!!」

 

アンクはそう言うと豪炎を纏いグリード化した右腕を勢いよく重力制圧装置に向け振り下ろす。すると、装置は真っ二つに切れ、その切れ目からは炎が立ち昇り空中で爆破したのだ。

その瞬間、辺りの空にノイズが走ったかの様に一瞬歪みが発生する。

 

『制圧が解除された…!マズイ…!アーム以外はただの鉄の塊…!!』

 

「映司!」

 

「火野ォ!いっけええええ!!」

 

「ウォオオオオオオ!!!!」

 

重力制圧装置が破壊され真木はスピーカー越しに冷や汗を流しオーズから離れようとするが、時既に遅く、オーズのドラミングにより途轍もない重力がロボの機体に掛かりバキバキと軋む音がロボから聞こえ始める。

そしてオーズはアンクと耳郎の言葉に呼応されその場から跳躍すると、ロボの胴体目掛けて突っ込んで行く。

 

 

 

「せいやあああああああああっっ!!!!」

 

 

両腕のゴリバゴーン、頭部のサイヘッドを同時に打つける〝サゴーゾインパクト〟がロボに炸裂する。アーム以外の鉄の塊はその威力に容易に砕かれそのダメージに耐え切れずロボは爆発したのだった。

 

「ハァっ…ハァっ…!!うっ…!?」

 

瓦礫となり炎が燃え盛るロボの前でオーズは着地すると負荷が来たのか強制的に変身が解かれ、火野は息切れを起こしながらその場に膝を突く。

 

「や…やった…!耳郎さん、大丈…夫…?」

 

「ウチは…大丈夫…!あんた、自分の方がダメージ大きい筈なのに…!本当お人好しだね…」

 

「あはは…そうかもね…でも君が無事なら良かったよ…」

 

「っ……!」

 

疲れて喋るのもしんどそうな火野を見て耳郎は苦笑するも、火野は安心した笑みを浮かべそう返す。すると、耳郎はその顔を見て頬を赤めらせそっぽを向く。

すると、アンクが火野に近寄ると疲労しているのに構い無しに声を掛けた。

 

「おい、呑気にしてる場合か。さっさとそのゴールってとこ通過しないと真木の奴が何か仕出かして来るんじゃないのか」

 

「あっ…!そうだな…おっとと!」

 

勝利した事に余韻に浸っていた火野は慌てて立ちあがろうとすると千鳥足となり蹌踉めく。

 

「大丈夫火野?」

 

「あぁうん…っ。大丈夫っ。それよりアンク。飛べるならゴールまで連れて行ってよ」

 

「ハ?フン、断る。自分の足で歩け」

 

耳郎も何とか立ち上がると火野は頷き、翼を生やして飛んでいたアンクを思い出してお願いすると面倒臭そうにアンクはそっぽを向いたのだった。

 

 




ー日常の地味な嫌がらせー

火野家にて。

比奈「もうアンク!アイス食べ過ぎ!」

アンク「ア?別に減るもんじゃないだろ」

比奈「物凄い勢いで減ってるから怒ってるの!もう!映司君の身体使ってアイス食べてるから映司君お腹壊しちゃってるでしょ!?」

アンク「ちっ!知るか…!」



☆★☆★

翌日の晩。


アンク「アイス、アイス、アイス」

上機嫌にアンクは火野アンクとなって冷凍庫を開ける。すると、そこにはアイスが一本も入っていなかった。
あるのは、ミニチュアで冷凍されていた小さな椅子だった。


アンク「あ?…椅子?…あ…イス……ア、イス…アイス…」

火野「(ブフッ!?お、お前もギャグとか言うんだな…ぶはは…!)」

アンク「っ!ふざけんなっ!!おい比奈!アイスはどこやった!?」

比奈「え?ナンノコトカナ?」

アンク「惚けるなよこの怪力女!」

比奈「っ!?何て言った今〜!ふんにゅううう!!」

アンク「いでででででで!!!」

火野「(あだだだだだ!!?)」

比奈ちゃんには逆らえないアンク、そしてとばっちりを食らう映司だった。



No.64 更にむけろ一皮

更に向こうへ!Plus Ultra!!
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