ソシャゲに出てきそうな組織の一般職員(女)の話 作:暗黒技士
それは、突然現れた。
アメリカ、ロシア、中国――あらゆる国で、異界獣達が見境なく暴れ、一瞬にして『当たり前』が壊されていった。
しかし、日本だけは違った。
ただ壊されるだけではなかった。
今までの兵器ではかすり傷もつかなかった異界獣に対してダメージを与えられる武器、
Anti Eldritch Beast Weapon
通称
『
を開発した。
もちろん、他の国もただ見ているだけではなく、日本と同じように研究をしていた。
しかし、日本の足元にも及ばなかった。
なぜ、日本がこんなにも早く開発できたのか。そう他の国の科学者は聞いた。
日本の科学者は言った。
『ほら、小学生とか中学生の頃ってさ、教室にテロリストとか怪物現れたりするじゃん?頭の中で。え、しない?…まあ、日本人はそういう人が多かったんだよ。だから早く完成した』
他の科学者は皆口を揃えて言った。
と。
◆
異界獣対策組織『イージス』
突然現れた異界獣に対して組織され、世界中に支部を置き、異界獣調査、討伐をしている『AEBW』を扱う兵士、『ウェポナー』を送り出している組織。
要するに軍である。(ちなみにイージスやらウェポナーやらを名付けているのはやっぱり日本人である)
コツコツ…
「うぅ…」
そんな軍には似つかわしくない若い中学生、高校生ぐらいの赤髪のショートヘアーの女の子がイージスの廊下を歩いていた。
その道中で、
そんなふうにいろんな人とすれ違いながら歩いていた彼女は、目的もなくただ歩いているわけではなかった。
『会議室』
そう書かれた扉を見つめ、入ろうとしている彼女の名前は、
『
この世界の主役にして、この小説の脇役。
この小説の主役は、
―そして一般職員を意味する白い制服を着て書類を持っている男性や
そう、この女性である。
◆
黒髪を腰まで伸ばし、ブルーライトカット用の眼鏡を常につけている一般職員。
特に何かに秀でているわけでもなく、出生も普通に恵まれた一般職員。
まじで面白いところがない普通の人間。
そう思ってる一般職員。
ただ、
「明石さん、コーヒーいるー?」
「お願いします」
「・・・よし、出来ましt、きゃあ!?」
バシャァン
「ああ、できたて熱々のコーヒーを頭から!すいません明石さん、大丈夫!?」
「ええ、大丈夫です」
大体のことは動じない自信がある。
そんな一般職員。
いや、熱々コーヒー頭から被って無表情なのは普通じゃないでしょ。
◆
明石さくら
周りからの評価は「鉄人」
『笑ったところを見たことない』
『怒ったとこも見たことない』
『泣いたとこも見たことない』
『そもそも感情あるの?』
凄い言われよう。
『試しにシュールストレミング渡して食べてみてって言ってみたけど、戸惑いなく開けてあげたフォークでばくばく食ってたよ。そのあと美味しかったです、ありがとうございますって言ってくれたよ。無表情で』
お前はなにしてんねん。
そんなふうにいろいろ言われている彼女が、いろいろ巻き込まれたり、普通に生活する話。
普通に熱いとは思うし、痛いとも思うし、臭いとも思う。
ただ言葉と顔に出さないだけ。