家庭教師ヒットマンREBORN! ー鳳凰神と暁の炎ー   作:二首犬

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 リアルが忙しい二首犬です。


第三話 最強警官と動き始めた闇

 日曜日、栄冠大学付属中学との練習試合の日が訪れた。武達の並盛中学野球部に、ツナ達応援団も栄冠大学付属中学に到着した。グラウンドの外れでは野球部の部員が円陣を組んでいた。

 

「栄冠ファイトォー!」

『ファイトォー!』

 

 そう叫んだ彼らは走り出した。どうやらさっきの掛け声はランニング前の気合入れのようだ。

 一方で、武と薫は栄冠の野球部の設備に驚いていた。

 

「さっすが栄冠だ。設備が半端ねぇな」

「そうだな。最新鋭のバッティングマシーンにトレーニングマシーン。また雨天の時のための室内練習所。正に至れり尽くせりだ」

 

 二人が会話していると彼らの前に栄冠のユニフォームを着たサングラスをかけた厳つい男性が近づいてきた。外見からして50代と思われる。

 

「君が並盛中学野球部の主将の山本武君かい?」

「はい!そうすっけど!」

「俺は栄冠大学付属中学野球部の監督の銀城和樹だ。今日の試合よろしく頼むよ」

「分かりました。よろしくお願いします」

 

 和樹はそれだけ言うと自分のベンチに戻っていった。

 少しして、ツナ達も栄冠大学付属中学に到着した。今日のメンバーは雲雀と骸を除いた十代目ファミリーとシモンファミリーである。

 

「ここが栄冠か、やっぱりすごく広いなー」

「まあ、ここは名門私立スから、設備に力を入れるのは当然っス」

「俺の聞いた話ではボクシング部も極限に強いと聞いてるぞ」

「何か迷子になっちゃいそう……」

 

 ツナ、隼人、了平、クロームの四人は感想を口にした。

 了平の言葉通り、栄冠は野球部だけでなく、全運動部に力を注いでいる。ボクシング部も例外ではない。

 

「何か緊張するな……」

「ツナ君、大丈夫だよ。薫や山本君だけでなく他の部員たちも今日に備えて頑張ってきたんだから!」

「…エンマの言う通りだよ。ツナさん信じよう」

「らうじも言ってるんだし大丈夫よ」

「アーデルハイトさん……。そうだね、なんか弱気になっていてゴメン」

 

 ツナはアーデルハイトに謝罪すると応援席に座った。

 野球場を見ると両野球部が敬礼をしていた。そして、試合が始まった。

 

 

 

「はひ~、何とか勝ちました」

「ホント凄い試合だったね!」

 

 試合は並盛中学の勝利で終わった。

 序盤、並盛中学の選手達はプレッシャーに負けてぎこちない動きをしていたが、武と薫の檄や活躍で緊張が解れて、いつもの動きに戻っていった。

 中盤になり、並盛中学が四対二と二点リードしていると和樹は不機嫌な様子で、選手交代をして、栄冠の選手は二軍から一軍へと変わった。そして反撃の狼煙を上げ。一気に四対六と逆転を許してしまった。このまま並盛の敗北と思われたが武と薫のホームランによって何とか同点になった。

 試合はようやく終盤を迎えた。薫は栄冠側のバッターの癖や苦手なコースを見極めて、投げ続けた。そして同点のまま延長戦に突入したが、最後に山本のソロホームランで並盛中学の勝利となった。

 試合が終わり両者は『ありがとうございました』と敬礼をした。

 

「何とか勝ってよかったぜー!」

「そうだな!」

「山本君、ちょっといいかな?」

「あ……栄冠の監督さん。どうしたんスか?」

 

 武と薫が喜んでいると和樹が近づいて、申し訳なさそうな様子で声をかけた。

 

「今日の試合はすまなかった。君らを甘く見ていたよ」

「気にしなくていいっスよ!」

 

 武が明るい表情で返すとサングラスを外した。

 

「今度、戦うことがあれば。出し惜しみせず全力で戦おう!」

「ハイ!その時はお願いします」

 

 試合が終わり着替えた武と薫はツナ達に「頑張ったな」「凄いな!」などの労いの言葉をかけられた。

 

「皆!ありがとな。そうだ、俺、これから神田に住んでいる知り合いに会いに行くけど、皆も一緒に行かないか?」

「え……一緒に行って大丈夫なの?」

「大丈夫だと思うぜ。皆にも擬宝珠家の人達にあってほしいからなっ!」

「じゃあ、お言葉に甘えて。みんな行くけどいいよな」

『もちろん!!』

「じゃあ、行こうぜ」

 

 全員で超神田寿司に向かうことになった。

 電車で移動中に武は皆に擬宝珠家の人達について教えていた。

 

「俺の親父は竹寿司を開く前は超神田寿司で働いていたんだ!」

「超神田寿司って、あの江戸時代から続く老舗の寿司屋だったよな?」

「そうっす!」

 

 ジュリーの疑問を武は普通に答えると説明を続けた。

 

「その縁で、俺も何度か超神田寿司に遊びに行って、擬宝珠家の人達と交流を持つようになったんだぜ」

「はひ~!そうだったんですか。疑問があるんですが?確かそこの大女将って百三歳って聞いたんですけど?」

「ああ!前に会ったときは百二歳だったけど。今年で百三歳になったんだ」

「百三歳……って、タルボさんほどじゃないけどかなり高齢だな……!」

 

 ツナが口にしたタルボとは代々ボンゴレファミリーに仕えている彫金師であり、リボーンから聞いた話では初代ボンゴレファミリーのボスージョットの代から生きているらしい。

 

「ゲパばぁは元気すぎてな。とても百三歳とは思えねぇよ」

「正に老黄忠ってヤツだな」

「その言葉って、元気な老人って意味っすよね。リボーンさん!」

「そうだぞ。獄寺」

 

 

 それからしばらくして、超神田寿司に到着した。玄関では夏春都、纏、檸檬、そして檸檬が抱えている蜜柑の四人が出迎えてくれた。

 

「おお~!みんな、久しぶりー!」

「ようやく来たのかい」

「今回は友達も連れてきたんだな」

「武、元気そうで何よりじゃ!」

「だぁー、だぁー」

「こうして会うのは初めてだな蜜柑。ヨロシクな!」

 

 再会を終えた武は夏春都達に仲間について紹介した。

 

「ここにいるのが、俺の友達だぜ」

「そうっか。かなり個性的な連中だな」

「初めまして、俺は山本の友達の沢田綱吉って言います。こちらが……!」

 

 それから、全員の自己紹介を終えると今度は擬宝珠家側の自己紹介が始まった。

 

「私は擬宝珠夏春都。この超神田寿司で大女将をしているよ」

「アタシは擬宝珠纏。普段は葛飾署で婦警をしている。武の姉貴分だ!」

「檸檬は檸檬じゃ。そして、抱いているのは蜜柑ちゃんじゃ」

「だぁーだぁー」

「よろしくね。蜜柑ちゃん」

「だぁーだぁー」

 

 ツナは優しく蜜柑に語り掛け、彼女の手を軽く握った。

 庭から「ワンワン」と犬の鳴き声がしたのか思えば、二匹の子犬が武に走って近づいてきた。

 

「雪丸。ソレイユ、元気か?折角だからアイツを紹介するぜ!」

 

 武の身に着けているネックレスが輝いたかと思えば武の相棒の一匹の次郎が出てきた。

 

『ワンワン!』

「すぐ仲良くなったな!」

「雪丸、ソレイユ、友達ができて良かったのうー」

「へーっ!今日は武もいるのか!?」

「その声は……!」

 

 その声がした方に振り返ると坊主頭で長身の美男子がいた。

 

「憂鬱にぃ、来ていたのか!?」

「まぁな!久しぶりに家族に会いたくなってな。武もあれから野球を続けているんだな?」

「そうだぜ!」

「あっ!自己紹介が遅れたな、俺は擬宝珠憂鬱。擬宝珠家の長男だ。よろしくな!」

「はい!俺は山本の友達の沢田綱吉って言います」

 

 他のメンバーも自己紹介を終えると。夏春都はツナを見つめた。

 

「お、俺に何か用ですか……?」

「いや…。なぁーに。ティモッテオと同じ空気を纏っているなと思ったんだよ」

「その人って…どんな人ですか?」

 

 リボーンはやれやれといった表情を浮かべた。

 

「それはIX世(ノーノ)の本名だぞ、忘れんな。それでお前とはどんな関係だ?」

「アイツはこの超神田寿司の常連客で、若いころから来日の際はいつもここに食べに来るんだよ」

「そ、そうですか…!」

 

 ツナは気まずそうに答えると纏が口を開いた。

 

「お前等、昼飯まだなんだろ。ウチで食べないか?」

「いいんですか?」

「ああ!ばぁちゃんいいよな?」

「いいよ!」

『やったー!!』

 

 ツナ達は超神田寿司特製のちらし寿司を頂いた。やはり、老舗の名店の名に恥じぬ味であった。

 

「口に合ったかい?」

「はい!美味しかったです」

「ソイツは良かったよ!」

 

 ツナの答えを聞いた夏春都は嬉しそうな笑みを浮かべた。

 

「オイ、お前等、まだ時間はあるか?」

「ええ!まだ13:30ですので、時間はありますよ。そう言えば、他の皆はどうなんだ?」

 

他の全員も頷いた。

 

「だったら、アタシが今働いている葛飾署に案内するよついてきな」

「…葛飾署といえば、聞きたいことがあるんですけど?」

「ん、何について聞きたいんだ?」

「葛飾署といえば、あの超問題児の警官が働いているところですよね?」

 

 京子の問いに対し、纏は呆れた表情で頷いた。

 

「そうだけど、今のアイツは問題起こして、カナダにいるから署にはいないよ!」

「そうですかっ……」

 

 ツナ達はヒソヒソ声で会話していた。

 

「超問題児警官って、有名なあの人だよね?」

「間違いないっス。日本、いや世界一の借金王の…」

「俺が聞いた話だと指名手配犯達と野球の対決をしたことがあるらしいぜ!」

「俺は極限にゴリラ以上の剛腕の持ち主だと聞いている」

「…なんか、なぜ解雇されないのか、わからない」

 

 ツナ達ボンゴレ組に続いて、エンマ達シモン側も口を開いた。

 

「そういえば、ジュリーって、その人と仲がいいって聞いてるけど?」

「いやなぁ~~に、ギャンブルの必勝法について相談することがある…(ドガ)いてぇ~!アーデル。殴らなくてもいいだろ」

「ジュリー、ギャンブルもそこまでにしなさい。連日問題を起こしてはマスコミで取り上げられているわよね」

「オイラは子供には優しいって聞いたよ」

「私はすご~~いバカだときいてるよ~」

「何でも、究極に高い生命力の持ち主だとか」

「ああ、あれか、大爆発に巻き込まれても死ななかったってぃぅ」

 

 シモン側でも知らない人はいないようだった。

 

 

 

 カナダの空港ではクタクタな感じの低身長で、筋肉質の中年男性がいた。

 

「よ~やく帰れるぞぉ~~!部長のヤツ、あそこまでキレなくていいだろ」

 

 この男こそ先ほどマフィア側の話題に上がっていた超問題警官の両津勘吉である。

 カナダにいる理由は普通のメープルシロップを高級メープルシロップとして売っていたため、それにキレた上司の大原大次郎部長からメープルシロップの作り方を学び直せとメープルシロップの本場カナダに送り込まれた。

 今はメープルシロップの工房から脱走し、カナダ警察の目をかいくぐって飛行機に密航して帰国しようとしている最中である。

 

 

 

「部長大変です。先輩が工房から脱走したと連絡がありました」

「やっぱり、あのバカは脱走したのか!(# ゚Д゚)」

 

 勘吉が勤務している葛飾区亀有公園前派出所では長身のイケメン警官が大原大次郎部長に声をかけていた。このイケメン警官の名前は中川圭一、世界的に有名な中川財閥の御曹司でもある。また、両津の後輩でもあった。

 

「けど圭ちゃん!両ちゃんの身体能力のデータは予め送っているわよね?」

「そのハズなんだけど……」

 

 圭一に話をかけたスタイル抜群で容姿端麗な婦人警官の名前は秋山・カトリーヌ・麗子。彼女もまた世界的な企業・秋山貿易の社長令嬢でもある。

 二人は両津がカナダの工房から脱走を試みると思い。予め勘吉の身体能力や性格のデータを送っていた。

 

「……両さんにデータなんて意味なかったんじゃないのかな?あの人には常識が通用しないんだし」

 

 平凡を絵にかいたような男性―丸井ヤング館はそのように呟いた。

 

「全く!ロヴィーノ事件が解決し、今度は行方不明事件が多発しているんだ。こんな時にアイツが戻ってきたら。さらなる混乱が起こるに決まってる」

「そう言えば、ロヴィーノ事件では先輩は参加しなかったんですか?」

「それは私も疑問に思ったわ。ロヴィーノ討伐のために両ちゃんだけでなく特殊刑事課を動かすことも検討されていたのに変よね!」

 

 ロヴィーノが世界に宣戦布告した際には日本側は討伐部隊の戦力として、両津を出されるだろうと思われていたが、何者かがロヴィーノを討ったためにその計画は白紙となった。

 

「それについてはどうやら上から圧力がかかっていたそうだ」

「上からって、警視総監からですか?」

「いや!さらに上の指示らしい」

 

 寺井が気になったことに対し、部長は深刻そうな表情を浮かべた。

 

「兎に角、日本に戻ることを署長に報告せねば」

 

 

 

「大原君!それは本当かね?」

『間違いなく、日本に帰るようです』

「全く!頭が痛い」

 

大原部長の上司で新葛飾書の署長―屯田五目須(とんだごめす)は大原部長からの報告を受けた彼も頭を抱えていた。

 

「はぁ~1腹をくくるしかないk(Pullll~)。この電話番号は?」

 

 署の固定電話に電話がかかってきた。

 

「はい!こちら新葛飾署d『久しぶりだね屯田署長』警視総監?」

『これは私の命令だ。両津勘吉を解雇しろ』

「ええ~」

『あの男は問題ばかり起こしている。これ以上彼を野放しにすると警察の威厳に関わる。だから即刻、クビにしろ!』

「分かりました」

 

 取り合えず了承した署長は電話を切った。

 

「両津を解雇(クビ)にしろとはずいぶん急だな…?」

 

 両津はこれ以外でも数多くの問題を起こしていた。しかし何故か解雇されなかった。そのため署長は警視総監が直々に自分に命令したことに違和感を抱いていた。

 

 

 

「これでよろしいのでしょうか藤原議員?」

 

 警視総監は総監室にいる藤原と呼ばれた男性議員に声をかけた。藤原は外見からして五十代くらいの年齢である。

 

「上出来だ!」

「有難うございます。しかし、何故あの男を今すぐ解雇するのですか?」

「余計な詮索は止めたほうがいいぞ。社会的に抹殺されたくないなら、なおさらだろ!」

「そ……そうですねっ……!」

 

 総監が藤原に従っている理由は総監の暴力団との癒着という弱味を握られている。そのことが明るみになれば今の地位を失う。だけでなく逮捕され刑務所に送られる可能性もある。

 

「取り合えず、よくやったと言っておく。……ではな!」

 

 それだけ言うと藤原は扉を開けて総監室から出て行った。ただ一人残った総監はあまりの怒りで拳を強く握りしめていた。

 

「藤原め!……何を考えているのか知らんが、そう遠くないうちに貴様を失脚させてやる!」

 

 

 

「どうせあの男は私にいずれ復讐しようなどとほざいているだろうよ!」

「先生に復讐を考えるとは馬鹿な男ですね」

 

 藤原はベンツに乗っており、運転手兼秘書の男と話し合っていた。

 

「警察はどうにでもなる。それよりあの連中の居場所は突き止めたか?」

「すみません!依然行方不明です。ただ東京にいるのは間違いないのですが」

「全てはあの御方の完全復活のため何としても……!

 

 藤原は内ポケットから高級葉巻を取り出し、それを吸いながら窓ガラス越しから街と夜空を眺めた。

 




 今回はここまでです。暇があるときはまた投稿する予定です。
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