皆の傷になって死にたい転生者がベルの兄で才禍の怪物なのは間違っている   作:マタタビネガー

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昔にうごメモに投稿してた二次創作を久しぶりに読んで見たくなっちゃった。

使ってた3DSはもう壊れたし、サービス終了する前に他の3DSにコピーしとくんだったなぁ。





106話 人の好感度稼ぐには落差が最適だからね

 

 

 

 

 

 

全てを灰に還す撃滅の雷。その輝きが100を超える雷撃の束となってデッドリー・ホーネットの群れに降り注ぐ。

 

七度目のランクアップに加えてクノッソスでの仮面の怪人との死闘の結果、激上したステイタスによって放たれた速攻にして絶殺の魔法。

 

たとえ、上級冒険者殺しと恐れられるデッドリー・ホーネットであろうと中層域のモンスターがこの一撃を受けて生き残れるわけがない。

 

魔石すら残さずに消滅したモンスターの灰。後続のモンスター達が怯むように後ずさるが階層全体すら覆える極大の光芒、呵責なく放たれる雷光の豪雨の前にはそれも無駄に終わる。

 

圧倒的な破壊力を誇る殲滅の雨は、階層全体に散らばるモンスターのことごとくを駆逐していく。その凄まじいまでの威力を前に、誰もが目を疑う。

 

それは、アルの肉親であるベルであっても例外ではない。

 

殲滅に次ぐ殲滅、雷光の一閃ごとに数多のモンスターの命が散っていく。いつもは深層域のモンスターを相手にしているアルからすれば中層域のモンスターなぞ物の数にも入らない。

 

最後にひときわ大きな雷鳴が轟き、モンスターの群れが後続を含めて全て消し飛ぶ様を見届けたアルはゆっくりと視線を戻す。

 

眼前に佇む木竜とその背後に広がる森。それら全てを視界に収めた彼は無言のまま左手を軽く握り込む。

 

意図して広域化させた魔法の絨毯攻撃によってダンジョンそのものの構造にも深い損傷を刻み込んだことでダンジョンはその修復に力を使い、新たにモンスターを生み出すことが叶わない。

 

残るは魔法の余波で手負いとなった木竜のみ。

 

先ほどまでの覇気は鳴りを潜め、木竜は怯えるように後ずさっている。だが、手負いの獣は得てして凶暴性を増すものだ。

 

歴戦を思わせる眼光でこちらを睨みつける木竜は、次の瞬間には翼を広げて飛翔する。

 

巨躯に見合わぬ速度で空中に飛び上がった木竜は、勢いそのままに牙を剥いて飛びかかってきた。

 

翼や尾を含めれば家屋ほどの体高を持つ怪物の突撃は、直撃を受けたならばただでは済まない。その突進の衝撃は下手をすると階層すら陥没させるだろう。

 

飛び上がった風圧だけでリリルカ達を吹き飛ばしながら迫ってくる緑の怪物。だが、アルにとってそれは脅威でも何でもない。

 

『────ㇽ、ルヴォオオオオオオオオオオオオオ!!』

 

「···········こい」

 

 咆哮とともに向かってくる巨体を静かに見据える彼の瞳には恐怖の感情は一切無い。

 

まるで散歩をするかのように自然体で歩み寄ったアルは急降下してくる木竜に向けて左腕を振るう。

 

───ゴッ!! と、空間そのものが歪んだような錯覚に陥るほどの轟音。

 

ベルたちには視認することもかなわなかったがそれは徒手による打突の音。渾身の突撃を片腕のみで止められた木竜は、驚愕に目を見開く間もなく吹き飛ばされる。

 

下手な精錬金属よりも硬い鱗に覆われた木竜の肉体。磨き抜かれた剣による一撃を弾き、膨大な魔力のもと放たれた魔法の砲撃を受け止めても傷一つ付かない竜鱗。

 

「··········試してみたがやはり俺ではオッタルのようにはならんな」

 

 それが、何の変哲もない拳の一撃で砕け散った。木々を薙ぎ倒し、地面を砕き、岩壁に激突してようやく止まる。

 

全身をかき回されたかのような凄惨なダメージに悶え苦しむ木竜。その光景に、ベル達は唖然としていた。あれだけ圧倒的だった竜が、たった一撃で。

 

その光景は、アステリオスと対峙した時の絶望を彷彿とさせる。何よりこの青年はあのアステリオスよりも高みに立っている。

 

ベル自身、兄が強いことは知ってはいたがこうして実際にその戦いぶりを目にするのは初めてだ。

 

だからこそ、理解する。自分がこれから並ぼうと、越えようとしている壁の高さに。

 

致命の一撃を受けた木竜はその衝撃で魔石を砕かれたのか灰へと還り、その光景を見たベル達は改めて息を呑んだ。

 

「助けてくれてありがとう、兄さん·········」

 

「ん、ああ」

 

 ベルの兄、アル・クラネル。すでに面識のあるヴェルフとリリルカ、一方的ながら見たことのある春姫とは違い、ベルとの関係こそ知ってはいるものの、Lv.8の英雄と初めて相対した命は比べるまでもない彼我の実力差に戦慄する。

 

「(この方が、ベル殿の兄君···············)」

 

 ただそこにいるだけで場の空気を変える存在感。ベルの話を聞いていたためある程度は覚悟していたが、まさかここまでとは思っていなかった。

 

今まさに見せられた強さ以上に鮮烈な印象を与える存在感を前に、命の身体に震えが走る。

 

神の眷属のランクアップは個としての進化、より神に近しい存在への昇華を意味する。

 

一度しかランクアップを経験していない自分に対してこの英雄は冒険者の都である この オラリオにおいても他に一名しかいない七度ものランクアップを果たした冒険者。

 

肌を針のように刺す鬼気を放つその姿からは、禍々しさすら感じられる。同じ兄弟でありながら、何故こうも違うのか。

 

純粋、純朴、そんな言葉がよく似合うベルとは異なり、アルの雰囲気はどこか冷たい。

 

ベルが太陽だとすればアルは月。静謐さと冷徹さを併せ持つアルの姿は、その表情も相まってベルのそれとは対照的である。

 

見目を形作る一つ一つの要素が似ているからこそ二人の違いが際立つ。

 

【ヘスティア・ファミリア】で最も冒険者としての才覚に満ちた命だからこそわかる頂の高みの存在。それを目の当たりにして、しかし、彼女は高揚感を覚える。

 

高みを知ってなお、いずれその領域に必ず辿り着いてみせると決意を新たにして。

 

命と同じ歳とは全くもって思えないほど老成しているアルは、ベルを安心させるように微笑む。

 

先程までの凄絶さなど欠片も感じさせない優しい笑み。ベルは兄の笑みにほっと安堵の吐息を漏らす。

 

「に、兄さんはなんでこの階層に?」

 

「あー、あれだ、お前も耳に挟んでるだろ?俺とリヴェリアがどうこうっていう噂、あれが落ち着くまでダンジョンにこもってたんだ」

 

 アルと【ロキ・ファミリア】最高幹部である『九魔姫』リヴェリア・リヨス・アールヴの熱愛報道。

 

オラリオ全体を揺るがせたそのスキャンダルは当事者の片割れがオラリオの全エルフから尊敬と信仰を集める始祖の血統であるリヴェリアであること。

 

そしてもうひとりがアルということもあってか連日の話題となっている。

 

曰く、ファミリアの仲間にすら隠して数年前から密通していたとか。

 

曰く、リヴェリアは既にアルの子供を身籠っているとか。

 

曰く、アルがリヴェリアを無理矢理手篭めにしたとか。

 

曰く、アルはリヴェリアに飽き足らず、他の女性にも手を出そうと画策してるとか。

 

他にも様々な根も葉もない憶測やら推測やらが飛び交っており、ロキやリヴェリアが否定しても誰も信じない始末。

 

中にはただ単にアルへの誹謗中傷と化したモノも含まれているのだが、そこはアル。普段の行いが災いしてか、嫉妬や羨望などの負の感情が多分に込められた悪意ある流言飛語が飛び交っていた。

 

そのため、噂の真偽はともかく当人たちにとっては鬱陶しく面倒な状況となっており、事態の収束を時間とヘディンに丸投げしてアルはダンジョンに引きこもっていたのだ。

 

「ああ、あれね···············」

 

 当然、その噂はベルの耳にも入った。それどころか唯一の肉親として過激派エルフ達に噂の真偽について問い詰められまくった。

 

当然ながらオラリオに来たばかりのベルにそんなこと知る由もなく、しばらくして本当に何も知らないと悟った連中に解放された。

 

ベルはリヴェリアについては本当に噂程度にしか知っておらず、兄やベートと同じ【ロキ・ファミリア】の一員ということくらいしかわからない。

 

だが、それでもその冒険者としての地位の高さとハイエルフという生まれの尊さは知っている。

 

真偽はどうあれそんな凄い人と兄が付き合っていたという噂にベルは驚いていた。

 

「まぁ、そういうわけだ。そろそろ収まる頃だろうから地上に戻るけどな」

 

 偶然とはいえ助けてくれた兄ともう少し話をしたいベルだったが、これ以上時間をかけるのも悪いと思い、残念に思いながらも引き下がる。

 

先程までの絶望的な状況が嘘のように逆転し、安堵する一同。ダンジョンの損傷具合から暫くは新しいモンスターは生まれないだろう。

 

これで20階層までは安全に進むことができる。そう思って全員が微かに気を抜いた瞬間だった。

 

「─────それにしても驚いたな」

 

 ぽつり、と呟かれた言葉。誰に向けたものでもないはずなのにその声音には強い圧があった。

 

それはまるで、不用意に近づいた獲物に警告するような響き。ぞくり、と背筋に冷たいものが走り抜ける。

 

なにか不味い、なにか致命的ミスを犯したのではないか。そんな予感がベル達の胸中に生まれる。

 

嫌な汗が背中を流れ、心臓が早鐘を打つ。無意識のうちに視線はアルへと向けられていた。

 

気付けば、誰もが動けなくなっていた。呼吸すら忘れ、金縛りにあったかのように硬直している。

 

ベル達を見つめるアルの瞳はどこまでも冷たく、無機質なもの。その眼差しは、ベル達が知る兄のものとはかけ離れていた。

 

「まさかもう20階層まで来れるとはな。でもよ、なんで─────」

 

 そこで、言葉が途切れる。寒気を覚えるほど冷徹な雰囲気、凍えそうなほどの威圧感。

 

「─────『モンスター』を守りながら潜ってんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「··············つまり、みんなが言ってたのはただの噂だったってこと?」

 

「ああ、私が不用意に───」

 

「違うんです、アイズさんッ!! リヴェリア様は悪くありません。全ては早とちりした上にロキに漏らしてしまった私が悪いんです!!」

 

「あ、ウン」

 

 【ロキ・ファミリア】ホーム、極東における最大限の謝罪の所作である土下座しながら謝り倒すレフィーヤの気迫に、これまでの混乱と絶望すら忘れて気圧されるアイズ。

 

奥ゆかしいエルフにあるまじき剣幕で、レフィーヤは必死になって言い募る。横にいるリヴェリアも呆気に取られているのか、制止する素振りを見せない。

 

気圧されて何も言えないでいるアイズは、しばらくして。

 

「········ところで、アルは今どこにいるの?」

 

「さぁな、行動範囲が広すぎてわからん」

 

 騒ぎの収束を事件と全くの無関係であるヘディンに丸投げしてどこぞに消えてしまった少年の行方を思い浮かべながら、リヴェリアは質問に答える。

 

アルは束縛される事を嫌い、遠征や幹部会議などのファミリア全体での行動でもなければ一人でどこかにふらっと行ってしまう。

 

その行動範囲も行動方針も読めず、副団長としてファミリア幹部の行動を把握できていないというのは問題ではあるが、別にそこに関しては心配しているわけでもない。

 

あの少年の強さはよく知っているし、そもそもがファミリア最強だ。冒険者としての経験こそ浅いものの、実力だけは申し分無い。

 

故に、いつものようにどこかで面倒事に首を突っ込んでいるか、それとも気ままに街を散策しているかのどちらかだろう。

 

「········まあ、大方、アミッドのところか【豊穣の女主人】、或いはダンジョンだろう········それがどうした? 何か用でもあったのか?」

 

「う、うぅん··········ただ、アルってすごい人気だけど、ロキみたいに遊ばないし、でもホームにいること少ないし········」

 

 ファミリアでアルと最も近しいリヴェリアですら普段の彼の行動を完璧には掴めていない。それは同性であるフィンやベートであっても同じだろう。

 

ここ最近、行動を共にすることが多くなったレフィーヤも訓練が終わればすっとどこかに消えていくアルがどこでなにをやっているのかは知らない。

 

アイズもそんなアルのことをよく知りたいと思っているのだが、なかなか機会に恵まれない。

 

普段、一体なにをやって過ごしているのだろうかという疑問が湧くのは当然のこと。

 

今回の騒動はリヴェリアとレフィーヤを主な原因としたものだったが、次に爆弾を落としたのはアイズだった。

 

「········もしかしたらだけど、リヴェリアじゃなくても相手がいるんじゃないかなって········」

 

「「────ッ?!」」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────『モンスター』を守りながら潜ってんだ?」

 

 瞬間、ベルたちを襲ったのは凍てつく吹雪のような英雄のオーラ。

 

英雄の気迫。青年から横溢するオーラはまさにそれだった。青年を誰よりも信頼するベルですら恐怖を抱かずにはいられない。

 

その力は強大であり、オラリオ最強の第一級冒険者全員を相手に戦える、そういった英雄としての覇気。生物としての位階が違う存在が放つ圧倒的な存在感。

 

「そ、れは─────」

 

 モンスター、怪物は人類にとって交わることのない不倶戴天の敵である。それはこの世界において絶対不変の真理。この世界の人間であれば誰でも理解している常識だ。

 

モンスターに手を差し伸べるなぞ下界に生きる人類としてあってはならない。この地にダンジョンが現れてから数千年間にも渡って人類に悲劇をもたらし続けてきた怪物に情けをかける理由などない。

 

都市の英雄としてモンスターとの戦いの最前線にたつ兄は、自分達以上にその『意味』を理解しているだろう。

 

だからこそ、アルが発したその一言はベルたちの心を深く穿つ。

 

モンスターを匿っていることが露見したら【ヘスティア・ファミリア】は終わり。そんな、リリルカの言葉が今更ながらベルの脳裏に浮かんでは消えていく。

 

兄は好き好んで自分たちを破滅させようとはしないだろう。しかし、モンスター────ウィーネに対してはどうだ?

 

最悪、兄は彼女を殺すかもしれない。いや、それがオラリオに生きる冒険者としては正しい判断だろう。

 

誰であっても─────ウィーネに出会う前の自分であってもそうしたはずだ。

 

ダンジョンの中でモンスターに慈悲をかけるなぞ自殺行為どころか、不特定多数の仲間の命を危険に晒す愚行でしかない。

 

それに、これまでモンスターと戦って死んでいった先達の人々に対する冒涜に等しいだろう。

 

それをわかっていながらベルは最悪の光景を想像してしまい、無駄であるとわかっていながらもウィーネを庇うように動いてしまった。

 

「·········モンスターに情でも湧いたか。庇うのはいいが、本気で俺と戦えるつもりか?」

 

 剣を抜いた。

 

誰が? 決まっている、モンスターに絆された『愚者』を前にした『英雄』だ。その瞳には一切の容赦はなく、ただただ冷徹な感情だけが浮かんでいる。

 

既に大剣はしまわれている。大剣のかわりに新たに抜き放たれた剣の輝きは蒼。

 

携帯用の短剣に過ぎぬが、他でもないアルの手に握られることによっていかなる名剣よりも鋭く、いかなる聖剣よりも荘厳な輝きを秘めているかのようにベルたちの目にはうつった。

 

「──────っ」

 

 息が詰まる。兄は本気だ。間違いなく、兄はウィーネを庇う自分に牙を向ける。肌が粟立ち、血が沸騰するほどに熱い。

 

先程までの英雄然とした雰囲気は霧散し、今はただ目の前にいる敵を斬り伏せようとするだけの剣士が立っている。

 

アルが剣を手にして露わになった殺傷能力。なにげない一挙手一投足が即、死に至る予感がベル達を襲う。

 

Lv.8の英雄とLv.3に上がったばかりの冒険者の実力差はあまりに大きく隔絶している。

 

Lv.1であるリリルカや春姫は直接、殺気を受けていないも関わらず震えが止まらない。

 

先程までとはまったく違う。まるで迫力が違う。英雄たる人物の前に敵として立つということがどういうことなのか、身をもって思い知らされる。

 

そのプレッシャーだけで、抱いたはずの決死の覚悟が揺さぶられる。

 

ベルの知る兄は無愛想ではあるが優しい人だ。だが、その実、その心の奥底に冷徹なまでに冷静な思考と英雄としての資質を兼ね備えていることもベルはよく知っている。

 

祖父がよく聞かせてくれた御伽話に登場する綺羅星が如き英雄達とは違う。

 

どこまでも現実的で、冷徹なまでに合理的に、目的の為なら己の命すら犠牲にする英雄という名の怪物殺し。

 

無辜の民や仲間を救うためならばその手を汚すことに躊躇いなく、敵を倒すためならどんな非道な手段も厭わない。

 

ベルが知る兄の英雄性はそういうものだった。

 

守る対象を見捨てることは決してしないが、一度でも敵と定めた相手には容赦なくその刃を振るう。

 

そんな兄の在り方がベルは嫌いではなかった。むしろ、尊敬すらしている。

 

冒険者として兄が戦うところを見たのは先ほどの木竜との戦闘が初めてだったが、それ以前。

 

村にいた頃には既にその在り方の片鱗をベルは感じ取っていた。

 

だからこそ、そんな兄の前に敵として立つことがなによりも恐ろしい。アルの威圧感に気圧され、体が震える。喉がカラカラになり、心臓は早鐘を打ち続けている。

 

だが、ここで引くわけにはいかない。

 

自分はもう知ってしまっている。ウィーネが『怪物』なんてものとは程遠い心優しい少女だということを。

 

一度、手を差し伸べた以上は何があろうと最後まで守らなければならない。

 

そうでなければ、自分がここにいる意味がない。たとえ相手が兄であろうともこの想いだけは譲れない。

 

アルの威圧感に晒されながら、ベルはそれでも視線を逸らすことなく真っ直ぐに見つめ返す。

 

ベルにとって兄とは憧れであり、目標であり、誇りでもある。英雄譚に憧れる少年のように、いつか自分もそうなりたいと願ってきた。

 

冒険者として兄に追いつきたい。兄を越えたい。

 

その気持ちにも嘘はない。けれど、それだけではないのだ。自分のことを顧みずに誰かを救おうとするその姿が眩しかった。何よりも、その生き様が輝いて見えた。

 

だから、ベルは────────

 

「ウィーネは、僕が守る!!」

 

 そしてその姿を見たヴェルフ達もウィーネを守るかのようにそれぞれの得物を抜き放ち、震える身体に活を入れてアルと相対する。

 

ベル以上の恐怖を感じているだろうに、春姫はウィーネを庇うように抱きしめ、命はそんな春姫を庇うように前に立つ。リリルカもそんな三人に負けじと毅然とした態度で弩を構える。

 

「みんな·······!」

 

「今更死なれちゃ寝覚めが悪いからな」

 

 遥か格上の英雄を相手にして虚勢を張りながら『モンスター』を守ろうとする『異端の冒険者達』。そんな彼らを見て『英雄』は────

 

「────良いパーティだ」

 

 ────笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エルフは特にそうだが、エルフじゃなくても人の好感度稼ぐには落差が最適だからね。

 

まぁ、久しぶりに訓練つけてやるよ、ベル。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

早速、クズでゲスでアホなことをする白髪バカ。

 

アイズ、ティオナ「弟相手とはいえ、簡単に笑い過ぎでは?」

 

・異端児達

ベルがウィーネを見捨てないか、アルの演技にハラハラしながら監視中

 

・強化種木竜(Lv.5相当、黒ゴライアスよりは弱い)

ちなみにアルは過去に似たような個体をフィルヴィスと一緒に倒してます。デッドリー・ホーネットの群れがいないで魔剣などの装備面も万全だったらベルたちでもギリ勝ちの目はあるくらい。

 

・アル

一人でいる時に頻繁に大規模破壊をするのでダンジョンに嫌われている。そろそろアルにメタをはったジャガーノートの一個上的存在が生まれそう。実は【直感】で見つけた未到達領域とかに異端児達とは別に生活スペースを作ってる。

 

・ベル

兄運がない。

 

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