デート・ア・ライブ ALTERNATIVE ダブル・ダアト   作:生命の樹

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デート・ア・ライブⅣ始まりましたね。
二亜も六喰も特に好きなキャラクターなので4期は俺得フェスティバルです。


Pの邂逅/鏖殺の剣姫

八幡side

 

学校に到着。クラスは……ん、士道と士織だけでなく主格所有格目的格とも同じクラスか。また奇遇だな。なんか士道がクラスメイトらしい少女……確か、鳶一折紙だったかにさっきまで絡まれてたが。そして今度は別のクラスメイト、殿町に絡まれた。

 

「よう災難吸引器」

 

「誰が災難だ五河兄」

 

「人を災難を引き寄せる何かみたいに言うのやめろ」

 

事実だろ。

 

「そういや鳶一は『恋人にしたい女子ランキング・ベスト13』でも第3位だったぜ?お前ら兄弟揃って知らなかったのか?」

 

「蚊ほども興味が無い」

 

「やってたことすら知らん。ってかなんでそんな中途半端な数なんだよ。主催者が悪魔崇拝とか数字好きだったりするのか?13って丁度2の二乗+3の二乗だし」

 

「何が丁度なんだよ」

 

「主催者の女子が13位だった」

 

「「あー……」」

 

あほくさ。

 

「ちなみに五河姉は7位だったぞ」

 

「おい士織に投票したやつのリスト寄越せ。殺す」

 

「「待てや落ち着け」」

 

落ち着いた。

 

「ちなみに男子バージョンはベスト358まで発表されたぞ」

 

「多いわ」

 

「最早下の方ワーストランキングじゃねぇか」

 

「全く往生際が悪いよな」

 

「ちなみに殿町何位だったんだよ」

 

「358位だ」

 

「「おい主催者」」

 

なんなんだこいつ。

 

「ちなみに五河は匿名の投票が一つあって、五河兄も一票入って同率で52位だ」

 

「誰だよ」

 

「反応しづれぇ」

 

「あ、五河兄。お前に投票したの五河姉だぞ」

 

「今日の晩飯はあいつの好物にしてやるか」

 

「八幡、そういうとこだぞ」

 

どういうとこだよ。

 

「余談だがお前ら2人で『腐女子が選んだ校内ベストカップル』で5位、俺と五河で2位だった」

 

「殺すぞ」

 

「五河兄、悪かったから落ち着け。バチボコに怖い」

 

あっ。つい殺気が。

 

「まあいい。そろそろ先公来るから席ついとけよ」

 

「おう」

 

「ういー」

 

担任は生徒から絶大な人気を誇る岡峰珠恵教諭、通称タマちゃんだった。アザラシかよ。

 

 

 

士道side

 

始業から三時間後。始業式の行程が全て終わり、下校時間になる。

 

「五河ー。どうせ暇なんだろ、飯行かねー?」

 

始業式を終え、帰り支度を終えたクラスメイトらが教室から出ていく中。鞄を肩がけにした殿町が話しかけてきた。

 

「悪ぃ、今日は先約だ」

 

「女か」

 

「……生物学的には。まあ琴里だが」

 

「なんだ、脅かすなよ」

 

「お前が勝手に驚いてんだよ」

 

人のせいにするな。

 

「俺も一緒に行っていいか?」

 

「八幡と姉さんがどう言うかにもよるが……まあ大丈夫じゃねぇかな」

 

「五河四兄妹勢揃いかよ」

 

俺が適当な返事をすると、殿町が声をひそめるように言ってくる。

 

「なあ、琴里ちゃんって中二だよな。彼氏とかいんの?」

 

「あ?」

 

「いや、他意はないんだが。三つくらい年上の男とかどうかなって」

 

「八幡、ゴー」

 

「よっしゃ殺戮パーリナイ」

 

「ごめんごめんごめんごめんごめんっっっっ!!!!」

 

八幡をけしかけようとすると土下座する勢いで謝罪を繰り返す。八幡の身体能力は同じ中学だったこいつもよく知っている。流石に柘榴みたいに吹き飛びたくはないらしい。俺だって嫌だ。

 

──────と、その瞬間。

 

 

ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ────────

 

 

「……っ!?」

 

「士織!」

 

教室の窓ガラスを共振させながら、街中に不快なサイレンが鳴り響いた。すぐさま姉さんの居場所を確認する八幡。本当に姉さんのこと大好きだよなこいつ。するとサイレンが鳴り止み、機械越しの音声が響いてきた。

 

『───これは訓練では、ありません。これは訓練では、ありません。前震が、観測されました。空間震の、発生が、予想されます。近隣住民の皆さんは、速やかに、最寄りのシェルターに、避難してください。繰り返します───』

 

───空間震警報。俺の『検索』ですら原因不明の大災害。その警報が、鳴り響いたのだった。

 

「おいおい……マジかよ」

 

殿町が額に汗を滲ませながらも、乾いた声を発する。と言っても比較的俺たちは落ち着いていた。ま、しつこいくらいに避難訓練をさせられたし……そもそもここには全校生徒を収容可能なシェルターがある。

 

「シェルターすぐそこだしな、落ち着いて避難すればいい」

 

「そ、そうだな」

 

教室から廊下に出ると、生徒たちの列により360°どこを見ても人、人、人。ふと見ると八幡の顔色が悪い。そういやこいつ人混み苦手だったな。デカい駅前とか行くとすぐ酔うんだよこいつ。

 

「……ん?」

 

列の流れとは逆の方向に走っている女子生徒が視界の端に映った。水流を裂く石のように、龍の顎にある逆鱗のように。妙に目に付いた。

 

「おい、何してんだ!そっちにはシェルターなんて──────」

 

「大丈夫」

 

何がだよ。……ま、直ぐに起きるわけでもないから別にいいか。

 

「お、落ち着いてくださぁーい!だ、大丈夫ですから、ゆっくりぃー!"おかし"ですよ、おーかーしー!押さない、駆けない、しゃれこうべー!」

 

アホか。

 

「……自分より焦ってる人見ると落ち着くな」

 

「一旦意識が自分以外に向けられるから自分の感情が保留されるらしいからな。つまり緊急事態の時はバカを全力で慌てさせると……?」

 

「やめとけ」

 

それもそうか。……そういえば。俺はあることを思い出し、携帯電話『スタッグフォン』を取り出す。

 

「ん、どうした?」

 

「いや、ちょっとな」

 

適当な生返事を返しながら琴里の携帯に電話をかける。……繋がらない。

もしかして。いや、まさかな。そう思ってGPS機能の位置確認サービスを利用して見ると……

 

「……ッ!八幡!」

 

「へいらっしゃい」

 

ラーメン屋みたいな返事をしてるクソふざけたボケ兄貴にスタッグフォンのディスプレイを見せる。そこには琴里の携帯のGPSが『待ち合わせのファミレス前から動いていなかった』。

 

「把握した」

 

すぐさま俺たちは2人揃って走り出した。

 

「八幡!?」

 

「五河!?」

 

「先行ってろ!」

 

八幡がスタッグフォンを操作しているのを横目に、昇降口にて靴を履き替えて八幡を置き去りにしながら駆け出す。

 

「士道!ライブモード頼む!」

 

黒と緑のバイク『ハードボイルダー』に乗った八幡が声を掛けてきたので並走し跳び乗る。そしてポケットから赤茶色の機械『スタッグメモリ』を取り出し、スタッグフォンに装填。ボタンを押して放り投げる。

 

『STAG』

 

放り投げられたスタッグフォンは変形し、クワガタムシの形をしたライブモードへと姿を変える。

 

「スタッグ!琴里のGPSの座標までの最短経路頼む!」

 

そう叫ぶと、『了解』と言いたげな様子で電子音を鳴らしながら飛行を始める。これで良し。

 

「あんのバカ、普通避難するだろうが……!」

 

暫く走っていると、ファミレス前に到着。……人気がない。

 

「琴里ー!?」

 

叫んでも反応無し。すると、八幡が妙なことを言い出す。

 

「ん……なんか今空がブレたような」

 

「何言ってんだよ……今は琴里を」

 

「……そうだな」

 

そんなことを言いながらも、八幡は空を見上げている。すると懐から特殊ゴーグル『デンデンセンサー』を取り出してそれを使いながら見上げ始めた。ふと、何かに気付いたようで──────

 

「士道、あれを──────ッ!?」

 

次の瞬間、ファミレスの外が眩い光に包まれる。続いて鼓膜に痛みすら走りそうな爆音と凄まじい衝撃波が俺たちを襲い、吹き飛ばされそうになる。いやダメだ吹き飛ばされる。

 

「士道!」

 

「っ、八幡!」

 

咄嗟に突き出された八幡の手を掴みなんとか耐える。こいつ大型台風以上の風圧受けて立ってるとかどうなってんだ。

 

「──────!?」

 

なんとか立て直し──────間の抜けた声が出た。

一瞬。ほんの一瞬である。一秒もしないわずかな時間で、街が吹き飛んでいたのだから。

 

浅いすり鉢状に削られた街。その中央に、非現実的なオブジェクト。

なんつーか……玉座みたいな。そして、もう一つ。いや、もう一人と言うべきか?何だっていい。非現実的にして幻想的。そんな形容が良く似合う、奇妙なドレスを纏った少女が立っていた。

 

「あの子──────なんで、あんな所に」

 

ふと、少女がこちらを向いた。すると、玉座の背もたれから生えた棒状の何かを掴み、引き抜く。それは、星のような輝きを湛えた両刃の大剣。幻想的という概念を両刃の剣として具現化したらああなるんじゃないかと思えるほどだった。少女がそれを振りかぶると、その軌跡をぼんやりとした輝きが描いていった。

 

いや待て。()()()()()()

 

「伏せろ!」

 

その言葉と共に八幡が乱暴に俺の頭を地面に叩きつける。次の瞬間、振り抜かれた剣の延長線上を刃の軌跡が通り抜け──────その先にあった全てが()()()()()()()

 

「っ……!?」

 

洒落になんねぇぞおい!師匠でもこの速度の斬撃は飛ばせねえっての!

 

「くっ、おい、八幡───!」

 

今すぐこの場を立ち去ろう。そう伝えようとした時。

 

「───おまえも……か」

 

酷く疲れたような声が、すぐ側から響いてきた。

咄嗟にその方向を見ると、先程まではクレーターの中心に居たはずの少女がすぐ目の前にいた。

幻想的、という概念を人型に固めて生成・構築したらこうなるんじゃないだろうかと思える姿。

素材不明の材質で構築されたドレスのようなフォルム。

その継ぎ目やインナーを構成する不思議な光の膜。

そして、いっそ暴力的なまでの美しさ。

 

──────()()()()。知識欲が鎌首をもたげる。解明したい。理解したい。知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい───────────────

 

「──────ぁ」

 

でも、その欲望を振り切るほどに。俺はあることに気付いてしまった。

 

「───君、は」

 

ふと、無意識に声に出してしまった。

 

「……名、か」

 

「───そんなものは、ない」

 

その憂鬱そうな、泣き出してしまいそうな顔を見た時。どうしようもなく、『そんな顔をしないでくれ』という感情に包まれた。

そんな俺を他所に、少女は剣を握り直し──────

 

「「いや待て待て待て待て待て!!!!!」」

 

不意打ちで死の危機!シャレになんねぇ!

 

「……なんだ?」

 

不思議そうに俺たちを見る少女。どこか、どうしようもない齟齬を感じる。

 

「……いきなり何しようとしてるんだよ」

 

「それはもちろん───早めに殺しておこうと」

 

うーん、割と久しぶりな命の危機。こういうデッドオアアライブ的環境って普段八幡の担当だったから新鮮である。あんまり体感したくねぇ。

 

「な、なんでだよ……」

 

「───当然ではないか」

 

悲しそうに、苦しそうに、少女は吐き捨てる。

 

「───だっておまえも、私を殺しに来たんだろう」

 

「……いや、だったら武器持ってくるだろ。鎧もなしに丸腰で来ねぇよ」

 

とりあえず、齟齬を解消しよう。そんなことを現実逃避気味に考えてしまった俺を、誰が責められるんだろうか。とりあえず八幡には周囲の警戒を頼んでおこう。

 

「……おい、お二人さん。この訳わかんねぇ状況にSFじみた体のライン丸出しの空飛ぶ軍隊に招待状出したか?」

 

「なわけ」

 

「じゃあ招かれざる客だ。どうするよ」

 

「それなら──────」

 

その言葉の先を紡ごうとした瞬間。ミサイルが飛んできた。

 

()()()()()()()()()()

 

「っ、士道!ダブルを──────」

 

「間に合わねぇ!」

 

あ、ダメだこれ。

 

 

 

 

 

 

 

ん……なんか無事っぽい?

見上げると、その場の座標に固定されたかのようにミサイルが停止していた。慣性を完全に殺してる……ああもう、知識欲と困惑が綯い交ぜにも程がある!

 

「──────っ」

 

ミサイルが前触れなく破壊されるも、間髪入れず次のミサイルが飛来する。

それを見て、少女がほんの僅かに顔を歪め───再び、俺は『嫌だ』なんて理解不能な感情を抱いた。

どう考えても、ミサイルを撃ってきた連中が束になってかかっても負けることはないだろう。

なのに。なのに、なんで──────そんなに、悲しそうなのだろうか。

 

「……消えろ、消えろ。一切、合切……消えてしまえ……っ!」

 

その言葉と共に、大剣が空に向けて振るわれる。

次の瞬間に駆け巡った衝撃波が周囲を襲い、空へと斬撃が駆け昇る。

悪い夢でも見ているのだろうか。そう錯覚せざるを得ない光景に、酷く錯乱する。

だが、降り立った人影により意識が一気に引き戻される。

 

それは、全身をボディスーツで覆った少女。背のスラスター、手の武器と思しき金属塊。だが、それじゃない。その少女そのものが、意識を引き戻すきっかけとなっていた。

 

「鳶一───折紙……?」

 

「五河士道……に、五河八幡……?」

 

俺たちを一瞥し、やや怪訝そうにして。ふと、八幡はどうなっているのかと思って振り向くと……

 

『おい士道!聞いてんのか!?』

 

頭の中に声が響く。ふと気付いた、腰のバックル。いつの間にか、俺と八幡の精神は繋がっていた。

 

『とりあえず、変身を─────』

 

あ、ダメだ。なんとなく、そう察知した。

 

「───ふん」

 

な、切り結び始めた。再び連続して衝撃波が走り、準備も何もなかった俺は容易く吹っ飛ばされる。

 

『おわ、士道───!?』

 

ギリギリ気絶は回避した。回避したんだが───

 

『──────』

 

スタッグフォンの着信音が鳴り──────それを合図と言わんばかりに再び切り結び始め、吹き飛んだ拳大の瓦礫に脳天を撃ち抜かれてぶっ倒れる八幡を横目に見ながら……今度こそ俺の意識は刈り取られるのだった。

 

ま、こんなんであいつ死なねぇし大丈夫だろ。

 

 

 




スタッグフォン
五河士道と五河八幡が所持している、折りたたみ式携帯電話(ガラパゴスケータイ)型のメモリガジェット。
ギジメモリ『スタッグメモリ』を装填することで、クワガタムシ型のライブモードへと変形する。

デンデンセンサー
特殊ゴーグル型のメモリガジェット。
ギジメモリ『デンデンメモリ』を装填することでカタツムリ型のライブモードへと変形する。
ゴーグルとしては透明になっているものや、巧妙に隠されているもの、そのエネルギーの状態などを見通すことが出来る高性能視覚センサーとして機能する。

ハードボイルダー
ホンダのCBR1000RRをベースとした黒と緑のバイク。基本的には八幡が使用するが、状況によっては士道が用いることも。
一般のバイクと同様にガソリンを燃料としているが、内部構造により排気ガスはほぼゼロまで抑えられている。
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