皆の傷になって死にたい転生者がベルの兄で才禍の怪物なのは間違っている   作:マタタビネガー

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フィアナ書籍化しないかな


121話 自分から心を摘む戦いを仕掛けて負ける怪人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なにを、している?

 

私は今、何を見ている?

 

クラネルの弟は一体、なにをしている? 何故、どうしてあんなことをしている? できている?

 

わからない、理解ができない。

 

何故だ? 何故、あれは殺さない?

 

何故、あのモンスターを助けようとしているんだ? まるで意味が分からない。

 

理解不能だ。理解できない。理解したくない。

 

怪物を助ける冒険者など聞いたことがない。どうしてだ? 何なんだあいつは。

 

怖い、恐ろしい、不気味だ。

 

気持ちが悪い、理解出来ない。

 

あり得た『もしも』を見せつけられているようで吐き気がする。自分の全てを否定されているかのような不快感。

 

ありえない、あり得ない、有り得ない。

 

全身を虫が這うかのようなおぞましい感覚。何故だ? 何故だ? 何故だ? 何故だ? 何故だ? 何故だ? 何故だ? 何故だ何故だ何故だなぜナゼナゼナぜなぜなぜなぜなぜナゼ!?

 

何故──────『怪物』が手を差し伸べられている?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕は、ここに、居るから············!!」

 

 自らの血に濡れながら健気に笑う若き英雄の卵と彼の胸に抱かれる怪物の姿を怪人は見た。ウィーネはベルの胸に顔を埋めたまま動かなくなった。

 

ウィーネの荒かった呼吸は次第に治まりその凶暴性が現れる兆候はない。ベルはウィーネの頭や背を優しく撫でている。

 

酸欠になったかのように荒い呼吸を繰り返しながらもベルはウィーネを離さない。まるで子供をあやすようにウィーネを抱きかかえていた。

 

その光景を見て怪人は胸を掻きむしられるかのような激しい嫌悪感を覚えた。

 

均衡を欠いたかのように仮面の下の怪人の表情が歪んでいく。

 

ふざけるな、なぜ、どうして、お前は怪物を救う?

 

怪物が誰かに救われるなど、絶対に許してはならない。

 

『(だってそれじゃあ私は─────)』 

 

 ぞわりと漆黒の魔力が怪人から溢れ出す。それは怪人の意思とは関係なく、怪人の感情に呼応するように噴出する。

 

まるで噴火した火山から湧き立つマグマのような闇色の魔力が怪人の全身を覆い隠す。

 

「─────ッ、ウィーネ!?」

 

 ベルはウィーネを庇いながら、突如として変貌した怪人の姿を見た。その身を覆う黒衣は魔力によってさらに深い色に染まり、手足には竜のような禍々しい鉤爪が生えている。

 

物理的な圧力すら感じるほどの濃密な殺気を纏った怪人がそこにいる。

 

怪人はゆらりと、ベルとウィーネの元に歩み寄る。その足取りは覚束ない。

 

だが、それでもこれまでにないほどにベルの第六感が警鐘を鳴らしている。

 

これまでも絶えず感じていた怪人の殺意。それが今になって形となって現れた。ベルはウィーネを背後に隠し、短剣を構える。

 

しかし、その動作はひどく緩慢だ。

 

体に負った傷や出血のせいもあるがそれ以上に怪人が放出する暴力的で絶対的な魔力に気圧されて身体が思うように動かないのだ。

 

先ほどまではひどく手加減されていたことを実感させられる。ベルは必死に身体を動かそうとするも、言うことを聞いてくれない。

 

その間にも怪人はゆっくりとベルたちに近づいてくる。

 

ふらつく身体を杖代わりの魔力の爪で支えて、一歩、また一歩、着実に距離を詰めてくる。

 

その度に周囲の空間が軋みを上げる。

 

ベルの額からは汗が流れ落ち、無意識のうちに喉を鳴らす。その様子を見て、怪人は満足そうに笑っているように見えた。

 

精神的な問題ではなく物理的な問題として、ベルは目の前の怪人に抗えるビジョンが見えなかった。

 

流した血が急速に冷えていくような感覚を覚えながらも、思考が追いつかない。

 

このままではまずい、何か、どうにかしなければと思うのに身体が動いてくれなかった。

 

相対しているだけで心臓が止まってしまうのではないかと錯覚してしまう程のプレッシャーを感じながら、ベルは必死に打開策を探す。

 

バチリバチリと紫電を孕んだ大気が弾ける。静寂に包まれた人造迷宮の中に響く雷鳴がベルの心音に重なっていく。

 

どくん、どくん、という音と次第に早く大きくなっていって、やがてそれは一つの轟音を奏で始める。

 

怪人が歩を進めるごとに地面が砕け散る。亀裂が広がっていき、その範囲が徐々に広くなる。

 

何も特別なことはしていないはずだ。

 

それなのに世界そのものが悲鳴を上げている。怪人を中心にして、大地が、壁が、天井が、迷宮そのものが崩壊しようとしている。

 

ただそこにいるだけで自分以外のすべてを壊そうとでもいうのか。

 

生物としての位階を超えた存在。まさにこれこそ怪物と呼ぶに相応しい。

 

淀み、濁り、汚れきった魔力が渦を巻き、怪人の身体にまとわりついている。

 

その異形さは怪物そのもので、見る者に恐怖を植え付けるだろう。

 

闇色に塗り潰された肉体からは圧倒的なまでの存在感を感じさせる。

 

このまま近づかれたら魔力の圧だけで全身を潰されてしまうんではないかと思わせる程の圧力を感じる。

 

ベルは唇を噛み締めて、ナイフを握る手に力を込める。

 

─────同じだ。

 

今、ベルが心を折らずに保っているのは図らずも似たような状況を経験したことがあるからだ。

 

19階層で兄を前にした時と同じ感覚。最強の英雄を前にしたあの時の絶望感を思い出す。

 

天まで上り詰める烈火を前にしたかのような緊張感。この怪人は間違いなく本気の兄と同じ領域にいる。

 

その有り様を明らかにした兄が聖火の化身ならばこの怪人の有り様は魔雷の化身か。

 

ベルは歯を食いしばりながらも怪人を睨む。ここで折れてしまったらすべてが終わってしまうと、自分に言い聞かせる。

 

怪人はゆらゆらと揺れながら一歩ずつベルたちへと近づく。

 

あの時の兄の態度は自分たちを試すための演技のようなものだった。それでも心が折れてしまいそうなほどに圧倒的だった。

 

だが、今の怪人の立ち振る舞いは明らかに違う。

 

怪人はベルたちを本気で殺しに来ようとしている。それはベルの直感が告げている。怪人は本気でベルを殺そうとしている。

 

怪人が一歩歩くたびに、その圧力が強まる。

 

その殺意を肌越しに感じ取っているベルは必死に意識を保ち、ウィーネを守るように抱きかかえる。

 

世界が軋む音が聞こえてきた。

 

怪物が歩いてきた道は踏み砕かれ、無残にも魔雷によって焼焦げた痕が刻まれる。

 

怪物が進む先には何も残っていない。怪物が通り過ぎた後に残るのは破壊痕のみ。

 

あと数秒もすれば怪人はベルたちの元に来る。

それは即ち死を意味する。

 

ウィーネの温もりを腕に感じつつも、ベルは死の予感をひしひしと感じる。

 

怪人から放たれているのは濃密な殺意のみ。しかしそれだけで、既にベルたちは限界を迎えようとしていた。

 

人型の不吉を中心に渦巻く魔力が一層強くなった。

 

魔竜の顎門のように開かれた怪人の手から溢れ出した魔力が、その手の中で収束していく。

 

怪人は腕を高く掲げる。

 

怪人の頭上で収束した魔力がバチバチと激しいスパークを起こす。

その光景を見てベルは悟る。

 

来る、と。

 

あれほどの魔力の奔流を放つのだ。その威力は計り知れない。今までの怪人の攻撃とは一線を画する一撃が来る。

 

ウィーネを守りたい、でも、この怪人の前では──────

 

「ッ立てグロス!! ウィーネの石を取り戻すぞッ!!」

 

「ォ、オオオオッ!!」

 

「リドさん、グロスさん········!!」

 

 全身の鱗が罅割れたリドが剣を杖代わりにして立ち上がり、グロスもそれに続いた。

 

自分たちを庇うかのように立ち上がったリドの叫び声を聞いた瞬間、ベルはハッとする。

 

そうだ、自分は何をしている。

 

ここまで来て、こんなところで諦めてたまるか。

 

歯を食いしばって息を深く吸ったベルはウィーネを背にかばい、怪人に立ち塞がる。

 

体は万全からは程遠い。傷口から血は流れ続けている。しかし、そんなことはどうでもいい。

 

今はただ、目の前の怪人からウィーネを守ることだけを考えろ。ベルが覚悟を決めたその時、怪人の背後から膨大な魔力が放出された。

 

次の瞬間、迷宮内に轟くのは天を衝くような巨大な雷の柱。

 

天井を貫いて現れたのは全長数十メートルにも及ぶ雷の槍だった。

まるで塔の如き太さを持つ雷の柱は怪人とベルの間に降り注ぐ。

 

雷の衝撃が迷宮内を駆け抜け、空気を焼き尽くす。

 

「ぁ、あああああああァアア─────ッ!?」

 

 ベルはリド達と共に絶叫を上げ、雷槍を躱しながら走っていく。

 

直撃を受けてしまえばひとたまりもないと察したベルは必死になって回避行動を取る。

 

雷の柱に触れていないにもかかわらず余波だけで凄まじい熱量に全身が焼かれる。

 

一瞬にして視界が白一色に染まる。雷撃の余波だけで皮膚が焼け爛れ、髪や服が燃え上がる。

 

広間全体を覆う雷光。現在地上に存在するいかなる魔導師にも勝る魔力が乱流し、荒れ狂い、空間そのものが悲鳴を上げている。

 

魔法でもない魔力の放出、周囲一帯の床が融解して溶岩のようにグツグツと煮えたぎっている。

 

ベル達はその中を突き進み、雷槍の間隙へと飛び込む。先ほどまでいた場所を通り過ぎる電撃が大瀑布の如く降り注ぎ、周囲の壁を破壊していく。

 

その破壊音を聞きながらもベルたちは走り続ける。迫る圧倒的なまでの魔力の奔流。

 

「おおおぉオオオッ!!!!」

 

 雷槍に目掛けてリドが剣を振り下ろした。振り下ろされた剣に纏わりついた気炎が一閃を描き、落雷を斬り裂き、その先にいる怪人へと襲いかかる。

 

「ル、ゥウウッ───!!」

 

 気合を込めた雄叫びを上げたグロスが爪を振るう。放たれたのは渾身の力を乗せた斬撃。

 

雷の槍を切り裂こうとしたリドの刃を後押しするように放たれた灰色の爪が雷柱を縦に引き裂く。

 

『─────で、それがどうした』

 

 招雷、迅雷、天槌。

 

彼らの奮闘を嗤うように放たれるのはあらゆるものを穿ち、打ち砕く三連の雷牙。

 

マジックユーザーとして大精霊の領域に達した怪人の、フェルズですらも見たことのない規模の雷の嵐が三人を襲う。

 

魔力を帯びた暴風が吹き荒び、稲妻が縦横無尽に駆け巡る。フェルズの魔道具によって咄嵯に張られた障壁にぶつかった雷が弾け、周囲に拡散される。

 

魔力の渦が辺り一面を飲み込み、全てを焦土に還す。

 

「〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」

 

 Lv.3でしかないベルが未だに立てているのはフェルズによる全癒魔法と魔道具の支援と第一級冒険者クラスである二人が矢面に立って怪人の攻撃を防いでいるからだ。

 

リドもグロスも既に満身創痍だ。それでも二人は怪人の攻撃を受け止め続けている。

 

直撃こそ避けているが、掠めただけでも致命傷になる攻撃を前に連携と駆け引きを駆使して立ち向かっていく。

 

「ファイアボルトォオオッ!!」

 

 火雷の多連射撃が怪人に殺到する。しかし、怪人は迫り来る火球を掌で受け止めそのまま握り潰す。

 

その光景を見てもベルは怯まない。

 

ベルはナイフを構えて怪人の元へ向かう。

 

広間の天蓋から降り注ぐ雷光が眩く輝く。

 

閃光、轟雷、そして衝撃。

 

雷光の瞬きと同時に降り注いだ雷がベルの体を打ち据え、衝撃がベルを吹き飛ばす。

 

だが、ベルは諦めることなく立ち上がる。

 

遥か格上からの殺意に晒されても、ベルは決して逃げようとはしない。

 

ベルは怪人を見上げる。

 

怪人は、怪物は笑っていた。

 

仮面越しにもわかるように愉悦に歪め、ベルたちを見下ろす怪人の姿。

 

それは弱者を虐げる強者の余裕か。

あるいは獲物を甚振る捕食者のような嗜虐心故なのか。

 

或いは自嘲からくる嘲笑なのかもしれない。

 

「────遅くなりまシタ!!」

 

「レイ!!」

 

 広間の入り口から怪音波が響く、雷槍の隙間を縫って現れたのは金色の羽毛を生やしたセイレーンのレイだった。

 

遅れて到着したレイに続くように全身を武装した異端児達が次々と現れる。

 

『次から次へと·········!!』

 

 異端児達の中でも精鋭を集めた彼等の到着に怪人は忌々しげに吐き捨てる。

 

手詰まりに近かった状況がリド達と同じLv.6級であるレイと第二級から第一級冒険者相当の異端児達が加わったことで揺れ動く。

 

グロスが攻撃を防ぎ、ベルが撹乱し、レイが奇襲を仕掛けて怪人の意識を分散させる。

 

その隙を突いてリドや新しく来た異端児達が畳み掛ける。これが今できる最善手だと誰もが理解する。

 

深層の階層主すら討てるだけの戦力。

 

これならば────

 

『【一掃せよ、破邪の聖杖───────【ディオ・テュルソス】』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬の間に紡がれた詠唱と同時、この世全てを穿つ黒き稲妻が空間ごと焼き尽くさんばかりに荒れ狂い大気の絶叫を引き起こした。

 

ベル達の理解よりも先に視界を埋め尽くす程の光と爆風が迷宮内を蹂躙していく。

 

天より堕ちた雷の槍は迷宮の壁を貫き、人造迷宮の外にまで届いた。

 

それは怪人が今日初めて使った純然たる『魔法』の一撃。その威力は今までの攻撃とは比較にならない程の規模と範囲を持っていた。

 

端から直撃を求めていない一撃は迷宮内を暴れ回り、爆音と共に上の階層にまで到達する。

 

下界に存在するありとあらゆるものを粉砕せんばかりの破壊の雷光。

 

「なに、が───」

 

「ァ、アァ──────ッ!?」

 

 リドとグロスが呆然と呟く中、魔力の余波だけで肉体を焼かれていたリド達はその『魔法』の余波を受けて遂に膝を折る。

 

辛うじて致命傷は避けられているものの、そのダメージは深刻だ。リド達は苦悶の声を上げながら顔を上げる。

 

そこには、無傷のまま佇む怪人がいた。怪人の周囲には紫色に輝く障壁が展開されており、自身の雷光を防いでいた。

 

絶対者のみが纏うことを許された覇気。

 

たったの一撃、たった一発の魔法で全てが無に帰した。怪人の持つ魔法の力は圧倒的に過ぎた。

 

フェルズによる支援も、異端児とベルの共闘も、何もかもが怪人の前では無力に等しかった。

 

圧倒的なまでの実力差。

 

仮にあの魔法の砲台が自分たちに向けられて発射されていれば自分達は跡形もなく消え去っていただろう。

 

そんな絶望的なまでに隔絶された力の差。魂の奥底から震え上がるような恐怖。

 

それでも、 ──────それでも、リドも、ベルも、そして他の異端児たちも諦めない。

 

剣を、爪を、槌を、斧を、武器を構える。

 

『···············そんなに大事なら返してやる』

 

 その光景に怪人は何か眩しいものを見るかのように目を細めると、手に持っていたものを放り投げる。

 

それは先ほど、怪人がウィーネの額から奪った『ヴィーヴルの涙』。

 

正気を失ったウィーネが我を取り戻すのに必要不可欠な秘石。

 

真っ先にそれに反応したベルが痛みに苛まれた体に鞭を打って駆け出す。

 

ベルが石をキャッチする様を見ながら怪人はウィーネの元まで瞬間移動とも見間違う速度で移動すると、その首根っこを掴む。

 

『───────ア、アアアァッ!!』

 

 ウィーネを掴む怪人の掌から黒い波導が溢れ出る。その波動に触れた途端、ウィーネの顔から苦痛の表情が消える。

 

同時に怪人の手から解放されたウィーネは地上への階段を駆け上がっていく。

 

「ウィーネになにをっ!?」

 

『認識■■の【スキル】だ。本来はクラネルに対してのものだが、第二級程度の相手ならばちょっとした幻覚を見せるくらいはできる』

 

 どこかくたびれたかのような様子でそう言った怪人の言葉の意味をベルは理解できなかった。

 

『···············ではな、クラネルの弟。神の命は果たした、あとは好きにしろ』

 

 怨嗟にも似た声をこぼして踵を返した怪人はそのまま何処かへ去っていく。

 

「貴様ッ!!」

 

『やめておけ、異端の怪物。今は、『ヒト』を殺したくない』

 

 グロスの憤激をこの場のすべてを殺戮可能な怪人は切り捨てるとそのまま姿を消す。

 

後に残ったのは満身創痍の異端児達と石を手にしたベルだけ。

 

「─────ッ、ウィーネ!!」

 

「ベルっち!!」

   

 迷う間もなくウィーネを目指しベルは階段を上り始め、リド達はそれを慌てて追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『すまない·······私では彼等を止められなかった』

 

 全員に全癒魔法をかけて精神疲弊寸前のフェルズは通信の魔道具を起動させる。

 

『このままではリド達はウィーネを助けるために地上に出て行ってしまう。·············今、彼らが地上に出ていってもウィーネを助けるよりも先に彼ら自身がモンスターとして殺されることになる』

 

 声帯すら朽ち果てた骸骨の口から悲痛に満ちた言葉が出る。リド達がどれだけ強くても、今のリド達が迷宮外に出れば待っているのは死だ。

 

怪物である彼らが外の世界に出れば世界の敵として討伐されるだろう。

 

『頼む········っ、彼等を、異端児を守ってくれ』

 

 通信の相手はこの詰みの状況をたった一人で覆せる『英雄』。

 

「·········それは、ギルドからの強制依頼、か?」

 

『················いいや、地上で英雄たる君がモンスターを庇う········それが君の立場をどうするのか、などわかりきっている。だから、これは私からの個人的な依頼だ、望むものがあれば何でも支払うが、断ってくれても構わない』

 

 大衆の面前で『英雄』が『モンスター』を庇う、それは破滅を意味する。

 

「────いいだろう、その依頼承った。俺がいる限り()()()()()()()()()

 

『···········恩に着る、報酬は何を望む? 君の背負うものに見合うものなど有りはしないと思うが·········』

 

「賢者の石」

 

『────ッ!!』

 

「ああ、当然だが不老不死なんざ興味はないし、なろうと思えば自力でなれる。─────少し、使い道があってな」

 

 

 

 

 

 

 

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怪人『クソが·······』

 

メインヒロインアステリオスくんと戦わない分の経験値をお兄さん()とお兄さんの知り合いのお姉さん()が補填してくれました。

 

お姉さんは終始全力を出せずに戦いというよりも 八つ当たりをしてる状況でした。

 

穢れた精霊との接続や魔石を取り込んだことによる階梯の向上で精霊兵みたいな詠唱によらない魔力の解放による攻撃ができるようになってます。

 

アルも規模も出力も下ですが似たようなこと可能。







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