『異界への門は開かれた』
「寒い、、、」
難を逃れた◼️◼️◼️は腹部の傷を止血し、物置小屋で身を潜めていた、
貧血と体温の低下により体力が落ちているため瀕死に近い、なんとか生命を維持できているのは聖痕によるものだ
「与える者」の奇跡により生命力も強化されていた
「それにしてもどうしてあんなやつがドラグマに、、」
おかしな話だ、最高階級が集まるあの場で誰にも気づかれず侵入するなど、ドラグマはそれほど甘くはない
この深淵に大国を存立できるというのはそれだけこの国が一騎当千の強者が多く他を寄せ付けない戦力を保持しているからだ
その証拠にドラグマは過去に1度しか負けたことはない
特にドラグマでも最強と名高い聖騎士フルルドリス、彼女を出し抜くなど不可能に近い
「考えられるのはホールですか、」
世界の外を繋ぐ門「ホール」
ホールは世界中のあらゆる場所で起こっており、ホールから表れた暗黒物質や未知の生命体に滅ぼされた国は多い
「ホールは教祖様が管理している筈・・・」
最悪の予感が頭を過る、確かにあの悪魔は教導の神徒に似ていた
仮に予想が正しいのだとしたら聖女として行かなければいけない
教団が邪悪に染まってしまう前に
震える足を叱咤する、
立ち上がると同時に視界が明点する
だが気にしてなどいられない
私は民衆の光となるべき聖女なのだから
強迫観念にも似た思い、だがその執念かそが◼️◼️◼️の力の源なのだから
彼女の「エクレシア」のように
扉を開け廊下に出る
その瞬間に違和感に気づいた
「静か過ぎる・・・」
水面が揺れないほどの静寂
教導があのような悪魔と接触していたとしたら何かしらの騒ぎがあってもいい筈なのだ
それなのに何もない、静かすぎる、人の気配が一切しない
警戒しながら長い廊下を進み教会に繋がる扉についた
「・・・」
物音をたてぬようにゆっくりと少し扉をあけ中の様子を覗きこんだ
そこにはいつも通りの教会だった
だが
「誰も・・・いない?」
教祖も、騎士も、神徒も誰もいない
普段であるなら警衛、信者が何人かは常に待機しているはずだ
人気のない教会、不思議なことではないかもしれない
だが今はただ不気味だった
まるで人間が突然消えてしまったかのように
「・・・?何、あれ?」
違和感、
いつもだったら教祖が居座る玉座とも呼ばれる椅子の先に扉のようなものがみえた
「おかしい、、こんなの、、なかった筈、、」
◼️◼️◼️は聖女になる前も教会への礼拝を1日たりとも欠かしたことはない
聖女候補とした教祖の隣に控えることもあった
だがそれでもあのような扉はみたこともない
「・・・」
それは人間のもつ好奇心
そして直感、核心があるそう感じた
扉に触れようとした、それと同時に聖痕が反応した
奇跡使用時の温かい感触ではなく
背筋が凍りつくような寒気、冷気を感じた
「な、なに、、、」
狼狽える◼️◼️◼️、その最中、扉が一人でに開く
彼女を招きいれるように、
眼前に広がる暗闇、
扉の先は聖堂の光に照らされてもその光を吸収しているのか扉より先が何も見えない
悪魔が口を開けて待っているかのようだ
踏み出そうと足を出そうとするが前にでない
足に視線を落とすと小刻みに震えていた
(足が逃げたがってる)
脳以上に体が危険信号をあげている、「退け」と「逃げろ」と訴えている
「姉さん、私に勇気を、」
動かぬ膝を殴り付け、強引に震えを止める
聖杖を強く握りしめ
己を鼓舞し闇の中へ身を落としていった