皆の傷になって死にたい転生者がベルの兄で才禍の怪物なのは間違っている 作:マタタビネガー
あくまで予告編みたいなものなので今後の原作によってはなかったことになるかも。
行くな、と
やめろ、と
置いていかないで、と
せめて私も、と
巫山戯るな、と
待ちやがれ、と
「約束、守れなかったな」
それは誰に対しての言葉だったのか。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
絶望。
一言でこの情景を表すならば、それが一番似合うだろう。
空を覆う光を通さない雲、 彩を喪って生命を受け付けない漆黒の荒野、 そしてその二つの狭間で死に絶える英雄共。
全てを冒し、全てを殺す災毒の風が古代の大精霊のそれと混ざって呵責なく吹き荒ぶ。
この世界の終焉を具現した漆黒の荒野に最早立っている者はいない、終わりの絶界。
届かなかった。
かつての最強である大神と女神の両派閥の域に達して真実、最強となった英雄達の勇壮もその絶望の前には簡単に打ち砕かれた。
全てを見通す神々の全知も、人と共に歩むことを決めた異端の怪物達も、その全ては無価値に、無意味に、無力と化して。
この絶望の前には何もかもが無意味だった。
そして、そんな絶望を齎した存在が
今、彼らの前にいた。
それは巨大な竜だ。
竜というには余りに巨大で、余りにも禍々し過ぎた。
その身は黒雲の如き漆黒の鱗に覆われ、その背には天を衝く一対の翼があった。
その四肢は大樹の幹と見紛うほど太い。その顎からは深淵が如き闇色の炎が噴き出ている。
それは余りにも巨大だった。
余りにも絶望的だった。
その威容の前では、これまでの全てがまるで意味をなさなかった。
丘を断ち、城すら一息で断つ覇撃を謳う剣技も。超速で天を駆ける星光そのものの速度を誇る槍撃も。幾千の怪物を討つに足る至域の魔導も。
それの翼の一振りで、無へと帰した。
或いはその竜が母体たる大穴から湧き出た時と同じ強さであれば討てたかもしれない。
その竜は大穴から這い出した時よりも、遥かに強大だった。オラリオが、下界が千年の時を経て力を蓄えていたのと同じように竜も───『黒竜』も力を蓄えていたのだ。
だが、それでもと。
かつての最強である『女帝』や『英傑』すら凌駕する階位へと至った眷属を擁する今の戦力を以てすれば勝機は十二分にあった筈だ。
人々は望んだ、今度こそ英雄達が黒き終焉から世界を救うこと。
神々は断じた、当代の英雄達こそが神時代の極点であり『次』はないと。
真実、今この場に集った下界の総戦力とも言える英雄達は確かにかつての最強を越えていた。
だが、それでも。
結果のみを語れば、その想いは、その祈りは、まるで通じなかった。
全てを殺す絶波が飛んだ。
地に伏せながらも未だ命脈を繋ぐ英雄達へとその絶死の風は容赦なく襲い掛かる。
甘んじて受ければ五度は死ぬそれを半ば捻くれた左手で握る朱剣で打ち払う。
多大なる代償を払い、その絶死を退けた。
膝を屈する、このまま倒れ込みそうになる。
全てが重く、全てが遅い。全力の戦闘行為を続ける五体が求める呼気に心肺機能が追いついていかない。
精神力も、体力も、何もかも足りない。
だが。
「────ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」
気力でそれら全ての不足を無視するようにらしくない雄叫びを上げて、重りのような四肢に火を入れて立ち上がる。
しかし、それで終わりではない。
竜は翼をはためかせて空へと飛び上がると再びその顎から黒き炎を吐き散らす。
光を呑み干し、万象を無へと還す闇の息吹が英雄達を呑み込まんと迫る。
「【我は終末の語り部、
どうせ灰になる身だと全身が焼けることも厭わずにその炎を身に受けながら歌を、祝詞を紡ぐ。
未だ立ち向かってくるたった一人の憐れな自分を煩わしく思ったのか黒竜はその巨体からすると余りにも細く鋭い爪を振るう。
論じるまでもなく必殺。いくら昇華を重ねようとも万全には程遠い今の状態では、確実に命を絶つ死の一振りだ。
自分の五体を容易く裂くに足る爪はその直前に見えない何かに弾かれたかのようにその軌道を僅かに逸らした。
ゴスペル、と血に掠れた声が遥か後ろから聞こえた気がし、その声の方へと僅かに振り向く。
そこには血反吐を吐いて地に伏せながらも、その身に宿る全てを振り絞って竜の爪を逸らせた義母が姿があった。
どこまで行っても偽物でしかない自分をそれでも守ろうとしてくれるその母親の姿に思わず苦笑した。
ありがとう、と言葉にする代わりに黒竜へと向き直る。
まだ、終われない。
この身が焼かれようが四肢を失おうが、千の爪牙で全身を貫かれようが知ったことじゃない。それでも倒れることは出来ない。
倒れてしまえば今度こそ全てが終わるのだから。再び剣を振るい爪を逸らせながら前へ前へと進んでいく。
「【争歌の楽譜、開戦の角笛。汝の手に勝利の刃はなく、災禍の咎鳴だけが鳴り響く】」
攻撃、疾走、回避、防御の四種行動に加えて祝詞。そしてスキルと速攻魔法を含めた並行行動は『七つ』。
漆黒の火片を払いのけながら、黒竜へと肉薄し、その巨木の如き前脚へと朱剣を振るう。
黒竜は僅かに身動ぎするだけで容易くその一撃を受け流した。そして、お返しとばかりに薙ぐように振るわれた尾撃をまともに受けてしまう。
咄嗟に朱剣を間に挟み込み防御するが衝撃を殺しきれずに吹き飛ばされる。
地面に叩きつけられる寸前で受け身をとるように転がり、直ぐ様立ち上がろうとする。
だが、もう体は限界を迎えていた。
全身の至る所の骨が砕けているのか、痛みを通り越して何も感じない。
おまけに吹き飛ばされた際に内臓やらなんやらも痛めたのか呼吸すらままならない状況だ。
満身創痍という言葉すら生温い状態の体を引き摺るようになんとか立ち上がる。
それでも既に立つことすら奇跡的だった。
もう間もなく自分は死ぬのだろうと予感めいた確信を抱く。
この身には余りに多くのモノを背負い過ぎていた。その重みに耐えきれず、今にも崩れ落ちそうな体を支えながら黒竜へと再び剣を向ける。
「【汝の
渾身。全身全霊の一撃を黒竜へと振り下ろす。
今ならば単眼の孤王すら一撃で断てる必殺が容易く凌がれる。
鈍い音と共に剣が弾き返される。だが、渾身を込めた一撃は僅かにではあるが、その鱗を切り裂き血が滴る。
距離をとる為にバックステップを踏みながら傷付いた黒竜を見遣る。
今更確認するまでもなく怪物だ。
目の前の竜は正真正銘の怪物だ。
千年にもわたって下界の、この世界の絶望であり続けた最強の怪物。
だが、その怪物は傷付いた自分の体に何を見たのか───あるいは何も感じなかったのか。
竜はその顎を開くと先ほどよりも更に強く深く禍々しい黒炎を吐き出す。
絶望を前にした哀れな獲物を焼き尽くすように放たれたそれを前に思わず目を瞑りたくなる。
その黒炎は掠っただけで灰すら残らずに消えていくだろうと分かる。
間一髪でそれをしのぎながら確かな戦慄を抱く。
限界を超えても、死力を尽くしても、その千年には届かない。
咆哮を上げ、ただの怪物には無い確かな『理知』を湛えた瞳を向ける黒竜に初めて戦いに恐怖を覚えた。
「【悲劇は絶えず、報いはなく、あとに残るは薄汚い灰のみ】」
鐘を鳴らし、死に体になりながらも畜力を続ける。大鐘楼のまがい物を鳴らし続ける。
希望の咆哮を謳う『大鐘楼』とも、未来を託す『聖鐘楼』とも掛け離れた紛い物の、偽りの『黒鐘楼』。
黒い光の奏律が空間全てに響き渡り、全ての音という音を塗りつぶす。
技はとうに使い果たした。
魔法はその源ごと底を突いた。
力は全て劣っている。
敗北の条件は全て満たした。
この状況でこの身に残っている武器は───意志だ。
らしくないと、かつてを知る者ならば誰もが思うだろう。
だが、それでもと。
その意志だけは負けられない。
剣を握る手に力が戻る。
五感は狂えども、まだ体は動く。
なら───戦える。
「【されど芽吹く、英雄の歌】」
並行詠唱のように祝詞を謳う。この身は偽物だ。だが、それでもその意志を、願いを託されたからには偽物なりの意地がある。
無様に足掻く獲物を嘲るかのように黒竜の顎に再び莫大な闇が収束する。疾走を重ねて距離を詰め、顎をかち上げで逸らす。
しかし、それは悪手だと言わんばかりに黒竜の尾が迫る。それを剣で受けようとするも、既に限界を超えていた筋骨は容易く砕けた。
無慈悲な一撃が体を貫く。
体を蹂躙した激痛に思わず苦鳴の声が漏れる。だがそれでもと歯を食い縛り、歌を絶やさずに、一歩でも前へと進む。
「【神々よ、ご照覧あれ。道化の讃歌を繋ぐ
流れ出る血が、傷付いた体が、歌う度に意識を削ぎ落としていく感覚が全て気にならない。
ただ無心に謡い続ける。
一撃が掠めるたびに身体から命が流れ出していくのが分かる。それでも、まだ体は動く。まだ意識は保っている。まだ歌は詠える。
一歩でも前へ進んで剣を振るう為に足搔き続ける。幾度打ち据えられようとも、幾度倒れ伏そうとも前を向くことを止めない。
そして遂には黒竜の尾撃を掻い潜り懐へと入り込むことに成功する。しかし、それは同時に死地へ自ら足を踏み入れたことに他ならない。
身動ぎ一つで容易く砕かれるであろう至近距離。黒竜は己が腕を振り上げることすらなく、ただその顎を開くだけでこちらを殺せるのだから。
だから、最後に残った命を一つ残らず燃やし尽くす。
「【妖精の詩人、我が
朱剣に己の全てを込めて黒竜の顎へと下から上へと振り上げる。血反吐を吐き散らし、薄れ逝く意識の中でその剣を振り抜いた。
黒竜の顎に朱の一線が走る。痛痒を感じたのか黒竜はその顎から悲鳴にも似た咆哮を上げる。
一撃は黒竜の鱗を割り、その下にあった肉を裂いた。だがしかし、それは決して致命傷にはなり得ない。
そして黒竜はその身に傷を付けた不遜な獲物へと目を向けた。
最早死に体だ。放っておいても死ぬだろう哀れな獲物だ。それでもこの身が受けた屈辱に免じ一息に殺し尽くすと顎を開く。
「【報いを果たせ、
今度こそ絶体絶命、世界そのものが自分に牙を向いているかのような絶対的な絶望を前に、それでもと。
そして黒竜の顎が迫る。
やけにゆっくりに感じる時間の中、絶死を退ける為に奥義を装填する。単体ではこの竜には通じずとも複数技をこの一瞬を凌ぐためだけに使えばあるいは。
一つ目の奥義で肉体の限界を外し、二つ目の奥義で牙を砕き、三つ目の奥義で力の向きを逸らし、四つ目の奥義でなんとか致命は免れる。
歌だけは絶やさずに、決して意識を手放さずに。
使い物にならなくなりつつある四肢を無理矢理に動かし、剣を振るう。竜血を浴びながら、返り血と己の血に塗れながら走駆する。
スキルの効果で今も際限なく上がっていってるステイタスによって死に体であろうとも数瞬前の自分より幾分かマシな動きが出来る。
距離を殺し、手数を稼ぎ、命を繫ぎながら剣を振るう。
己の技は通じることには通じるが、黒竜に致命の一撃を与えられる程の威力はない。鱗やその下の肉を抉るのが精々、それでも技を重ねる。
どれ程経ったか、一合毎に命が零れる感覚だけがする。精神力も体力もとうに底を突きかけている。
残り少ない血は秒刻みに減っていく。奥義の反動で四肢が完全に砕けそうになっているのが分かる。
だがそれでも、あと一手。
「【なれば我が身は
【英雄王道】の最大蓄力及び限界解除終了、レベルの差を覆す『英雄の一撃』がこの身に装填される。
結果的には癒されたとはいえ一度は残る眼と片翼を奪ったこの一撃ならばもう一度この竜を地に叩き落とすことも叶うだろう。
だがそれだけでは不足。
致命には届かないし、届いたとしても即死ではない以上はあいつらを道連れにしてしまうだろう。
故に足りない。
そのためにはあと一つ、最後の一押しが要る。
これを使えば死ぬだろうという確信がある。だが、構うものかとこの身を薪に炎を灯す。
この身は燃え尽きる。だが、それでもいい。
この命の全てを燃やし尽くす。
「【───ラグナロク・ギムレー】」
絶大なる代償がこの身を駆け巡る役目を終えた朱剣を放ると、その瞬間に体の崩壊が始まった。
血が煤に、肉が灰に、骨が炭に、魂が炎に。呻吟すらも漏らさずにこの身は崩れていく。
だが、それでいい。
その崩壊が生み出す莫大な熱量が竜の息吹を相殺すると同時に最後の一撃を放つ為の炎へと変わる。
それぞれが単体で階位の限界を超克する一撃を吐き出すスキルと呪詛を掛け合わせ、その力を一時留め置く。
『────────』
己の命を正しく脅かすに足る力の顕現に僅かに怯んだ黒竜だがそれが解き放たれないことに怪物の身でありながら違和感を抱く。
なにを企んでいる、と。
そう訴えるかのように咆哮と共に黒竜の顎が再び開く。それに対し、こちらも渾身の力を込めた雷光を振るうことで応じる。
まだ、まだ確実ではない。
必要なのはこの竜を一撃で確実に殺すに足る一撃。
今のではこの漆黒を相手に十度に六度は落とす、分が悪いとまではいわないが十割の勝算には程遠い。
「これで最後だ。─────来い、ジュピター」
────天雷が、地を焼く。雷光が、空を焼き尽くす。
空が燃えている。
地が震えている。
竜共の瘴気に穢された空地がほんの僅かだが浄化されて、瞬きの青空を映し出す。
万象を灰燼に帰す天の怒りが形となって顕現する。大瀑布の如き圧倒的な力の奔流が白銀の紫電となって灰と成りつつあるこの身に宿る。
雷の光輝が、大精霊の奇跡が呪詛の進行をほんの僅かに遅らせる。今まで感じたことがないほどの死の予感、それでも前へと進む足を止めずに手を伸ばす。
『雷霆の剣』はない。
当然だ、あれを握る資格があるとするならばそれはベルだけだ。
俺はあくまでその繋ぎとしてただの力の塊を借り受けているに過ぎない。
精霊が明け渡したのは己を武器化した刀剣ではなく、俺が握るにふさわしくない、何かしらの神秘が込められてるわけでもないただの一本の『槍』。
故に、大精霊の奇跡は十全ではない。
あくまで形代としての役しか果たせない。
だが、これで全ての準備は整った。
「【────未踏の世界よ、禁忌の空よ。今日この日、我が身は天の法典に背く────】」
黒鐘楼、呪火、大精霊の雷。
それぞれが単体でも条理を覆し我が身が振るえば『陸の王者』や『海の覇王』、『神喰の蠍』であろうと打ち砕き得るであろう力。
それを三つ束ねて、ただの力の塊へと変える。過ぎたる力の奔流が、今度こそこの身を焼き尽くす。
『二重蓄力』で全てを一槍に収束させる。
────歌を続ける。────歌を続ける。────歌を続ける。────歌を続ける。
己に残された第三の魔法を謳う。
────歌を続ける。────歌を続ける。────歌を続ける。────歌は、まだ終わっていない。
この身が燃え尽きようとも、命が果てようとも、それでもなおと歌い続ける。ただ一振りの槍として、今度こそ天を貫く雷光となりて駆け抜ける為に。
「─────」
俺が持つには僅かばかり短い槍の鋒を見やる、らしくない感傷、らしくない想念、らしくない感情。
好々爺を気取る精霊が気を利かせたのかは知らないがよりにもよってこの『槍』を投げてよこすとは。
馴染まない、とまではいかないがそれでもやはりこの槍は俺が持つべき物ではない。
勇鉄も誓樹も、小人ですらない俺が手にするべき物ではない。
只人のこの身ではあの森に消えていった騎士達の魂が答えるはずもない。
むしろ、いくら精霊の加護があろうと今の今まで形を保っていたことに驚きだ。
だが、まぁ────。
槍を空へと掲げる。雷光が弾ける音とともに黒い瘴気を白く塗りつぶす。
槍を引き絞り、構える。
左足を前に出すと同時に右足を引き、その身を前傾させる。雷光が形作る光の束は天を衝くほどに長大であり、その輝きだけで戦場を照らし出している。
三つの力と詠唱を終えた第三の魔法を全てこの『一槍』に込める。
己が身と命を燃やし尽くす、最早引き返せない程に全ては燃やし尽くした後だ。
ならば、あとは駆けるだけだ。
そして、その『一槍』を黒竜は見たのだろう。
それが己を滅ぼすに足る一撃だと本能で感じ取ったのだろう。ならばこそ、それを阻もうとしたのだろう。
だが、もう間に合わない。
俺の槍はすでにお前を捉えている。
ほんの一瞬の逡巡。
─────『次』はない。
理由も何もないが確たる予感がある。
この俺の魂に次の生はない、と。
この、今の生が俺という魂が享受できる正真正銘最後だと。
それでも、その予感は不吉とは感じない。
生まれ変わりなんて望むべくもないだろう。
理由も理屈もわからずにいわゆる異世界で延長を強いられたこの生も漸く終わる。
死した俺の魂がこの世界の天界に行くのか、或いは元の世界に帰郷を果たすのかは知らないがこの一槍を最後に俺は本当に死ぬ。
恐怖が全くないと言えば嘘になる、未練はないかと問われれば嘘になる。
ああ、でも。
「僕は────いや、俺は生きたんだよ」
こちらを睥睨する『黒竜』の眼を見返しながら、そう呟く。
何を言っているのかわからないだろうし、俺自身もこんなことを言うなんてらしくないと自嘲する。
偽物であり、異物。
この世界にとっては余計な異物であり、存在するはずのない偽物。だけど、それでもこの生は間違いなく俺の物だ。
誰に望まれた訳でもなければ、誰の為でもなかったけれどもそれでも俺は確かに生きた。
らしくない
─────、──────。
やっぱり、もう一度だけ─────。
もう数分、もう一秒でいいから生きていたいと、この世界を目に焼き付けたいとそう思ってしまう。
だが、この未練が俺には相応しいのだろう。
「──────じゃあな」
それは誰への言葉だったのか。
今も行くなと倒れ伏しながらも声を上げる英雄達へなのか。それとも、もうどこにも居ない道化へと向けたのか。
何に向けたのかも分からぬ別れの言葉を置き去りにして剣を振りかぶるかのように槍を構えると、そのまま黒竜へと駆け出す。
光が、白が、黒が。
全てを貫いて─────。
「─────あぁ、まだ死にたくないな」
────────────────────────────────────────────────────────────────────────
他人視点とか書いちゃうとさすがに一話に収まらないのでアル視点のみで。
何でもできるしなんでもなれるが一番欲しいものだけが手に入らない呪いを持ってるのがアル・クラネル。人の心を獲得しないとその呪いは破れない。
世界「うわああああああッ!!ふざけるな、ふざけるな!!バカ野郎ッ!!!」
ダンジョン「よっしゃあッ!!ザマァ!!(遺された置き土産から目を背けながらガッツポーズ)」
本編アル「
・静穏アル
母親同様、灰に還した。
本編最終章地点のアルより1.5倍くらい強い。本編程人間性は腐ってないがアル・クラネルはアル・クラネルなので目的>人の心。
最期の一撃はガチビルドスキル全限界突破+コピー復讐姫+憧憬追想加熱+英雄王道最大チャージ+精霊の加護限界突破+全ステイタス限界突破+付与魔法+漆黒特攻+竜特攻+枝の破滅限界突破+超長文詠唱の魔法とジュピターの雷霆を一槍にのせた最大火力。
撃った後は魔石砕かれたモンスターみたいに全身灰になったんじゃないかな。ドロップアイテムは不壊属性に似た性質を持った勇鉄の槍。
なお、大体同じ技を撃てる闇のモンペの場合は灰にならずに普通に復活してくる模様。
【
・一時的に他眷属のスキルと置換。
・魂の記憶に刻まれた者に限り置換対象。
・置換条件はスキル名及び対象スキル効果の完全把握。
・死亡時、置換対象へ器力譲渡。
特定条件を満たすと本編アルでも発現可能、ただし死亡時の云々はないかも。
・隻眼の黒竜
実はヒロイン。ベヒーモスの心臓やアンタレス、その他いろいろなものをパクパクしてる。
・伯母
生存。ベルがいるから後を追うようなことはしない。
・武人
毒は解毒済。やりきれねぇ。
・フレイヤ
≒伴侶。魂を追おうにも天界にはアルの魂はない。
・フィン
第三魔法生えてくる。スキル置換対象。
・リヴェリア
熱愛報道事件三回ぐらいやってる。
・アイズ
本編の五倍ぐらい仲いい。スキル置換対象。
・ベート
本編より表面上は仲悪い。スキル置換対象。
・アミッド
ほとんどは風に飛んじゃってひと掬いしか残らなかった灰に回復魔法かけてもどうにもならん。
・フレイヤFの皆様
憤死しそう。四兄弟はスキル置換対象。
・猪、騎士
クソがって感じ。
・エニュオ
二、三話で終了。
・ゼウス、ジュピター
求めてたのはそういうのじゃねえんだよなぁ···········。
・ダンジョン
最下層の攻略はベルに託された!
既にもう置き土産で色々詰んでる。
みなさんのおかげで200話まで行けました、本当にありがとうございます。
もともとは三章までの短編のつもりだったんですがここまで来てしまいました、今後も更新の励みになりますのでコメントや評価をいただけると幸いです。
本編もそろそろラストスパートなので最後まで皆様よろしくお願いします!!