節狐との戦いに辛くも勝利し、闇華と来羅の隠れ家で少しの休息をした焔斗。自身の”真理ノ焔”についても少しわかったところで、2人と別れて旅を再開する。しかし、すぐ後に”現界の放浪魔王”レーヴァテインが現れ、力を見せろと要求される。なにやら急いでいるようだが、いったい……
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「……時間が無い?一体どういうことだ?」
︎ いきなり現れて、時間が無いなどと言うレーヴァテインに対して、焔斗は武器を構えながら問いかける。
「そのままの意味さ。少々、急いで魔界に行った方が良いと判断した。」
「なぜだ……?」
一瞬、天界からの侵略の件かと思ったが、それはないと判断する。なぜなら、彼は天界の事を知らないはずなのだ。魔王ということもあり、もしかしたら知っているのかもしれないが。
「厄介な奴が魔界に降りた。だから急いだ方がいい。」
厄介な奴。それはつまり、妹の身に危険が迫っていると遠回しに言われたようなものだ。
「ま、待てよ!そんなやつ魔界に降ろしたのか!?」
もしそうだとするなら、ほんとに急いだ方がいい。彼がそう言うのも納得出来る。
「……何か勘違いしているようだが、魔界への扉を開けられるのは俺だけじゃない。それに扉なのだから、向こう側からも開けれるわけだしな。」
よくよく考えてみればその通りだ。彼以外に扉を開けられる者が居ることは驚いたが、確かに魔界側から招くのであれば、向こうから開けてやればいいだけの話。強くなることが必要なのは当たり前だが、他にも魔界に行く方法はあったのかもしれない。
「……妹は、無事なのか?」
「さぁ。それは知らない、向こうを見れるわけじゃないからな。ただ1つだけ言えるのは、命を奪われるようなことにはならない。少なくともな。」
「なぜそう言い切れる?」
彼が厄介な奴と言うくらいなのだから、弱いなんてことは無いはず。ならばいくら俺より強い妹(現状はどうか分からないが)とはいえ、多少なりとも命の危機はあるはずだ。それをないと断言したのだ。
「一応、知り合いだからな。こういう時に奴が何をするのを好むか位はわかってる。」
「……そうか。まあ、いい。こうして話してる暇じゃないってことは伝わった。……行くぞ。」
「いいぜ来い。」
なぜ、彼がここまで自分達の事を気にかけてくれるのかは分からない。今回の件も助かりはしたが、彼にメリットがない。焔斗をやる気にさせる、という意味なら分からなくもないが、そんなのは今更だ。妹と離れてしまっている時点でやる気はMAXである。
「ふっ!」
思い切り地面を蹴り接近する。『獄焔纏装』はまだ使わない。体力面での心配もあるし、なにより、今の普通の自分で(常時紅焔纏装ではあるが)あれからどのくらい強くなったか確かめたかったのだ。
「……ッ!」
レーヴァテインはこの攻撃を”弾いた”。そう、弾いたのだ。あの時は、そのままほぼ全てノーガードで受けて無傷だったのに。彼が防御という選択肢を選んだ。つまり、その位は成長しているということだ。攻撃が届いていない時点でまだまだではあるが、それは1つの自信に繋がった。
「……俺相手に小手調べとは、舐められたものだな。」
「俺も強くなったってこと……さ!」
レーヴァテインの視界から焔斗が消える。刹那、彼の腹部に衝撃が走った。
「ぐっ……!?」
「なるほど、今の俺なら”止められるんだな”。」
焔斗は『獄焔纏装』状態になり、時止めの技『お世話の時間』(執事タイム)を使用したのだ。かつて最初に節狐と出会った時に使用し、破られた技。自身の力が相手の力に負けていると、時止めは成功しない。レーヴァテインはまだ本気を出していない、という理由もあるが、今の彼にはこの技が通用したのだ。そのままレーヴァテインは吹き飛ばされ、木を何本かなぎ倒してから、その後ろの木の幹に打ち付けられる。
「どうだっ!」
焔斗が自信ありげにそう叫ぶと、レーヴァテインは大してダメージを受けた様子もなく立ち上がる。それはそうだ、焔斗だって分かってる。この程度でダメージを与えられるような甘い相手では無いことくらいは。それでも、ちょっとくらいダメージ受けた様子見れたらな、と思ったのだ。
「まあ、そうだよなぁ。」
「少しは腕を上げたようで何よりだ。正直想像以上だぞ。今の1発が”本気ではない”のだからな。」
「……そりゃどうも。」
そう言った後、レーヴァテインは”剣を鞘から抜いて構えた”。最初出会った時は、剣は最後の”禁忌ノ焔”を見せる時以外は鞘に納めたまま、焔斗をボコボコにした。抜く必要がなかったからだ。つまり今回は、剣を抜いて戦うほどの相手と認められたわけである。まだ戦いは始まったばかりだが、焔斗はそれが少し嬉しく思えた。
「影の刃にてちぎり飛べ。『影剣・黒影刃』!」(えいけん・こくえいじん)
前回戦った時に使われた『影纏・影乱』とはまた別の技だ。すれ違いざまに斬り刻むのではなく、無数の影の斬撃を飛ばしてきた。それを、なんとか躱したり弾いたりして凌ぐ。だが、その間待っていてくれるはずもない。背後に殺気を感じ、気配を頼りに左腕の盾を後ろに回す。ギィンッというぶつかる音と共に、衝撃が焔斗を、襲った。
「ほう、これを止めるか。」
「ぐっ!?」
剣は防ぐことが出来ても、衝撃までは相殺しきれなかった。盾ごと押されて飛ばされてしまう。そして、目の前にレーヴァテインはいるはずなのに、足元から殺気を感じた。
「影の追撃。『影追乱舞』。」(えいついらんぶ)
「っ!?」
足元、焔斗の影から影の斬撃が襲いかかる。なんとか反応し、斬撃から逃れるように立ち回るが、全て受けきれなかった。ところどころに斬撃が掠り、傷をつけていく。
(分かってはいたけど、”禁忌ノ焔”なしでこの強さかよ!)
レーヴァテインはまだ”禁忌ノ焔”を1度も使っていない。何かしらオーラを纏ってはいるが、あれは今している影の纏装術だろう。焔斗はずっと気になっていることがあった。これまでずっと、魔王以外は1属性しか使用していなかった。しかし、現に今目の前で魔王は影の魔力を使っている。”禁忌ノ焔”という属性があるにも関わらず、だ。つまり、この世界では適性魔力はあれど、1人1属性しか使えない縛りなんてないのでは無いか、と考えたのだ。
「……試してみるか。」
影の斬撃をなんとか耐え切り、レーヴァテインの方を見て手をかざす。
「……まだ倒れないか、そして、戦意も消えていない。ほんとに強くなったな、お前。」
「そりゃどうも。……これならどうだ?」
1番脳に焼き付いていてイメージしやすい式句を口にした。
「システムコール。ジェネレート・クライオゼニック・エレメント!」
SAOアリシゼーション編での、神聖術だ。
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その頃、魔界では紫紅の体力も回復し、『紅雷纏装』のコントロールにも慣れてきた頃だった。魔王城のメンツとも以前より打ち解け、ここが家のような雰囲気をだしていた。
「あ、いけません。果物が足りないですね。ここで育てているものももう少し熟したいですし……。」
トモが冷蔵庫(のようなもの)の中を覗きながら、困ったようにそう呟く。
「え、そうなの?じゃあ、野生で成ってるの採って来た方がいいかしら?」
その声を聞いたトモは、すぐに頷いた。
「ええ、もし良ければお願いします。この荒れた地では探すのは苦労するかもしれませんが……。」
「気にしないで。行ってくるわね。ある程度集めるか、しばらく探して見つからなかったら戻ってくるわ。」
「お気をつけて。遠くに行き過ぎないでくださいね。大丈夫だとは思いますが。」
「ええ。分かってるわ。」
そう言って紫紅は魔界の地を走り出す。『紫雷纏装』で雷のごとく早く移動できるため、探索面でもすごく便利なのである。移動速度で言えば、空間転移には明らかに負けるが、こういう探し物をする際には目で見られないと意味が無い。
(何度見ても、荒廃しきってるわね、魔界って。)
走りながら改めてそう思う。幾らか町や村があり、亜人等が暮らしているとは言えど、どこも食料はギリギリか、もはや足りていなくて餓死してしまう者もいるほどだ。SAOアリシゼーションでのダークテリトリーの風景を思い出す。
「っと?」
視界の端に、果物の成る木がある小さな森ちらっと見えたため急停止する。先程述べた町や村の近くは、その住民が採り尽くしていたり、これから採る予定のものが多い。そもそもそんな所から奪えば、その人たちが飢えてしまうかもしれないので、狙うのは辺りに何も無い所にある果物だ。しかし、何も無いという所はむしろ魔物も多いということになる。狩る者がいないので繁殖しているのだ。
「よっ、ほいっと。ごめんなさいね、少し貰っていくわよ。」
襲いかかってくる魔物を、片手棍で爆散させながら熟した果物のある木を探す。
「お、この辺のが良さそうね。」
ちょうどいいくらいに熟した果物を採取する。この魔界の果物は種類がほとんどない。だが、トモの手にかかれば色んな料理になって食べる人を飽きさせない。ちなみに、最初に紫紅が飲ませてもらったフルーツウォーターのようなものにもこの果物の果汁が入っていたらしい。
「あれ、また飲みたいなあ。」
あの時は、極度の空腹状態だったというのもあるとは思うが、口の中に広がるあのフルーティな味。疲れを癒すようにしみ渡る程よい甘さが忘れられない。今度またお願いしてみようかと楽しみに思いながら採取を続ける。
「よし、このくらいでいいかな。」
あまり取りすぎても次のものがなくなってしまう。この場所を覚えておいて、また足りなくなった時見に来てもいいだろう。木を1本引っこ抜いて、持ち帰って植えることも考えたが、どう考えても怒られる未来が見えたのでやめておいた。
「きゃあああ!」
「え!?」
採取が終わり、木から降りると女性の悲鳴が聞こえた。さすがに放って置けないので、声のした方に全力で走る。すると、
「ひ……だ、だれか……」
「グルルルル……」
狼型の魔物に囲まれた、典型的な魔女の格好をした女性が目に映る。帽子は転んだ際に落としたのか、もしくは魔物に飛ばされたのか、少し離れたところに落ちている。誰かは分からないが、助けない理由は、ない。
「もう、大丈夫ですよ。我が雷よ、魔の者を撃ち滅ぼせ!『滅魔雷槌』!!」(めつまらいつい)
紫紅は女性のところに駆け込み、周囲の魔物全てに対して、雷のメイス複数出現させてを打ち込む。以前トモとの練習で使っていた『無限紫雷棍』の応用だ。あれは魔力尽きるまで、無限に相手に雷で形成された片手棍を打ち込んでいたが、これは広範囲複数の敵に対して、確実に1撃を入れるようにしている。ちなみに、今回は生き残った魔物は居なかったが、もし生き残っていれば続けて2発、3発と撃ち込まれるようになる。一瞬の火力は劣るが、片手棍使いが苦手とする対多数での戦闘向きの技だ。
「あ、ありがとうございます……。」
「どういたしまして。怪我、してますよね?軽い傷なら、あたしでも治せます。」
魔物の攻撃が掠ったのであろう傷と、転んだ時にできた擦り傷もあったのでそう提案し、了承したのを見て治療をする。
「これでよしっ、と。立てます?」
「は、はい……。大丈夫です。」
どうやら、歩いたりするのに支障があるほどのダメージは受けていなかったようだ。外傷はなくても、何か特殊な攻撃を受けていたら何らかの障害が出ることもある。今回はそんなこともなかったようで安心する。
「えっと、どこから来たんですか?」
「あ、ここから遠くの小さな町から、修行のために出てきてて……。」
この近くには町等は無かったはず。そう思い問いかけてみたが、どうやら旅人だったようだ。
「んー、もし良ければ、1度あたしの居る所に来ますか?まあ、あたしも居候みたいなものなんですけどね。」
苦笑しながらそう提案してみる。この近辺に町等はない。それならいっその事、一緒に城に戻るというのもありだと思ったのだ。
「!いいんですか?そこまでお世話になっちゃうのは、ちょっと申し訳ないのですが……。」
修行のために旅に出たと彼女は言っていた。それもあって他人に頼りすぎるのに抵抗があるのだろう。だが、先程の魔物にやられそうになるようであれば、ここで別れたところですぐに危険が襲うだろう。むしろ、遠くからここまで来れたことが奇跡だと思えた。
「気にしないで大丈夫ですよ~。命あっての修行です、死んじゃったら意味がありません。自分のペースでいいんですよ、こういうのは。」
そう言って説得する。紫紅自身、トモとの修行で自分のペースが大事ということは、痛いほど理解していた。
「じ、じゃあお言葉に甘えて……。で、でもっ、道中の魔物との戦闘は基本的に任せてください!もし、ほんとにダメそうだったら、助けてください……。面倒と思うかもしれませんが、私も強くなりたいのです。」
「うん!そういうことなら任せてください!……というか、もっと砕けて話しませんか?こう畏まったの苦手で……。」
相手の提案に頷き、もっとフランクに話すように促してみる。これから帰るまで一緒に行動するなら、ずっとこの口調だと空気が固すぎる。相手へのストレスにもなりかねない、かもしれないと思った。
「あ、わかりまし……わかったわ。そうし……そうするね。」
「ん!ありがと!あたしは紫紅、よろしくね!」
「私はしゃろん。こちらこそよろしくねっ。」
こうして2人は、魔王城への帰路を進むのであった。
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場所は戻り現界。こっちの世界では、イメージが魔法となる。つまり、詠唱はその魔法をより強くイメージできる言葉で良いのが幸いし、焔斗は神聖術を連発していた。
(ちっ、こいつ、”真理ノ焔”だけじゃないのか!?にしても、属性がありすぎる!どうなってやがる……。)
レーヴァテインは、襲いかかる神聖術(この世界では魔法)を難なく対処しながらも、驚きを隠せないでいた。
「バーストエレメント!」
焔斗は風素を利用して一気に加速し、レーヴァテインに迫り連撃をお見舞する。
「焔よ舞え!『焔槌乱撃』!」(えんついらんげき)
「ぐっ……!?」
急な接近、そして今まで見せたことのなかった技に、レーヴァテインは対処しきれず、何発かモロにくらってしまう。
「がはっ!」
「ここだ!『終末ノ焔撃砲』!!!!」
少し怯んだところを見逃さず、すかさず『焔ノ鼓舞』を自分にかけ、現段階最大火力の技をゼロ距離で放つ。森が燃えて大火事にならないよう、角度は上の方に向けて木に当たらないようにしている。普通の魔法位の威力ならすぐに消せるが、これは焼け野原にしてしまうからだ。
「俺相手に……よくここまで……」
「ッ!やっぱダメか!」
煙だっているため、前の視界は見えていなかったが、レーヴァテインの声がした瞬間、一気に距離を取る。彼は無傷……という訳でもなかった。”禁忌ノ焔”をやっと解放し防いだようだが、直撃だったために、所々に傷が見受けられる。
「褒めてやろう、俺を本気にさせるとはな。」
「……そうこなくっちゃ。」
ここからが勝負どころだ。正直今までのも、ここまで出来るとは思っていなかったが、相手が”禁忌ノ焔”を解放した時点で、焔斗の”真理ノ焔”との戦いになるわけだ。今の焔斗にどこまで”禁忌ノ焔”に対抗できるか。
「禁忌の力に飲まれて燃え尽きろ!『禁忌ノ焔剣・紫爆焔刃』」(きんきのえんけん・しばくえんじん)
最初に見せてもらった一閃とはまた別の技。”禁忌ノ焔”を纏った無数の刃が、焔斗に襲いかかる。
「くっ、でもこの程度なら……!」
”禁忌ノ焔”は強力だが、”真理ノ焔”はそれに対する対抗魔力みたいなもの。いくら強いとはいえ、影の刃を対処した時と同じ程度の難易度だった。もっとも、対抗魔力使ってもそこまでしか簡単にならないと考えると怖いが。
レーヴァテインの攻撃を凌ぎ、体勢を立て直す。そして、”禁忌ノ焔”を封じるように、改めて考えた技を放つ。
「禁忌の力よ、我が真理の力にて沈黙せよ!『真焔縛陣』!」(しんえんばくじん)
レーヴァテインの足下に魔法陣が浮かび上がり、その端々から”真理ノ焔”を纏った縄が伸びる。それは彼の手足を縛り、”禁忌ノ焔”を徐々に抑え込んで行った。
「くぅ……!」
抑え込んではいるが、まだ完全ではない。と、いうのも、あと少しのところで抑えきれないのだ。まるで、腕相撲であと少しで勝てそうなのに押し切れない、そんな感じだ。無論、相手は余裕の表情である。
「はぁっ!」
「っ!?」
レーヴァテインが一際強く”禁忌ノ焔”を解放したことにより、せっかく縛っていた”真理ノ焔”が吹き飛ばされてしまう。やはり今の技量では、封じることは不可能なようだ。
「なら叩くまでだっ!」
封じられないなら倒すしかない。そう考えて、一気に攻め込む戦闘スタイルに変える。紅い焔と紫の焔が何度もぶつかり合い、激しい戦闘を繰り広げる。
「やっぱ強え……!」
「お前の方こそ、この短期間でよくここまで伸びたものだ。」
最初は互角のように見えたが、やがて徐々に焔斗が押され始める。魔力が減ってきたのだ、いくら効率よく使うように修行したとはいえ、まだ完璧じゃない。それに、そもそもの魔力量が違うのだ。無理もないことだろう。
「こうなったら……!」
「む?」
焔斗は一旦、レーヴァテインから距離を置く。そして、魔力を最大限まで高める。長期戦になってじわじわと負けるくらいなら、ここで全ての力を出し切ってしまおうと思ったのだ。これで倒せるとも思えないが、地味に負けるよりはマシだ。
「我が焔の渦に呑まれろ!『激流爆焔撃』!」(げきりゅうばくえんげき)
思い切り地面を蹴り、正真正銘最後の一撃をレーヴァテインに撃ち込む。彼の纏う焔を撃ち抜いて、焔斗の攻撃が届いた。
隕石でも落ちたかのような大きな音が響き渡る。煙が立ち込めて、周囲は見えない。
「へへっ、さすがに効いたみたいだ、な……。」
「ふん、や、やるじゃねぇか……。」
焔斗の攻撃が”禁忌ノ焔”を貫いた際、咄嗟に体を庇った左腕から血を流しながら、レーヴァテインは笑う。確かにダメージは与えたが、決定打では無い。しかしそれは、確実に成長した証となった。
「まだ、だ、まだ戦……え……。」
ドサッ、と焔斗は地面に倒れる。魔力切れもあるし、そもそも体力が切れたのだ。傷も負いながらだったため、見た目以上にダメージが蓄積されていた。
「……ったく、この短期間で、こんな強くなるなんてな……。どんだけ妹好きなんだよ、このシスコンやろー。……合格だよ。」
自身の傷を癒し、その辺の木で即席のベッド(もちろん、毛布は無い)と椅子を作り、そのベッドに焔斗を横たわらせる。自分は椅子に座って、焔斗の治療を開始する。治療が終わって、目を覚ましたらすぐに魔界に向かう予定だ。戦闘が終わり、静かになった森にいる彼らを、爽やかな自然の風が包み込む。
今回はここまで!
いかがでしたか?
登場したif民モチーフのキャラは、
Revatainnさん(レーヴァテイン)
トモさん(トモ)
しゃろんさん(しゃろん?)
でした!
ありがとうございました!
次回
転移編最終話
『お兄ちゃん』
お楽しみに!