いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ 作:しょくんだよ
ひょひょー!高評価が続けてぇええっと!
本当にありがとうございまぁああす!!泣
『えー、ご来場の皆様、I・EXPOのレセプションパーティーにようこそおいで戴きました!』
セントラルタワー2階のレセプション会場には来賓客や関係者、プロヒーロー達で賑わう最中、司会者がステージの壇上の上に立ち、司会と共に注目を浴びせる。広い会場にはバイキング形式の豪華な料理が用意されており、ステージの大型モニターにはエキスポのロゴが映し出されている。その頭上の天井には上の階段の高さを見上げれる吹き抜け式となっていた。
『乾杯の音頭とご挨拶は、来賓でお越し戴いたNo. 1ヒーロー、オールマイトさんにお願いしたいと思います。皆様、盛大な拍手を!』
壇上の司会者がヒーローコスチューム姿のオールマイトに向かってそう言うと観客達から拍手が送られる。
『どうぞステージにお越し下さい!』
周りから拍手が送られる中、オールマイトが困った笑顔を浮かべていた。
「デイヴ、聞いてないぞ」
近づいて来たデヴィットに苦笑いしそう言うとデヴィットは苦笑し返し口を開いた。
「オールマイトが来ると知ったらそうなるさ」
「やれやれ…」
困り果てるオールマイトは諦めたのか言われるがままにステージへと歩き出した。
☆★☆★☆★
その頃、飯田達はまだロビーに滞在していた。何故ならまだ全員集まってないからだ。
「ダメだ。爆豪君も切島君も、どちらの携帯にも応答が無い」
飯田は繋がらないスマホを切り、心配そうな表情を浮かべる。
「まさか、迷子…?」
「切島ならともかく爆豪に限ってそれはないと思うぞ」
「いや、興味のない事は流石のかっちゃんも把握してないと思う…」
火野が呟くと器用で何でも出来てしまう爆豪に限って有り得ないと轟が口を挟むが、幼馴染である緑谷は爆豪の性格をよく知っているのかそう答えた。
一方、その頃で渋々参加を決めた爆豪と切島はどこかの通路をうろうろと彷徨っていた。先程から同じような道をぐるぐると回っているような気がしたのか爆豪は前を歩く切島に声をかける。
「…おい、本当にこの道で合ってんのか?」
「多分そうだと思うけど…」
自身なさ気な答えに爆豪は眉を寄せた。
「多分だぁ?」
「いやぁ、実は携帯部屋に忘れちゃってさ……」
面目ないと言わんばかりの顔をする切島に爆豪は呆れていた。
☆★☆★☆★
ステージの上へと上がったオールマイトはグラスを片手にマイクの前へと立つ。
『ご紹介に預かりました、オールマイトです。堅苦しい挨拶は…』
次の瞬間、突如、サイレンが鳴り響いた。大型のモニターには警告を知らせるマークが表示され何事かとオールマイトを含め、会場の全員の耳に島内放送が流れた。
『I・アイランド管理システムよりお知らせします。警備システムにより、I・EXPOエリアに爆発物が仕掛けられたという情報を入手しました』
突然の警告と出来事にパーティー会場の人達はどよめき「何事だ?」と騒ぎ出す。
『I・アイランドは現時刻をもって厳重警戒モードに移行します。島内に住んでいる方は自宅または宿泊施設に。遠方からお越しの方は近くの指定避難施設に入り待機して下さい。尚、今から10分以降の外出者は、警告なく身柄を拘束されます。くれぐれも外出は控えて下さい。また、主要施設は警備システムによって強制的に封鎖されます』
また、ロビーに居た緑谷達もその放送を聞いて戸惑っていると火野はハッとする。窓の防火シャッターが次々と閉じ始め、入り口が塞がれていった。
☆★☆★☆★
レセプションパーティー内の会場は突然の出来事に戸惑い、不穏な空気に包まれていた。その時、その空気を破るように右側のドアが開く。入って来たのはライフルを構えた
「キシャアア!!」
「ヒェアア!!」
「きゃああっ!!?」
「なんだ!?化け物!?」
「ッ!?あれはヤミー!?」
混乱に陥る会場の中、ステージの上にいたオールマイトはヤミーの存在に気付き驚愕する。ヤミーを生み出せる人物は脇真音優無ただ1人。だが、日本にいる筈の彼女が入場を厳重に規制されてるI・アイランドに来る筈がない。だが仲間である黒霧の〝個性〟を使って来たのでは?とオールマイトは脳内の中を過ぎる。すると、真ん中トのドアから同じくライフルを構えた部下を従えて堂々と入ってきたのは鉄の仮面を被った傷の男、『ウォルフラム』だった。
ウォルフラムはステージへと向かいながら口を開いた。
「なかなかどして。この〝ヤミー〟という名の怪物共は使えるな…。さて、聞いた通りだ。警備システムは俺達が掌握した。反抗しようなどと思うな。そんな事をしたら…」
優無の言う通り、忠実に従うヤミーを見て感心するウォルフラムは中央のモニター画面を見遣る。すると、合図をするように手を上げるとモニター画面は街中の映像へと切り替わる。高いところから見下ろすように映る街中では操られたように警備マシンが徘徊し、人々は不安そうにしていた。
「警備マシンがこの島にいる善良な人々に牙を剥く事になる」
モニターを背にウォルフラムはバッと両手を広げる。
「そう。人質は……この島にいる全ての人間だ。当然、お前らもな」
厳重な警備ロボットが仇となってしまい、島中のロボットが警戒モードへと切り替わり島の人々に威嚇し、今にも牙をむこうとしていた。
モニターを見ていたオールマイトがウォルフラムへと振り返ったその時、先手をせんとウォルフラムが耳に当てた通信機に向かって命令をする。
「やれ」
そう言った次の瞬間、床に埋め込まれていたセキュリティ用の捕縛装置が作動し、光ると同時に縄状のものが飛び出し、近くにいたプロヒーローだけを的確に捕縛していく。当然、オールマイトもだ。
「いかん!」
並のヒーローはともかく並外れの力を持つオールマイトなら引き千切ることくらい容易い。だがその時、ウォルフラムは拳銃を突き上げいきなり発砲する。悲鳴が上がる中、ウォルフラムは威嚇するように口を動かした。
「動くな!一歩でも動けば即座に住民共を殺すぞ」
そう言ってウォルフラムはステージに上がりオールマイトに向けて拳銃を突き出した。
「Shit!」
会場のみの人質ならば即座に行動して
「ぐっ!」
「いい子だ」
No.1ヒーローが足元で何も出来ず悔しそうにする。そんな彼を見下ろしてウォルフラムは愉快そうにそう言うと続けて口を動かした。
「全員オールマイトを見習って無駄な抵抗はやめるんだな」
怒りに震えるオールマイトはなんとかしなければと思い、ふと、かつての相棒を見た。デヴィットもオールマイトを見ており視線に気付くと彼は小さく首を振る。
「(トシ、ここは奴らに従うしかない…)」
「(しかしデイヴ…!)」
「(私が必ず救ける方法を見つける。それまで耐えるんだ…)」
焦りと悔しさを顔に出すオールマイトにデヴィットは心配ないと小さく頷いていた。
☆★☆★☆★☆
ロビーに閉じ込められ取り残された緑谷達は薄暗い中、不安な空気に包まれていた。
「携帯が圏外だ。情報関係が全て遮断されちまったらしい」
電話を掛けていた轟が顔を上げてそう言うと「マジかよ…」と青ざめる峰田。その近くでエレベーターのボタンを押していた耳郎が振り返る。
「エレベーターも反応がないよ!」
「マジかよぉお!?」と更にビビる峰田。
すると、何か引っかかってたのか後藤はメリッサに聞く。
「メリッサさん、ここの警備システムは爆発物が発見されただけでこうも簡単に厳戒態勢になるものなんですか?」
「ううん、それだけでこんな大ごとになるのは有り得ないわ…。この状況は私も初めて…」
メリッサも思い当たる節がないのかそう返答する。2人の発言に火野、緑谷の嫌な予感は深まる。牢獄タルタロス並みの警備システムを誇るI・アイランド。その警備を潜り抜け、そう簡単に爆発物を仕掛けられるのか?たとえそうだとしてもここまで厳戒態勢になるのかと違和感を抱く。
火野は同じく考え込む緑谷の顔を見て「緑谷君…」と言うと緑谷は火野を見つめ、無言で小さく頷くと一歩前に出た。
「…飯田君、パーティー会場に行こう」
「何故だ?」と飯田は理由を尋ねる。
「会場にはオールマイトが来てるんだ」
もし、事が重大ならばオールマイトが何とかしている筈。現状を確かめるべく緑谷は提案する。
「オールマイトが!?」
「なんだ、それなら心配要らねーな!」
ホッと安心する麗日と峰田。続けて緑谷はメリッサに聞く。
「メリッサさん。どうにかパーティー会場まで行けませんか?」
「非常階段を使えば会場の近くに行けると思うけど」
メリッサが指を指す方向に重そうなドアがある。
確認した緑谷はメリッサに向き直ると真剣な眼差しと表情で口を動かした。
「案内お願いします!」
「分かったわ。皆んな、着いてきて!」
了承するメリッサが先頭を行き、緑谷達は後を追う。火野も行こうとした瞬間、先程から黙っているアンクが目に入り声を掛ける。
「アンク、どうした?」
「…まさか、
「アンク?」
「おい、火野、アンク。何してる、置いてかれるぞ」
呟くアンクに火野は再度名を呼び声を掛ける。ふと、立ち止まっている2人を見て後藤はこちらに近づいてくるとアンクは火野に向かって注意を促した。
「おい映司、気合い入れておけ。何故か分からないが、この上の階……いや、この
「えっ!?」
「何だと!?」
アンクの言葉に驚愕する火野と後藤。まさか脇真音優無がここにいるのかと火野の頭をよぎり、その顔は更に険しくなった。
☆★☆★☆★☆
レセプション会場では、人質となった客、拘束されたプロヒーロー達が座り込んでいた。全方向から銃を向けられ、更には今にも襲い掛かろうとせんヤミー達が唸り声を上げながら人々を睨み付けていた。
「安心しろ。大人しくしていれば危害は加えない。時間が来れば解放する準備もある」
ウォルフラムが歩きながら言うと1人のプロヒーローが拘束されている状態で身を乗り出し叫ぶ。
「貴様らの目的は何だ!?」
すると、ウォルフラムはそのプロヒーローの顎を容赦なく足蹴する。「ぐはっ!」と倒れ込むヒーローに近くにいた女性客が悲鳴を上げた。ウォルフラムは見下すようにヒーローに向け口を動かす。
「聞こえなかったのか?大人しくしていろ」
その時、ウォルフラムの通信機、部下からの連絡が入る。
「…ああ、そうか。…わかった」
そう言って、周囲を見渡す。すると近くにいたサムが目に入り胸に止められていた社員のプレートに続けて目に入るとウォルフラムは口を開いた。
「お前、ここの研究者だな?」
「は、はい……!」
怯えるサム。ウォルフラムは部下の1人に「連れて行け」と命令する。
「い、一体何を…!?」
「やめろ!」
慌てて飛び出すデヴィットにウォルフラムは視線を向ける。デヴィットは恐れながらも毅然とした態度で声を出す。
「彼は私の助手だ、どうするつもりだ!?」
「ん?……デヴィット・シールドじゃねぇか。お前も来い」
「断ったら……?」
「この島のどこかで誰かの悲鳴が響く事になる」
仮面の下に浮かぶ巨悪の笑みにデヴィットは息をのむ。
「………わかった……行こう」
承諾したデヴィットとサムは部下の1人に銃口を向けられ会場の外へと連れて行かれた。
「デイヴ…!」
親友が連れて行かれるのを見てる事しか出来なかったオールマイトは己の不甲斐無さに、そして周囲にいる
オールマイトは拘束具を引き千切ろうと力を入れたその時、視界の隅に何か光ったような気がした。吹き抜け式の天井を見遣ると、そこにはスマホの画面の光を利用した緑谷が立っていたのだ。
「(緑谷少年!?)」
オールマイトが気付いたその天井のフロア。緑谷は隣にいた耳郎に合図を送る。
「オールマイトが気付いたっ。耳郎さんイケそう?」
「いいよ!」
耳郎の〝個性〟は索敵に優れ微細な音でも聴き取る事が出来る。耳郎の返事を聞いた緑谷はオールマイトに向かって「喋ってください!聞こえてます!」とジェスチャーをする。理解したオールマイトは
「聞こえるか?
「っ!大変だよ緑谷!」
耳朶のプラグを戻しながら慌てた様子の耳郎は緑谷に報告した。
☆★☆★☆★☆
非常階段の踊り場で待機していた火野達は戻った緑谷の報告を聞いて現状の出来事に言葉を失う。少し沈黙が続いた後、飯田が先陣を切って物申した。
「オールマイトからのメッセージは受け取った。俺は、雄英高教師であるオールマイトの言葉に従い、ここから脱出する事を提案する!」
それを聞いた八百万もその提案に賛同する。
「飯田さんの意見に賛同します。私達はまだ学生、ヒーロー免許も無いのに
どこか悔しそうな表情の八百万に上鳴は困惑しつつも思いついた案を口にする。
「あ、なら脱出して外にいるヒーローに…」
「脱出は困難だと思う。ここは
メリッサがそう言うと後藤も飯田の意見に同意したのか口を挟む。
「飯田の意見に俺も賛同だ。厳戒態勢であるうえにヤミーまでも出現している以上、下手な動きはやめた方が身の為。大人しく俺達は待機するべきだな」
「そ、そうだよな…」
メリッサと後藤の意見を聞いた上鳴は気落ちしながらそう言うと、耳郎が立ち上がった。
「上鳴、それでいいわけ?」
「どういう意味だよ?」
「救けに行こうとか思わないのっ?」
先程緑谷とレセプション会場を見てきた耳郎はヒーローを志す者として現場の状況に苛立ちを募らせていた。先程のオールマイトの声と共に不安で怖がる人達の声も聴こえたのだろう。
つまる上鳴に怯えていた峰田が声を上げる。
「おいおい、オールマイトまで
その言葉を聞いて緑谷は顔を曇らせる。すると、轟が口を開いた。
「俺らはヒーローを目指してる」
「ですから、私達はまだヒーロー活動を…」
八百万が言い掛けるが轟は左手をグッと握りながら言った。
「だからって…何もしないでいいのか?」
「それは……」
八百万も同じ雄英生、ヒーローを目指す者として出来る事なら救けたいと思っている。それは飯田も同じだ。委員長として最善の判断をしたが救けたい気持ちは彼も、そして後藤だって同じだった。沈黙し、葛藤する中、火野がポツリと呟く。
「…救けたい」
「……僕も」
緑谷も続けて呟くと全員の視線が2人に向く。麗日は「火野君、デク君?」と心配そうに声を掛ける。そして真剣な顔で考え込んでいた緑谷は顔を上げて口を開いた。
「救けに行きたい」
「
怯える峰田が反論するが、緑谷は必死に言い分を口にした。
「違うよ峰田君、僕は考えてるんだ。
「フン、都合のいい話を。これだけ
必死に伝える緑谷の言葉を聞いた全員は驚く。その中、アンクは嫌味を言うように割入る。
アンクに便乗して上鳴も戸惑うように言う。
「アンクの言う通りだぜ。そんな都合のいい事……」
「…でも、俺達は動ける」
ふと、火野が口を挟み、そのまま喋り出した。
「何もせずに救けを待っている間にもし人質の身に何かあればそれこそ後悔するだけだ…!だったら少しでも他のヒーロー達が動けるよう手を差し伸ばして助力したい!」
「火野…」
覚悟を決めた火野は揺るがないその気持ちをぶつけるように言い、耳郎はどこか安心するような目で火野を見つめていた。それに便乗して緑谷も口を動かす。
「火野君の言う通り。僕も、それでも探したいんだ。今の僕達にできる最善の方法を探して、皆を助けに行きたいっ」
火野と同様に一歩も譲らないその熱意。何の見返りも求めず、人々を救いたいという一心が火野と緑谷を突き動かしているのだろう。その2人の姿がメリッサには小さなヒーローに見えた。
「デク君…」
緑谷と同じ想いで緑谷を見つめる麗日。その後ろでメリッサが口を開いた。
「I・アイランドの警備システムは、このタワーの最上階にあるわ」
その言葉に皆から注目を浴び、メリッサは続けて口を動かした。
「
メリッサが話す情報によって道筋が見えてきた。彼女も覚悟を決めていたようだ。
「メリッサさん…」
「監視を逃れる…。相手はプロのテロかもしれないですよ?」
希望の光が見えたように緑谷は呟く。ふと、後藤が質問をする。相手がそれなりの腕を持つ集団なら監視を逃れるなど容易ではない筈。だがメリッサは辺りを見渡して口を開く。
「現時点で私達に実害はないわ。
「…確かに」
「戦いを回避してシステムを元に戻す、か。成る程…」
言われてみればと後藤は頷き、意見を述べた3人の考察をまとめ、現時点での最善策に轟は納得する。その隣で八百万も考え込んでいた。
「それならイケんじゃね!?」
「だよね!」
可能性を感じた上鳴と耳郎が頷くと急激に変わっていく流れを見て峰田が震え上がる。
「しかし、最上階には
どうにか作戦を成功させようと考えていた八百万が愚痴をこぼす。すると、緑谷が声を掛けた。
「戦う必要はないんだ」
その言葉に全員の注目が集まる。
「火野君が言ってたけど、システムを元に戻せば、人質やオールマイト達が解放される。そうなれば、状況は一気に逆転するはず…!」
「緑谷君…」
「……」
自分の意見に賛同してくれた緑谷に火野は少しだけ笑顔を見せる。そしてその強い眼差しの彼の横顔を飯田は見ていた。その時、麗日がバッと立ち上がる。
「デク君!行こう!!」
「麗日さん!」
「私達にできる事があるのに何もしないでいるのは嫌だ!そんなの、ヒーローになるならない以前の問題だと思う!」
麗日の心強い言葉に緑谷は火野と顔を見合わせて笑顔で立ち上がる。
「うん!困っている人達を助けよう!人として当たり前の事をしよう!」
「おう!」
「よしっ!後藤さん、アンク!」
緑谷と麗日が拳を握り、やる気を見せる。火野も同じく強く頷く。そして端の方でこちら側を見ていた後藤とアンクにも賛同をもらおうと声を掛ける。
「…ったく。ヒーローを目指すとは言え俺達はまだ学生の身分だ。大人しく待った方が懸命…だと思っていたが、メリッサさんの説明を聞いて俺達でも何とかなるかもしれない可能性が出てきたな…。戦闘を極力避けるなら俺も協力する」
「フン、相変わらずお堅い頭をしているなお前は。
「お前俺の発言を聞いてなかったのか?……まあ…このタワーのどこかで
「あ?…フン。俺は人助けなんざ更々興味がない。だが敵にヤミーがいれば話は別だ。メダルを稼げるチャンスになるからなぁ。そのついでにお前等と一緒に行ってやる」
どのみち
「緑谷、火野。俺も行くよ」
「ウチもっ」
「響香ちゃん…!」
「轟君…!」
「轟君…耳郎さん…ありがとう!」
笑顔になる火野、緑谷、麗日に飯田は毅然となる態度で言った。
「これ以上無理だと判断したら引き返す。その条件が飲めるなら、俺も行こう」
「飯田君!」
覚悟を決めた眼差しに緑谷は喜ぶ。
「そう言う事であれば、私も」
「よっしゃ!俺も!」
「八百万さん!」
「上鳴君!」
八百万も納得して頷くと無駄にカッコつけながら上鳴も承諾する。そんな中、嫌な流れに峰田は狼狽えていた。だが、その希望になろうとする大きな流れには逆らえなかった。今怖いと言い逃れていては、男として名が廃るからだ。
「あーもー!わかったよ!行けばいいんだろ行けばァ!!」
やけになり泣き叫ぶ峰田に緑谷、火野、麗日、上鳴が声を掛ける。
「ありがとう峰田君!」
「カッコいいよ峰田君!」
「頑張ろう峰田君!」
「一丁やってやろうぜ峰田!」
そんな皆んなを笑顔で見ていたメリッサに緑谷が近づく。
「メリッサさんはここで待っていて下さい」
「私も行くわ!」
「で、でも…メリッサさんには〝個性〟が…」
「この中に警備システムの設定変更ができる人いる?」
「あ…」
きっぱりと一番大事な役目を言うメリッサに上鳴が声を漏らす。顔を見合わせる皆んなに向かいメリッサは一歩踏み出した。
「私はアカデミーの学生、役に立てると思う!」
「でも…」
メリッサが〝無個性〟だと知っていた緑谷は止めようとする。だがメリッサは自分を奮い立たせようと胸に拳を作る。
「最上階に行くまでは足手まといにしかならないけど…私にも、皆を守らせて。お願い!」
自分にしか出来ないことがあるのなら、メリッサは危険も、迷惑をかけてしまうかもしれないと思いながらもそれらを全て胸に想い、確信して頼み込む。その表情を見た緑谷は強く頷いた。
「…わかりました。行きましょう、皆を助けに!」
真剣な緑谷の後ろでみんなが頷く。アンクも鼻を鳴らして彼なりの相槌を見せる。全員の笑顔にメリッサは「…ええ!」と答えたのだった。
さてさて、ぼちぼちですかな…。
No.72 雄英生徒達、出動!
更に向こうへ!Plus Ultra!!