いつかの明日へ、【ヒーロー】は助け合いでしょ 作:しょくんだよ
予感と暴走と再開
No.1ヒーローと
「っ…何だ…?この気配…」
グリードに似たような気配。だがその奥に感じる濁ったような感覚が走り、アンクは冷や汗を流す。
「まさか…映司…!?クソっ!画風男の奴何やってんだ!」
先に到着しているであろうオールマイトに苛つくアンクは、考えている予想が外れている事を祈り、速度を上げて現場へと向かった。
☆★☆★☆★☆
「ウゥオオオオオオオオ!!!」
「何だよありゃあ…!?火野の奴、まだあんな姿隠し持ってたのかよ…!」
壁の堀から見つからないように覗いていた切島が、雄叫びを上げるオーズの姿を見て驚愕していた。プテラノドンの頭部、トリケラトプスの角が生えたような胴体、ティラノサウルスを模した強靭な脚部。まるで太古の力を手にしたその形態は、決して味方とは言えない見た目をしており、低い唸り声が聞こえ始める。同時に変化していく体勢と呼吸と共に上下する身体、そこにもはや理性という物が感じられない。そのオーズは、死柄木達、ヴィランオーズ、ポセイドン、ウヴァらを睨むように見つめていた。
「新しい…コンボですわね…」
「あぁ…だが様子がおかしいぞ……!?」
初めて見るコンボに八百万と轟は口を開いて言うが、見るからに危険な雰囲気を溢れ出しているオーズに愕然としていた。
「火野……!」
飯田、緑谷も目を見開いて唖然と見つめている中、耳郎も心配な表情を浮かべながらオーズを見遣っていた。
激闘を繰り広げているオールマイト、オール・フォー・ワンも同じく、正義とは決して言えないその姿が視界に入る。
「火野少年…!?」
「これは驚いたね……。僕には感じるよ……
オールマイトの拳を腕を交差して防御をとるオール・フォー・ワンは驚いた表情を浮かべているが、その奥底の感情がそれを塞ぎ込み、「良いね…」と不吉な笑みを浮かばせていた。
「ウォオオア!!」
「ッ!来ーーー」
オーズは咆哮を上げると、ヴィランオーズは身構え、警戒態勢へと入る。プトティラの形態は把握しているつもりで、どのような攻撃を仕掛けて来るのかは予測出来る優無は、一旦距離を取ろうと後方へ足を踏み出した…その直後。
地面が抉れる程、足を踏み出したオーズは脅威的なスピードでポセイドンの方へと詰め寄ったのだ。
「っ!?」
「ッ!しまっ、弟君!!」
明らかに敵意をこちらに向けていたオーズだが、急にカマをかけたかのようにポセイドンへと接近する。やられたとヴィランオーズは槍無の名を呼び、ポセイドンの方へと駆け出す。標的とされたポセイドンはディーペストハープーンを咄嗟に振り上げた。
「ッ!?ウォアッ!!」
「なっ!?」
直撃。した筈なのに、火花が散るだけでオーズの突進の勢いは止まる事なくポセイドンの懐へと入り込むとアッパーをするように拳を打ち込んだ。その衝撃でポセイドンの腹部から何枚かセルメダルがオーズの足元へ落ちる。
「ァぐっ……!!」
「弟君!!」
空中へと吹き飛ばされ、勢いよく地面へ落下するポセイドン。
「こんんっの…よくも!!」
怒りが込み上げたヴィランオーズはそのまま背後を見せるオーズへと突っ込んだ。だが、オーズは気付いているのか、オースキャナーを取り出し、ベルトへとスキャンさせる。
スキャニングチャージ!
音声が鳴り響き、恐竜の鳴き声と同時に緑色の複眼が発光すると、それが伝線するみたくオーラングサークルが光出す。迫り来るヴィランオーズへと振り返り、胴体の〝トリケラアーム〟の肩部分にある突起物〝ワインドスティンガー〟が、瞬時に伸びた。
「!」
刹那、ドスッと鈍い音が左肩から聞こえる。一瞬何が起きたのか分からないヴィランオーズは伸びたワインドスティンガーの先を目で追う。それは、ヴィランオーズの左肩を裕に
「…ッッッ!!?いぎぁああああああッ!!!」
「ゲホっ…!!姉さ…ん!!!」
気付いた瞬間に襲い来る激痛。大量の流血が地面に落ち、奇声に似た断末魔を上げるヴィランオーズ。腹部を押さえながらポセイドンは抉れた地面から立ち上がろうとするが、ダメージが大きいのか、上半身を起き上がらせるのもやっとな状態だった。その光景を見ていた
「イィいい…!!!ゥえっ……!こんのぉおおお!!!」
スキャニングチャージ!!
「!!」
嗚咽しそうになるが、必死に堪えドライバーにスキャンさせると音声が鳴り響く。ヴィランオーズの両足が緑色へと発光すると、地面を強く蹴り、貫いたまま空中へと跳躍する。距離が離れた為、貫いていたワインドスティンガーがズボッと肩から外れ、ヴィランオーズはオーズから離れた場所へと落下した。
「あぅ…!ああアァ……!!!」
「姉…さん…!!」
「あァぁ…!!はぁ…はぁ…!!
ドクドクと血が止まらない肩を押さえながらヴィランオーズは言う。咄嗟にジャンプしていなければ重症どころではすまないと悟ったヴィランオーズはワインドスティンガーとエクスターナルフィンをしまうオーズを見つめながら、その残虐非道な行動に恐怖を覚えゾッとする。標的が離れ、呻き声を上げるオーズの後方、愕然としていたMr.コンプレスが口を開いた。
「おいおいおい…!冗談が過ぎやしないか!?やる事成す事完全に
「!」
動揺するMr.コンプレス。その言葉に反応したオーズはバッとMr.コンプレスへと振り返る。すると、足元に落ちていたポセイドンのセルメダルを1枚手に取ると、空いている片方の腕を勢いよく地面へと突き刺した。抉れる地面が紫色に発光し、悍ましい雄叫びと共に何かを地面から取り出す。恐竜の顎を模した大型斧、それはプトティラコンボの専用武器〝メダガブリュー〟だ。
「ッ!皆…逃げてっっ!!」
重症を負ったにも関わらず、ヴィランオーズはオーズの目先にいる死柄木達に向かって掠れた声で張り上げ叫ぶ。その
「っ!いけない!火野少年!!」
今から何をするか、嫌な予感が全身に走ったオールマイトは空中を蹴るようにオーズに向かって突進する。
「させないさ」
対峙していたオール・フォー・ワンは黒霧に仕向けた黒く伸びた指をオールマイトの胴体へと突き刺し、引っ張るように彼を引き戻す。
瞬間、オーズは持っていたセルメダルをメダガブリューの刃の部分、〝クランチガルバイダー〟へと挿入すると、グリップ部分を上げた。
ガブッ! ゴックン…!!
まるでセルメダルを喰らうような音声が鳴り、オーズはそのまま持ち手部分を展開させる。大型の斧とは打って変わり、銃を模した形状へと変化する。それがメダガブリューのもう一つの形態、〝バズーカモード〟だ。
プ・ト・ティラーノ・ヒッサ〜ツ!!
〝アックスモード〟だった持ち手部分が銃口となり、その銃口から紫色のエネルギーが凝縮されていく。そしてオーズは畏れを成して動けずにいた死柄木達に、躊躇無くトリガーを引く。目の前にいる全てをモノを葬る、
「やべェっ…!」
「皆避けろーーーー」
ハッとした爆豪が咄嗟に爆破を地面に向け、後方へと下がる。スピナーが叫ぶが、既にその光線は目の前まで迫っていた。その場にいた誰しもが、ダメかと悟った次の瞬間。倒れていたポセイドンがその光線の前へと立ちはだかった。
「っ!弟君!?」
ヴィランオーズが名を呼ぶ直後、光線はディーペストハープーンを前に突き出したポセイドンにぶつかり、激しい火花が飛び散った。
「……ッッ!!ンうおおおおおおおォおっ!!!」
耐えきれぬ程の衝撃が全身に走り、ポセイドンは声を荒げながら死物狂いでその
「はぁ…はぁ…!!」
「…た、助かったわ……!貴方凄いわよ槍無ちゃん…」
命の危険を悟っていたマグネは安堵し、ポセイドンに声を掛けるが、その時。
ポセイドンの体の色素が抜け落ちるようにノイズが走ると同時に、変身が解かれた。
「……あれ………!?」
光線を逃しただけでかなりの体力を持っていかれたが、相当なダメージを負っているわけではないポセイドンは、強制的に解かれた変身に唖然とし、両腕を見つめていた。
「何だっ!?弟の奴、元の姿に戻りやがったぞ…!」
「あんな攻撃を真正面から受けたんだっ。仕方ない…それより、死柄木どうするよっ。あのオーズは見境無しに俺達を殺す気で来るぞ。肝心の爆豪だけでもさっさと連れてこの場から連れ去らないと、俺達もやられる!」
「脇真音ブラザーズもやられたしよっ!大丈夫かな?大丈夫だろっ!」
ヴィランオーズは重症、ポセイドンは変身解除、今はトガが交戦しているが、この場の全員で取り押さえてワープゲートを通らなければ、いつ襲って来るか分からないオーズ相手に困惑するスピナー、Mr.コンプレス、トゥワイス。
死柄木は激戦を繰り広げているオールマイトとオール・フォー・ワンを見ながら、首元をガリガリと掻きむしり、その口を動かした。
「あの姉弟はもう使い物にならない…だったら、二手に別れてこっちで何とかするしかないだろ…。トゥワイスとマグネ、スピナーはあのヤバそうなオーズの注意を外らせ…奴の攻撃には絶対当たるな…、残りは俺と一緒に爆豪を捕まえる。Mr.コンプレス、お前が頼りだ」
「やだね!任せろ!」
「もはやアレは粛清対象」
「…しょうがないわね」
「やれやれ、余裕な時こそショーってのは完璧なのにな。まあ、仕方がないか…」
状況を把握した死柄木は言うとその場にいた4人は了承し、行動に移ろうとした。だがその時。
ガブッ! ゴックン…!!
プ・ト・ティラーノ・ヒッサ〜ツ!!
「「「!!」」」
なんとオーズは再びセルメダルをメダガブリューに装填し、もう一度
「ちょっ、ちょっと!?またアレ打つ気なの!?」
「絶対避けろ!間違いなく死ぬぞ!!」
2度目の死の危険を感じたマグネが言うと、スピナーが声を荒げる。
すると、オールマイトの攻撃をガードしながら見ていたオール・フォー・ワンはオールマイトから一歩距離を取ると、右腕の指先から黒く鋭利な指へと形を変える。
「っ!何度も同じ攻撃など…」
「通用しないのは承知の上さ」
オールマイトが言った直後、オール・フォー・ワンは瞬時に黒い指を引っ込め、その右腕を突き出した。ズッ!と重い衝撃が走り、その右腕からは空気砲のようや衝撃波が放たれ、もろに直撃したオールマイトは再び吹き飛ばされてしまう。
そして、オール・フォー・ワンは脅威的なスピードでその場からジャンプすると、マグネ達の前へと落下し、トリガーを引いたオーズの正面へとと立ちはだかった。
「!!」
オール・フォー・ワンは直ぐに左腕を突き出すと、円盤状の防壁が展開され、
「……これはなかなか……」
防壁に亀裂が入り、左腕がビリビリと衝撃が伝わっていく。だがそれにオール・フォー・ワンは何処か嬉しそうにそう言って、左腕に力を込め、防壁を何層も作り出す。瞬間、爆発が起こり、マグネ達を巻き込むように土煙が舞った。
「先生…!」
心配する表情で死柄木は見つめていると、土煙からオール・フォー・ワンの姿が現れる。無傷で立っていたので、死柄木は安堵していた。
「……ゥウ…!!」
唸り声を上げるオーズはメダガブリューを〝アックスモード〟へと切り替えると、オール・フォー・ワンに向かって駆け出す。オール・フォー・ワンは再び左腕を突き出し、防壁を出そうとしたその時。
「…!?」
「ウオァ!!」
「!」
違和感を感じたオール・フォー・ワンは自身の左腕を見つめると同時に、接近してきたオーズはメダガブリューを振り下ろす。間一髪で空中へと飛び退けたその直後、吹っ飛ばされたオールマイトがこちらへと向かって突っ込んで来た。
「おのれ!次は無いぞ!!」
「やれやれ、しぶといね君も…!君達、あのオーズの攻撃には絶対に当たってはならないよ」
迎え打とうとオール・フォー・ワンはオーズに向かって右腕を突き出し、空気砲を放つ。吹き飛ばされるオーズと同時にオール・フォー・ワンは立ち尽くしていた死柄木達に忠告し、一旦区切ると、地面に直撃したオーズを見ながらその口を動かした。
「あの攻撃に当たれば…〝個性〟が使えなくなる」
「「「「!?」」」」
☆★☆★☆★☆
数分前。
「はぁ……!はぁ……!」
オーズから強制的に切り離されたウヴァは、あの場から離れて走っていた。息が荒くなる中、爆発と衝撃が鳴り響く音が聞こえ、ウヴァは振り返った。
「クソ…!何もしていないのに、何故この俺に攻撃を…!それにオーズの奴も紫のメダルを使いやがる…!あんな状況に居てたまるか…!!」
身に覚えのない槍無の言いがかりに、プトティラとなったオーズ。あの場に居れば、間違いなく
「………」
振り返り、ウヴァはこの先どこへ行こうかと考えていた。そして一歩踏み出そうとした、その時だった。
「ハァッ!」
「ぐあっ!?」
突然背後に強い衝撃と痛みが走り、前方に飛ばされ、地面を滑るように転がるウヴァ。何事かとバッと振り返ると、そこにはアンクが立っていた。
「ア、アンク…!?」
「お前、何故1人でこんな所にいやがる?映司はどうした?」
「…フン!オーズの奴なら、紫のメダルを使って脇真音共と向こうで戦ってる…!」
「何…!?…チッ、やはりあの異様な気配は紫のメダルだったか。…で、お前は何をしているウヴァ」
「ッ………」
アンクの質問に黙り込むウヴァ。すると、アンクは静かに笑い出し、その口を動かした。
「ハッ……読めたぞ?お前、どうせ脇真音に愛想尽かされてのこのこと逃げて来たんだろ?」
「ッ!う、五月蝿い!!分が悪いと判断しただけだ!完全な力さえあれば俺は逃げてなんかいなかった!!」
「ほお、図星のようだなぁ?おまけに器の小さい言い訳を垂れやがる…やはりお前は脳筋だけの虫頭のようだな」
「!?アンク…貴様…!!」
挑発的に発するアンクに、ウヴァは拳を握り締め、今にも飛び掛かろうとしていた。だが、アンクは右手を前に出し、口を開く。
「昔ながらの付き合いだから言っておくぞウヴァ。この世界の人間は〝個性〟って言う変な能力を使って生きている。甘い誘惑なんかに関与していると痛い目を見たのは十分理解しただろ?」
「だから何だ!?」
「超人社会…皮肉なもんだ。あれだけ欲望に飢えて何も出来ない人間が、その欲望に近づこうと
「…!」
「フン、簡単に言えば忠告だ。この先何をしようと俺にとってはどうでもいい。だが力を持った奴らが直ぐに捕まえに来るぞ。完全体じゃないお前なら、抵抗出来たとしても取り押さえられるのが目に見えてるがなぁ?」
悔し気に黙り続けるウヴァ。
その時、オーズ達が居る方角から大きな爆発音と恐竜が雄叫びを上げるような声が聞こえる。
「チッ!結局この世界でもあのメダルもご一緒で、暴走のサービス付きか…!世話の焼ける馬鹿が……」
余計な無駄話してしまったと見つめるアンクは再び飛ぼうと翼を広げようとした。
「……待てっ、アンク!」
「ッ?」
呼び止めるウヴァ。その両手は強く拳を握り締めており、言い出せなさそうな表情を浮かべていた。が、何かを覚悟したのか、小さく頷くとウヴァはアンクに目を合わせず、その口を開いたのだった。
☆★☆★☆★☆
「ウォオアアアアア!!!」
「もォッ!?止めろって言われたけど近寄るのも無理よこいつ!?あの攻撃食らったら〝個性〟発動しなくなるって言われたのに!」
「文句を言うなマグ姐!死柄木が爆豪を捕らえるまで注意を外らせと指示を出された以上、我々はやる事をやるだけだ!責務を真っ当するぞ!ステイン様は仰ったーーーー」
「カッコいい台詞は行動で示してからにしてちょうだい!あんたさっきから威勢張ってるだけじゃないの!?」
何とか距離を一定に保とうと動くマグネだが、オーズは詰め寄らんとメダガブリューを振り上げて猛進して来る。スピナーはナイフを構えているが、マグネを先頭に出して後方で騒いでいるだけだったのかマグネは激怒する。そんな中、貫通していた肩を押さえて横たわっていたヴィランオーズにトゥワイスが駆け寄り、心配そうに声を掛けた。
「あぁ…優無ちゃん!怪我大丈夫…!?平気だろ!?」
「変身…してる時は多少は痛みが和らいでるよ…!でも、もう戦うのはキツいかな…それよりも…、早く…皆逃げないと…!」
「任せろ!取り敢えず優無ちゃんは先に黒霧さんのところへ連れて行くからよ!」
「ありがとうトゥワイス……」
トゥワイスの肩に抱かれ、ゆっくりと立ち上がるヴィランオーズ。だがプトティラコンボのオーズ相手にマグネとスピナーだけでは時間稼ぎすら儘ならない。負傷してしまった体と、プトティラコンボの
一方で爆豪は襲い来る死柄木、トガ、Mr.コンプレス相手に防戦を強いられていた。二手に別れた人数で逃げれるチャンスが増えたと思いきや、
「弟君…!平気…!?」
「僕は…大丈夫…変身出来ないけど…!姉さんの方が……!」
「大丈夫……お互いメダルが
黒霧のワープゲートが強制発動された付近で座り込んでいた槍無に連れて来られたヴィランオーズは声を掛ける。負傷はしているものの、
「よし、おいお前達!優無ちゃんは無事に連れてきーー」
トゥワイスはホッとし、時間を稼いでくれているマグネとスピナーに声をかけようとしたその時。応戦していた筈のマグネとスピナーが目の前まで飛んで来た、否。飛ばされて来たのだ。
「マグ姐!スピナー!?」
地面へと転がる2人は意識を失っている。ハッとしたヴィランオーズはオーズの方を見遣ると、オーズの腰から伸びている
激戦区となってしまったこの現場で、唯一動ける緑谷達。だが彼らは戦う事が許されない状態。仮に爆豪を救け出せても暴走しているオーズを戦闘無しで救けるのは不可能に等しい。どうすれば…!と緑谷が悔し気な表情を浮かべていた。
「ウォオアアアッッ!!!」
「!?」
すると、雄叫びを上げるオーズが、ヴィランオーズらの元へと駆け出す。理性を失ったオーズにもはや成す術は無い。全てを壊さんと、メダガブリューを振り上げたその瞬間だった。
オーズの頭上から炎が降り注ぎ、地面に落下した瞬間、行手を阻むように燃え上がる。
「!?」
「熱っ!冷たっ!何だ!?」
「炎…!?どこ、から…!」
オーズは立ち止まり、トゥワイスとヴィランオーズは何事かと、降って来た上を見上げる。その頭上に居たのは翼を広げたアンクだった。
「アンク……!?」
「……フン。おいウヴァ、…しっかりやれよ?」
驚くヴィランオーズにアンクは鼻を鳴らし、そう言った瞬間ヴィランオーズは「ウヴァ…!?」と驚愕し、途中でいなくなってた事に気付いて辺りを見渡す。
「貴様ら…、さっきはよくもやってくれたな…!」
その声にハッとし、ヴィランオーズは振り返ると、そこにウヴァと何体もの
「……!〝屑ヤミー〟……!?」
その正体はセルメダルを〝割る〟事によって生成される屑ヤミー。驚愕するヴィランオーズ。一方で、アンクはこちらに視線を向けて唸り声を上げるオーズに向かって口を開いた。
「……随分と懐かしい姿になったもんだなぁ、映司。相変わらず、世話の焼ける馬鹿だな……!」
「ウゥ…ウォオアアアアア!!!」
炎が燃え盛る中、オーズは雄叫びを上げる。その咆哮が木霊する中、アンクはグリード化した右腕を強く握り締め、オーズを睨み付けるように見つめていたのだった。
No.94 反撃と鎮火の灯火
更に向こうへ!Plus Ultra!!