皆の傷になって死にたい転生者がベルの兄で才禍の怪物なのは間違っている   作:マタタビネガー

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193話

 

 

 

──────英雄の輝きを見た。

 

どうしようもなく嫌いでくそったれなこんな世界を照らす人の輝きを見せつけられた。

 

光を通さぬ雲海に覆われた天に全てを砕き、全てを飲み込む昏き大海。荒れ狂う嵐と絶破は全てを呑み込み、命など一つも残さない。

 

亡骸すら残る事は無く、ただただ全ては海の藻屑と消え去るのみ。そんな絶望と終焉を謳う絶界の光景の中にその輝きを見た。

 

絶大な魔力に長大な詠唱、己が力をもって理すらねじ曲げるその英雄の詩を。

 

ただの残骸と成り果てた海上要塞の船板に何もできぬまま縋り付くこの身体を、ただその輝きが打ち据えた。

 

条理を覆し、不可能を覆し、奇跡を紡ぎ出すその輝きに、その『導』に心を焼かれた。

 

【哭け、聖鐘楼───ジェノス・アンジェラス】

 

 空を覆う雲海も、光を通さぬ海原もその光の破轟に呑み込まれた。数百、数千年にもわたってこの下界に絶望と悲劇を齎してきた大いなる海の覇者が啼いた。

 

理解を逸する超常の破壊、全てを白へと還す灰銀の鐘が『灰の雪』をまき散らしながら罅割れ、滅界の咆哮を響かせる。 

 

その鐘の音は海を割り、天を裂き、雲を晴らす絶対の破壊。そしてそれは、絶望の権化たる海の覇者すら例外ではなかった。

 

下界の悲願の達成、界を喰らう大いなる三匹の獣の一つを討った英雄達の凱歌がどうしようもなく卑小で矮小な己の耳朶を打つ。

 

何もできなかった己の非力と無力が恨めしい。光を仰ぎ見ることしかできぬ己の矮小さが呪わしかった。

 

だが、あれだ、あれなのだ、あれこそが世界が欲している終焉という闇を切り拓き全てを照らす光なのだ。

 

絶やしてはいけない。

 

受け継がなくてはいけない。

 

あの『英雄の輝き』だけは次に繋げなくてはいけない。

 

─────だが、『英雄』は消えた。

 

『海の覇王』と『陸の王者』を討ちながらも残る最後の『黒竜』に敗れて惨めな敗残者となった英雄達はその姿を消した。

 

絶望だった、悲嘆だった。

 

英雄とは『覇者』だ。理不尽と暴虐の化身であり、その暴威に晒されながらも導かれてきた自分だからこそ正しく絶望した。

 

この下界であれほどまでに覇道を極めた者たちはいない、あれほどの輝きを讃えた英雄なぞいるはずがない。

 

下界は終わる、昏い終焉の黒に全てを呑み込まれる。

 

だが、だが、だが。

 

『英雄』が消えようともその輝きを灯火が如く次につなぐものがいる限り、その英雄神話が紡がれる限り、あの輝ける光が無為に消えることはない。

 

ならば繋ごう、己の全てを以て繋げよう。

 

己自身も丘も城も全てを断った先に『英雄』となり、そしていずれ竜を断つに至る数多の次なる『英雄』達を導こう。

 

力も数も未だ遠く足りない、成し遂げるべき事柄に対して残された時間は余りにも足りない。

 

すぐそこまで終焉の黒が迫っている。下界は今にも喰らい尽くされるだろう。

 

だが、そうだ、だからこそ諦めるわけにはいかないのだ。

 

あの輝きを絶やすな、絶望に呑まれるな。

 

千の怪物を断った。

 

百の悲劇を覆した。

 

十の国々を救った。

 

その過程で数多の一を取り零しながら、それでもなお歩みを止められるはずもなく進み続けた。

 

現代の英雄なんて呼ばれながらも次に続く、『残光』を受け継ぐに足る英雄の卵が生まれぬことに危惧を覚えながら。

 

自分だけであの英雄たちが敗れた黒き終焉に挑まなくてならないのかと諦観が身を貫いた。

 

だが、再び()()

 

あの英雄たちが消えてから十年と一年余り、諦観が無念に変わりかけたあの時、確かに見た。

 

彼方の空より、天を黒く染めながら迫る終焉の欠片共。

 

大いなる『竜の鼾』によって乱された風印から逃れた二体の古き竜種に付き従うように空を覆う数を数えることすら馬鹿らしい数多の飛竜。

 

己がいた、猪がいた、小人族(パルゥム)がいた、王女(ハイエルフ)がいた、土の民(ドワーフ)がいた、幾人もの冒険者と教師がいた。

 

けれど全てを討つにはたった五人の英雄と数名の強者達では到底足りぬ終焉の光景。

 

そう遠くない未来にこの下界を覆う絶望を予期させるに足るその光景に誰もが舌を打った。

 

たった二体の古竜を除けば他は木っ端、少なくとも自分たちが破れることはありえない。だが、それでもその数はあまりにも多すぎた。

 

まるで『黒の荒野』に生息する仔竜共が全てかき集められたかのような光景、あれら全てを討ち果たすのにどれだけの時間がかかるか。

 

あの古竜を討つには我々が総出でかからねばならない。だがその合間にあの飛竜達は大防壁を越えて人類圏へと侵攻するだろう。

 

最も危険な古竜を最短で処理し、速攻をかければあの内の半数は討てるだろうが、残り半分は取り逃がしてしまう。

 

ダンジョンですら相対することない古代より生きる竜の相手をできるのは五人だけ、仮にこの五人以外にあの古竜達に立ち向かえる戦力がいれば話は違ったのだがないものを願っても仕方ないと再度小さく舌を打った。

 

そこに、一つの『鐘』の音色が鳴り響いた。

 

破轟を謳う灰銀のそれとはまた違う漆黒でありながらその裡に白き輝きを秘めた『黒鐘楼』。

 

その鐘を鳴らす『彼』は小人族(パルゥム)達が連れてきたサポーター代わりの少年。想定以上の事態に引き返すよう王女(ハイエルフ)が言っても聞かずに戦線に加わった第一級冒険者でもないただの少年。

 

幼さを多分に残す美貌を痛痒に歪め、雪を思わせる白髪を怪物共の残滓によって灰に染まらせながらも、この地上の地獄にあってもなお輝く紅い瞳を宿す英雄の卵。

 

大神(ゼウス)女神(ヘラ)の連中でも到底不可能な速度で頂を駆けのぼる只人の子供の話は噂だけでは聞いていた。

 

そして、実際に顔を合わせ、その未完の輝きを目にした時、確信した。

 

大神(ゼウス)の男共を思わせる破天荒さに女神(ヘラ)の女共を思わせる理不尽。

 

そしてなによりも剣戟の才も、魔導の才も、神々が認める天賦すら一笑に付す圧倒的な才禍。

 

確信した、理解した。

 

あの英雄達の輝きは途絶えてなぞいなかった、自分とはまた別の場所で確かに繋がれていた。

 

鐘が鳴らした黒鐘の音は絶望の黒を自身の真黒でもって塗り替え、白き輝きを輝かせた。

 

【────聖霆の覇斬(レーア・ユピテール)

 

 全力の猛り、器の限界を超えた破轟の一撃は当然のように距離を殺して空を往く古き竜の片割れを捉えた。

 

そして、その一撃は確かに竜を断った。

 

火片と紫電を纏った黒銀色の『斬光』はその余波で竜に付き従う木っ端共を灰燼と化し、風印から漏れた『最凶の古竜(エンシェント・ドラゴン)』を地に叩き堕とした。

 

『英雄の輝き』を再び見た。

 

歓喜にも近い感情を抱いた。

 

あれは船頭だ。

 

次なる時代の始まりを告げる光だ。

 

ここからだ、ここから次なる『英雄神話』が紡がれる。

 

数多の英雄の器が彼に導かれ、彼を越えて更に前へと進むだろう。

 

今度こそあの光は消してはいけない。

 

『黒竜』に敗れて消えた英雄達の二の轍は踏ませない、踏ませてなるものか。

 

だがら、私は、俺は──────

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

想起する、想起する。

 

あの数分が脳髄に刻み込まれてぐるぐると繰り返している。

 

思考が白む。

 

白灰の原野からざらついた記憶が掘り起こされる。

 

幽鬼のように『彼女』に肉薄した怪人の手が後ろから『彼女』の白い首を掴んだ情景が、 その細い首を締め上げる怪人の腕が。

 

メタルグローブの爪に掴みあげられた『彼女』の足が地面から離れて締め上げられる苦悶の声と共にその口から白い泡が溢れた時のあの情景が、幾度も幾度も想起される。

 

やめてくれ、と叫びたくとも声は出ない。

 

『今更、何を藻搔く。憐れもそこまで来ると失笑すら浮かばないぞ』

 

 抵抗するように藻搔く『彼女』を嘲るように怪人は告げる。怪人の腕を叩く『彼女』の抵抗などまるで無視して仮面の奥で昏い色を宿す目が覗き込むように『彼女』を覗き込む。

 

『人形遊びも漸く終わりだ』

 

 メタルグローブに力が入る。怪人の指が『彼女』の首の骨をみしみしと締め上げる。

 

やめて、と叫びたいのに声が出ない。

 

動かない身体が呪わしい。

 

藻搔く『彼女』の足が怪人の胴体を蹴るが、怪人は微動だにしない。

 

駄目だ、止めろ、止まって、誰か、お願いだから────

 

声にならない声が喉から漏れる。だが、声は出ない。

 

手を伸ばすが、届かない。

 

「止めっッ─────」

 

 ゴギリッ、と冒険者の耐久力を容易く超越する音を立てて呆気なく『彼女』の首がへし折れる。

 

ビクビクと数度、『彼女』の足が震える。やがてくたりと力が抜けたように足が落ちる。

 

最後までもがいた手から力が抜け、だらりと垂れ下がる。

 

糸の切れた人形のように『彼女』の身体が崩れ落ちる。私はただ呆然とそれを見る事しかできない。

 

『餌だ、食人花』

 

 無造作に、まるで壊れた玩具を捨てるように『彼女』の身体を食人花の顎へ放る怪人。

 

なんの情緒もなく閉じられる食人花の顎に遺体が砕かれる間際────

 

『彼女』は、フィルヴィス・シャリアは最後に笑った。

 

その涙と血で濡れた顔に似つかわしくない、優しい微笑みを私は確かに見た。

 

「すま·········レ、フィ········」

 

 ぐちゃり、と血華が散る。そして食人花の顎からぼとりと落ちる『彼女』の手首だけが今更、鮮血を撒き散らせながら私の前に落ちる。

 

「ぁ、ああ」

 

「あ、あ、ああああ」

 

「ぁあぁあああああっっ!!」

 

 ぐるぐると記憶が巡る。『彼女』の首をへし折る怪人の腕、藻搔く『彼女』を嘲笑う怪人の声、そして最後に笑った『彼女』。

 

全てが私の脳髄に焼き付く。焼き付いて離れない。

 

私はただ叫く事しか出来なかった。

 

慟哭が喉から溢れ出る。

 

目を大きく見開き、叫ぶように絶叫し、その場に崩れ落ちる。

 

私の前で、私の目の前で────フィルヴィス・シャリアは死んだ。

 

あれから何度も何度もぐるぐると巡る記憶。

 

あの後、私はどうやって地上に戻ったのか覚えていない。ただ、気付いた時には私は血を浴びた装備のまま地上の地面にへたり込んでいた。

 

なんで彼女が死ななくてはならなかったんだろうか。

 

なんで私は彼女を助けられなかったんだろうか。

 

何故、何故、何故。

 

答えの出ない疑問ばかりが頭を過ぎる。

 

『一緒に光冠を見に行きましょう』

 

『あぁ、全てが終わったら、行こう。約束だ』 

 

 この戦いに身を投じる少し前、この戦いが終わったら二人で自分の故郷であるウィーシェの森の大聖樹の『光冠』を見に行こうと約束した会話。

 

叶わなかった約束の言葉が頭に響く。

 

私は、『彼女』に守られて、それが故に『彼女』は死んだ。

 

その現実が私を押し潰すようにのし掛かる。

 

涸れることを知らない涙は延々と流れ続け、私の視界を歪ませる。

 

あれから何日も経ってその間に何度も目の前に誰かが来て何かを言っていた気がする。だが、私はそれを認識することすらできない。

 

今も、誰かが私の前で何かを言っている。

 

だが、何を言っているのか、それを聞き取る事すら今の私には叶わない─────

 

『お前ももう心のどこかで気がついているだろうが怪人エインの正体はフィルヴィスだ』

 

『あいつとの戦いは俺が終わらせる。お前は俺の代わりに俺の手が届かないところで戦え』

 

 ─────無遠慮で、ぶっきらぼうな声が耳朶を打つ。

 

その声だけは、何故かはっきりと聞き取る事ができた。

 

「アル、さん·················?」

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

「団長、大丈夫でしょうか···············」

 

 【ディアンケヒト・ファミリア】治療院、都市最大の医療系ファミリアであるそのホームの端で不安げな声が上がる。

 

二次侵攻を前にしたポーションの製造などで忙しく走り回っていた彼女たちだがようやく一段落つき、落ち着いて休息をとっていた。

 

そんな中、アミッドには当然ながら及ばぬもののファミリアでも上位の癒やし手であるベルナデットが呟いた言葉に反応し、他の団員たちも不安にも似た複雑な表情を顔に浮かべる。

 

彼女達の団長────アミッドは明らかに精彩を欠いている。

 

無論、己の不調を理由にこなすべき業務に支障をきたすアミッドではないが合間合間の休憩や待機の時間、ふとした瞬間に物思いにふけっている。

 

何もない宙空をただ見つめて何かを考え込んでは深いため息をこぼしてそれを繰り返していると思えば急に耳を赤くして黙り込んだりと、普段のアミッドを知っている団員達からしてみればその様子は明らかな異常だった。

 

誰もいないところで胸を押さえて切なげに眉を顰めていたり、かと思えば思い直したかのように頭をブンブンと振ってみたりと明らかに挙動不審である。

 

ベルナデットの呟きもそんなアミッドの様子を見てのものであり、それはどうやら他の団員達も同様であった。

 

彼女達は例外なく、団長であるアミッドのことを自分たちの団長としても私人としても尊敬しているし敬愛している。

 

年頃の少女でありながら飾ることを知らない、治癒師としての本懐を第一に考えるアミッドの姿は彼女達からしてみれば少し心配ではあるが非常に好ましく、憧れだ。

 

しかし、そんなアミッドがどうにもどこかおかしい。

 

はっきりと言ってしまえば奇行が目立つ。

 

「まさか···············男っ!?」

 

「う、嘘でしょ!?誰よどこの馬の骨!?」

 

「いや、馬の骨って言うか絶対、彼でしょ」

 

 言うまでもないことだがアミッドはモテる。女神すら霞む美少女で、その性格は名が上がるほどアクが強くなる傾向のある冒険者の中では常識的。そして何より都市最高と謳われる治癒師であり、彼女に命を救われた冒険者は数知れない。

 

そんな彼女だがこれまで恋だの何だのとは言って無縁であった。

 

19歳にしてはっきり言って仕事人間であるアミッドは、普段の様子を知っている彼女達からしてみればその生活の無味乾燥振りを若干心配したほどである。

 

そんなアミッドが今は普段通りの仕事ぶりではあるがふとした拍子に見せる表情は普段の彼女からは考えられないほど柔らかく、まるで年頃の少女のように顔を綻ばせる。

 

そんな表情をする時は決まってある人物に関連することだと団員達は知っている。

 

それは昨日、クノッソスから生還した人物────アル・クラネルだ。

 

彼女達は知っている、アミッドが彼といる時だけ年相応の少女のような態度を見せることを。

 

都市最大派閥の彼が自分や『九魔姫』の手に負えない傷を負った時、それを癒すのは必然アミッドとなる。

 

普通の冒険者なら毎日死ぬような意味のわからない無茶を重ねてこの四年間、何度も死にかけたアルをアミッドが癒してきた。

 

瞬く間に都市最高の冒険者となったアルと都市最高の治癒師であるアミッドは派閥は違えど互いに屈託なく頼れる確かな信頼関係が築かれているように傍から見てもそう見える。

 

「やっぱりアミッド団長も女の子だから···············」

 

「い、いやー、でも相手はあの『剣鬼』だよ?それは無いでしょー」

 

 色恋云々というよりは姉と弟のような関係、そうとしか言いようがない。

 

屈託なくアミッドに頼って迷惑をかけるアルと嘆息しながらそれに応えてたまに首根っこを掴んで引きずっていくアミッド。

 

端から見ればそんな関係性だと彼女達は認識している。

 

アミッドほどではないにしろアルと関わる機会が多い彼女達は彼が世間の評判ほど無機質な『英雄』らしい人物ではないのも知っているし、むしろ年齢相応ぐらいには子供っぽい部分があることも知っている。

 

まあ、それはそれとして普通に異常者ではあるが少なくとも悪人や鼻下長ではない。

 

むしろ、表面上は飄々としていてもその行動原理は『英雄』に求められる大儀の為に動いている、その在り方はアミッドにもどこか通じるものがある。

 

だからこそ、彼女達はアルを憎からず思っているしむしろ好ましく思っていたりするのだが、問題はアミッドだ。

 

二人の仲がいいのは間違いないが男女の仲かといえばそうではなさそうに見える。

 

根のところで互いを憎からず想っているのは誰の目から見ても明らかだ。

 

だがしかし、二人はどうにも奥手なのか未だに恋仲というには程遠い関係であるらしい。

 

そんな二人の様子を歯痒く思う彼女達だが、同時に微笑ましく思っているのも事実だ。

 

まあ、はっきり言ってしまえば能力だけ高くてどこか未成熟な二人の様子は彼女達の野次馬魂をたまらなくくすぐる。

 

そのせいで今までなんだかんだと二人の仲を取り持つ機会を窺ってはアルのクソボケやアミッドの唐変木に度々呆れて今に至っているのだが、どうやら今回の事件は彼女達にとって転機となるらしい。

 

「でも、消去法から考えても···················」

 

「うん··············アミッド団長はアル君のことに関しては本当にわかりやすい」

 

「昨日、クノッソスから戻ってきたクラネル氏と半日くらい同じ部屋にいたみたいだけど············」

 

「······················アル君、あれで貞操観念恐ろしく硬いから変なことはしてないと思う」

 

 クノッソスの一次侵攻で皆を生還させたアルが一人クノッソスの奥底に取り残されたというのは共有されており、だからこそ単騎で緑肉をぶち破って帰還してきた事には安堵と共に驚かされた。

 

その時に負った傷をアミッドが治すのは決まりきったことなのでいつものように顔パスでアミッドのもとに通したのだがそれから半日以上二人が部屋から出てくることはなかった。

 

まさか、あの二人に限って変なことをしていたとは考え難いがいつもなら早くて数十分で戻ってくるので彼女達は心配していたのだが。

 

それが昨日の出来事である。

 

そして今日、明らかに様子のおかしいアミッドを見て団員達は確信した。

 

あの半日の間に二人の間に何かがあったのだと。

 

自分達の知らない間にどこの馬の骨ともしれぬ男にたぶらかされているよりかはちょっとどころかかなりの問題児であるがその人柄を知っているアルにたぶらかされている方が彼女達からすれば安心できる。

 

アル自身、最大派閥の団員や都市最強の冒険者という看板がなければ治癒師として迎え入れたいぐらい───半端なく心労がかかりそうだが───には好感が持てる人間だ。

 

どうあれ、アミッドが幸せならばそれで構わない。

 

邪魔は論外であるがだからと言って変に仲を取り持とうとするのもやはり違うだろう。

 

別に色恋関係と決まったわけではないし、ちょっと心配ではあるが何かあるまでは傍から見守っておこう。

 

そう結論付けた彼女達はそろそろ作業を再開するかと腰を上げた。

 

そのタイミングを見計らったかのように────────

 

『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ─────っ!?』

 

 アミッドの部屋から微かに聞こえてきた叫びに団員達は複雑そうな顔を見合わせた。

 

「おいたわしや、アミッド団長············」

 

「やっぱり、あのクソボ───彼は一度締めた方がいいのでは?」

 

 

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

白髪「これは死ねるのでは?」

世界「てめえを竜相手に死なすわけがねぇだろうが(マジ切れ)」

騎士「はわわわわ」

 

ディアンケヒトFの皆様「一旦、あいつ締める?」

「経緯は分からないけど多分あいつが悪いよね」

 

【本編→アミッド√】

憧憬追想→全体バフスキル

枝の破滅、ジュピター→制限解除

自動迎撃→常時才禍モード

成長速度→低下

 

(仮)【救界聖想(デア・フレーゼ)

・戦闘時、発現者の一定範囲内の全眷属の基礎アビリティ小補正。

・逆境時、発現者の一定範囲内の全眷属の全発展アビリティ小補正

・死闘時、発現者の一定範囲内の全眷属の全スキル小補正。

・三条件達成及び大敵交戦時、発現者の魔法効果超高補正。

・想いの丈により補正効果上昇。

・効果範囲はLv.及び潜在値を含む全アビリティ数値依存。

 

最初からガチビルドを目指す際は闘争本能の自動迎撃は割と無駄なのでそこが置き換わってこういうバフ方面のスキルになる。

 

本編はかなりのロマンビルドというか無駄が多いので発現してませんが女帝とかを除く大抵のルートでは発現します。

 

 

 






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