ソシャゲに出てきそうな組織の一般職員(女)の話   作:暗黒技士

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第四話

「あの、さくらさん」

さくらがいつも通り仕事をしていると、そこになつきが話しかけてきた。

「なつきさん。どうかしましたか?」

「あの、お客さんというか…」

そう話すなつきの顔は険しかった。

ふと周りを見ていると、少し騒がしい。どうしたのだろうと考えていると

「明石さん!」

と声がした。

声の方を見ると、そこには剣崎がいた。なるほどと、さくらは心の中で頷いた。

「なつきさん、お客さんというのは」

「ええ、あの人です。なんでも話がしたいと…」

「分かりました。少し席を離します」

そう言うとさくらは剣崎の方に近づいた。

「剣崎さん、なにかご用ですか?」

さくらがそう言うと、ここで話すのもあれなので、と近くの自動販売機まで歩いた。

 

 

ピ、ガコン、ピ、ガコン

「はい、明石さん」

「ありがとうございます」

さくらは剣崎から渡された缶コーヒーをひとくち飲むと、話しかけた。

「それで、話というのは」

剣崎は、恥ずかしそうに

「えっと…わたしの部屋に、遊びに来てくれませんか?」

と言った。

「・・・あの」

「先輩から聞いたんですけど!」

「はい」

「偉い人が許可を出せばいいって言われて、水野さん―私の先輩が許可を出すって言ってくれて」

「剣崎さん」

「それで、ってすいません!明石さんの気持ち考えてませんでしたね…嫌、ですか?」

さくらは少し考えて

「今日でもよろしいでしょうか?」

と聞いた。剣崎はとても嬉しそうな顔で喜び、

「はい!もちろん!」

と元気よく答えた。

 

 

時は進み夕方、さくらは扉の前にたっていた。

こんこんとノックをすると、中から『はーい』と言う声が聞こえ、扉から剣崎が出てきた。

「明石さん!」

「こんばんは剣崎さん。昼ぶりですね」

「こんばんは!どうぞ、中に入ってください!」

中はさくらの部屋の二倍、いや三倍はある大きな部屋だった。

「最初に見せるのは明石さんがよかったんです。わたしの、最初の友達だったから…」

「そうですか」

「そうですか、って…ホントに恥ずかしがったりしませんね、明石さん」

そう言われたさくらは真顔で

「いえ、とても驚きと、喜びが発生しています」

と答えた。

「友達と思ってくれていたとは、とても思っていませんでした。すぐに別の人と仲良くなると思っていましたが」

「う…実は、明石さん以外とはほとんど喋れていなくて…」

そう語る剣崎の顔は暗かった。

さくらも剣崎の噂をよく聞いていた。

記憶喪失で、イージスの記録の無いウェポナー。

本来なら一年の訓練でやっと使えるようになるAEBWをすぐに使いこなし、最弱とはいえ一体異界獣を討伐したため、最速で前線に立った特殊な例。

一部のウェポナーやオペレーター以外、腫れ物扱いしているらしいと。

さくらはなにかを決めた様子で剣崎に話しかけた。

「・・・剣崎さん」

「は、はい、どうしましたか?」

 

「よければ、名前で読んでくれませんか?」

 

「・・・へ?」

「友達なら名前で呼びあうものかと思い、提案いたのですが…やはりやめておき「いやいやいや、呼びます!呼ばせてください!」そうですか」

ものすごい速さで首を振った剣崎は首を痛めていた。

「だったら、あか、さくらさんも名前で呼んでください!」

「分かりました。茜さん」

剣崎――茜は嬉しそうに顔を綻ばせた。

「これからも、よろしくお願いしますね、さくらさん」

「はい。茜さん」

 

 

一通り喋り終わったさくらは茜に別れを告げ、寮に帰宅していた。

 

ズルズル…ズルズル…

 

さくらはなにかを引きずるような音が後ろから聞こえてきた。

後ろを振り向くとそこには、

 

「・・・ふふふ」

 

紫の体液を頭から被り(異界獣の血だろう)、つるはしのようなものを引きずった長い紅色の髪の美少女がいた。

「・・・貴女、お姉ちゃん?」

少女はさくらにそう訪ねた。

「(年齢差的な意味なら)そうですね」

そう言われた少女は顔を輝かせ、

「ほんと!?貴女、わたしのお姉ちゃんなのね!」

そう言って抱きついてきた。

「お姉ちゃん、頭撫でて!」

「はい」

「んふふ…」

さくらに撫でられた少女は気持ち良さそうに目を細めた。

「・・・」

(何か、間違えたのでしょうか)

さくらは久しぶりに少し後悔した。

 

 

このまま放っておくわけにもいかず、寮に連れて帰ったさくらはひとまずお風呂に入れようとした。

そこで名前を聞くのを忘れていたのを思いだし、聞くことにした。

「あなたの名前はなんですか?」

「変なこというわね?お姉ちゃんなら、分かるでしょ?」

流れで連れてきてしまったが、さくらは知らない子で名前なんて分かるはずもなく…

「・・・あんじゅ、杏樹です」

思いついた名前を言うしかなかった。

「そっか…お姉ちゃんがいうなら、そうなのね!」

しかし、目の前の少女はそれでよかったらしい。

「わたし、キオクソーシツ、ってやつなの。名前も分かんなかったのよ。でもね、お姉ちゃんがいたのは覚えていたの!」

そういえば最近同じように記憶喪失のウェポナーの知り合いができたな、とさくらは思い出していた。

(・・・ウェポナー?)

さくらは少女―杏樹をお風呂に連れていき、一緒にお風呂に入った。

「体、洗いますね」

「洗ってくれるの?やったー!」

「ついでに、質問いいですか?」

「しつもん?なにが聞きたいの?」

「AEBW…あの武器、どこで手に入れたのですか?」

「えっとね、へんな化け物に襲われたときにね、助けて!って念じたら出てきたの。そうしたら、自由に出せるようになったのよ!ほら!」

 

ガンッ!

そう言うと杏樹は、つるはし型AEBWを召喚した。

「・・・危ないのでしまいましょうか」

(そういえば茜さんも持っていたとかなんとか聞いたような)

杏樹と自分の体を洗い、お風呂場から出て体を拭くとさくらは菓子パンを取り出し、杏樹に一つ渡した。

「お腹、空いてるでしょう?」

「ありがとう、お姉ちゃん」

そうさくらにお礼をいい、杏樹は食べ始めた。

どうしようかとさくらは悩んでいたが、

(まあ、明日考えましょう)

と考えた。

来客用の布団なんてあるわけもないので、さくらと杏樹は一緒のベッドて寝た。

 

 

朝起きると、横に入るはずの杏樹が見当たらなかった。

昨日の出来事は夢かと思い、起きようとするとなにか掴んでいることに気づいた。

それは一枚の紙で、

『お姉ちゃん、また夜ね』

と書かれていた。

夢ではなかったのだなと考えながら仕事の服に着替え、玄関を開けると

 

 

《カチャ》《カチャ》《カチャ》

「明石さくらだな。出頭命令が出ている。イージスまでご同行願おう」

 

 

そう銃を構えられながら黒服達に言われた。

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