皆の傷になって死にたい転生者がベルの兄で才禍の怪物なのは間違っている   作:マタタビネガー

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間違えて投稿しちゃった異端児竜のは本編とは内容がずれるやつなんで
https://syosetu.org/novel/292926/
で読めます

本編と統合する場合は加筆して九章の最初にでも出します


六十三話  ··········なぁんか、もう全てがどうでも良くなってきたな

 

 

けして高価ではないものの味のある瀟洒な家具、何らかの香水だろう香りがほのかに漂っている落ち着いた雰囲気の部屋。

 

綺麗に整頓された本棚には歴史や地理などの書籍の他、料理の本が並んでいる。そしてそれらの本に隠されるように一冊の古ぼけた本とも言えぬ紙の束が置かれていた。

 

タイトルは共通語とも神聖文字とも違う────あえて言うのなら極東のそれに近い─────この世界のいかなる言語でも表せない奇妙な文字で記されていた。

 

その隣にはこれまた古びた本がある。こちらは簡素な表紙だけでタイトルには神聖文字で『迷宮神聖譚』と書かれていた。

 

そしてその部屋の中央に座しているのは、部屋の瀟洒な雰囲気に相応しい椅子。そこに腰を下ろしているのは一人の青年だった。

 

「もう、もう······だめぽ、おしまいだぁ」

 

 彼こそ【ロキ・ファミリア】幹部であり、オラリオ最強の冒険者、屍山血河スターターキットこと、『剣聖』アル・クラネル。

 

英雄の都たるオラリオにおいてなお、最強の双璧として君臨する存在。そんな彼は今まさに絶望にあえいでいた。

 

「ああぁぁぁぁぁっ!?」 

 

 机の上に並べられているものを目にした瞬間、アルはその整った顔をくしゃくしゃにして絶叫をあげた。

 

普段であれば。否、59階層での失敗の後ですら口にも態度にも出さずに脳内のみで発狂していたであろう感情の嵐。

 

しかし今の彼にはそれを耐えるだけの気力も余裕もなかった。欠片ほど残った理性で防音の魔導具を発動させた自分を褒めつつ、アルは頭を抱えてうずくまった。

 

「くそぉ……ありえねーよ……何だよそれ……そんなもんどうやって悟れってんだよぉ……」

 

 一生の不覚、と言わんばかりに呟きながらアルは頭を抱える。失敗なら、まだいい、次に活かせばいいのだ。

 

だが、今回のは自分で自分が許せない。

 

成功、していたのだ。それもこれ以上ないほど完璧に。それは間違いなく彼の努力の成果であったし、それを実感できるほどの手応えがあった。

 

だからこそ、その事実がアルの精神を打ち砕いていた。

 

「なんで、気付かなかったんだろう……。いや、おかしいとは思ったけどさぁ……。俺からすればどうでもいいし……でも、だってまさか……ッ!」

 

 ぶつぶつと独り言を繰り返すアルの姿は非常に不気味であったが、それに突っ込む者はいない。ここはアルの自室である。

 

ファミリアの幹部であることと本人が強く望んだこともあって相部屋ではなく個室が与えられているのだ。

 

「···········なぁんか、もう全てがどうでも良くなってきたな」

 

 『聖女』以外のものが見れば普段とのギャップに腰を抜かしてしまうような虚ろな目をしながらアルは呟いた。

 

自暴自棄になっているわけではない。ただ、あまりにもショックすぎて現実逃避をしているだけだ。

 

「─────ッ」

 

 がばっ、と顔を上げるとアルは扉の方へ向き直り、勢いよく立ち上がった。そのまま防音の魔導具を解除し、常と変わらない平静を装う。

 

冒険者としての卓越した知覚力がこの部屋に向かう人の気配を捉えていたからだ。

 

そしてその予想通り、少ししてコンコンというノック音が部屋に響いた。 

 

『おーい、ウチやー!ちょっと開けてくれへん?』

 

 普段はノックなんてしないくせに、例のことで気を使っているであろうことに若干の苛立ちを感じながらも、アルは鍵を開ける。

 

「邪魔するでぇ~」  

 

「邪魔すんなら出てってくんねぇかな」

 

「あいよ。──────って、誰が出るかいボケェ!?」 

 

「うるさい」

 

 ノリツッコミをしつつ入ってきたのはこのファミリアの主神にして似非関西弁神ことロキだった。

 

「アルにちょっとしたプレゼント持ってきたんや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───三年前

 

メキメキとダンジョンの大空洞に石となにか水気を含んだものが擦れて割れるような音が響き渡る。

 

そして、その音はどんどん大きくなっていき、大空洞の中心に皮膚が裂けるように亀裂が入り始めた。やがて、亀裂からちょろちょろと紅い水が染み出してきて、やがてそれは滝となり、大空洞の中心から間欠泉のように噴き出した。

 

噴き出す血の滝からは湯気が立ち昇り、むわっとした熱気が辺りを包み込む。赤紫の蒸気は視界を埋め尽くし、ダンジョンの天井へと登っていく。赤紫の体液はとめどなく溢れ続け、やがて地面がひび割れて地の底へ落ちていく。そして、巨大な湖のような溜まり場を作りあげた。

 

亀裂の中から真っ赤に染まった巨大な眼球が現れる。次の瞬間、その瞳がギョロリと動き、周囲の様子を窺うように周囲を見渡した。すると、眼球の虹彩部分にある縦長の黒い瞳孔がぐわりと広がる。まるで獲物を見つけたかのように。その瞳は血の色をしたルビーのように輝いていた。

 

その瞳の輝きに呼応するかのように亀裂が広がり始め、そこからずるりと何かが現れた。石英の胎盤を自ら砕いて産み落とされたそれは骨だ。

 

肋骨や背骨などの骨が、一本、また一本と姿を現す。灰白色の肋骨は岩盤を突き破り、やがて頭部も姿を表した。

 

どの獣の骨格にも当て嵌まらない歪で異質な骨だけの頭。しかし、それが人間のそれとは程遠い形をしていることは見て取れる。

 

鹿、馬、山羊、牛、鳥、犬……そんなあらゆる動物の頭蓋骨を掛け合わせたような凶悪な形状。

 

ぽっかりと空いた眼窩にあたる部分には赤い水晶のような輝きが埋め込まれていた。

 

ギョロギョロと周囲を見渡すそれは、やがて自分の身体を確認するかのように視線を動かす。そして、自身の身体を構成する骨を一つ一つ確認していく。

 

そして、最後に現れた脊椎骨の先から尾てい骨にかけてゆらゆらと揺れそして、全身の骨格が揃った時、それは天に向かって吠えた。

 

それは巨大な骸骨だった。体長はおよそ25メートルから30メートルはあるだろう。

 

肉はなく剥き出しになった骨だけの全身には牙のような鋭い突起物が生えている。関節部分の隙間からは赤紫色の血が滲み出していた。

 

ぎち、ぎちぎぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎち·············

 

骨だけの関節同士が擦れ合う不快な音が鳴り響く。細長い二腕二足腕の先に生えた指に当たる部分がバラバラに動き始める。

 

紫紺の『殻』に覆われた全身の節々では血管のように無数の青白い筋が脈動している。

 

化石の恐竜を彷彿とさせるその巨体は硬質そうな『殻』に覆われているものの、その可動域は広く、見た目よりも機敏に動くことができるだろう。

 

紫紺の外装は心臓のようにドクンドクンと鼓動を打つように明滅を繰り返しており、時折、その光が強くなると、紫紺の光に包まれる。

 

ダンジョンに出現するあらゆるモンスターにも属さない『異質』の存在。

 

巨大骸骨は、己の生まれた場所を確かめるように周囲を見渡した後、再び、ぎちぎちぎちぎちと音を鳴らしながら、ゆっくりと歩き始めた。

 

その動きは緩慢ではあるが、一歩ずつ確実に歩みを進めている。

 

その正体はダンジョンという巨大な『生き物』の白血球のような存在であり、ダンジョンにとって細菌のようなものである冒険者などの侵入者を排除するための免疫細胞でもある。

 

通常、ダンジョンは内部の組成を破壊された際はモンスターを新たに産み出すよりも破壊された組成の再生を優先する。

 

その際、新たなモンスターは生み出されない。冒険者達はその仕組みを利用して休憩する際は周囲の壁などを適度に破壊して簡易的な寝床を作ったりする。

 

しかし、その再生が間に合わぬほどの損壊を受けてしまった場合、ダンジョンは組成の再生よりもその破壊を行った原因の排除を優先する。

 

それは一種の自己防疫機能とも言えるものであり、ダンジョンは自らを護るための抗体を生み出して敵を排除しようとするのだ。

その役目を果たすためだけに生み出された巨大な骸骨。その存在はあまりにも不気味で、あまりにも禍々しいものだった。

 

紫紺の輝きを放つ『殻』と肉のない骨だけの身体は、この世のものではないと思わせるほどにおぞましい。

 

ダンジョンの自己防疫本能から生まれたその生命体は、あらゆるモンスターの骨格や内臓器官、さらには魔石までも取り込み、その身に取り込んだものを自らの血肉へと変え、成長する。

 

その特徴は大きく四つ。

 

一つは不気味なほどに細長い骨肢に生えている深い紫紺の鋭い『爪』。六本の指全てに生え揃うその鋭利さは腕利きの鍛冶師が鍛えた加工金属の装備をそれを着る冒険者の『中身』ごと切り裂くことができる。絶対防御不能の切断能力。

 

一つは全身を覆う紫紺の『殻』。鎧のように硬いその表皮は非常に頑丈で、生半可な攻撃は全て弾かれる。並大抵の攻撃では傷ひとつ付けることすらできない。さらに、その堅牢な鎧は物理的な衝撃を軽減するだけでなくその真価は上級魔導士の砲撃魔法すらも完全に無効化して跳ね返すことのできる魔法反射能力。

 

一つは階層一つを網羅する『知覚力』。ダンジョンにとっての病原菌である冒険者の存在をいち早く察知して排除するために発達したその感知能力は、通常のモンスターとは比べ物にならない程に広く深く、正確無比に全方位360度全ての空間を階層一つまるごと覆うほどの範囲で把握できる。  

 

そして最後の一つは、その異常なまでの『敏捷』と『力』。骨しかないにもかかわらず、まるで肉体があるかのように自在に動かすことができ、しかもその速度は下層最速の閃燕を遥かに上回る速さを誇る。そして階層主すらも軽く凌駕するほどの力。

 

ダンジョンの免疫機構として、生まれ落ちたその時から、その怪物は戦い続けるためにだけ存在する。

 

故に、そこに意思はなく感情もない。ただ敵を屠り喰らい尽くすだけの殺戮兵器。

 

まさにイレギュラー中のイレギュラー。

 

魔石すら持たない異質。最凶最悪の厄災。

 

その怪物の名は─────『ジャガーノート』。

 

ダンジョンの破壊者を殺す破壊者。そんな怪物を、かつての仲間達、【アストレア・ファミリア】を全滅させた災厄を前にして、全身を『破爪』に斬り刻まれて死に体になりながらも膝をつかぬ少年。

 

彼の身体には既に限界が訪れようとしていた。身体の節々からは鮮血が滴っており、満身創痍の状態であることは一目瞭然だ。

 

連戦に次ぐ連戦により、体力と精神力は尽きかけている。アイテムもほとんど底を突きかけており、もはや、その命は長くはないかもしれない。

 

それでも、その瞳から戦意が消えることはない。少年は剣を構え直すと、全身の力を絞り出すように構える。

 

そして笑って、赫灼の焔を身に纏う『英雄』の姿をリュー・リオンは覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな時【アストレア・ファミリア】がいてくれたら··········」

 

 女性のそんな呟きにリューはその内心を表に出さぬよう、表情を固くする。

 

曰く、彼女の娘、アンナは冒険者崩れ達によって脅された賭博癖のある夫によって賭けの質に入れられ、売られたらしい。

 

闇派閥の衰退以降、少しずつ良くなってきているオラリオの治安だが、それでも未だに悪徳を働く者はいる。

 

今回の件では一般人であるアンナの父を武力で勝る冒険者が脅したのだから質が悪い。いくらチンピラまがいとはいえ、『神の恩恵』を受けた冒険者はたとえLv.1の下級冒険者だとしても一般人が抗えるような存在ではないのだ。

 

その冒険者くずれ達の所属ファミリアがバラバラだというのがミソだった。ファミリアが違うというのを口実に裏で手を組んでいることを隠し、実は四面楚歌な状況を悟らせずに賭けに誘ったのだろう。

 

最初の内は適当に勝たせておいて後半ではグルの冒険者同士でゲームの流れをコントロールすることでアンナの父一人を連敗させ、負債漬けにしたようだ。

 

途中で勝負を降りようとしたら態度を一変させて脅し、更に借金を重ねさせたのだという。

 

最終的には家まで押しかけるなどの脅され方をしたそうだ。そしてその担保として娘を差し出させられたとのことらしい。

 

「おいやめろよ、もう無くなったファミリアを出すのは·······」

 

 そのことを都市の衛兵である【ガネーシャ・ファミリア】に言ったところで似たような事件は毎日のように起きている。

 

重大な犯罪に優先して居る分、大派閥といえど手が回らないことが多いのだ。

 

冒険者くずれ達の所属ファミリアがバラバラなのも悪い方向に作用している。単一のファミリアならばまだしも、複数のファミリアが関わっている以上、その分検挙にも時間がかかるし、何より証拠隠滅される可能性が高い。

 

「でもっ、アストレア様がいてくれたら、きっとこんな私達にも手を差し伸べてくれた筈さ!! どうして優しいファミリアばっかりいなくなっちゃうんだい·········!!」

 

 頭を抱えて嘆く女性はかつてオラリオで治安を守っていた女神の名を口にする。泣かんばかりの声音で発せられた言葉に夫はバツが悪そうに言葉を詰まらせた。

 

【アストレア・ファミリア】。正義の女神アストレアを主神とする探索系ファミリアであり、オラリオの治安を守る為に日々活動していたファミリアの一つだ。

 

ゼウスとヘラの二大派閥が失墜し、オラリオに闇派閥が台頭しだした暗黒時代に発足された勧善懲悪を掲げた正義のファミリアであった。

 

他でもないリューが所属していたファミリアでもある。しかし、数年前に起こったとある事件でリューを除いた団員全員が死亡してしまい解散してしまったのだ。

 

それを機にリューは冒険者から足

を洗い、復讐者となった。その後、紆余曲折あって今の酒場で働けるようになった。

 

そんなリューの事情など知る由もない夫婦は泣き崩すように項垂れてしまう。

 

リューは悲嘆に暮れる二人を見て、何も言えなかった。リューの過去を知るシル達は黙り込むリューに対して何か声を掛けるべきか迷う。

 

「(今の私に『正義』を語る資格はない···)」

 

 かつて己の手で成した所業を思い出しながら、それでもリューはその心中を表には出さない。ただ、静かに唇を噛み締めていた。

 

見返りのない奉仕に意味は無い。そんなものはただの偽善だ。そんなものはとうに辞めた。あの時、全てを失った時に。

 

一度、復讐に身を落とした自分に正義を語る資格なんてない。あの道を選んだ時点で自分は正義とは正反対の道を歩いているのだ。

 

自分が今更正義を語ったところで、それは欺瞞にしかならない。

 

かつての自分の誓いを思い返し、自責の念に囚われるリューだったが、ふとその脳裏にある人物の顔が浮かぶ。

 

─────リューの脳裏に浮かぶのは太陽のような笑顔を浮かべる少女の姿だった。

 

炎のように鮮やかな赤髪に意志の強さを感じさせる翡翠色の瞳を持つ美しい少女。

 

彼女はリューにとって恩人であり、最も親しい友人であり、仲間だった。

 

彼女がいたからこそ、自分はこうして今も生きている。誰よりも優しさを持ち、それでいて強い信念を持った人間だった。その輝きに憧れたからこそ、リューは彼女を尊敬していた。

 

夫婦の話を彼女が聞けばどうするだろうか?

 

彼女ならきっと迷わずに手を差し伸べるに違いない。

 

例えそれがどんなに困難な状況であろうと、困っている人を見捨てることが出来ないのが彼女の美点なのだ。

 

だからこそリューは────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、アルは────。

 

「ロイヤルストレートフラッシュ」

 

「れ、連続······?!」

 

「兄さん、すごい·····」

 

 売られた娘、アンナ・クレーズを買った。冒険者崩れの裏で手を引いていた大賭博場の主であるドワーフ、テリー・セルバンティスを相手に大勝ちしていた。

 

ウェイターの運んでくる高い酒には手を出さず、ポーカーやブラックジャックなどのカードゲームを延々と続け、その全てに全勝している。

 

「あと·····十二人か、次はポーカー以外にしとくか?」

 

 テリーの脅しによって囲われた、囲われていた美姫が嬉色を浮かべてまた一人アルのもとへ駆け寄ってくる。

 

テリーは新たに貴賓室入りした新顔に対して、噂されているように洗礼を行っている。

 

テリーは自分に従わないものは徹底的に潰しにかかる性格の持ち主である。テリーは相手が貴族だろうと商人だろうと関係無く、反抗的な態度をとるものには容赦しない。

 

大賭博場の主としての財力と権力を利用して、相手の弱みを握って脅す。脅しに屈さぬものにはこれまた金で雇った後ろ暗い仕事を生業としている荒くれ者達をけしかけて相手を追い詰める。

 

逆にテリーに素直に頭を垂れるものに対しては、他の者達に見せ付けるように優遇してみせる。 

 

従順な者には好きなだけ甘い蜜を吸わせ、反発する者はどんな手を使ってでも潰しにかかる。

 

財力と権力にものを言わせた飴と鞭を使い分ける男であった。そんなテリー・セルバンティスが次に目を付けたのは花屋の看板娘であり、神々に求婚される程に美しいアンナ・クレーズという娘だった。

 

冒険者くずれに金を握らせ、脅して父親を負債漬けにした挙げ句に身売りさせたのだ。

 

そんなテリーは目の前にいるアルの連勝ぶりに震え上がっていた。先ほどまで威勢の良かったグルである周りのVIP客も今は冷や汗を流し、顔を青ざめさせている。

 

テリーの脅しに屈さない者はこれまでに幾人もいた。そういった者たちには暴力をちらつかせ、それでも屈さない者はテリーが極めて高額で雇っている凄腕の護衛に始末させてきた。

 

だが────

 

アルの椅子の周りには獲物を抜いた猫人とヒューマンの男が気絶して倒れている。他にも幾人か凶器を持ったまま倒れているが、アルは気にしている様子もない。

 

中には第二級冒険者相当の実力者もいるのだが、それら全てが例外なく意識を刈り取られていた。

 

その護衛達の実力を知るVIP客や冒険者崩れの男達は皆一様に怯えきって、中には失禁してしまう者も出るほどだった。

 

外の【ガネーシャ・ファミリア】を呼ぼうとした者はアルに付き従う口元に布を覆ったアマゾネスによって全て昏倒させられた。

 

「(早く終わらせて帰ろ········)そら、次だ、次」

 

 

 






ベルの幸運アビリティランクはIでアルのはD。

ロイヤルストレートフラッシュ連続って宝くじ一等より確率低いらしいですね。

まあ、ぶっちゃけアルからすれば呪いみたいなんですけどね。九死に一生を得すぎる。


完結したあとのダンまち次回作候補(最低でも一年以上後)
・黒竜ヒロイン
・アルテミスFのガチレズ
・アルが可愛く見えるキチエルフ

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