ソシャゲに出てきそうな組織の一般職員(女)の話   作:暗黒技士

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第四話

「あの、さくらさん」

さくらがいつも通り仕事をしていると、そこになつきが話しかけてきた。

「なつきさん。どうかしましたか?」

「あの、お客さんというか…」

そう話すなつきの顔は険しかった。

ふと周りを見ていると、少し騒がしい。どうしたのだろうと考えていると

「明石さん!」

と声がした。

声の方を見ると、そこには剣崎がいた。なるほどと、さくらは心の中で頷いた。

「なつきさん、お客さんというのは」

「ええ、あの人です。なんでも話がしたいと…」

「分かりました。少し席を離します」

そう言うとさくらは剣崎の方に近づいた。

「剣崎さん、なにかご用ですか?」

さくらがそう言うと、ここで話すのもあれなので、と近くの自動販売機まで歩いた。

 

 

◆

ピ、ガコン、ピ、ガコン

「はい、明石さん」

「ありがとうございます」

さくらは剣崎から渡された缶コーヒーをひとくち飲むと、話しかけた。

「それで、話というのは」

剣崎は、恥ずかしそうに

「えっと…わたしの部屋に、遊びに来てくれませんか?」

と言った。

「・・・あの」

「先輩から聞いたんですけど!」

「はい」

「偉い人が許可を出せばいいって言われて、水野さん―私の先輩が許可を出すって言ってくれて」

「剣崎さん」

「それで、ってすいません!明石さんの気持ち考えてませんでしたね…嫌、ですか?」

さくらは少し考えて

「今日でもよろしいでしょうか?」

と聞いた。剣崎はとても嬉しそうな顔で喜び、

「はい!もちろん!」

と元気よく答えた。

 

 

◆

時は進み夕方、さくらは扉の前にたっていた。

こんこんとノックをすると、中から『はーい』と言う声が聞こえ、扉から剣崎が出てきた。

「明石さん!」

「こんばんは剣崎さん。昼ぶりですね」

「こんばんは!どうぞ、中に入ってください!」

中はさくらの部屋の二倍、いや三倍はある大きな部屋だった。

「最初に見せるのは明石さんがよかったんです。わたしの、最初の友達だったから…」

「そうですか」

「そうですか、って…ホントに恥ずかしがったりしませんね、明石さん」

そう言われたさくらは真顔で

「いえ、とても驚きと、喜びが発生しています」

と答えた。

「友達と思ってくれていたとは、とても思っていませんでした。すぐに別の人と仲良くなると思っていましたが」

「う…実は、明石さん以外とはほとんど喋れていなくて…」

そう語る剣崎の顔は暗かった。

さくらも剣崎の噂をよく聞いていた。

記憶喪失で、イージスの記録の無いウェポナー。

本来なら一年の訓練でやっと使えるようになるAEBWをすぐに使いこなし、最弱とはいえ一体異界獣を討伐したため、最速で前線に立った特殊な例。

一部のウェポナーやオペレーター以外、腫れ物扱いしているらしいと。

さくらはなにかを決めた様子で剣崎に話しかけた。

「・・・剣崎さん」

「は、はい、どうしましたか?」

 

「よければ、名前で読んでくれませんか?」

 

「・・・へ?」

「友達なら名前で呼びあうものかと思い、提案いたのですが…やはりやめておき「いやいやいや、呼びます!呼ばせてください!」そうですか」

ものすごい速さで首を振った剣崎は首を痛めていた。

「だったら、あか、さくらさんも名前で呼んでください!」

「分かりました。茜さん」

剣崎――茜は嬉しそうに顔を綻ばせた。

「これからも、よろしくお願いしますね、さくらさん」

「はい。茜さん」

 

 

◆

一通り喋り終わったさくらは茜に別れを告げ、寮に帰宅していた。

 

ズルズル…ズルズル…

 

さくらはなにかを引きずるような音が後ろから聞こえてきた。

後ろを振り向くとそこには、

 

「・・・ふふふ」

 

紫の体液を頭から被り(異界獣の血だろう)、つるはしのようなものを引きずった長い紅色の髪の美少女がいた。

「・・・貴女、お姉ちゃん?」

少女はさくらにそう訪ねた。

「(年齢差的な意味なら)そうですね」

そう言われた少女は顔を輝かせ、

「ほんと!?貴女、わたしのお姉ちゃんなのね!」

そう言って抱きついてきた。

「お姉ちゃん、頭撫でて!」

「はい」

「んふふ…」

さくらに撫でられた少女は気持ち良さそうに目を細めた。

「・・・」

(何か、間違えたのでしょうか)

さくらは久しぶりに少し後悔した。

 

 

◆

このまま放っておくわけにもいかず、寮に連れて帰ったさくらはひとまずお風呂に入れようとした。

そこで名前を聞くのを忘れていたのを思いだし、聞くことにした。

「あなたの名前はなんですか?」

「変なこというわね?お姉ちゃんなら、分かるでしょ?」

流れで連れてきてしまったが、さくらは知らない子で名前なんて分かるはずもなく…

「・・・あんじゅ、杏樹です」

思いついた名前を言うしかなかった。

「そっか…お姉ちゃんがいうなら、そうなのね!」

しかし、目の前の少女はそれでよかったらしい。

「わたし、キオクソーシツ、ってやつなの。名前も分かんなかったのよ。でもね、お姉ちゃんがいたのは覚えていたの!」

そういえば最近同じように記憶喪失のウェポナーの知り合いができたな、とさくらは思い出していた。

(・・・ウェポナー?)

さくらは少女―杏樹をお風呂に連れていき、一緒にお風呂に入った。

「体、洗いますね」

「洗ってくれるの?やったー!」

「ついでに、質問いいですか?」

「しつもん?なにが聞きたいの?」

「AEBW…あの武器、どこで手に入れたのですか?」

「えっとね、へんな化け物に襲われたときにね、助けて!って念じたら出てきたの。そうしたら、自由に出せるようになったのよ!ほら!」

 

ガンッ!

そう言うと杏樹は、つるはし型AEBWを召喚した。

「・・・危ないのでしまいましょうか」

(そういえば茜さんも持っていたとかなんとか聞いたような)

杏樹と自分の体を洗い、お風呂場から出て体を拭くとさくらは菓子パンを取り出し、杏樹に一つ渡した。

「お腹、空いてるでしょう?」

「ありがとう、お姉ちゃん」

そうさくらにお礼をいい、杏樹は食べ始めた。

どうしようかとさくらは悩んでいたが、

(まあ、明日考えましょう)

と考えた。

来客用の布団なんてあるわけもないので、さくらと杏樹は一緒のベッドて寝た。

 

 

◆

朝起きると、横に入るはずの杏樹が見当たらなかった。

昨日の出来事は夢かと思い、起きようとするとなにか掴んでいることに気づいた。

それは一枚の紙で、

『お姉ちゃん、また夜ね』

と書かれていた。

夢ではなかったのだなと考えながら仕事の服に着替え、玄関を開けると

 

 

《カチャ》《カチャ》《カチャ》

「明石さくらだな。出頭命令が出ている。イージスまでご同行願おう」

 

 

そう銃を構えられながら黒服達に言われた。

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