正直原作のシーンまんま描写するのってめっちゃつまらなくて苦行なんですよね。
とりあえず今回は書きましたが、次からは亜鬼の登場シーンと繋ぎだけを切り取って書こうと思います。
開幕
伏黒恵は担任の五条悟に依頼され、宿儺の指を回収するために仙台市杉沢第三高校に来ていた。濃密な呪力を放つ呪物は低級の呪霊を寄せ付けない蚊取り線香のような効果がある。だが時を経ると呪いが転じて逆に呪霊を引き寄せるようになるのだ。
その中でも仙台市杉沢第三高校に設置されているのは危険度が高い特級の呪物。呪いの王、両面宿儺の二十本ある指の中の一本である。
「百葉箱!?そんなところに特級呪物保管するとか馬鹿すぎるでしょ」
伏黒恵は電話越しで五条に文句を言った。実際百葉箱は授業で使うこともあると思うのでなぜ今まで見つかっていなかったのかは謎だが。
『アハハ、でもおかげで回収も楽でしょ』
五条はそう言うが、なんとも無責任なことである。回収が楽だということは伏黒だけではなく一般人にも言えることなのだが。
伏黒はイライラしながら百葉箱を開け、中を確認する。そして血の気が引いた。
「・・・ないですよ」
『え?』
「百葉箱“空っぽ”です」
そこにあるはずの特級呪物は忽然と姿を消していたのだ。
◆
そろそろか。
私はモーニングルーティンの明希とのイチャイチャを終え、トーストを頬張っていた。朝はご飯派なのだが、手軽に済ませたい時はパンの方が楽だ。
ささっと身だしなみを整え、外に繰り出す。今日は私が受け持つ四人全員が任務の最中なので授業がない。好都合だと言えるだろう。
昨日、五条先生から伏黒君を仙台何とか高校へ特級呪物回収の為に向かわせたと聞いた。聞き覚えがあるどころの話じゃない。完全に原作開始じゃないか!
ずっと前から備えていた原作が遂に始まろうとしている。
さて、これからの動きを話そうと思う。
まず虎杖君受肉シーンに立ち会うかどうか、もっと遡ると虎杖君を受肉させることなく私が駆けつけて二級呪霊を祓ってしまうことも考えた。だがそれは悪手だ。私が駆けつけ、結果的に虎杖君が受肉しなかったら原作が全てまるごと変わってしまうことになる。
その時、羂索の動きが全く読めなくなり、今まで組み立てて布石を打ってきたのが全て無意味と化す。
だから申し訳ないが虎杖君には受肉してもらう。
だが約束しよう。私が絶対に死刑は阻止して見せるとな。
ということで原作の名シーンである虎杖君受肉から五条先生登場、夜蛾先生との面接から野薔薇ちゃんのお迎えまでは全く関わらないことにした。
関わるのは呪胎戴天からだ。宿儺が虎杖君相手に縛りを結ぶのを阻止したい。
後悩むところとしては二つある。
吉野順平を救うか。そしてどうメカ丸を助けるかである。
メカ丸を助けるのは確定事項だ。彼は戦力としても必要だし、何より絶対に三輪ちゃんと幸せになって欲しいからだ。助けた場合渋谷事変に大きな影響があるが、それは私がカバー出来る範囲なので問題ない。
そして吉野順平である。彼の死があったから虎杖はあそこまで強くなれたし、虎杖の覚悟が決まったと言っても過言ではない。言い方は悪いが、あれは原作において間違いなく必要な死だったのだ。
それは決して私の努力程度でカバー出来る範囲ではない。虎杖君の精神面でも、呪力面でも言えることだろう。
だが決めた。
私は全員助ける。全員救う。この小さな手で守ることが出来る可能性が少しでもあるなら。私の力が届く範囲なら。
全てを救う。その為に鍛え上げた力だ。
◆
虎杖悠仁は類稀なる才能の持ち主だ。
フィジカルギフテッドなのではないかと疑ってしまうほど素の身体能力が高く、天性の戦闘センスを持ち、相手の命を獲りにいくと言う分野においてトップクラスのものを持っている。
更に宿儺相手に難なく自我を保つことが出来る千年生まれてこなかった逸材でもある。
彼は頼れる味方となる。五条はそう確信していた。
現在、虎杖の秘匿死刑を何とか引き延ばし、執行猶予をもぎ取った。この間に虎杖を鍛え上げ、殺されないだけの力をつける必要がある。それに加えて残りの宿儺の指も集めなければならない。
宿儺の指は五条ですら破壊できない呪いの王の屍蠟である。それら二十本全てを虎杖に食べさせてから殺すことで世界から両面宿儺という恐ろしい呪いを抹消できるという考えだが、もちろん五条に虎杖を殺すつもりなどない。
上層部を納得させる為の詭弁のようなものである。
虎杖が宿儺を受肉するまでの流れは伏黒から聞いたし、彼が根っから善良だということは明白だ。なればこそ彼を殺させる訳にはいかないと考え、五条は虎杖を呪術高専へと招き入れた。
これで呪術高専一年生は三人である。
波乱が幕を開けようとしていた。
◆
虎杖はいまだに悩んでいた。
祖父が死去し、先輩も意識は戻っていない。
急に様々なことが連続して起き、感情の整理も情報の整理も追いついていないのだ。
今彼に残された選択肢は二つ。
今すぐ死ぬか、宿儺の指を全て探し出し、取り込んでから死ぬか。
どっちにしても自分が死ぬことは確定しているようだが、それでも伏黒を守りたいと思って宿儺の指を飲み込んだことは後悔していない。
「宿儺が全部消えれば、呪いに殺される人も少しは減るかな」
虎杖は隣に座る五条へとそう問うた。この期に及んで自分のことではなく他人のことを気にするのだから彼は底なしのお人好しだろう。
「勿論」
その答えに納得し、虎杖は五条から受け取った二本目の宿儺の指を飲み込んだ。普通なら宿儺に体を奪われ、意識など失われる筈だ。
「まっず、笑えてくるわ」
だが虎杖は難なく意識を保った。これにより虎杖が宿儺の器であることが確定した。
「“覚悟はできた”ってことでいいのかな?」
「・・・全然、なんで俺が死刑なんだって思ってるよ」
それでも彼は言葉を紡ぐ。
「でも呪いはほっとけねえ。本当面倒くせえ遺言だよ」
虎杖の祖父が残した遺言は彼を突き動かす原動力となった。
「宿儺は全部食ってやる。あとは知らん」
──自分の死に様はもう決まってんだわ
五条はその答えに満足し、嬉しそうに笑った。
虎杖が呪術高専へと入学するにあたり、乗り越えなければいけない試練がある。
それこそ夜蛾学長との面談だ。下手を打つと入学拒否されるという地獄の試験である。
「とりあえず悠仁はこれから学長と面談ね」
「学長・・・」
「下手打つと入学拒否られるから気張ってね」
「ええっ!?そしたら俺死刑!?」
「なんだ、貴様が頭ではないのか」
五条と虎杖の会話に口を挟む者がいた。虎杖の頬に現れた宿儺の口である。
宿儺は虎杖に受肉した際五条と戦い、決着が着かなかったことで五条を敵視している。
それでも五条の強さだけは認めていた。
「力以外の序列はつまらんな」
そう言って嗤う宿儺を引っ叩く虎杖。
「小僧の体をモノにしたら真っ先に殺してやる」
「宿儺に狙われるなんて光栄だね」
「やっぱこいつ有名なの?」
そして五条は語る。宿儺の強さを、紛うことなき呪いの王だと。
「先生とどっちが強い?」
その質問に思わず五条は笑ってしまう。それは彼が最近になってよく聞かれる質問だったからだ。特に上層部の連中は何度も五条にその質問をぶつけてきた。比較対象は宿儺ではないが。
「うーんそうだね」
実際迷うところだ。以前の自分ならまだしも、亜鬼と特訓した自分が負けるかと聞かれれば・・・
「僕かな」
五条は自身ありげにそう答えた。
◆
「盛岡までで既に四時間・・・ようやくあのクソ田舎ともおさらばね」
呟くのは一人の女性。呪術高専一年最後の一人、釘崎野薔薇である。
「午後には東京かあ・・・スカウトされたらどうしよう」
全くする必要のない心配を提げ、紅一点が東京へとたどり着いた。
こんなだらだら書いたものを世に出していいのか・・・
次からもう呪胎戴天入って絶対楽しませてみせるので許してください・・・
視点質問!
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原作の視点で進めて欲しい。
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今のままの視点で進めて欲しい。
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それぞれ半々くらいで進めて欲しい。
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閑話で他視点をもっと追加してほしい。