オーバーロード 骸の聖女   作:嘆きのラジオ

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ホール

暗闇を進む、視界は晴れず、その瞳は闇になれることはない

ただただ黒一色が永遠と続く

だが闇の中で感じるものがある、聖痕、そして不規則になる鼓動のような音が聞こえる

 

「与える者(ギフト)」

無意識に名を口にする、それがトリガーとなったのか赤色の光が床から点灯した

深い赤の光が聖なる光を吸収していた闇を照らす

 

異質な空間が写る

聖堂とは真逆な邪教徒の神殿、ドラグマのシンボルであった双頭の白竜は、双頭の黒蛇に変わり果てた

、、

、、、

、、

 

その中心の黒い片翼の女神像

それは天界より堕ちた天使を連想させるものだった

慈愛に満ちた表情は目を見開き苦悶の声をあげているようにみえる

 

だが彼女はそれに見覚えがあった

 

「テトラ・・・ドラグマ」

その言葉を口に出した瞬間

背後に猛烈な殺気を感じとった

 

目の前の空気が揺らぐ、

空間を割るように紅い雷鳴を纏った騎士が現れた

 

「フルルドリス?」

その姿は、その者が纏うフルプレートの鎧には見覚えがあった

ドラグマ最強の聖騎士フルルドリス

だがその姿から発せられる気配は彼女のもつ清廉たるものではなく禍々しいものだった

 

「Aaaaaaaaa!!」

「クッ!」

雄叫びをあげ、濃厚な殺気が向けられる

 

仲間、操られている可能性を考慮しても説得する余裕はない

相手はドラグマ最強の聖騎士

気を抜けば一瞬で死ぬ

 

「聖珠」

白く発光した魔力の塊を作りあげ、フルルドリスにぶつける

◼️◼️◼️は元々攻撃職ではないが、ある程度の体術や魔法の訓練は受けていた

だが才能のあるものと、才能の無いものが同じ努力をしたとしたら軍配が上がるのは勿論後者だ

更にドラグマの聖鎧にはそれぞれの部位に聖痕が刻まれている

 

鎧を纏うだけで一般人であっても一騎当千の力の恩恵を授かることとなる

 

聖杖ドラグマの能力を解放する、彼女の持つ聖杖にも聖痕が刻まれちており、魔力増強(ブースト)と共に自身で魔力を生成し自らの周囲に特殊な魔力弾を展開できる

 

放たれな光の弾丸は軌跡を描きフルルドリスの元に向かい爆散した

 

直撃、当然これで殺れたとは思っていない

新たに自身の周囲に浮かぶ数十の光球を速射する

 

「まだ、まだ」

「Gaaaa」

雄叫びとともに爆風から無傷のフルルドリスが現れる

一瞬力をためるとともに大地を、けりあげる

そのあまりの力の影響か地面が抉れる

 

彼女に迫る光の弾丸など気に求めないのか直線上にあった弾丸は爆裂した

 

二回目の踏み込み、姿が消える

 

気づいた時には眼前に刀身が迫っていた

 

互いの距離が一瞬にして0になる

彼女の持つ元聖剣が横凪ぎに振るわれ

火花と金属音が舞う

 

振り抜かれる刃は◼️◼️◼️には到底、視認することさえ出来ないもの

 

極限状態による感覚の超強化

振るわれた凶刃をほぼ山勘でどうにか防ぐ

自身が出せる万力の力をこめ全力で防ぐ

 

当然強化しようとも彼女では防ぐことなど困難

一瞬、足から大地の感覚が消えると同時に背中に激痛が疾り眼の前が暗転した

 

「カハッ・・・!」

吹き飛ばされた、、、その衝撃から呼吸が上手く出来ず、酸欠で倒れ伏す

腹部に激痛がはしる

(肋、、、何本かいったなぁ、、、)

 

なんとか立ち上がる内臓もやられたのか唇から血が垂れる

 

「Gaaaaaaaaa!!!」

「グッ?!」

追撃、、、全魔力を防御のための障壁にまわす

魔力障壁、単純な魔力量に比例してその硬度を増し障壁の面積を少なくし密度上げることで硬度は数倍にも跳ね上がる

 

ぶつかり合う、衝撃、防御しているにも関わらず全身に衝撃がはしる

気を抜けば

身体を巡る魔術回路、神経がプツンと切れる音がした、筋繊維がきれ、腕から、足から、鋭い刃物で斬れたかのように出血する

 

ピシリとひび割れる音

障壁に出来た小さな傷は瞬く間に広がり瓦解する

 

なんて理不尽なのだろうか・・・

 

彼我の戦力差

そこには決して埋まらぬ溝があった、身体能力、技能、魔力、祝福でさえ彼女には勝てない

 

「AAAAaaaa!」

「あ、、、、ぐ、、、」

一瞬の空白、魔力欠乏による意識の低下、その隙

気づいたときには刃は構えられていた

 

(私は、私は、私は、)

 

鮮血が空に飛び散る、

とうとう凶刃は彼女を捕らえた

 

「さい、、あ、く、、ゴフゥ、」

 

咄嗟に半歩後ろに下がることで刃を受け流す

だが受け流しきれず刃は右目を切り裂き、胴を裂く

傷こそ浅いが致命傷だ、

 

視界が潰れ、バランスが安定しない

血が流れ膝をつく

床に赤い水溜まりをつくる

 

「はは、、は」

その水面に反射した自分の顔をみて思わず笑ってしまう

なんて酷い顔をしているのか

 

視界が暗くなり、騎士の咆哮もフィルター越しに聞こえてるかのように小さい

身体から力が抜ける

大地を支えていた腕と足は、支柱を失い、崩れおちる

 

(あぁ、私、死ぬのかな、、?)

淀む思考のなか

 

彼女は開かれた次元の穴に落ちた

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