皆の傷になって死にたい転生者がベルの兄で才禍の怪物なのは間違っている   作:マタタビネガー

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一話だけの短編書きたいな






112話 唯一動かせる駒

 

 

 

 

 

 

 

「────そっか兄さんに弟子入りを·······」

 

「ああ、深層で戦い、敗れてな。その時、リドたち、同胞の存在も知った。········ベル、新たな階梯に至ったようだな」

 

「そっちこそ前よりも·······」

 

「··········師に鍛えられたからな」

 

「まだ早い、だが次戦うときこそは決着を」

 

「······うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その『神』は考えていた、『狂乱』を地上に溢れさせる大望を叶える上で最大の障壁となりうる『剣聖』をどう対処すべきかと。

 

『神』が計画を始めたのは今より15年前。

 

神の眷属の到達点であった【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】という最強の両派閥がかの『隻眼の黒竜』に敗北し、オラリオから去った時である。

 

『神』にとって─────否、その他全ての混沌を望む邪神達にとって最強の大神と最恐の女神の率いる二大派閥は目の上のたんこぶだった。

 

大神の派閥はもちろんのこと敵対者には一切の慈悲も与えないその苛烈さから多方面に敵を作ってはその尽くを叩き潰してきた女神の派閥が都市に君臨していた当時は他の勢力は表立って動くこともままならなかった。

 

ウラノスと共にギルドとオラリオの根幹を作った最初期の派閥であり、最強にして最優の派閥として千年間もの間君臨してきた二つの派閥。

 

その変わらぬ勢力図に異を唱えた神々による反抗もあったがそれらはいずれも圧倒的な力でねじ伏せられ、Lv.7の女傑と複数の第一級冒険者を擁していた【オシリス・ファミリア】ですら敗北を喫した。

 

そんな二大派閥の消失は邪神達にとってはまさに好機でしかなかった。

 

それまで水面下での抗争を繰り広げていた中小派閥の邪神達はその好機に乗じて団結し、オラリオの滅亡を企む闇派閥を台頭させた。

 

それはもう好き勝手していた大神と女神の派閥が許されていたのは彼等が代わる者達のいない抑止力だったからだ。

 

だが、そんなものはもはや存在しなかった。都市の秩序を守る役目を負った大派閥も、外敵の侵攻を防ぐ市壁も、『隻眼の黒竜』によって最強が討たれたことによって何もかもが機能していない。

 

当時、都市の二軍勢力として名を上げつつあった【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】が両派閥の後釜につくようにオラリオの二大派閥として台頭したが彼らでは都市の抑止力には至らない。

 

Lv.8とLv.9の団長に率いられ、複数のLv.7を擁していた都市最強がLv.5とLv.6の団長に率いられたものに挿げ替わったのだ。

 

それでは都市内部の治安を維持することなど不可能だ。下界全てに名を轟かせるほどの力を持つ二大派閥を失ったことで都市内部での勢力争いが激化し各派閥は互いの足の引っ張り合いを始めている始末。

 

だが、そんな中にあって『神』は短絡的に動こうとはしなかった。

 

『学区』を筆頭とした世界勢力はその力を失ってはいないし、当時に闇派閥に与したところで使い走りの雑兵として使い捨てられるのは目に見えている。

 

それならば秩序の側に属する中堅派閥として機が熟するまで雌伏の時を過ごす方が賢明だと判断を下した。

 

自らの眷属ですら騙して己の目的を隠し通し、長い年月をかけて計画を練ってきっかけを待ち続けた。

 

そして遂にその時が来た。

 

─────27階層の悲劇。

 

大抗争により主戦力を失った闇派閥の幹部たちが勢いづく道化神と美神の派閥から逃れるために画策した超大規模な怪物進呈。

 

偽の情報で釣った秩序側の派閥を階層主すら巻き込んで階層丸々一つごと地獄に叩き落とす怪物進呈。

 

 

それ自体は『神』とっては大した事態ではなかったが、『神』は罠だとわかっていながら己の眷属達を27階層に向かわせていた。

 

その怪物進呈の主目的は『殺帝』を始めとした闇派閥の幹部たちの死の偽装であったが、結果として複数の派閥がその罠に嵌り、その命を落とす結果となった。

 

直接見れないのが残念だが愛する眷属達が闇派閥の凶刃やモンスターの牙によって血華を散らす様を想像して悦に浸り、仮に生きて帰った者がいれば優しく労うつもりだった。

 

結果、生きて帰った眷属はたった一人だけ、心身に深い傷を負った妖精の少女。

 

彼女以外は全て死んだか、あるいは帰ることのない行方不明となった。

 

少女は壊れた。

 

自分以外の仲間が全て死に絶えてしまったという事実に心を壊してしまった。

 

その様は『神』を非常に悦ばせたが、そんな少女の狂恐すら気にならぬ程の発見があった。

 

それは彼女の身体に起きた異変であり、彼女が心を壊したもう一つの理由でもあった。

 

─────魔石を埋め込まれたことによる『異種混成』。

 

27階層にて一度、人として死んだ彼女はダンジョンの奥底で眠る『穢れた精霊』の触手によって魔石を埋め込まれ、モンスターとしての生を与えられた。

 

その事実を知った時、『神』は初めてこの下界の可能性に感謝すると同時に歓喜に打ち震え、これから先の未来に思いを馳せた。

 

人類とモンスターの異種混成の結果である『怪人』とその原因となった『穢れた精霊』。

 

太古の時代、神の恩恵の代わりに英雄達に力をかしていた精霊達。

 

大穴の攻略に挑む英雄達と共にダンジョンに潜った彼女達は道半ばで討たれた英雄達と同じようにダンジョンの深淵に呑まれ、ダンジョンの肚に取り込まれた。

 

モンスターに食われたことでそのあり方を反転させ、穢れた精霊となった英雄の介添。

 

下界を滅ぼしかねない彼女達のあり方と彼女たちの使徒たる怪人の存在は『神』の計画を現実的なものに昇華させた。

 

そこからは早かった。来るべき対決の日に備えるために闇派閥の残党と協力体制を築き、水面下で暗躍を続けた。

 

かつての二大派閥には未だ遠く及ばないとはいえ最大の敵であることには変わりない【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】の動向を監視し、都市に蔓延る悪党どもを操っては闇派閥の勢力を維持し続けた。

 

時には他の邪神派閥から情報を奪い取り、時には都市外の悪徳商人と取引を行い、時には冒険者同士の抗争を煽ったりもした。

 

そうして着々と準備を進めて計画の準備が整った頃、白髪の少年──アル・クラネルが現われた。

 

処女雪のような透き通った白髪に、『神』が作る神酒(葡萄酒)よりも紅く魔性的に輝く瞳。

 

一目見ただけで魂を奪われそうになるほど美しい容姿を持ったその子供を見た瞬間、この少年こそ我が半身であり運命であるという確信が胸中に溢れた。

 

人間として大切なものが欠落した異端の存在でありながら、それでもなお己が目的のために邁進するその姿が愛おしかった。

 

少年が大神(ゼウス)が育てている英雄候補の片割れだと知った時は、思わず笑みがこぼれた。

 

最初の頃は彼を己の眷属に迎えたいとすら思っていた。しかし、時が経つにつれてその好意は理解できぬモノへの畏怖へと変わっていった。

 

なぜ、あれ程の狂気を宿しながら、『神』のように神酒(葡萄酒)で自分を酔わせているわけでもないのに今も常人の中で暮らしていけているのか。

 

どうして、あれ程までに歪みながらも正気を保ち続けられているのか。

 

少年は一体何を求めているのか。

 

『神』さえも恐れる異常性、下界のすべてを嘲笑う『神』ですら、少年の心だけは理解できない。

 

少年の望みも、目的も、何もかもわからない。

 

あの瞳に宿った狂気は死滅願望。他者を利用し尽くして悦楽を求め、自身の欲望を満たせばどう果てても構わないという破綻しきった精神。

 

そうでありながら民衆の『英雄』として求められればそれに応えるべく行動する姿は歪んでいて、それでいながらどこまでも純粋だった。

 

『神』の想定を遥かに上回る速度で成長し、多くのモンスターを殺め、数多くの強者を屠り、迷宮を攻略していく中でその強さをさらに高まらせていく。

 

少年には才能がある。

 

そう遠くない未来に『神』にとって目の上のたん瘤であり続けた【ヘラ・ファミリア】の『女帝』すら凌駕して史上最強になりうるほどの才能が。

 

たった四年。

 

たった四年で彼は全時代の最強に並ぶ階梯に上り詰め、今や『神』の計画を阻む最大の障害となった。

 

彼を殺すための鬼札はあった。

 

彼────『剣聖』が大偉業を成し遂げ、Lv.6となってすぐに用意を始めた。

 

太古の昔に大穴から出でた三つの大災厄、オラリオの冒険者たちがいずれ達成しなけれればいけない原初の約定でありながらその強さゆえ、千年もの間放置され続けた三つの黒き終末。

 

太古より人を、英雄を殺してきた世界そのものを蝕む終末。

 

その一つたる黒き巨獣の亡骸を『神秘』のアビリティを持つ稀代の呪術師に呪具化させた。

 

最悪の呪いと最凶の毒の入り混じった最強の英雄殺し。

 

────しかし、英雄の命には届かなかった。

 

もはや、『精霊』や『魔竜』ではどうやっても『剣聖』は殺せないだろうことはわかっていた。

 

『陸の王者』と『海の覇者』の二の舞いにすらならずに処理されるだろう。

 

新たな『奥の手』はある。

 

しかし、それを確実に使うには『剣聖』を一人に、『剣聖』を『大衆の英雄』ではなくさせ、孤立させる必要がある。

 

『剣聖』と『猛者』を殺すための切り札。

 

最強たる『剣聖』に唯一、弱点があるとするならばそれはあくまでも一人だということ。

 

その場にいる者は救えても同時に複数の場所にいれない限りは取りこぼしが生じるのは道理。

 

しかし、それも『剣姫』や『勇者』といった準英雄級の使い手がいては問題ではなくなってしまう。故にこそ『剣聖』と【ロキ・ファミリア】を───否、『剣聖』とオラリオを分断する必要がある。

 

『剣聖』一人であれば『相打ち』に持っていける『奥の手』。

 

そして『剣聖』さえいなくなれば後はワンサイドゲームだ。民衆の英雄にしかなれない『勇者』では失った穴を埋められない。

 

『猛者』はもう一つの奥の手で仕留められる。あとは残された者達を始末すればいいだけ。

 

では、どうやって『剣聖』を孤立させるか。

 

その鍵は知性あるモンスターにほかならない。

『剣聖』が知性あるモンスターを養護していることはウラノスたちの動きから既につかんでいる。ならば、簡単だ、公衆の面前で『剣聖』に知性あるモンスターを守らせればいい。

 

そうすれば、対モンスターの矢面に立つ【ロキ・ファミリア】は、『勇者』は『剣聖』を切り捨てざるをえない。

 

でなければ冒険者としての前提が崩れ去ってしまう。

 

ダンジョン攻略の最前線であり、いずれ『救世』を成し遂げなければならないオラリオの最強派閥が、『隻眼の黒竜』の討伐を責務とする冒険者の頂点がモンスターを守れば、それだけで世界からの反発は避けられない。

 

もっとも、これは『剣聖』がモンスターを切り捨てないのを前提とした話。

 

普通に考えて、いくら『憐憫』し、手を差し伸べたとしてもいざとなれば英雄たる自らの地位、名声と知性を持っただけのモンスターでは天秤にもかけられないはず。

 

『神』の知る下界の住民とはそういうものだ。

 

だが─────。

 

「■■■■■■、『剣聖』はモンスターを切り捨てると思うか?」

 

「────()()()

 

 横に側める『巫女』に問いかけると答えはすぐに返ってきた。

 

「あの男は、クラネルは何があろうと一度、差し伸べた手は決して離さない。·············離してはくれないのです」

 

 『巫女』の返答に「そうか」と頷いた『神』の口元は酷く歪んでいた。

 

「では、堕ちてもらおう、『異端の英雄』に」

 

「ちょうどよく【イケロス・ファミリア】がいるからな、彼等を囮にして···············。生半なものでは返り討ちにあってしまうか、行ってくれるか? 我が『巫女』」

 

「··········承知しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『英雄』··············?」

 

 モンスターとの共存。そんなことを考えているのが露見したら世界の中心、対モンスターの砦であるオラリオの威信そのものが揺らぎかねない。

 

そんなモンスターへ手を差し伸べた英雄?

 

「············アル・クラネルだ」

 

「!」

 

 ベルの兄であり、都市最強の片割れ。ヘスティアは驚き、目を見開いた。まさか弟と同じように彼も異端児に手を差し伸べたというのか。

 

「ロイマン達、ギルド上層部の者たちもこのことは知らない」

 

 ギルド長すら知らされていない。つまり、これはウラノスが独断で動いているということに他ならない。

 

それほどまでに彼は本気なのだ。本気で異端児達と人類との壁を取り払おうとしている。

 

大方、ロイマンは急成長を遂げる都市最強の弟である新人冒険者の力試しのためにミッションを下すようにウラノスが考えたのだろうと思っていることだろう。

 

「じゃあ、このことを他に知っているのは···············?」

 

「私以外の神で言うならばこの件で度々依頼を頼んでいるヘルメスと協力を得るために全てを話したガネーシャくらいのものだ」

 

 逆に言ってしまえば都市最強派閥の主神であるフレイヤやアルの主神であるロキすらもこの事実を知らないということだ。

 

「·········協力者はそれぐらいかい?」

 

 都市最強の冒険者と【ガネーシャ・ファミリア】の助けがあれば確かに異端児が受け入れられる下地を作ることができるかもしれない。

 

想像以上に実現の可能性は高い。だが、それはあくまで可能性の話。

 

本当にそれが実現するかはまだわからない。それでも可能性がゼロではないことにヘスティアは僅かな希望を抱く。

 

「いや、後はフェルズという魔導師がいる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───異端児達の宴が終わった少し後。

 

「─────ふざけんじゃねぇ!!」

 

 そんな怒鳴り声と共にハゲ頭で筋骨隆々な男が鉄檻を蹴りつける。

 

その音にビクリと身体を震わせるのは、両手両足を鎖で繋がれ、檻の中に転がされている人間のような見目をしたモンスター達だ。

 

彼等彼女等は皆一様に怯えた表情を浮かべて身を寄せ合っている。そんな彼等彼女等を見下しながら苛立つように舌打ちする彼の姿に他の者達も身を縮こまらせた。

 

「うるせぇぞ、グラン」

 

「うっ········す、すまねえ、ディックス」

 

 そんな中で唯一、落ち着いた様子で彼に話しかける男がいた。線は細いが鍛え上げられており、獣のような軽やかさを感じさせる体躯を持つ冒険者風の男である。

 

彼は呆れたような溜め息を吐くと怯えているモンスター達に視線を向けた。

 

モンスター達はそんな視線から逃げるように更に身を隠す。それを見て再び苛立ちを募らせたグランと呼ばれた男は忌々しそうに顔を歪める。

 

「ただでさえここ一年はろくにこいつらを捕まえられてねぇ。今回こそはこいつらの巣を見つけられるチャンスだったってのによォ··········!!」

 

 青筋を立てながら怒りを露わにするグラン。彼らはギルドからのミッションでウィーネを連れて20階層を向かっていた【ヘスティア・ファミリア】を尾行していたのだが、途中で【ヘルメス・ファミリア】に二重尾行されていることに気が付いたのだ。

 

慌ててバラけたが再度集まる頃には少年達の姿はなく、彼らの足取りは完全に途絶えてしまって異端児のコロニーを見つけることが出来なくなってしまったというわけである。

 

「ここ最近、嗅ぎ回っていた連中は【ヘルメス・ファミリア】·······か? いや、密輸の件を考えるとギルドも怪しくなってきたな」

 

 面倒臭そうな表情で頭を掻くディックスの言葉を聞き、グランの顔色はより一層赤みを増していく。

 

それは怒りによるものではなく焦燥感によるもの。もし、二重尾行がギルドの差し金ならばかなりまずいことになる。

 

だが、そんな彼とは対照的にディックスはあくまで落ち着いていた。

 

「まァ、落ち着けよ」

 

「ッ! じゃあどうしろって言うんだ!? このまま引き下がるのかよ!?」

 

「んなこと言ってねぇだろ······いいか、よく聞け。ギルドがこの件に関わってるなら表沙汰にはしたくねえはずだ─────そこを突く」

 

 理知を持ってしゃべるモンスターなんてものが世間に露見すれば間違いなく大騒ぎになるだろう。

 

それを防ぐためにギルドは今回の一件を闇に葬ろうとしているはず。

 

しかし、だからこそやりようはあるとディックスは不敵な笑みを浮かべる。

 

「しゃべるモンスターの存在自体知っている部下は少ないだろ。ギルドが動かせる『駒』は少ししかいねぇはずだ」

 

 くっくっくっ、と喉の奥で笑うディックス。凄絶なまでのその笑みにグランはゴクリと唾を飲み込む。

 

この男なら本当にどうにかしてしまうのではないかと思ってしまうほどに頼もしい。

 

強さだけでなくその頭の回転の良さと狡猾さも併せ持つ狂者。それがディックスに対する評価であり、グランもまたそんな彼を信頼していた。

 

「『巣』のある階層は19か20あたりだろ·········久しぶりに、使うか」

 

 眼前に並ぶ檻を見ながら呟くディックス。檻の中で鎖につながれているモンスター達はこれから起こることを想像して震え上がる。

 

そんな彼等彼女等を眺めながら、ディックスはひときわ美しいハーピィの異端児が入った檻の前に立つと、おもむろに槍を担ぐ。

 

全身を浅い傷で覆われたハーピィは怯えきった瞳でディックスを見上げていた。

 

「鳴き声がデカそうなてめえがいいか。せいぜい泣き叫んで奴らをおびき寄せろよ」

 

 そんな彼女に嗜虐的な笑みを向けるとディックスは先端が赤く捻くれた槍の穂先を檻の中へと向けた。

 

その行動の意味を察した他のモンスター達が悲鳴を上げる。それを愉快そうに見つめると、ディックスは容赦なくその凶刃を突き入れ─────られなかった。

 

「·············は?」

 

 槍は『斬られていた』。

 

Lv.5、第一級冒険者相当の強さを誇るディックスが一切、気取れなかった異常に目を見開く。

 

とっさに野獣のような挙動で翻り、予備武器であるナイフを突き出すが それも『白い影』に簡単に砕かれてしまった。

 

3レベル差。第一級のディックスをしてLv.1のニュービーと深層にももぐれるLv.4の第二級冒険者程のレベル差のある『白い影』には歯が立たない。

 

「て、めぇは───?!」

 

「【妖精の葬歌(うた)遺灰(しかばね)の残り火よ。宿れ、焔の権能、天空(そら)覇者(おう)。我が身を燃ゆる(はね)と成せ────レァ・ポイニクス】」

 

 返答は『敵』を燃やし、『味方』を癒やす不死鳥の烈火を喚び起こす超高速の詠唱だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

・エニュオ

『精霊』と『魔竜』に加えてアルとオッタル用の切り札をそれぞれ用意。めっちゃ頑張ってるし、めっちゃ考えているが当の白髪はそこまで深く考えていない。

 

・唯一動かせる駒

感知系アビリティを持った歩く災害。ウラノス達も相応の報酬は払っているがそれ以上に雑に使えるので助かっている。

 

・ディックス

会敵運がない。

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