皆の傷になって死にたい転生者がベルの兄で才禍の怪物なのは間違っている   作:マタタビネガー

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前話と今話は必要以上の、というかちょっとやりすぎたラブコメパートを消した関係上ちょっと短いです。





192話 フレイヤの魅了を神酒ガブ飲みした上で受けたらワンチャンあるか?

 

 

 

 

「あっ、じゃあ、僕そろそろ帰るから」

 

「あっ、はい、なんか、その、すみませんでした」

 

「いや、気にしないでくれ」

 

「そう、ですか」

 

「······························································」

 

「······························································」  

 

「····························································································································」

 

「····························································································································」

 

「························································································································································································································································っ(クソ気まずいな··········)」

 

「························································································································································································································································っ(顔が見れない··········)」

 

「······························································じゃあ、また(全部忘れてくれないかな)」

 

「······························································はい、お気をつけて(全部忘れてください)」

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

【ロキ・ファミリア】ホーム、黄昏の館。

 

団員達をまとめる団長であるフィンの執務室は、その真北の塔に位置している。落ち着いた雰囲気の部屋で整理された巨大な本棚などがある。

 

己の執務机に座るフィンの他にはガレスとリヴェリアを始めとしたアル以外の全幹部とロキ、ラウルが揃っていた。

 

「『精霊の六円環』、か」

 

 ベルから話を聞いてきたアイズの報告にフィンはそう呟く。自身の命と引き換えに『大秘術』を行使し、邪竜ニーズホッグを葬った六人の大精霊。

 

レフィーヤ達がクノッソスで見たニーズホッグを中心とした壁画はそれを表していた。 

 

「最古の六精霊による邪竜ニーズホッグを滅ぼした『大秘術』の再現、それが『都市の破壊者』の狙いか」

  

 クノッソス内部に『精霊の分身』が配置されてると想定される六つの大広間、その六つを地図上で線でつなぐと丸い円────円環が描かれる。

 

都市の中央であるセントラルパークを一回りほど大きくした円環。太古の竜種すら葬り去る精霊の奇跡によってその円環に破壊が齎されればオラリオは文字通り滅ぶだろう。

 

Lv.6を含む複数の第一級冒険者のパーティーでなければ打ち破れない『精霊の分身』。深層の階層主と同等以上の力を持ったそれを、戦力ではなくより大きな破壊をもたらすための炉心として利用するという埒外な発想。

 

アルの魔法によって危機一髪阻まれたあの緑肉の氾濫はさしずめそのための栄養補給といったところか。

 

「じゃあ敵は『籠城』してるんじゃなくてオラリオを吹き飛ばすための『爆弾』を用意してるってこと!?」

 

 第一級冒険者の勘で薄々と感じていながらもその実態をつかめていなかった危惧をティオナが口にする。

 

「術式名は別名、『天の扉』。超大規模な魔法円に配置した複数体の精霊そのものを媒介に超長文詠唱によって『神の力』にも迫る天界の力────『天柱』を下界に召喚する反則や」

 

 ロキがその危惧を肯定する。神が下界に降臨するよりも以前、人類が大穴より際限なく湧き出るモンスターの脅威に晒されていた血と悲劇の時代。

 

神の恩恵さえ受ければ凡夫でもモンスターと対等以上に戦える神時代とは違い、極一握りの英雄と呼ばれるものでなければモンスターに抗することは叶わなかった古代。

 

始まりの英雄とされるアルゴノゥトやこの地に蹄跡を刻んだフィアナが台頭した英雄の時代より更に以前、本当の本当にモンスターという脅威から人類が逃げ惑うしかなかった頃だったからこそ許された天からの『介入』による反則。

 

「その破壊力はオラリオとその周辺の大地を根こそぎ消し飛ばせる必殺。·············ウラノスにも確認を取ったが『穢れた精霊』が古代の大精霊を何回も食らっとった場合はほぼ限りなく発動可能や」

 

 どれだけ強い冒険者がいようと関係のない破壊、オラリオを戦力によって滅ぼすのではなく大地ごと消し飛ばす。

 

それこそが敵が用意している最悪の奥の手にして切り札。

 

先の一次侵攻で二度、大地を穿った神の送還による『光柱』をより大規模にしたものが『天の扉』。

 

ダンジョンを────モンスターの母体たる大穴を塞ぐ『蓋』であるオラリオが滅べばまず間違いなく時代は逆行する。

 

第一級冒険者をはじめとした冒険者達が術式による破壊から逃れようとも際限なく湧き出るモンスターをバベルと市壁なくして抑え込めるはずもない。

 

モンスターが際限なく地上を跋扈し、血と絶望に染め上がる太古の時代の風景が地上に蘇る。

 

「幸い、ウラノスんとこの魔術師が言うにはあの『火』によってクノッソス内部の精霊の魔力が消費されて術式が完成するまでにはもうしばらくかかるらしい。やから、それまでに戦力と準備を整えて今度こそ確実に連中を潰す」

 

 術式が完成するまでに魔城と化したクノッソスを踏破し、術式を行使する『精霊の分身』を全て撃破する。

 

そうしなくてはオラリオに未来はないだろう。

 

黄昏を越えて夜闇に染まった窓の外の風景を見据え、ロキは固く決意する。

 

オラリオに住む、下界に生きる全ての者達の未来のために、そして────

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「てか、アル遅ない?」

 

 一通り話を終えたロキはふと、アルの不在にそう口にする。

 

シャクティからアルが緑肉を全て突破して地上に生還したという報告が入ったのはアイズ達がニーズホッグの逸話を調べにホームを出てすぐの早朝だ。

 

あれからもう半日どころか15時間以上は経っている。口には出さなかったが流石に帰ってくるのが遅すぎると誰もが思っていた。

 

アルが腕を失うほどの重傷を負って【ディアンケヒト・ファミリア】の治療院に行ったというのは知っている。

 

そもそも腕の欠損は通常魔法で治せるものではない、という大前提は置いておいてもそれほどの重傷を負った者が帰ってくるには一日やそこらでは足りない。

 

一度の魔法で治せたとしてもある程度の経過観察のために最低でも数日は治療院にいなければならないだろう。

 

だが、アルならば下手をすれば数十分で帰ってきても不思議はない。

 

安静にさせようとするアミッドから瀕死から立ち直ったその足で逃げてくるアルは最早見慣れつつある光景だ。

 

だからこそ、そのアルがまだ帰ってこないのはおかしい。

 

「もしかして、危険な状態なのかな?」

 

 そう口にしながらそうではないだろうとアイズは考える。仮に危険な状態でその治癒に時間がかかってると言うのであれば間違いなくファミリアにも連絡が来るはずだ。

 

それがないということは負った傷自体はアミッドならば問題なく治せる程度だったと見るべきだろう。

 

アミッドに捕まって治療院での安静を余儀なくされている、という線もあるが人の目を盗んで逃げ出すことにおいてアルの右に出るものはいない。

 

何であれすぐに抜け出して戻ってきそうなものだが。

 

「流石に今の状況でホームに戻らずどっかに行くってことはないだろうからね」

 

 普段から行動原理が読めないところが多々あるアルだが、この状況で面倒からホームに戻らないことを選ぶとは流石に考えにくい。

 

なら、一体どうしたのか。

 

皆のその疑問は────

 

コンコンと、部屋の扉がノックされる音によって中断された。全員の視線が扉に集中する中、よく油の差された扉は音も無く開かれる。

 

「今、戻った」

 

「───アル!!」

 

 着替えたのか戦闘衣ではなく普段着を身に着けたアルが、何事も無かったかのようにそこに立っていた。

 

その無事な様子に思わずといった様子で立ち上がったティオナはアルに駆け寄る。

 

「アル、大丈夫なの!?」

 

「ああ、心配かけたな」

 

 何気ない様子のアルにティオナは深く安堵の息を吐く。腕はもちろんのことその体に傷らしき傷は見えない。

 

本当に大丈夫そうだとティオナはアルの無事を喜ぶ。

 

しかし────

 

「アル、めちゃくちゃ耳赤いけどなにかあったんか?」

 

「いや、別に、ちょっとな」

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

『アル、めちゃくちゃ耳赤いけどなにかあったんか?』

 

 うるせぇ黙れ詮索すんな何があったかは俺が聞きてえわボケが。

 

こちとらいまだに状況把握が完全に出来てねえんだよ。

 

決定的なことは起きないように頑張ったが一体全体何だったんだあの時間は、正直意味がわからねえ。

 

くそっ、記憶から完全に消したいが俺の精神防御的に物理的に脳みそを焼き切らない限り記憶消せねえからな。···············。

 

フレイヤの魅了を神酒ガブ飲みした上で受けたらワンチャンあるか?

 

いや、駄目だ、ゼロに何かけてもゼロか。

 

 

 

 

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

剣聖&聖女「あぶねー」

 

ジュ◯ター「orz」

ゼ◯ス「はーっ、玉無しかよ」

世界「(⁠┛⁠◉⁠Д⁠◉⁠)⁠┛⁠彡⁠┻⁠━⁠┻」

 

アルからアミッドへの好感度は最大値でアミッドからの要求を拒めない為アミッド√へと分岐条件を満たしているのでアミッド側がバグるとそれに引っ張られてそのまま分岐します。

 

ここ二、三話は割と作中最大のゲームオーバーポイント。

 

バグる条件はアル側からの働きかけ以外だと自分の手の届かないところでアルが死にかけたり、ラキスケ起きたり、ハイエルフ熱愛報道が収束しなかったり、とかです。

 

頭のおかしい闇のモンペとある意味でアルフィア√な静穏以外の全√で分岐可能性あり。

 

 

 







フルランド 買うつもりだけど特典付きのゲームって基本買わないからよくわかんないんだよなぁ、アマゾンの12000円のやつでいいのかな?
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