隔絶された深淵の地、外界の大陸に存在する教導国家ドラグマ
この地は、突如現れる異空間ホールからもたらされる「脅威」に常にさらされていた。
ある時は未知の暗黒物質。超文明の遺物と思わしきテクノロジー
時には生命でさえも
またあるときには人智を越えた恩寵とも言うべき力をその地にもたらすこともあった
人智を超えし力に対抗すべく結成された、神の力を授けられた”聖痕”を持つ者達(教導軍)は、世界に秩序をもたらせる為の戦いに身を投じるのであった…。
ドラグマは深淵の極北に位置し、「教導の大神帝官」を最高指導者とする教会を国家運営の中心に据える大国
ドラグマの信徒によって構成される教導軍は、信徒の証である、聖痕を通じて奇跡の力を操り、「ドラグマ」に仇なす邪教徒を殲滅する
「ドラグマ」の信徒にもれなく施される印聖痕
神器「教導枢機テトラドラグマ」へ授かった神の力を
その代行者である、「教導の大神帝官」を介して信徒に分け与え、不思議な奇跡を発現させる
この話は狂った信仰により平和な世界の実現という盲信の為、主にその身を捧げた(文字通り肉体そのものを)二人目の聖女のお話である
「◼️◼️◼️よ、」
「はい、」
「巫女としてその身を我らが神に捧げよ、さすれば汝に苦難を越える為な奇跡を授けよう」
「お言葉のままに、私、◼️◼️◼️はこの身を主に捧げます」
「よかろう、ではその証として貴様に聖痕を与える」
「ドラグマ万歳!!、ドラグマ万歳!!、ドラグマ万歳!!」
平和のために誰も苦しまなくてよい世の実現のため私は聖女になったのだ
なのに、なのに、なのに、なのに、なのに、なのに、なのに、なのに、なのに、なのに、なのに、なのに、なの、、、、、、、、、に
『どうして?』
サクリと鋭い刃が水分を含んだ肉を斬るような音が聞こえた、教会の中で料理でもしているのだろうか?そんな予想など微塵ともしていなかったことに対して
逃げるように考えてしまった
「え?」
鉄の味がする、
そう感じたと同時に体から胃から食道を昇り何かが込み上げてくる
口の中が何かで埋めつくされたと同時に、生臭さと先ほどよりも強い鉄味が口内を埋めつくした
口より何かが溢れ落ち、その雫が白く美しい聖衣を朱く染める
それに気づいたときそれをかわぎりに吐血した、先ほどよりも沢山の血が衣を汚す
白く清廉なる衣装は朱く燦爛とした赤黒いものへと変化していた
状況が理解出来ない、そのために刃を突き立てた凶人へ視線を向ける
刃の束を握っていたのは彼女と同じ志しをもち同じく主より選ばれた「教導の神徒」であったものだった、
「だ、、、れ、、、?」
教導の神徒とは似てもにつかない赤黒い邪悪さを感じさせる鎧、白き爪刃は以前の面影はなく、細く、長く、より鋭利に生物を殺すためのものに変化していた、一見似たようにみえる仮面も醜悪でおぞましいものだった
神性さを感じさせない、禍々しくその姿彼女が伝え聞いていた邪神の教徒、そのものだった
どうしてドラグマに邪教徒が?
その疑問とともに凶刃が乱暴に引き抜かれる
先ほどまで感じていなかった痛みが灼熱の炎の如く◼️◼️◼️を襲った
「あ、、、、あぁぁぁ、、、ぁぁ」
言葉にならない悲鳴、体の重要なものが貫かれ、腹部からは止めどなく血が溢れ出る
痛みはより激しくなり、それと相反するように体からは熱が失われていく
痛みによる熱と失血による冷が同時に彼女を蝕んだ
(いやだ、いやだ、)
痛みに悶えながら彼女は感じとる
命という水が肉体という器から溢れ落ちていることに
腹部を抑え、魔法陣を展開し、必死に血を止めようとする
彼女の手より信仰する象徴である紋様が魔法陣として浮かびあがり、彼女を聖なる光が包みこむ
何も感じない温かく優しく包みこむような主の加護を感じないのだ
「なん、、で?」
止まらない、決壊したダムのように溢れ出る血が止まらない
理解できない状況に疑問符が浮かんでは消えていった
原因は考えるまでもなくあの邪教徒の仕業だろう
微かにだが刺された腹部からは自信のもつ聖なる力と相反する何か、、、呪いのようなものを感じとった
これが彼女の奇跡を阻害しているのだろう
「誰か、だれ、、か、たす、、、けて」
だがわかったところで何の解決にもならない
芋虫のように聖なるカーペットを紅く染めながら地面を這い逃げる
助けを呼ぼうとするが声が上手く出ない
邪教徒「デスピアの凶劇」は地面を這う聖女を見下ろしている
仮面により表情などは一切わからない
だが悲哀の感情などはないだろう感じるのは狂喜、弱いものをなぶる喜びといったものを感じた
醜悪な感情を向けられ◼️◼️◼️は息がつまる
体が硬直し手足が震える、それが恐怖によるものか、はたまた体温の低下によるものかはわからない
今はただこの悪魔から逃げ出したからった
凶刃が振り上げられる、死ぬ、
人間の本能が死を直感した
咄嗟に体が反射的に動いた
降りおろされる刃とともに自身のもつ聖杖を悪魔へと向ける
同時に眩い閃光が二人を包みこんだ
悪魔が仮面越しに顔面を抑える
今が好機、この瞬間のみが彼女が生き残るための蜘蛛の糸
「聖杭(ホーリーレイ)、聖火」
詠唱とともに光の槍がデスピアの教劇へと向かい貫き壁へとその体を固定する
それと同時に火焔が包みこんだ
倒すのが目的ではない、彼女には一切の攻撃魔法の才能がない、聖痕があるとはいえ、あの悪魔を倒すのは不可能だろう
故に殺傷能力のなく、敵を壁におしあて固定する光の杭と視界を奪うために派手なだけで火力のない火焔を使ったのだ
「早く、、逃げなきゃ、、」
聖痕が輝く、それに反応するように与えられた聖杖が光を帯びる
それは魔法とは違うホールより顕れた力
今の教団の根幹にしてこれほどの大国を築くこととなった原因、それが聖痕と呼ばれる異界の力
彼女に与えられた聖痕、奇跡の力は「与える者(ギフト)」は文字通り聖痕に内包された力を他人に与え強化するものだ
その対象は彼女も含まれる
脳内麻薬の分泌、全能感とともに身体能力が向上する
出血による痛覚も麻痺し無理矢理に立ち上がる
後ろを振り返る暇はない、走る
「ーーーーーーーー!!」
走り、扉が見えた
食い入るように中に入る
その部屋は小さな物置小屋のように狭く、カビた本や破れた旗などゴミが置かれていた
セイント・アルバスイラストも投稿中~