皆の傷になって死にたい転生者がベルの兄で才禍の怪物なのは間違っている 作:マタタビネガー
アミッド√消えてしまいました
ハーメルンのページから落ちて一万文字くらい消えました
自動保存でも冒頭の千文字くらいしかサルベージできませんでした‥‥‥‥
ちょっと流石にここから書き直す気力はないんでアミッド√は6章か7章まで待ってもらえると助かります。
すみません。
六十九話 来世は儚げで病弱な美少女に生まれたいなぁ!!
「えぇ〜ここ、出払わないと行けないのぉ?」
オラリオの貧民街であり、オラリオでも一二を争うほどの複雑怪奇さを誇る裏路地として知られるダイダロス通り。
区画整理なぞ知ったことかと言わんばかりに好き勝手な増築を繰り返した結果、迷路のような構造となったこの地区は、一度迷えば二度と出られないなどと噂される魔境である。
事実、地上の迷宮とさえ呼ばれるその複雑怪奇さは冒険者でさえ迷うほどだ。無許可の違法建築物が立ち並
んでいる無秩序な空間に地図なんてものがあるわけもなく、後ろ暗いものを隠すにはもってこいだ。
そんな複雑怪奇な地上の迷宮の奥に隠されるように存在する細い通りを進んでいくと、そこにはぶ厚い最硬精製金属製の扉がある。
その扉の先には、オラリオの地下に存在する遠大な建築物、『名工』ダイダロスとその末裔が今もなお建造拡張を続ける人造迷宮が存在する。
『名工』と呼ばれながらもダンジョンという混沌の美に魅了された神才ダイダロスがダンジョンを越える人造のダンジョンを造り上げたのだ。
そして今現在、その人造迷宮の下層にある石室。穢れた精霊のテリトリーであることを示すように緑肉が壁や床にこびりつき脈打っている石室で慌ただしげに走り回る闇派閥の雑兵である白いローブに身を包んだ死神の使徒とそのまとめ役である黒いローブの男。
そんな黒いローブの男から上位者として扱われる白衣を着てメガネをつけた薄桃色の髪の研究者然とした男がいた。
「は、はい、ミュラー様。万が一に備えて奥へ一時的に設備を移動すべきかと思いまして」
石畳を脈打つ緑肉が覆う生物的な空気感とは打って変わってその内部には金属管が張り巡らされており、なかに電極らしきものを刺されたモンスターが溶液に入った巨大な水槽などが並べてあるどこか科学的な雰囲気を漂わせた異相の部屋。
「その万が一を起こさないのが君らの役目でしょ············はぁ~。まぁいいや、相手が【ロキ・ファミリア】なら仕方ないかぁ〜」
ミュラーと呼ばれた研究者風の男は眼鏡の奥で非人間的な昏い瞳を細めながらため息をつく。
黒ローブの男の報告によれば現在、闇派閥の残党と敵対している【ロキ・ファミリア】がダイダロス通りを探索して回っているらしい。
その情報を耳にした時、ミュラーは面倒くさそうに頭を掻いた後、指示を出した。
ミュラーの背後に控えていた白いローブの男たち。彼らはミュラーの指示に従い、部屋の一角にあった機材を部屋の隅へと運んでいく。
その様子を眺めるミュラーの隣では黒いローブの男が報告を続けていた。
「『扉』が見つかるのも時間の問題だろうとヴァレッタ様が仰っていました」
「そうだね~、いくら奥まって分かりづらいって言ってもあっちには鼻の効く高レベルの獣人がいるわけだしぃ? 」
食人花を始めとしたモンスターの地上への開放や密輸など、バベル以外のダンジョンの出入り口がなければ不可能であろうこれまでの事案にオラリオのどこかに必ずダンジョンへの隠された第二の入り口があると踏んだ【ロキ・ファミリア】は協力派閥と共にしらみつぶしに探していた。
その過程でダイダロス通り以外のほぼ全ての場所を捜索しきったと知っているミュラーとしては、もはや隠し通すことは不可能だと理解していたが、それでも不満はある。
「研究もい〜ぃ所なのにさぁ。なんでこんなタイミングで········というか、あの『扉』あるんだから別に気にしなくてもいいんじゃなぁい?」
「────そォはいかねぇよ」
最高純度の最硬精製金属を加工することで造られた大型金庫の蓋のような重厚な金属製の扉。
第一級冒険者の使う不壊属性の武器にも使われる特殊金属の硬度はミュラーもよく知るところであり、よほど特殊な手段を用いない限り傷一つつけることもできない代物だ。
さらに、この扉にはとある仕掛けが施されている。それは、この扉を開閉する鍵となるアイテムの存在だ。
このアイテムこそがこの扉の鍵であり、そのアイテムは個数自体も限られているが現状、外部にはイシュタルの持っているものしかないはずなのだ。
つまり、仮にこの場所が見つかっても『扉』を突破して内部に攻め入ることは不可能なはず。
だからこそ、わざわざこの場を放棄してまで移動する必要性を感じないミュラーだったが、それを否定する第三者の女の声が石室内に響いた。
「ヴァ、ヴァレッタ様····!!」
「ん〜、雇い主様の指示なら従うけどさぁなんで『扉』あるのに引っ込まなきゃならないの?まさか、破られると?」
「そういうわけじゃァねえが、万が一ってこともあるだろォが」
声の主───荒々しい様相のファーコートを着た女性が石室へと入ってきた。ダンジョン産の天然武器と思われる不気味な大剣を担ぐその姿は肌がよく見えるその衣服もあって良いか悪いか凶暴な生命力に満ち溢れている。
ミュラーはその女を見て、思わず顔をしかめた。その女の全身からは強い血臭が漂っており、ギラついた狂気がありありと見て取れる。
そして、何よりミュラーにとって不快なのは、そんな彼女が自分の雇い主である闇派閥の幹部の一人であるということだった。
その女の名はヴァレッタ・グレーデ。闇派閥の幹部であり、数多くの冒険者を屠ってきた猛者である。
『殺帝』の二つ名を持つ彼女がその気になれば闇派閥専属の研究者である自分すら躊躇わずに殺すだろう。
ミュラーは内心で毒づきながらも表情だけは笑顔を取り繕い、彼女に問いかけた。
「まぁ、確かにあの『扉』はフィンの『槍』やクソエルフの砲撃でもぶち壊せねぇはずだけどよお」
ミュラーの言葉にヴァレッタはニヤリと笑みを浮かべるが、その目はまるで獲物を狙う肉食獣のように鋭い光を放っている。
「それによ、あっちには『剣聖』のガキがいやがる、『扉』も絶対ってぇ訳じゃねェ」
最硬精製金属製の扉は第一級冒険者であっても破壊は困難を極める。しかし、相手はあの少年、都市最強の双璧と名高いあの男ならばあるいは可能かもしれない。
仮に一度でも破られれば闇派閥の地の利は失われ、一気に瓦解することになる。
そんな懸念を滲ませる言葉を聞いて、ミュラーは小さく嘆息した。この女は、いや、闇派閥の人間はとにかく不安要素を潰したいらしい。
「それなら閉じて亀のように閉じこもるんじゃなくてあえて開いて蜘蛛の巣を張るようにした方が良いだろぉ?」
開いているものをわざわざ壊すとは考えにくい。ならばこちらから招いて罠にかけてしまえばいいのだ。
ヴァレッタとしては【ロキ・ファミリア】で警戒に値するのは『剣聖』と『勇者』を筆頭としたごく僅かの第一級冒険者だけで他の団員の脅威はそれほどでもないと考えている。
だが、それはあくまでも第一級冒険者が異常すぎるだけであって、それ以外の構成員も決して侮れるものではない。
ヴァレッタに嘲りはあれど侮りはない。来たる決戦の日までに【ロキ・ファミリア】の戦力はできるだけ削いでおきたいというのが彼女の狙いであった。
一度、クノッソスに招いてしまえば無尽蔵にいる極彩色のモンスターとクノッソスのギミックによっていかようにも料理できる。
主力たる第一級冒険者は一人二人削れれば御の字。狙いは補給と援護を担う二軍の第二級冒険者とそれを失ったことによる第一級冒険者の士気の低下だ。
「現状のクノッソスの罠で『剣聖』を殺せるかはわからねぇが近いうちにある『決戦』の時にあのクソガキを確実に殺すための手札をできるだけ多く用意しておきてぇからな、てめぇとこの設備は万一にも失うわけにはいかねえんだよ」
闇派閥残党のオラリオ壊滅の切り札であった深層の階層主以上の脅威である精霊の分身が『剣聖』に通用しなかったのは誤算であった。
『分身』に変わる地上破壊及び『剣聖』殺害のための手札は有ればあるほどよい。『魔竜』と『巫女』だけではまだ万全とは程遠い。
その手札増やしの一環がミュラーの行っている研究であり、その成果がこの施設だ。
「まぁ、まだ、被検体との定着が不安定だけどねぇ〜」
ミュラーが今取り組んでいるのは七年前の大抗争でその大半が壊滅した闇派閥、その一派閥が残した負の遺産を応用した研究だ。
未だ不完全ながら完成すれば『剣聖』を殺すに足るものになり得る。それを失うわけにはいかないため、人造迷宮の奥に設備と研究人員を退避させるのだ。
「そォいうわけだ、わかったらちゃっちゃっと準備しろ、【ロキ・ファミリア】の連中が来ちまったら面倒だからなぁ」
「了〜解」
そう言って踵を返すヴァレッタ。彼女はもうじき入り口を見つけるであろう【ロキ・ファミリア】を出迎えるつもりらしい。
彼女を見送った後、ミュラーは再度、研究中の装置へと視線を向ける。そこには緑色の水溶液だけを残して空となった六つのフラスコと不気味に蠢動する異形の胎児のような怪物が詰められた巨大フラスコが『十二個』あった。
ゼウスとヘラの二大派閥がオラリオを去って以降、闇派閥の台頭によって急激に治安が悪くなっていた後に『暗黒期』と呼ばれることとなる時期に結成された秩序の派閥、【アストレア・ファミリア】。
そして、アストレア様を慕い、正義の剣と翼のもとに集った正義の眷属。
輝夜、ライラ、ノイン、アスタ、ネーゼ、リャーナ、セルティ、マリュー、イスカ········アリーゼ。
炎のように鮮やかな赤い髪を持つ少女は太陽のように明るく、誰からも好かれる性格だった。
彼女の周りにはいつも人が集まり、その笑顔は多くの人を魅了した。彼女は、私の親友であり、憧れでもあった。
【アストレア・ファミリア】の団員は全員が女性でその誰もが男勝りな気風を持っていたものの、皆に優しく思いやりのある心根の持ち主ばかりだった。
少数精鋭ということもあってか団員同士仲が良く、常に笑い声が絶えなかった。私はそんな彼女たちとの日々が好きだったし、誇りにも思っていた。
·········思えば私は、ずいぶん長く平穏な生活を送ってきた。アリーゼ達が、【アストレア・ファミリア】の皆が闇派閥の生き残りであった【ルドラ・ファミリア】の奸計によってダンジョン下層に現れた『破壊者』との戦いで亡くなってからもう、五年。
ただ一人生き残った私は復讐の炎に身を焦がし、手段を問わずに闇派閥を狩り続けた。その過程で罪に問われ、賞金首にすらなったが足を止めることはなかった。
だが、その全てを殺し尽くし、燃え尽いた果てに残ったものは虚無感だけだった。
それから様々なことがあった、シルに救われ、新たな居場所を得た。誰よりも才能に愛され、誰よりも自分を蔑ろにする英雄の卵を鍛え、新たな使命を得た。
アルとともにあの『破壊者』を打ち倒し、闇派閥との、過去との精算はとうに終えた。
知人に無理を言って用意してもらった馬車に乗り込む。これから向かう先は、私が今一番会いたい人のいる場所だ。
あの黒きミノタウロスとの戦いで今の自分の限界を知った。戦いの一線から身を引いて五年、もう冒険者として戦うことはないと半ば決めてはいたけれど、この胸の奥底で燻る熱はまだ消えていない。
今の私のままではダメだ。
「────私も、そろそろ前に進まなければ」
そうして辿り着いたのは、小さな村だった。そこかしこで子供たちの声が響き渡り、大人たちもそれを微笑ましく見守っている。
この村は私の故郷ではない。しかし、とても懐かしく感じた。きっとそれはこの場所の雰囲気によるものだろう。
まるであの頃に戻ったかのような錯覚に陥りながら歩いていると、一軒の家に辿り着く。
私を出迎えたのは年若いヒューマンの少女であり、どこか昔の自分を彷彿とさせる雰囲気があった。
少女は私に不満げな視線を向けながらも中に案内してくれる。
彼女が奥の扉を開くとそこには─────
「お久しぶりです·········アストレア様」
あーーーーーーーーっ、女になりたい。
いや、冗談ではなく女であるほうが曇らせにおいては有利だと思う。
まず、単純に男よりも女であるほうが簡単に人からの好感度を稼げる。男の場合、いたずらに顔や実力が高いと上手くヘイト管理できなきゃ同性からは嫉妬心、異性からは警戒心を抱かれる。
でも女の場合は割と好意的に見られることが多い。無論、嫉妬やらなんやらはどうしてもあるだろうが曇らせと嫉妬は親和性が高いから問題ない。
あと俺は例外にしても基本的に男は女に対して庇護欲を抱くものだからその点でも有利な気がする。
何より儚げな雰囲気とかを演出しやすいだろう。
アルフィアよろしく病弱系美女になれば完璧だ。
その上でアレンとかアレンとかアレンとかアレンとかアレンとかアレンとかアレンとかアレンとかをコテンパンに倒した上で病死、或いは病が原因でアレンでも簡単に倒せるくらいまで弱くなる。
めっっっちゃ曇るだろうなあ············。
死ぬなら俺に殺されて死ねとか言ってくれそう。
うわぁ、絶対いいわぁそれ。
想像しただけでレベル上がりそう。
三つ魔法が発現しきってるのが悔やまれるな。
仮にスロット空いてたら女体化の魔法覚えるのに·······。
いや、それだと意味が違ってくるか。
次があるかはしらんけど、となると来世か。
あーーーーーーーーーっ、来世は儚げで病弱な美少女に生まれたいなぁ!!
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アルは自らの性別に頓着がないので曇らせられるなら躊躇なく男やめます。多分、アルは女に生まれても、というかモンスターに生まれても何一つ内面は変わらなそう。