呪霊廻戦 〜呪霊で教師になります〜   作:れもんぷりん

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 次回予告が...

 どうしても戦闘だけで一話使いたくて...
 ごめんなさい


星漿体編
天才


 

 その日、呪術界に激震が走った。

 

 ”神童”五条悟、呪術高専に入学。

 

 呪術界において御三家と呼ばれる名家のうちの一家、五条家の跡取り。五条家相伝の無下限呪術に六眼という特異体質を持ち、生まれながらの絶対強者として生まれた彼は、幼い頃から最強だった。

 

 敵がいない。

 

 張り合いもない。

 

 無限を操る彼の術式は彼に挫折を、障害を、敗北をたった一度として与えなかった。

 

 

 そんな彼が呪術高専に入学して得たのは、唯一無二の友だった。

 

 他人に反転術式を使えるという特異な存在である、家入硝子。

 扱いにくく、珍しい術式である呪霊操術を使いこなす夏油傑。

 

 夏油もまた類稀なる天才であり、五条と夏油はお互いをライバルとして、また親友として認めていた。

 

 親友同士、お互いに意見が衝突して喧嘩をすることも度々ある。

 

 

 3人が入学してしばらく経ち、2年生になった。

 

 

「弱い奴等に気を遣うのは疲れるよホント」

 

 五条は広範囲に効果を及ぼす無下限呪術の使い手であり、また青年期特有の跳ねっ返りも相まって非術師達への配慮を面倒に思っていた。

 

「弱きを助け、強きを挫く。 いいかい悟」

 

 

呪術は非術師を守るためにある

 

 

 夏油は”弱者生存”こそがあるべき社会の姿だと考えており、非術師を守るべき対象だと考えていた。

 

 

 意見の衝突だ。

 

 

「それ正論?」

 

 五条が煽るように問いかけた。

 

「俺、正論嫌いなんだよね」

 

 ポジショントークで気持ちよくなってんじゃねーよ

 そう嘯く五条に対し、夏油は顔を顰めつつ応える。

 

 その時には既に、戦闘力を持たない家入は教室の外に逃げ出していた。

 

 溢れ出す濃密な呪力で大気が揺れ、雰囲気が張り詰めていく。

 

 

「外で話そうか、悟」

「寂しんぼか?一人でいけよ」

 

 お互いに言葉を交わし、遂に衝突するかと思われたその時。

 

 

 ガラッ

 

 

 扉が開かれ、誰かが中に入ってくる。

 

 次期学長とも噂される担任の夜蛾正道だった。

 だが、その表情は暗い。

 

「硝子はどうした?」

 

 夜蛾がそう問いかける頃には既に、二人は何事も無かったかのように席に着いていた。

 

「さあ?」

「便所でしょ」

 

 息ぴったりにしらばっくれる二人。

 

 

 そして夜蛾はそんな二人に対して”重すぎる”任務を与えた。

 

「天元様のご指名だ」

 

 その言葉を聞いた二人は驚いた。天元様とはいうなれば日本の呪術界の基底ともいえる存在である。

 

「依頼は二つ」

 

”星漿体”天元様との適合者

 

      その少女の護衛と

 

             抹消だ

 

 

 

 星漿体編が幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 星漿体とは天元の同化対象である人間のこと。

 

 夜蛾は任務の内容をぼかさず二人に伝えた。

 天元との同化とはその対象の抹消を表す。

 

 つまり、任務で人を殺せと言っているのと同義だと。

 

 

 

 

 

 

 

 二人は星漿体を迎えに行った。

 

 星漿体の名前は天内理子。 星漿体ということ以外はただの女子中学生である。

 

 少女を狙う呪詛師集団「Q」とのいざこざはあったものの、二人は無事に天内と合流出来た。

 

 そこで二人は天内理子という少女に触れ、それが本当にただの女子中学生だということを知る。

 気丈に振る舞ってはいるが、それだけだ。

 

 同化すれば友人とも、幼い頃から天内の世話をしていたお付きの者である黒井美里とも別れることになる。

 

 

 本当にただの少女だったのだ。

 

 

 二人は想う。

 

 

 

 本当にこの少女を自らの手で同化させるのが正しいことなのか?

 

 

 

 

 だがそんなことを考えている間にも事態は加速していく。

 盤星教と呼ばれる天元を信仰する団体が天内理子と天元の同化を防ぐべく、裏のサイトに高額の賞金首として依頼を出したのだ。

 

 

 二人はその襲撃を幾度となく防ぎ、天内理子に最後の思い出をつくるべく沖縄の海で共に遊んだ。

 

 

 

 もう二人はこの少女を殺せない。

 

 

 

 だがもうすぐこの幸せな時間も終わる。

 

 

 

 

 

 

 

 遂に呪術高専へと着いた。

 ここは結界内、これで一安心だ。

 

 既に天内理子の懸賞金は取り下げられており、襲撃者もいない。

 

 五条悟はずっと張り詰めていた体を弛緩させ、"三日間"ずっと自身の周りに張っていた無下限呪術の結界を解いた。

 

 

 

 

 

 

 

 トスッ

 

 

 

 

 

 

 

 軽い音がして。

 

 

 

 五条の胸から刀が突き出ていた。

 

 理由は様々あるだろう。懸賞金が既に取り下げられていたこと、結界内について油断したこと、無下限呪術を解いてしまったこと、その男に"呪力が全くなかった"こと。

 

 

 

 そして・・・

 

 

 

 その男もまた、別の形で最強だったことだ。

 

 

 

 

 

 

「アンタ、どっかで会ったか?」

 

 

「気にすんな、俺も苦手だ・・・

 

 

   男の名前覚えんのは」

 

 

 完全に原作の神シーンに遭遇してしまった件について。

 これは星漿体編における最強の敵である伏黒甚爾の最大の見せ場であり、最高の名シーンでもある。

 

 この伏黒甚爾という男、フィジカルギフテッドという、呪力を持つ人間が生まれつき天与呪縛によって呪力が無い状態で縛られた時だけ発現する、身体能力という面で最強の人間である。

 

 しかもそれだけでは無い。

 

 伏黒甚爾は武器収納呪霊を飼っており、さまざまな武器を戦いの中で持ち替えて使うことができる。

 その中の一つ、天逆鉾は「発動中の術式を強制解除する」というあまりにもチートすぎる能力を持っている。

 

 作品内でもトップ5には入るぐらいに強いんじゃないだろうか。

 

 見ているうちに戦いは進んでいき、遂に五条の首に天逆鉾が突き刺さる。

 これは五条の無下限呪術を天逆鉾によって強制解除したという訳だ。

 

 

 いやチートすぎ!

 

 

 そのままとどめと言わんばかりに五条の体に天逆鉾を何度も突き刺し、戦いを終えた伏黒甚爾。

 

 

 

 そうか、今から天内理子を殺しにいくのか。

 原作ではこの天内理子殺害は成功する。

 

 五条や夏油が悪かった訳では無い。単にこの男が強すぎたのだ。

 

 

 その後に覚醒した五条によって伏黒甚爾は倒されるのだが......

 

 

 

 

 

 許せねえよな

 

 

 

 

 

 ただ普通の生活をしたいだけの少女の未来を奪うなんて許せない。

 

 原作の流れでは、天内理子の方は放っておいても夏油がなんとかしてくれるが、この男だけは駄目だ。

 

 

 殺されてしまう。

 昔、明希が自分と重ねたという天内理子が。

 

 

 

 よし・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私が守る。守ってみせる。

 

 

 

 正直勝率は低いだろう。

 

 それほど強いのだ。この男は。

 だが相性はいい。

 私の戦闘スタイルは近接一択だが、術式頼りの戦い方ではない。

 

 身体能力を上げ、空を蹴り、明希によってもたらされた戦闘センスでひたすらインファイトだ。

 

 

 これしかない

 吸収術式や硬化術式に頼った戦い方では天逆鉾の良い餌食だ。

 

 

 

 さあいくぞ。

 

 

 

 

 覚悟を決めろ。

 

 




 次回、初めてのまともな戦闘回
 がんばれ主人公!
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